メーカー:ALTEC 名称: 409B
形式:フルレンジ 同軸型2ウェイ サイズ(口径):20cm
周波数特性: 50-14000hlz その他: フェライトマグネット
アルテックのロングセラー409シリーズの初期のもので日本では70年ごろに輸入元であるエレクトリがバスレフボックスに入れてDIGという名で売り出し大ヒットした。元々は天井や壁に埋め込んで使用するPA用のものだが音楽用としても素晴らしい特性を持っておりディグが売れたのも頷ける。フレームに付いたツバ状の部分はマッチングトランスを装着するためのものでPA用であったことを物語っている。
構成としては20センチフルレンジにキャパシタ1個をかましてコーン型ツイーターを追加した形になっており、同社から出ていたシングルコーンの403にツイーターを追加したものと思ってよいだろう。PA用なので高域は欲張っておらず14000ヘルツまでしか出ていないが不足感はない。ツイーターを支えている鉄板の穴はディフューザーと言われているが疑わしい。実際に後継機の409Dなどではこの細工が無くなっている。
さて、肝心の音だがスピード感あふれ実に明るく元気の良い音である。安っぽい感じのユニットだが人気の秘密が一聴しただけでわかる。そして、今でも殆ど変わらぬ設計で後継機が作られている事もうなずける。エレクトリがこのユニットを入れたスピーカーをディグと名づけたことも良く分かる。これで聴くジャズはなかなかどうして大型のスピーカーで聴くのとは別の魅力がある。
なお、ディグはバスレフであったがアルテックの資料を見ると音楽用に使う場合の指定箱は密閉型になっている。私も密閉箱に入れてみたが十分な低域が得られた。
なお、ある雑誌にエレクトリでDIGを企画した方の記事が載っていた。かいつまんで言うと、当時アルテックには日本の家庭用に売れるような製品が無く悩んでいた時に手元にあった409を冗談でA7の箱にサブバッフルを着けて鳴らしたら凄く良く、知らない人は本物のA7だと思ったほどだったらしい。そこで試行錯誤の結果生まれたのがDIGだったそうだ。
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