Archive-name: shogi-faq
Version: 1.01
「将棋FAQ」 Ver1.01 1995/03/23
この将棋FAQは過去にfj.rec.gamesや将棋MLで出た質問等を参考にし、また
独自の質問を追加して将棋MLのメンバーによって作成されました。
このFAQに間違いや追加したい質問等がありましたらこのFAQの取りまとめを
している白井(shiro@ocean.ie.u-ryukyu.ac.jp)まで連絡いただければ
できる限りFAQを更新していきます。
このFAQの著作権は将棋MLのメンバーにありますが、改変を加えなければ著作権者に
連絡無しで再配布/転載してもかまいません。
Q1: この FAQ の最新版はどこから入手できますか?
A1: 毎月最新版がfj.archives.answersとfj.rec.gamesに投稿されて
います。またAnonymous FTP(*a)でも入手できます。
(*a ftp://fish.kk.info.kanagawa-u.ac.jp/pub/games/shogi)
Q2: 将棋MLについて教えて下さい。また参加方法も教えて下さい。
A2: 毎月投稿されている月刊ML紹介より抜粋しました。これを参考にして下さい。
Format:
1. MLの名称
2. MLの目的、活動内容、説明など
3. 参加資格
4. トラフィック(一日何通位とか、少ないとか)
5. 参加希望の場合の連絡先(E-Mailアドレス)、ガイドの取り寄せ方法
6. その他 言いたい事など
1. 将棋メーリングリスト
2. 将棋に関する雑談
メールによる将棋対局
メール将棋対局サーバの開発(現在 ver.0.3 が動作中)などなど。
3. 将棋が好きな方。
4. 一日0〜20通ぐらい
5. shogi-admin@kk.info.kanagawa-u.ac.jp
6. 将棋に関する雑談(最近の棋界の話、コンピュータ将棋の話など)
が中心です。将棋メール対局サーバ、棋譜フォーマット変換ツールの
開発を手伝って頂ける方も募集しています。(^o^)/
自動登録ではないので、上記アドレスへのメールは日本語でどうぞ。
本文に # guide とだけ書いたメールを
shogi-cmd@kk.info.kanagawa-u.ac.jp
宛に送ると、案内を送ります。
メールのまとめ送りに対応しました(^^)。これを使えば
1日2通、メールが届くだけなので、NIFTY などからも参加可能です。
まとめ送りを希望される方は、参加希望メールにその旨を書いて下さい。
Q3: 将棋のルーツ、歴史等について教えて下さい。
A3: 将棋の発祥の地はインドといわれています。ペルシアを経由したものが
西洋に渡ったものが西洋将棋(チェス)となり、中国を経由して日本に渡った
ものが(日本)将棋となりました。中国から日本に伝わった時期はおよそ8世紀
ごろだといわれています。日本に入ってから日本独自の発達(駒の再使用可能
等)をして現在の(日本)将棋となりました。
Q4: チェスとはどう違うのですか?
A4: チェスと将棋の違う点は次の通りです。
チェス:盤の大きさは8*8、駒の種類は6、駒数は32、取った駒は再使用不可。
将棋 :盤の大きさは9*9、駒の種類は8、駒数は40、取った駒は再使用可。
Q5: 千日手の規定を教えて下さい。
A5: 千日手は同一局面(手番、持ち駒も同じであること)が4回出現すると
先後を入れ換えて指し直します。ただし連続王手の千日手は王手を掛けている
方が敗けになります。
Q6: 持将棋の規定を教えて下さい。
A6: 持将棋は双方の玉が相手陣内に入っており詰む見込みがなければ持将棋にな
ります。持将棋になった場合次の規定にしたがって勝敗を決定します。
飛車と角を5点、その他の駒を1点とします。(玉は除く)
そしてそれにしたがって持将棋になった局面で点数を計算します。
もし点数が24点(*b)に満たない者がいればその人が敗けです。
双方が24点(*b)以上ならば引き分けになります。
(*b 正式なルールは24点ですが、アマチュアの大会では27点とする場合があり
ます。)
Q7: 振り駒について教えて下さい。
A7: 対局を始める前に先後を決めますが、その方法は振り駒を用います。
振り駒は上位者(年配者)が歩を5枚振り、表が3枚以上出ていれば駒を振った
人が先手、裏(と金)が3枚以上出ていれば振った人が後手になります。
プロの対局の場合予め先後が決まっていない場合は、記録係が上座の棋士の歩
を振り先後を決めます。
Q8: 将棋が強くなるためにはどうしたらいいのでしょうか?
A8: 簡単に将棋が強くなる方法はありません。次に示す方法を続けると
少しづつ強くなっていくはずです。
・ 定跡を(できるだけ)理解しながら覚える。
・ (簡単な詰将棋でもいいから)詰将棋を多く解く。
・ 次の一手問題を多く解く。
・ できるだけ実力の近い人と多く指す。もし実力の離れている人と指す場合
は駒落ちで指す。
・ 棋譜を多く並べる。
Q9: 強い将棋のソフトは何ですか?
A9: 市販のソフトでは次の4つが強いです。そのソフト名と1995年3月1日現在
わかっている動作機種を示します。
極……………(PC98,DOS/V,PSでは95/4に発売予定)
森田将棋……(ファミコン,スーパファミコン,PC98,DOS/V)
柿木将棋……(PC98,WINDOWS,MAC,PS,SSでは95/4に発売予定)
AI将棋………(PC98,WINDOWS,MAC)
上のソフトの特徴は基本的に極、森田将棋が長考派のタイプで、柿木将棋、AI
将棋が早指しのタイプです。(もちろん同機種での比較です)
棋力はだいたいアマチュアの初段ぐらいです。
上の4つのソフトにコンピュータの弱点を突かないてどの戦法でも勝てれば
初段以上の実力があります。
また公開されているフリーソフトでGNU-SHOGI(MS-DOS,UNIX,MAC)があります。
実力の方は上に示した市販ソフトには劣りますが、ある程度の実力はあります。
GNU-SHOGIの入手場所は主なGNUのミラーサイトなどにあります。(*aでも入手
可能です。)
Q10:棋譜の正確な表記方法を教えて下さい。
A10:(将棋連盟で棋譜の正確な表記方法を検討しているようですが、
まだ正式には決まっていないようです。)
棋譜の表記方法は基本的には移動先の場所にその駒の名前を書きます。
例えば7七の歩を7六に移動させると表記は7六歩となります。
上の表現では一意に決まらない場合例えば5九と4九に金がある
場合です。その時に金を4八に動かした場合、表記を4八と書くとどの金が
動いたかわかりません。そこで棋譜の表記が一意に決まらない場合は
次の規則にしたがって棋譜を表記します。
(ここから後はfj.rec.gamesで樋口@日立さん(higuchi@sdl.hitachi.co.jp)が
書かれたものを一部抜粋、編集しました。)
以下の説明は、文献を基にしているものではないことを御了承ください。
ひとつのマス目に2つ以上の駒が行ける場合などは、次の(1)(2)(3)の順で
区別して表記します。
(1)左と右と直:左側の駒を(右へ)動かす時「左」
右側の駒を(左へ)動かす時「右」
駒を1つ上のマス目に動かす時「直(すぐ)」
(2)上と引と寄:(下側の駒を)上へ動かす時「上(あがる)」
(上側の駒を)下へ動かす時「引(ひく)」
駒を真横のマス目に動かす時「寄(よる)」
(3)成と不成:駒が成る時「成(なる)」
駒が成れるのに成らない時「不成(ならず)」
また、同種の駒が動くことのできる地点に駒台の駒をを打つ場合には、
「打(うつ)」を表記します。
...以上で、全ての場合が尽くせます。
なお、「行(ゆく)」は、角(馬)や飛車(竜)が前に進む時に用いますが、
「上」に含まれます。
Q11:将棋の棋譜管理ソフトにはどういうものがありますか?
A11:フリーソフトではKIFU(MS-DOS汎用),KIFUG(PC98用),
KIFU/WIN(MS-WINDOWS用),KIFU/MAC(MAC用),棋泉等があります。
棋泉の公開場所は駒音ネット(アクセス番号は03-3819-7371、
問い合わせ番号は03-3819-7623)です。
棋泉を除いたソフトはNIFTYのFSHOGIなどで入手可能です。
また上で示したソフトの内、KIFU/MAC,棋泉を除いたソフトが(*a)で
入手可能です。(注:今はまだ置いていません)
市販ソフトでは赤富士と新赤富士(PC98用)があり
ポニーキャニオンから発売されています。
またその専用データで各年度の将棋年鑑棋譜集が別売りされています。
Q12:インターネット上で将棋に関する情報を得るにはどうしたらいいのでしょ
うか? (ML, news, WWW など)
A12:将棋に関するMLには次のものがあります。
・将棋ML(Q2を参照)
・Shogi-ML(将棋MLの外国版。listserv@technion.bitnet に SUB SHOGI-L と
だけ書いたメールを出すと参加できます。)
・コンピュータ将棋協会[CSA]ML(CSAに加入すれば入れます。詳しくは
kotani@cc.tuat.ac.jpさんに問い合わせして下さい。)
またnetwork newsでは主に次のところで将棋の話題が出ます。
・ fj.rec.games
現在WWWではどこで情報が得られるかはわかりませんが、将棋関係のURLは
次のようなものがあります。
(将棋MLホームページ)
・ http://www.kk.info.kanagawa-u.ac.jp/~conan/shogi/index-j.html
(Shogi-MLのユーザ rjhare@ed.ac.uk による将棋ホームページ)
・ http://www.ed.ac.uk/~rjhare/shogi/intro.html
IRC(Q13を参照)では将棋チャネル(#将棋)で将棋に関する話題が話されています。
Q13:インターネットで将棋を指す方法にはどういうものがありますか?
A13:次の方法等が考えられます。
1 将棋メールサーバを用いてメールで対局をする。この方法はメールの
やり取りだけで対局するので、パソコン通信やUUCPサイトからも
対局可能です。現在はシステムの都合上将棋MLのメンバーしか利用できま
せん。
2 ISS(Internet Shogi Server)で対局をする。ISSの詳細はQ14を見てください。
3 IRCの将棋チャネルで対局をする。IRCの最新のドキュメントは
"doc-request@irc.kyoto-u.ac.jp"に空のメールを出すと自動的に手に入れる
ことが可能です。
4 双方がXの環境であればフリーソフトである x2shogi や xshogi を用いれ
ば通信対局が可能となります。いずれも(*a)で入手可能です。
Q14:ISSについて教えて下さい。
A14:ISSとは Internet Shogi Server の略でtelnetを利用した将棋サーバです。
インターネット版将棋クラブと考えて下さい。
残念ながらtelnetが使えないuucpサイトなどからは利用できません。
利用方法は "telnet igs.nuri.net port 6969" とすると説明がでますので
わかると思います。もし xshogi がありましたら "xshogi -iss" として下さ
い。
Q15:コンピュータ将棋について詳しく知りたいのですが、参考文献等は
ありますか?
A15:コンピュータ将棋に関する本は次の本があります。
小谷善行他著,”コンピュータ将棋”,サイエンス社,1990
松原仁著,”将棋とコンピュータ”,共立出版,1994
Q16:将棋の雑誌にはどのようなものがありますか?
A16:1995年3月1日現在、次の雑誌が発行されており、販売日と発行者は次の通りです。
(注:発売日は月によっては変わることがあります。)
将棋世界……………毎月7日発売の月刊誌。日本将棋連盟発行。
近代将棋……………毎月6日発売の月刊誌。近代将棋社発行。
将棋マガジン………毎月23日発売の月刊誌。日本将棋連盟発行。
週刊将棋……………毎週水曜日発売の週刊紙。日本将棋連盟発行。
NHK将棋講座……毎月16日発売の月刊誌。日本放送出版協会発行。
詰将棋パラダイス…毎月1日発売の詰将棋専門月刊誌。詰将棋パラダイス
編集部発行。会員のみに販売されるが将棋会舘など
一部の場所で買うことが可能。
Q17:プロになるにはどうしたらいいのでしょうか?
A17:今の制度ではプロになる方法は1つしかありません。
まずプロ棋士の養成機関である奨励会(正式名称:社団法人日本将棋連盟
附属新進棋士奨励会)に入る必要があります。
奨励会は6級(成績不振の場合は7級以下になる場合もあります)から三段に
分かれています。そして三段同士の半年間のリーグ戦で上位2人のみが
プロ棋士になれます。
Q18:奨励会に入りたいのですが資格等は何ですか?
A18:奨励会の入会資格は一定の棋力(アマチュア四,五段程度)が必要です。
また年齢制限があり最高でも19歳までしか入ることはできません。以上の資格
等が成立し原則として毎年1回の試験に合格すれば奨励会に入ることができます。
Q19:女流棋士になるにはどうしたらいいのですか?
A19:まず女流育成会(Q20を参考)に入る必要があります。そこで半年間のリーグ戦で
トップになった人だけ(場合によると連続二期次点の人も)が女流棋士(女流2級)
になれます。
Q20:女流育成会に入りたいのですが資格等は何ですか?
A20:25歳未満の女性でアマチュアの初段程度の実力がありプロ棋士の推薦があ
れば無試験で入ることができます。
Q21:プロの年収はいくらでしょうか?
A21:平成6年度の年収(対局料と賞金のみ)のトップは羽生名人で金額は
約1億円でした。棋士全員の年収は公開されていないため詳しいことは
わかりませんが、成績の下位の棋士は対局料のみでは生活できないと
思われます。
Q22:順位戦の仕組みを教えて下さい。
A22:順位戦は原則的に全棋士が参加する棋戦です。上から名人,A級,B1級,B2級,
C1級,C2級,フリークラスの7つのクラスに分かれており、各棋士(名人,フリー
クラスを除く)はクラス内の人と毎年約10局を指します。そしてその結果より
下の図のように棋士の昇級、降級があります。
+----+ (*1)+--+(*2) +--+(*2) +--+(*3) +--+(*3) +--+(*4) +------------+
|名人| --> | A| --> |B1| --> |B2| --> |C1| --> |C2| --> |フリークラス|
+----+ <-- +--+ <-- +--+ <-- +--+ <-- +--+ <-- +--+ <-- +------------+
(*5) (*6) (*6) (*6) (*7) ↑ (*8)
└─────┐
(*1) 名人戦で敗れたらA級になる。 |(*9)
(*2) 成績下位2人は下の級になる。 +----------+
(*3) 降級点(成績下位5人)を2回とれば下の級になる。 |奨励会三段|
(*4) 降級点(成績下位9人)を3回とればフリークラスになる。 +----------+
(*5) 優勝者が名人位に挑戦できる。そして名人戦で勝ったら名人位になる。
(*6) 成績上位2人が上の級になる。
(*7) 成績上位3人がC1級になる。
(*8) 全ての棋戦の成績がある一定の条件になればC2級に上がれる。
(*9) 半年ごとに成績上位2人がC2級(プロ)になる。
Q23:タイトル戦にはどのような棋戦がありますか?
A23:現在7つのタイトル戦があります。また女流のタイトル戦は4つあります。
タイトルには次のものがあります。
名人戦……毎日新聞社主催。一番歴史のあるタイトル。
竜王戦……読売新聞社主催。一番優勝賞金が高いタイトル。(賞金3200万円)
棋聖戦……産経新聞社主催。
王位戦……北海道新聞など6社共同主催。
王座戦……日本経済新聞社主催。
棋王戦……北海タイムスなどの21社の共同主催。
王将戦……スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社共同主催。
また女流タイトル戦には次のものがあります。
女流プロ名人位戦………報知新聞社主催。女流での始めてのタイトル戦。
女流王位戦………………北海道新聞社など6社共同主催。王位戦と主催社は同じ。
大山名人杯倉敷藤花戦…倉敷市・倉敷文化振興財団・山陽新聞の共同主催。
女流王将戦………………株式市場新聞社主催。
Q24:現在のタイトル保持者について教えて下さい。
A24:1995年3月13日現在のタイトル保持者は次の通りです。
名人:羽生善治
竜王:羽生善治
棋聖:羽生善治
王位:羽生善治
王座:羽生善治
棋王:羽生善治
王将:谷川浩司
女流名人:清水市代
女流王位:清水市代
倉敷藤花:清水市代
女流王将:斎田晴子
Q25:タイトル戦以外にはどういう棋戦がありますか?
A25:次のような棋戦があります。
公式戦
全日本プロ将棋トーナメント………朝日新聞主催
NHK杯戦……………………………日本放送協会主催
早指し将棋選手権……………………テレビ東京主催
早指し新鋭戦…………………………テレビ東京主催
将棋日本シリーズ……………………日本タバコ産業主催
新人王戦………………………………赤旗主催
オールスター勝ち抜き対抗戦………日刊ゲンダイ社主催
レディースオープントーナメント…週刊将棋主催
非公式戦
銀河戦(現在は中止されているようです)……サテライトカルチャージャパン主催
IBM杯戦………………………………………日本IBM主催
達人戦(現在もあるかはわかりません)………富士通主催
Q26:上の棋戦の最新の優勝者を教えて下さい。
A26:1995年3月13日現在の棋戦の優勝者は次の通りです。
全日本将棋トーナメント……………阿部 隆
NHK杯トーナメント………………加藤一二三
早指し将棋選手権……………………小林健二
早指し新鋭権…………………………畠山成幸
将棋日本シリーズ……………………郷田真隆
新人王戦………………………………丸山忠久
銀河戦…………………………………田中寅彦(最後の優勝者のようです。)
レディースオープントーナメント…清水市代
IBM杯戦……………………………森内俊之
達人戦…………………………………内藤国雄(?)
Q27:江戸時代の棋士天野宗歩は現在のプロ将棋界でどれくらいの実力で指せるの
でしょうか?
A27:天野宗歩が現在のプロ将棋界で指すことはできないので見当がつきませんが、
内藤国雄九段はA級八段の実力があると言い、升田幸三元名人は『天野君は実力
十三段だ』と言ったという逸話が残っています。
Q28:女流棋士の実力はどれくらいですか?
A28:最近までは女流棋士は男性棋士には勝てませんでした。ここ数年女流棋士
の実力が上がり、平成4年には非公式戦ですが銀河戦で林葉女流名人(当時)が
推橋金司五段を破りました。それをきっかけにして女流棋士が次々と若手棋士を
含む男性棋士を破るようになりました。客観的なデータはありませんが少なく
ても男性棋士の下位の方よりは強いと思います。
Q29:永世名人はどういう基準で付けられますか。またその他にも永世が付く
タイトルは何ですか?
A29:永世名人は名人位を通算五期獲得すると永世名人の資格が得られます。
また全永世タイトルの資格条件と1995年3月13日現在の資格者は次の通りです。
永世名人:通算五期(大山康晴、中原誠)
永世棋聖:通算五期(米長邦雄、大山康晴、中原誠)
永世十段:連続五期(中原誠、大山康晴)
永世棋王:連続五期(羽生善治)
永世王将:通算10期(大山康晴)
永世NHK杯選手権者:10回獲得(資格者なし)
クイーン名人:資格?(中井広恵)
クイーン王将:資格?(林葉直子)
永世タイトルではありませんが次の肩書もあります。
実力制名人制になって名人を2期以上獲得した人
実力制初代名人 木村義雄
第二代名人 塚田正夫
第三代名人 大山康晴
第四代名人 升田幸三
第五代名人 中原誠
第六代名人 谷川浩司
Q30:中原永世十段は、何故永世十段を名乗っているのでしょうか?
(大山15世名人、升田元名人も?)
A30:Q29で書いた永世タイトルの称号は基本的に引退後に名乗るのが将棋界の
習慣です。しかし中原永世十段の場合1993年に名人を失冠したあと1年間は
前名人という肩書がありました。慣例ではその後中原九段と呼ばれるはずでし
たが、過去の実績からして普通の九段と同列に扱えないと考えられたため
本人の希望で永世十段の肩書になりました。
大山15世名人も中原十段と同様の意味で、大山15世名人が無冠になったあと
特別に15世名人の肩書が付けられました。
升田元名人については本人が自分はかつて名人を獲ったことのある人間だから
と、普通の九段と同等に扱われるのを嫌がり、元名人と名乗るようになりまし
た。将棋連盟は1988年に升田元名人に実力制第四代名人位の資格を与えましたが
本人はその後も元名人といいました。それを回りの人間も尊重したため現在でも
元名人と言われています。
Q31:自分の段位・級位を認定してもらうにはどうしたらいいのでしょうか?
A31:正式(日本将棋連盟公認)の段級位を認定してもらうには次の方法があります。
・将棋連盟加盟の将棋道場に行って段級位の免状の推薦書をもらい
実費で免状をもらう。
・将棋雑誌などに掲載されている問題を解いて棋力認定してもらう。
この場合も免状は実費でもらう必要があります。
非正式(日本将棋連盟非公認)の段級位を認定してもらう方法はいろいろ
あります。
・ 将棋道場にいって棋力認定してもらう。
・ 強い人と指してその人に棋力認定してもらう。
Q32:レーティングとは何ですか?また、認定してもらうにはどうしたらいいの
でしょうか?
A32:レーティングは元々チェスの世界で使用されていました。
レーティングは各自持ち点が決まっていて基本的に勝つと点数が上がり、
負けると点数が下がります。
日本の将棋に関するレーティングは日本アマチュア将棋連盟
(TEL0593-54-0625)が管理していますので、詳しくはそこで尋ねて下さい。
Q33:詰将棋・次の一手・必至問題のルールを教えて下さい。
A33:それぞれ指し将棋との相違点は次の通りです。
ただし詰将棋、必死問題の正式なルールは存在しませんので以下の説明は
あくまでルールの目安と考えて下さい。
詰将棋:
・基本的なルール(二歩、行き所のない駒等)は将棋に準ずる。
・盤上にある駒、詰め方の持ち駒、玉以外の駒は全て玉方の持ち駒と解釈する。
<解き方>
・詰め方は必ず王手の連続で玉方を詰まさなくてはならない。
・玉方はかならず最善の手段で逃げなくてはならない。
#最善の手段とは意味を持つ逃げ方のうち最も手数が長くなる逃げ方のことである。
・作意で駒余りがあってはいけない。
必至問題:
基本的には詰め将棋と同様ですが、攻め方の指し手は王手の他、詰めろも認
められ、最終形が必至になることを目標にするという点が異なります。
次の一手:
出題された局面において最善の手を答える問題であり、ルールとしては指し将
棋のものと全く同じです。
Q34:大道詰将棋とは何ですか?
A34:将棋を使った賭の一種で、詰将棋の問題を客に出しそれが解ければ客に金を
払い、解けなければ客が金を払うという仕組みになっています。大道棋の特色と
しては、
・駒数も少なく簡単に見えて、実際に詰むまでの手数が長い難問が多い。
特に、玉方の受け手に妙手があることが多い。
・駒の配列がわずかに違うだけでも正解手順が全然違う問題が多い。
などが挙げられます。今ではほとんど見ることはありません。
Q35:将棋の真剣師がいたって本当ですか?
A35:将棋も勝負事である以上、当然その勝負の結果に対して金を賭けるという
ことを考える人間はいたでしょう。そしてそれを生業にして生活していた人間が
いなかったとは言い切れません。故にいたのではないかと思われます。
詳しく知りたい人は最近発行された、
「修羅の棋士」 宮崎 国夫著 毎日コミュニケーションズ刊
「真剣師 小池重明」 団鬼 六著 イーストプレス刊
などを読んでみるといいでしょう。
Q36:将棋をもっと勉強したいのですが参考になる本にはどのようなものがありますか?
A36:以前(現在も)将棋MLで将棋の棋書の話題が出ました。その中からいくつ
かの本を選びました。そのリストは次の通りです。もちろん下のリスト
の本以外にも有益なものはたくさんあります。
・「羽生の頭脳」全10巻 羽生善治著
・「急戦振り飛車破り」全5巻 所司和晴著
・「世紀末四間飛車・先手必勝編」櫛田陽一著
・「光速の終盤」 谷川浩司著
・「ミラクル終盤術」 羽生善治著
・「角換わり腰掛銀研究」 島朗著
・「将棋は歩から(上中下巻)」 加藤治郎著
・「日本将棋体系・天野宗歩」
・「日本将棋体系・大橋柳雪」
・「日本将棋体系・伊藤看寿」
・「三間飛車ガイド」週刊将棋編;武者野勝巳協力
・「美濃崩し 180」 金子タカシ著
・「原田の詰将棋200題」 原田泰夫著
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1998/1/22 Taikou Yamada (t-yamada@ceres.dti.ne.jp)