メーカー:GOODMANS 名称: AXIOM 112
形式:フルレンジ サイズ(口径):25cm
周波数特性:50-15000ヘルツ
その他:アルニコマグネット
センターキャップは布製 コーンの形状はタンノイに似ている?
筆記体で Goodmans of England と書かれた銘板がなんだか誇らしげに見える(日本製に「ニッポンの○○」と記載はないだろう) アルミダイキャストの堅牢なフレーム

古くからのオーディオファンでグッドマンの名を知らない人は少ないと思うが、鳴らすのが難しいという印象が強いのではないだろうか。それは、アキシオム80というモデルがあまりのも有名なせいで、アキシオム80=グッドマンと思っていらっしゃる方が多いためであろう。ある意味で画期的なそのスピーカーはうまく鳴れば素晴らしいが、なかなか一筋縄ではいかない。このことはオーディオ評論家の瀬川氏が一生悩みたければ購入するがよいと書いているほどだ。
さて本題に入るが、このアキシオム112も同じアキシオムという名称が付いているのだが、これは同社のブランド名のようなものでフルレンジスピーカーの多くにこの名称が付いておりアキシオム80とは全く異なるということを始めに記しておく。いずれのモデルも強固なダイキャストフレームと強力なマグネットで構成され作りの良さが見て取れる。この112も25cm口径ながら手に取るとずしりと重い。コーンは横から見ると、少しきつめのカーブを描いておりショートホーンのような形状であり剛性が高く質量もある。一方の磁気回路は大き目のアルニコでこのコーン紙をドライブするのに全く不足はない。エッジはフィックスドタイプにビスコロイドが塗布してあるタイプ。センターキャップは布製を樹脂で固めてあり爪で弾くとカツンカツンと高い音を響かせる。フレームはアルミダイキャストにグレーの塗装が施されており、ガスケットの表面にはえんじ色のフエルトが貼ってあり、シングルコーンのフルレンジとしては高級な佇まいだ。
以上が外観上の印象だが、さてこのユニットをどのようなエンクロージャーに収めようか。あちこち資料を探ってみるとアキシオム201と100の推奨エンクロージャー図面が出てきた。いずれもバスレフなのだが巨大なポート開口部を持っている。それぞれのユニットの資料はないが、推測するにその面積は振動板の有効振動面積に匹敵する。そこで手持ちユニットの振動板を測って適当に作ってみたところ、なかなかどうしてうまく鳴ってくれるではないか。念のために測定してみると、公称通り50−15000ヘルツまでほぼフラットに出ていることが分かった。また、同社のエンクロージャー説明文の記述に「十分な低音を再生するが、あくまで自然でボンボンすることはない」とあるとおり50から下はすんなり落ちており、低音域のピークも大きくない。高域は15000からなだらかに下降し18000近くまでは再生していることが見て取れる。
音の印象だが、非常にスピード感溢れる音でドラムなど打楽器のヌケは特筆ものだ。また高域も全くツイーターの必要性を感じないほど伸びがあり25センチのシングルコーンとは思えないほどだ。だが、けして喧しくなく心地よい高音である。一言で言うと非常にバランスの良い音で全体にヌケがよくスカッとした爽やかさがある。ハッキリ申しあげて私のベスト3に入るユニットだ。また、ジャンルもそれほど選ばずオールラウンドに聴けるが、特にビアノは音の粒立ちが良く最高だ。

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