KONICA AUTOREX


ハーフ判撮影状態。左右にマスクがスライド扉の如く現れる。フイルム室のボディー下部が抉られ巻き上げ軸に多数のスリットを設けフイルム装填を容易にしている。
ペンタプリズム脇には明かり取り窓もあり実に親切。

まず、一般論の訂正だが、コニカの社史にも「1965年12月世界初35oAE一眼レフ、オートレックス発売」と期されているが、残念ながら前年の1964年に一足早くソ連からキエフ10が世界初のEE一眼レフとして発売されており、65年3月にはソユーズに搭載されて宇宙デビューまで果たしている。
それはさておき、こいつの一番の特長(いや特徴と言うべきか?)は撮影フォーマットの切り替えだろう。プリズム脇にある切り替えレバーによりハーフとフルサイズが使い分けられファインダー内にも表示が出る。これは撮影途中においても可能だが、ハーフからフルに変える場合は、切り替えてから巻き上げを行わないとコマがかぶる。また自動カメラなのだが、1966年当時の広告を見ると、自動絞り連動レンズは、標準以外ではF2.0 35o、 F3.5 135o、 F3.5 47−100o の3本のみでレンズラインアップにはプリセット絞りのレンズがまだある。もしも、廉価な24oレンズとかが供給されていたならば、もう少し成功していたかも知れぬ。
その他の特長は、@フラッシュシンクロ速度が当時としては画期的な1/125秒 Aイージーフイルムローディング機構の採用でフイルム装填が容易 Bファインダー内に自動設定絞り値を表示 があげられよう。
さて、使用感だがハーフとしてはハッキリ申し上げて使いよいとは言えぬ。フレーミングがし難いのである。では、通常のフルサイズとしてはどうか?巻き上げは重く、レリーズボタンのストロークも長く重たい。
なお、この機をTTLにして発展させたのがFTAであるがハーフ、フルの切り替えは装備してない。

製 造 国
日  本
形式・タイプ
フォーカルプレーンシャッター一眼レフ
外部測光式EE機構搭載
画面 サイズ
24x36mm & 18x24mm
シャッター
B、 1、1/2, 4, 8, 15, 30,125, 250,500,1000
X同調 1/125秒
COPAL製縦走り金属膜シャッター
ファインダー
ペンタプリズム式1眼レフ
自動撮影時絞り値を表示
製造年度
1965年
メーカー
小西六
参考資料:
1966年当時の雑誌広告のコピー(宣伝文句)

・シャッターチャンスをずばり…動く被写体や自然な表情を絶対に逃しません。コニカの技術陣が世界で初めて成功したフォーカルプレーン式EE機構、スピード感を十分楽しめます
・レバー切りかえひとつでフルサイズになったり、ハーフになったり。画期的なアイデアと大好評です。技術研究用の記録あるいは複写カメラ用として用いる場合なども枚数が多く撮れ非常に便利です。
・アクセサリーが豊富に揃っています。顕微鏡撮影から複写、超接写用のアクセサリー群がオートレクスの被写体の範囲をグンと広げ学術研究など、特殊な用途にも万全を期しています。
・海外・国内のカメラ誌で絶賛! USカメラをはじめ、国内すべてのカメラ誌が、カメラ発売と同時に注目、特集されました。

カメラ(現金正価)F1.8付    ¥42,500
           F1.4付    ¥49,500  ケース ¥2,500