このアンスコというメーカーは、現在では中国やタイ製のOEMばかりだが一応今でも自社ブランドでカメラを販売している。昔は大衆機から高級機まで造るアメリカの歴史あるメーカーなのだ。そんなアンスコだからこそ、かの有名なこ工業デザイナー、レイモンド・ローウィーにこのような大衆機のデザインを依頼できたのかも知れぬ。
氏のデザインは見た目の美しさだけでなく機能的にも素晴らしい。大衆向けカメラがどうあるべきかをキチンとおさえている。コンパクトカメラなら珍しくもないが、このような二眼レフにおいてケースレスでの仕様を可能にしている。さらに、前面のシャッター状の蓋を引き上げると上部のウエストレベル・ファインダーが自動的に立ち上がり、引き下げるだけでファインダーが格納される仕掛けを備え、2種類のフィルターまで内蔵している。
デザインとは機能のパッケージングであると思うのだが、まさにその手本とも言える作品だと思う。肝心のカメラとしての性能だが、こちらは大衆機ならではの性能といえるかも(^^)
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製 造 国 |
アメリカ合衆国
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形式・タイプ |
620フイルム使用2眼レフカメラ |
画面 サイズ |
60×60ミリ |
シャッター |
1速のみ |
ファインダー |
二眼レフ |
製造年度 |
? |
メーカー |
ANSCO |
かの有名なピースの鳩のデザインを行ったのが、アメリカの商業デザイナー、レイモンド・ローウィー氏である。昭和27年にデザイン料は150万円で、当時の内閣総理大臣の月給が11万円だったことから、
そのデザイン料がいかに高かったか分かる。 |
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