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中国製カメラというと最近の方では「今や日本ブランドでも殆どが中国製じゃないか」と思い浮かべることでしょう。そして今や世界一と言えるほどの生産量(そして品質も)を誇っています。そんな中国のカメラ産業ですが、以外と資料が少ないので驚かされます。そのような存在に惹かれて市場を眺めていると中国ブランドのカメラに目が留まるのであります。 そのひとつがここに紹介する鳳凰JG-301である。コンパクトカメラに詳しい方なら一見して「これはコニカC35FDのコピーじゃないか」と分かるほど全く意匠は同一である。また、この事はメーカーである鳳凰光機のHPにも記載されている。だが、無断コピーなのか何らかの技術提携があったのかは定かではない。というのも、肝心なシャッターはオリジナルと同じコパル製であり、レンズおよび鏡胴周りの造りがボディーと比べると極端に良いのである。勿論写りも素晴らしくコニカにひけを取らない。もしや、鏡胴、レンズ、シャッターの一連のユニットは日本から海を渡って組み付けられたのではないか?と思うほどだ。ところが逆にボディーの造作はお世辞にも良いとは言えない。フイルム室を覗くとボディーの骨格部分がアルミダイキャストで出来ているのだが所謂"すがはいっている"感じ。また、レリーズボタンも巻き上げレバーもガタがある。1981年当時の品質を物語る一品だ。 中国語のページをいろいろと紐解いてみると当機は中国初のAEカメラだとの記述があり1979年に試作が始まり81年に市販されたとある。また、建国30周年記念カメラとして党幹部に配られたそうだ。そういえば型番のJGというのをどこかで見たと思ったら最近では安原一式と兄弟カメラがJG−50として建国50年を祝って配られている。ちなみに1997年の香港復帰記念の時は205特と銘打って205のゴールド版が出た。 なお、301シリーズは、このあと83年に当機をマニュアル仕様にした301−Mと205シリーズのレンズを換装した301Bを出したとの記述がある。ただ205シリーズが細かな改良を加えながら現在に至っているのに対して短命に終わっているようだ。なお、300シリーズはこの他にアグファ・オプチマ535を模した302が83年にリリースされているようである。 |
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