珠江(Pearl River) S−201



この辺りの造りはミノルタSR−2
そのものといった雰囲気である。

中国における最初の一眼レフとしては1958年の紫金山があるが、これはロシアのゼニットによく似ている。だが、手本が何かは定かではない。造りとしてはバルナックタイプのボディーにミラーボックスを付け足した感じだがミラーは常時上に上がった状態で、レバーで引き下げて撮影するようになっている。だが、オリジナルな雰囲気があり好感が持てるというものだ。次いで造られたシーガル、上海などDFシリーズ(1964年)は急に方向転換をしてミノルタのSR−2を手本に内部のパーツ類に至るまで完璧にコピーして作った。確かに、この方が手っ取り早いのは言うまでもない。そして、それが縁なのか現在では本家?ミノルタ製品もシーガル関連工場で造られている。これは、かつて日本のカメラメーカーがライツを模してカメラの製造を始め、後にライカにOEM供給したのと似ている。カメラ界の輪廻か?
さて、ここに紹介した珠江S−201だが前記のDFを元にシステムカメラとして発展させたようだ。開発は紹介の明光の他に金光、永光、ともう一社(漢字が出ない)の4社連合により開発され1972年にデビューしている。システムとしてはニコンFを手本としたようで、結果としてミノルタとニコンを足して割ったような容姿をしている。また、驚くことに現在でも現役でラインアップされておりここで取り上げた明光製もごく最近の製品である。これは一眼レフ界のシーラカンスと呼んでもよいのではないか。ただ、品質は当初のものよりも格段にアップしているように思う。かつて自分が始めて出会った時はファインダーも暗くレンズ描写もいまいちであった記憶がある。ところが、最新版?を手にしてみるとファインダーは明るく、レンズ性能(作例参照)もかなり向上したようだ。なお、初期においてはニコンを意識してニッコールそっくりのデザインであったレンズ鏡胴だが、現在はペンタックスにソックリとなっている。というのも、同一工場で製造されている主力製品がペンタックスK1000のコピーであるMCK―1000に移行したために、そちらのレンズが転用されているようだ。よって、現行品はミノルタとニコンとペンタックスのあいのこのような容姿になっており不思議な雰囲気を醸し出している。
先にステムカメラと書いたがニコンのようなモータードライブは無く、ファインダーが交換式でこれまたニコンそっくりのウェストレベルファインダーが用意されているくらい。また、アクセサリーシューもニコン同様に巻き上げノブの部分に差し込む形式になっている。但し、ニコンとは互換性は無い。
使い心地だが、懐かしいの一言に尽きるのだが各部の操作は非常にスムーズでシャッターダイヤルも指一本で操作可能なほどスムーズであり、お手軽なマニュアル機として実用性は非常に高い。ただ、ミノルタマウントなのだがMDマウントとは似て非なる部分もありMDレンズを装着しようとしたところ絞り連動ピンがひっかかり装着できなかった。だが、当機の場合は、MDよりもマウントアダプターでも介してM42マウントレンズなどを装着した方が似合うかも知れぬ。


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 製 造 国
 中華人民共和国
 形式・タイプ
 35mm 一眼レフカメラ
 画面 サイズ
 24x36mm 
 シャッター
B, 1, 1/2, 4, 8,15,30, 60,125, 250, 500,1000 
M, X接点(1./60以下同調)、セルフ付き

布幕横走フォーカルプレーン
 ファインダー
 ペンタプリズム式一眼レフ
中央部スプリット&マイクロプリズム
 製造年度
 1972年〜
 メーカー
 国営明光兵器廠
    
   上はプリズムを外したところ&下は外したプリズム