SAP R/3 4.6B (UNIX/Oracle) R3COPY 概要
(1) R3COPYとは
R3COPYとは、SAP R/3を他のハードウェアへコピーする手法のひとつ。
以下、コピー元(source system)をsource、コピー先(target system)を
targetと表記する。
主な条件として以下がある。
- targetが、sourceとバイナリコンパチのある同等OS
- R/3リリース、RDBMSとそのバージョンを変更しない
Oracleレイヤとしては、データファイルをリストアし、
create controlfile reuseで制御ファイル復元、
というのが大まかな流れ。
targetのホスト名を変更する場合は、追加でいくつかの調整を
必要とする。
ちなみに、RDBMSを変更する場合はR3LOAD(データベースのexport/import)
という手法を用いる。
(2) 全体の流れ
作業の全体の流れは以下のようになる。
- 1. 準備・計画(OSパラメータの調整やディスク容量の見積もり)
- 2. targetのOS準備
- 3. R3COPY
- 3.1 sourceでR3COPY実行
- 3.2 sourceでバックアップ
- 3.3 targetでR3SETUP実行
- 3.4 targetへリストア
- 3.5 targetでR3COPY実行
- 3.6 targetでR3SETUP再開
- 4. 事後調整
(3) R3COPY概要
1. 準備・計画
ドキュメント、R/3ノートを徹底的に読んでおく。作業の全体の
流れをつかみ、システム停止期間を見積もり、利用者に提示する。
2. targetのOS準備
スワップ、OSパッチ、必要なソフトウェア(Runtimeなど)、
ファイルシステムなどをあらかじめ準備しておく。
3. R3COPY
sourceでのR3COPY実施によって、CONTROL.SQLというファイルが
作成される。このファイルには、targetでcreate controlfile reuse
する際に必要となる情報(データファイルのパスやMAXDATAFILESの値など)
が書き出される。
targetでのR3SETUP実行では、R3COPY用のステップ定義ファイルを
指定する。新規インストールと同様、R/3カーネルやOracleの
インストールが行われる。新規インストールではその後、
SAPのEXPORT-CDからデータの取り込みへと進むが、R3COPYでは
Oracleデータファイルをリストアするよう指示が出る。
targetでのR3COPY実行によって、targetにて制御ファイルが
復元される。このとき、sourceで作成されたCONTROL.SQLが
利用される。
最後に、Oracle内部のユーザパスワードなどを調整。
4. 事後調整
調整用トランザクション実行、指定されたログ系テーブルのdelete、
ジョブ・プリンタの再定義、RFC,TMSのチェックなどを行う。
2003/11/4 Taikou Yamada (t-yamada@ceres.dti.ne.jp)