INDUSTAR 50



レンズの基本構成はインダステュール22と基本的に変わらない、沈胴が固定鏡筒に変わったと思えばよい。ゾルキー4、5、6型などの標準レンズとしてよく見かけるほか、全く同じ名称で一眼レフのツェニートの標準レンズとしても供給されている。そして、実際それらは同じものである。
レンズの分解の好きな方はご存知かも知れぬが、実は上の写真のゾルキー用の
インダステュール50が一本あればなんと4通りの使い方が出来るのである。言い換えれば、ゾルキー用の標準レンズを持っていれば、一眼レフ用のレンズは要らない。なんとも便利なレンズなのだ。もちろんそれだけ多種多様にそして永き年月にわたって供給され続けられるだけのことはあり、写りの方はお墨付きといってもよい。
下記に分解および使用例を掲載したのでご参照ください。

製 造 国
旧ソ連
マウント M39(ライカーL)
焦点距離・開放F値
50mm ・ F3.5
レンズ構成 3群4枚
最小絞・最短撮影距離 F16 ・ 1m
製造年度
1956〜73年
メーカー
KMZ
@レンズ後部横にある止めネジを外し袴の部分を外す。
A次にカム連動用のリングを外す(逆ネジなので右に回す)
BAで外したレンズ前部はそのままM39マウントのZENITに標準レンズとして使用(写真左)でき、後部の袴はZENIT用のM39マウントのレンズをゾルキーなどに使用するアダプターとして使用できる(写真右)。当然この場合は距離計は使用できないので、例えばミール1(37mm F2.8)のような広角レンズを目測にて使用するとよい。
*手元にあるもう1本の1977年製の黒鏡筒のINDUSTAR50は、M42マウントである
CM39マウントの一眼レフなんて持ってないという人は、M39→M42アダプターリング(左の写真参照)を介してM42マウントの一眼レフに使用する事が可能(厳密にいうと微妙に無限遠まで出ないが実用上はさほど問題にならない範囲)、更にアダプターを介せば殆どの一眼レフカメラに使用できる。
DM42マウントカメラの代表プラクチカにCの組み合わせで装着してみたところ。近年人気のパンケーキレンズの元祖? という雰囲気。