CHAIKA 2M







製 造 国
旧ソ連(現ベラルーシ共和国)
形式・タイプ
35mmハーフサイズコンパクトカメラ
画面 サイズ
24x18mm
レンズ MMZ製 インダスター69、28mm F2.8
シャッター
B、 1/30, 60, 125, 250  5枚羽リーフ
ファインダー
逆ガリレイ式、ブライトフレーム入り
製造年度
1970年代初頭
メーカー
BELOMO

なんてことはない35mmハーフサイズフレームのコンパクトカメラである。
チャイカとはロシア語でカモメを意味し、初期の1型、2型ではモデル名の真ん中の文字上にある横棒がカモメのシルエットになっていたが3型からは普通の表記になり型番もアラビア数字になっている。日本ではすっかり姿を消してしまったハーフ判だがロシア人はハーフが好きなのか?それともフイルムが高価なのか?今でもアガート18Kなどが造られている。だがアガートがまるでプラモデルのようなカメラであるのに対してチャイカは実に真面目にしっかりと造られており感心する。
話は前後するが、初めてチャイカが発売されたのは1965年で
日本でも盛んにハーフ判カメラが造られていたのだがチャイカは他のソ連製カメラのように何かを手本にした痕跡はなく全くのオリジナルと言ってよいだろう。1型はレンズ固定だが、2型になると何故かM39スクリュウで取り外し可能なレンズとなる。この2型は100万台、続く3型は追進式の露出計を内蔵して50万台を売ったと記述してある文献を目にするのだが、いったい何処へ消えたのか?あまり見かける機会のないカメラである。
さて、カメラ自体であるがこの2M型は3型から露出計を省いたもので2型というよりも3型と同じと見た方がよろしい。各部を見るとなかなか凝った造りに驚かされる。
先ずは前述したようにレンズが交換可能な点だ。しかし、実際に交換レンズを見た事はなくどの文献にも紹介されていないところをみると通常の使用に於いては供給されなかったのであろう。・・・と書くのは、Fantastic Camera Galleryの中村氏のページにゾルキ内田氏所蔵のマクロレンズ付き(焦点距離20〜40cmの近接撮影専用?)が紹介されているからだ。よく短絡的に外したレンズは引き伸ばし用と思う方がいらっしゃるが専用の引き伸ばし機でもないと使えない。またLマウントレンズもフランジバックが違うので使えない。となると、謎は深まるばかりで想像をかき立てられる。僕の想像では、メディカル用の記録等に使われたのでは?というものだがその辺りのアダプターなり記録は一切無いので不明だ。
次に凝っているのがファインダーでちゃんとブライトフレームが入っている。だけど、せっかく光学系ファインダーなのに中心部の像が歪むのには思わず笑みがこぼれてしまった。
続いて巻き上げだがボディー底部にあるレバーで行う。巻き上げ角は大きいがなかなか快適に巻き上げが可能である。なお、初期型ではシャッターダイヤルが軍幹部ではなくボディー背面にダイヤルの一部だけ出るようになっており、アクセサリーシューも無かったのでデザインはすっきりしていた。その基本メカを流用したのと露出計の組み込みのためにもレバーは底面に留まったのであろう。
一方の巻き戻しだが、左の写真を見て欲しい。なんとこれもボディー底部に配置され、しかもパトローネと同軸上にないのである。だが、うまい具合のギヤの組み合わせで非常に巻き上げが軽いのでクランク式ではないが軽快な巻き戻しが可能だ。
さて、肝心の使い心地だが目測も28ミリの披写界深度を活かして距離環にあるスナップマークに合わせるのみでパンフォーカス撮影するとサクサク撮れる。また、レリーズボタンがボディー全面にあるのでブレにも強く縦横いずれの位置でも使い易い。そしてレンズも定評有るインダスターで明るさも十分だで写りも申し分ない。造りがしっかりしているだけに重さはあるがお散歩スナップカメラとして最適な一台だと思う。

少しですが作例は こちら