ろしあんカメラ購入がいど

●先ずはその魅力について
ロシアの技術力の高さは誰もが認めるところであり、カメラ業界においてもある意味においては当てはまると思う。とかくコピー、コピーと馬鹿にする方もいるが、それは日本でも同じ事で特にバルナックタイプはかなりの種類が日本では作られた。しかし、ロシアの凄いところは、普通なら真似しないような複雑な機構をもコピーしてしまうところだ。このことはある意味で高い秘術力を持っていることの裏付けとも言えるのではないか?ただ、製造技術と品質管理がイマイチのところがあるのは、否めない事実だ。まあ写真はレンズでほぼ決まるのだから、なにも敢えてそんなカメラを使わなくても良いだろう。
では何で?ロシアンカメラなんぞに魅力を感じるのだろうか?これは一言で表現するのは難しいが自分の場合「出来の悪い子ほど親は可愛い」とでも言ったら分かるだろうか?言い換えるなら、ゲテモノ趣味とも言えるかもしれぬ。コピー機だからと、ライカやコンタックスのフェイクも作られているが、僕はあくまでフェトはフェト、ゾルキーはゾルキー、キエフはキエフとしての魅力があるように思う。これらはライカやコンタックスとは似て非なるモノという感じがするのだ。いずれにせよ基本設計は優れているのでキチンと整備
してやれば以外と調子よく働いてくれる。ただ、整備するにはそれなりのお金がかかる事は覚悟しなくてはならない。ただ、自分で出来る人にとってはこの上のない楽しみといえる。その点では等身大の模型のようなものとも言えるかも知れぬ。
一方で、ロシア製でしか手に入らない魅力というのもある。数少ないオリジナルカメラだ。レニングラード、ドルーク、キエフ10、ヴォストーク等はその代表例だろう。しかし、この領域に来ると普通の人には正直オススメできない(^^)。
さて、ここらで本題のタイプ別購入ガイドを簡単に述べてみたいが、先ずは全てに共通項目として、次の3点は基本中の基本です。
@同じモデルのカメラをできるだけ多く触って、調子の善し悪しを手で覚える事。(中古だから二度と同じモノは存在しない…なんてことは特にロシアカメラにおいてはまずないので焦らずに選ぶと良い、「急いては事をし損ずる」)
A店頭で動作チェックを怠らない事。動作チェックをさせてくれないような(最近そういう店があるがーー;)店では買わない。必ず自分でチェックしてから買うように。
B購入直後にテスト撮影をして駄目な場合に返品可能な事(返品可能期間は要確認)を確認してから購入する事(なお、2001年1月より施行の「消費者契約法」に基づき、返品不可の販売はできなくなるハズ)
FED&ZORKI

・初期のフェト

戦前のものは正にライカと似て非なるもので、微妙にフランジバックが異なるので戦前のオールドレンズ(50oF2や100oF6.3等)を楽しむのでなければオススメしない。買うときの注意点は下記ゾルキーに同じ。
・ ゾルキー
いわゆるバルナックタイプの代表機でよくあるフェイクライカもこれがベースになってる場合が多い。
@ファインダー: 買う場合は、レンズ付きでもボディーのみでもまともなレンズを1本持っていって装着してみよう。ファインダーが曇っていないか?二重像は上下がずれていないか?無限はちゃんと合わせられるか? をチェックしよう。 
Aシャッター: 巻き上げはスムーズに行えるか? 全ての速度がちゃんと動作するか? レンズを外して見てシャッター幕に弛みや傷、穴、カビ、窶れは無いか? シャッターを切った時に幕が踊っていないか? 巻き上げ時に先幕と後幕の重なりはキチンとしているか?などをチェック。 
B内部: 底蓋を外して見て、ロックはちゃんとしているか? スプールは入っているか?(コレがないと使えません) 中にフイルム片などが入っていないか(コレが多いってことは何か難があるかも知れぬし、フイルムゲートにゴミが多くフイルムが傷つく恐れもあるかも?)? 実際にフイルムを入れてみてちゃんと巻き上がるか(ごく希に先人が弄くった後に圧板が逆に付けられたってのもあるんです^^)? カウンターは動作するか? をチェックする。 
Cテスト撮影: 購入したら、36枚撮りを入れて、同じ条件下で全ての速度で撮影する。次にフイルムの途中で(最初と最後だと分かりにくいので)ボディーキャップをした状態(レンズマウントから光が入らないように)で明るい所に持ち出して2、3コマ送る(光漏れチェック)。ゾルキーC(エス)などはストロボ撮影も試みる。次いでTV画面をアップで全速度で撮影を2度繰り返す(シャッター速度チェック)。 以上が終わったら街の0円プリントで構わないから直ぐに現像して確認してみよう。特に光り漏れが有る場合は調整が難しいので返品した方が無難であろう。また、シャッター速度が不安定(2回のTV画面撮影で、1回目と2回目の帯の幅が違う場合)だったり、速度が正しくない(走査線の数を数えるのが正確な方法だが、簡単な方法としては、キチンと調整された横走りフォーカルプレーンのカメラでTV画面を撮影したフイルムをテンプレートとして使用するのが誰にでもできるのでオススメ)場合は、やはり返品か調整を頼もう。

KIEF・RFマウント

これに関しては、こちらの方が詳しいので下をクリックしてください(^^)。

KIEF CAMERA BUYING GUIDE

35mm一眼レフ

ハッキリ申し上げてオススメの機種はありません(^^)。国産の中古の方が安くて良いものがあるでしょうし、M42レンズを使いたいのなら、各種アダプターが出ているのでミノルタやキヤノンのボディーを使った方が良いでしょう。

6×6判一眼レフ
キエフ88(サリュートも同じ)
これに関しては、この方の方が詳しいのでこちらをご覧いただいた方が良いでしょう。
KIEF88WEB・PAGE

キエフ60(6Cも同じ)
こいつは本家?ペンタコンシックスの半額ほどで手にはいるのに、ファインダーはこちらの方が見やすいし視野率も9割ちかくあるので、こちらの方が本家よりオススメです。
@ シャッター:チェック等は前項ゾルキーと同じ要領で行ってみてください。ただ、巻き上げ時の注意として、途中で休まず一気に最期まで1動作で一コマ巻き上げるようにしてください。途中で止めるとトラブルの元になります。 
Aフイルム送り: 不要なフイルムを1本用意して装填したら、ウラ蓋を空けた状態で給送し、一コマ毎に裏紙にマーキングします。12コマすべて終わったら、フイルムを取り出してマーキングの間隔をチェックします。現像してからのチェックの方法もありますが、コマ送りのトラブルが多いこの機種の場合は、先ずはこのチェックが必要ですし、現像の手間も要りませんのでこの方法が簡単です(なお、使用したフイルムは巻き直して次回以降のチェックにも使えます)。なお、当然ながら巻き直したフイルムを再度入れて次は蓋を閉めてカウンターのチェックも致しましょう。

これらがOKでしたら購入後にゾルキー同様のチェックを行ってみてください。なお、こちらのテスト撮影の場合は、ネガでなくポジを使用した方が良いでしょう。そして、かならずレンズフードをちゃんと装着してチェックしてください。それでもフレアーが起きるようでしたらボディー内側の内面反射が考えられますのでこちらは自分で内部に反射防止用の布を張るなどして対処したら良いでしょう。