これは35mmフイルムにフルサイズのパノラマを写し込むカメラである。だが、富士(ハッセル)のTX−1のように大判用広角の一部を切り取るような画像ではなく、回転ドラムに28mmレンズを付けて結像面にスリットを設けてドラムを回転させながら円弧状のフイルムに写し込むタイプである。その特徴は水平120度という魚眼に近いような画角だが、画像の歪みも魚眼並みになる。故に一般的ではないのだが、何故だか現在でも後継機種のガリゾーント202が現行機種として生産されているのは驚きだ。もっとも、日本でもパノンカメラが40年以上も同じモデルを作り続けている。僕はこんなもの(と言っては失礼か?)よほどの病人でないと買わないと思ったのだが、世の中にはけっこう病人が居るのかも知れない。
フイルムの装填は、ファインダーを外して巻き戻しノブを引き上げて行うのだが、上の写真で見るようにパトローネ脇のスプロケットの後ろを通してからシリンダーに巻き付けるようにして巻き上げスプロケットの後ろを通して巻き上げ軸に差し込むのだが、ちょっとした慣れが必要かも知れぬ。
ファインダーは、上部に水準器が付いており、透し式になっており、その像がファインダー内部の鏡で見れるようになっていてなかなか親切な設計になっている。またファインダーそのものも非常にクリアーで見やすい。 |
製 造 国 |
旧ソ連 |
形式・タイプ |
スリットカメラ
35mmフルサイズ・パノラマ |
画面 サイズ |
24mm×58mm |
シャッター |
スリット式 1/30, 60, 125, 250 |
レンズ |
OF28P 28mmF2.8(固定焦点)
絞りF2.8, 4, 5.6, 8, 11, 16 |
ファインダー |
水準器内臓単体ファインダー付属 |
製造年度 |
1967〜73年 |
メーカー |
KMZ |
|