FLEXARET IV
フレクサレットはバリエーションの違いを除き1933年のI型から1971年のVII型にいたるまで製造されたメオプタ社の代表的なカメラのひとつである。メオプタと言えば短命ではあったが、ライカともコンタックスとも違うユニークなレンジファインダーカメラを造ったことでも有名だが、その技術力はフレクサレットにも活かされている。また、第二次世界大戦中はドイツが彼等の技術力に目を付け軍用の光学製品を供給させている。
そんなドイツとの関わりは同社のカメラにも反映されており、フレクサレットのモデルの中にはプロンターなどのドイツ製シャッターを搭載しているモデルもある。しかし、ここに紹介するIV型は全ての部品が自社製でレンズはテッサータイプのベラール80ミリF3.5にシャッターはメタクサが搭載されている。
同社の社史が紹介されているページを見ると前モデルのIII型はクランク式巻き上げなのにIV型からノブ巻き上げに戻っており以後最終型のVIIまでクランクは採用されていない。これはIVa型からローライキン同様の機構を内蔵し、135フイルムも使用できるようにしたことと関係があるのかも知れぬ。しかし、ノブ式巻き上げとはいえオートマット機能により面倒な赤窓確認もなく、二重露光防止機構も採用されているので操作性はすこぶる良い。
他のモデルとの比較だがIV型のみに採用されているのがレバー式のボディーレリーズである。一見すると良さそうなのだが、操作感はイマイチである。というのも、どこでシャッターが切れたか把握しにくいのである。その点が以後の製品ではそれまでのボタン式に改められた理由だろうか? しかしながらストロークが短くタッチが軽いので意外とスロー時でもブレは生じない。最初は違和感を覚えるかも知れぬが慣れればたいしたことはない。
その他のデメリットとしては時代的に仕方ないのかも知れぬがファインダーが暗いことである。
さて、肝心の写りだが素晴らしいのい一言に尽きる。私は写りの良さに前述してきたデメリットの全てをご破算にするだけの魅力があると思う。このカメラの元の価格は存じ上げぬがローライ辺りと勝負してもひけをとらぬのではあるまいか?画面では伝え切れぬが参考までに作例を数点別ページに儲けたので参照されたい。

メオプタ社略歴
1933年 前身のOptikotechna社チェコ初の引き伸ばしレンズを製造開始。1934-1937年は主に引き伸ばし機とレンズを製造1939-1945年の間、独逸軍向け測距離儀、ペリスコープ、双眼鏡、ライフルスコープを製造。1946年名称をOptikotechna から国営Meopta 社に改名。以後世界有数の引き伸ばし機、の映写機メーカーとして君臨。

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生産国       チェコスロヴァキア(現チェコ共和国)
メーカー      MEOPTA
使用フイルム   120(6x6cm)
レンズ       BELAR 80mm F3.5 最小絞りF22
           3群4枚 テッサータイプ
シャッター     B, 1, 1/2,5,10,25,50,100,200,400
           セルフタイマー付 METAX
最短撮影距離   1m
フイルム巻上げ  ノブ式 オートマット 二重露光防止付
フレクサレットによる作例