SAP R/3 4.6B (UNIX/Oracle) R3COPY 概要


初版作成日 2003/11/4


(1) R3COPYとは

R3COPYとは、SAP R/3を他のハードウェアへコピーする手法のひとつ。 以下、コピー元(source system)をsource、コピー先(target system)を targetと表記する。 主な条件として以下がある。 Oracleレイヤとしては、データファイルをリストアし、 create controlfile reuseで制御ファイル復元、 というのが大まかな流れ。 targetのホスト名を変更する場合は、追加でいくつかの調整を 必要とする。

ちなみに、RDBMSを変更する場合はR3LOAD(データベースのexport/import) という手法を用いる。

(2) 全体の流れ

作業の全体の流れは以下のようになる。
1. 準備・計画(OSパラメータの調整やディスク容量の見積もり)
2. targetのOS準備
3. R3COPY
3.1 sourceでR3COPY実行
3.2 sourceでバックアップ
3.3 targetでR3SETUP実行
3.4 targetへリストア
3.5 targetでR3COPY実行
3.6 targetでR3SETUP再開
4. 事後調整

(3) R3COPY概要

1. 準備・計画

ドキュメント、R/3ノートを徹底的に読んでおく。作業の全体の 流れをつかみ、システム停止期間を見積もり、利用者に提示する。

2. targetのOS準備

スワップ、OSパッチ、必要なソフトウェア(Runtimeなど)、 ファイルシステムなどをあらかじめ準備しておく。

3. R3COPY

sourceでのR3COPY実施によって、CONTROL.SQLというファイルが 作成される。このファイルには、targetでcreate controlfile reuse する際に必要となる情報(データファイルのパスやMAXDATAFILESの値など) が書き出される。

targetでのR3SETUP実行では、R3COPY用のステップ定義ファイルを 指定する。新規インストールと同様、R/3カーネルやOracleの インストールが行われる。新規インストールではその後、 SAPのEXPORT-CDからデータの取り込みへと進むが、R3COPYでは Oracleデータファイルをリストアするよう指示が出る。

targetでのR3COPY実行によって、targetにて制御ファイルが 復元される。このとき、sourceで作成されたCONTROL.SQLが 利用される。

最後に、Oracle内部のユーザパスワードなどを調整。

4. 事後調整

調整用トランザクション実行、指定されたログ系テーブルのdelete、 ジョブ・プリンタの再定義、RFC,TMSのチェックなどを行う。
2003/11/4 Taikou Yamada (t-yamada@ceres.dti.ne.jp)