メーカー:UNIVERSITY 名称: MODEL308
形式:フルレンジ メカニカル2ウェイ+ツイータ サイズ(口径):20cm
周波数特性: 50-15000hz クロスオーバー: 5000hz
これはユニバーシティーの1957年のカタログに載っていたので50年代後期のものと思う。左の写真だけを見ると38cm口径くらいあるんじゃないと見違うばかりの立派な顔立ちのスピーカーである。そして、私がこいつを買ったきっかけも、この見た目に因るところが大きい。
エッジは見てのとおりフィックスドタイプで薄くダンプ剤が塗ってある。そしてコーン中央部分にユニバーシティーお得意のディフージコーン(サブコーン)が貼ってある。このサブコーンの特徴は沢山の穴が開けられたエッジがメインのコーンに接着してあることだ。このことでコーンの剛性はかなり高く保たれている。
カタログデータによるとツイーターのクロスオーバーは5000ヘルツであり構成的にはフルレンジ+スーパーツイータといった感じだろうか。
後姿も実に美しいと思うのは私だけだろうか?
インピーダンス8-16Ωとあるのは、当時のアンプが真空管だったので8Ωないしは16Ω出力に適合するという意味であろう。
横に付いている大きな筒状のものはペーパーオイルコンデンサーで実測4μFあった(8Ωで5kクロス)のでまだ健在のようだ。
ネットワーク回路はこのキャパシタ一個のみのシンプルそのもの。ターミナルはしっかりしたネジ式でこの塗装といい作りは全体的に高級感が漂う。重さも2.7kgほどあり20cm口径としてはけっこうな重量だ。
横からみると良く分かるが、ホーンは貫通式で磁気回路も完全に独立している。ちなみにウーハー側のマグネットはユニバーシティー独自のW型マグネットを採用している。もちろん両方ともアルニコマグネットである。ちょっとこの写真では解かり難いと思うがウーファーのダンパーはかなりしっかりとした布製のものがあしらわれている。フレームは見ての通りの鉄板プレスだが20cm口径としては必要十分な強度と剛性も保っており全体にしっかりと組まれている。
さて、肝心の音だが公称50ヘルツの低域だが聴感的には100くらいの印象があり低音は少々軽い印象だ。バスレフボックスに入れて使用するのが良いのかも知れぬ。対する中高域は実に気持ちよく抜けるので高域が15000までとは思えぬほどである。特にボーカル域は20cm口径の得意とする領域ということもあるが実にうまく聞かせてきれる。
そんなわけで私は現在このユニットをホームシアターのセンタースピーカーとして使用している。オーディオ用途に仕様する際はスーパーウーファーを追加することでこのユニットの魅力が更に増すのではないかと思う。
その他のスピーカー一覧へ