計画停止メンテナンスの記録

雑感にも書いたとおり、扁桃炎による高熱で今年になって 2度もダウンした。ここ10年ほど発症していなかったのに…。 名古屋の水が合わないのか(爆)。 発症するとまったく動けなくなり、 仕事に大きく支障が出るため、医者の勧めで口蓋扁桃を 摘出することにした。システムを計画的に止めて パッチを当てたりDBを再編成するのと同様に、自分自身の 計画停止メンテナンスである。手術・入院が初めてということもあり、 記録をつけてみた。入院記録ながら、将棋プログラムの構想に ついても書いてあり、まぁ、個人的な記録なので、 よくわからないところは無視してください(笑)。

2001/8/3(金) 入院前診察

手術3週間前の7/27に、胸部X線撮影、肺活量検査、尿検査、止血テスト、 心電図検査などを受けた。無駄な検査多くない? X線撮影なんてホントに必要なのだろうか。ちなみに日本人は 世界の中でも群を抜いて医療被曝量が多いそうな。 手術にあたっては特に問題無いとのこと。 入院にあたってのツールやTipsは、 病院の達人 というページでチェック。 病院からは事前に入院のスケジュールをもらった。 扁桃摘出手術は耳鼻咽喉科では相当ポピュラーな手術らしい。 8/16入院、8/17手術、8/24退院予定とのこと。

2001/8/16(木) 入院初日

9:30過ぎに入院手続きを済ませる。 一般的に必要な物以外として、以下のものを持ち込んだ。 携帯電話とPHSは自宅に置いてきた。手術は翌日である。 まず耳鼻咽喉担当医の診察を済ませる。 病室は2人部屋で、先客として中学か高校くらいの男の子が窓側の ベッドに。いろいろなオリエンテーション。携帯電話の 電源を切るように言われたが、持ち込み物のチェックは無し。 こうしてバイオを使えている。麻酔担当医からの 問診後、早くも昼食が出る。週に一度木曜の昼食は麺類とのことで、 この日はうどん。通常の食事なので塩分が抑えられてる わけでもなくまずくはない。しばらくして皮下注射による アレルギー反応検査。風呂に入りあとは自由。 HARRY POTTERを読んだりMDやMP3を聞いたり。やっぱり暇。 「必要になるのでボックスティッシュ2つを用意して欲しい」 と看護婦から言われる。なんじゃそりゃと思いつつ売店で 購入し、ひとつは看護婦に預ける。夕飯は鮎の塩焼など。 山田将棋の指し手構造について考える。
病棟 冷蔵庫とTV VAIO

2001/8/17(金) 手術日

朝食無し。手術前の喉を撮影してみる。 血圧測定と検温、共に正常。診察はあっさり終了。 風呂に入った後、手術着に着替える。11:00頃点滴開始。 針が太いらしく痛い。13:00過ぎに麻酔をふくめ3本の注射。 意識がもうろうとしてきたところでストレッチャーに 載せられ手術室へ。やたらとストレッチャーを速く押してた ように思う。これ以降まったく記憶無し。手術自体は 30分くらいで終ると聞いてたのだが、意識が戻ったのは 23:00頃、すでに病室のベッドの上で。口の中が血液や膿で 大変なことに。大量のティッシュで拭き取る。 ここでボックスティッシュが活躍するのか…。 喉がかなり痛くまともに寝れなかった。夜中ふらふらな状態で 2度トイレにゆく。

2001/8/18(土) 手術後1日目

喉の痛みがほんの少しよくなったかもしれない。 朝食に重湯がでる。これはさすがにあまりおいしくない。 半分くらい残す。診察、血圧検査、検温後、少し横になる。 昼飯も重湯。今度は全部食べる。再び横になる。 高校野球を観戦。扁桃炎のときと同様の喉の痛みがあるのだが、 熱は無い。この記録を書いたり、将棋プログラムの事を 考えるのには支障無し。夕食も重湯。椀物に豆腐が入って ちょっとうれしい。となりの男の子は、右耳に脱脂綿をくっつけている。 耳の手術でもしたのだろうか。実はほとんど会話を交わしていない。

2001/8/19(日) 手術後2日目

昨晩はかなり喉が痛かった。昨日より痛くなるなんて…。 おかげでまともに眠れていない。今日から3分粥。 喉が痛いが朝食を完食する。診察によると傷口にかさ蓋が でき始めてるとの事。日曜日は売店が休み。新聞すら読めない。 鎮痛解熱剤ロキソニンを1錠もらう。これは5月,7月に ダウンしたときも大活躍した薬だ。薬を飲んだだけで気分的に 楽になったような気になってしまうのがなんとも不思議。 昼食には副菜に煮魚がでた。おいしかった。昼食後は 2時間程昼寝。横浜-日南学園戦を観戦。寺原はバランスが悪かった。 手術後続いていた点滴が、ようやく夕飯後に一時はずされた。 となりの男の子にはお兄さんと妹がいるようで、夏休みということもあり、 ひっきりなしに病室にやってくる。お母さんは毎日。 お父さんは夕方面会時間終了ぎりぎりにやってくる。 父と子の会話はあまりない。が、遅くなってほんの少ししか いてあげられなくても来てあげてるというところに、 男親の存在感が感じられる。

2001/8/20(月) 手術後3日目

今朝も喉が痛い。今日は5分粥。朝食を半分ほど残す。 同室の男の子は学校に行くといって外出。退院も近そうだ。 昼食には鳥肉の照り焼きが出た。久しぶりのお肉。完食。 昼寝1時間。手術後ようやく風呂が許可される。 横浜-日大三戦を観戦。9回表の横浜の追いあげには ゾクゾクした。勝ち越しスクイズに失敗したのが 惜しまれるところ。将棋盤の新アドレスをz=y*10+xにしようと 前々に決めていたのだが、いろいろ思案してるうちに、 z=(y-1)*9+xも捨てがたいなと思えてきた。メリットは なんといっても盤面を1から81までシーケンシャルに アクセスできること。デメリットは盤面外の扱い。 データ構造はプログラムの速度に直結してくるだけに、 悩ましいところだ。反復深化時に生成した指し手リストを 再利用する件も、メモリサイズとの兼ね合いで悩みがつきない。 となりの子は、看護婦さんとの会話で 東邦高校 に通っているらしいことがわかった。 野球やサッカーで有名な高校だよね。

2001/8/21(火) 手術後4日目

今朝も喉が痛い。今日は全粥。なんとか完食。 診察によると睡眠中の乾燥が原因で、朝喉に痛みが出るのでは とのこと。やっぱりね。病室に24時間25度設定の冷房を入れてる のが個人的にちょっといや。もう1,2度高くてもよさそうなものだが。 台風が近付いているようで、こんなときに通勤で ビショ濡れにならずに済むというのはラッキーである。 MDもMP3も聴き飽きてきた。もっとたくさん持ってくればよかった。 昼食後、職場に電話を入れる。ベンダーの作業が少し押したが、 まぁ予備日もあるしなんとかなるでしょうとのこと。 今日は2時間も昼寝してしまった。夕方薬剤師がやってきて 問診と今回の入院で処方した薬の説明をしていった。 夕方、将棋の新合法手リストアップルーチンをちょこちょこ コーディングした。ルール判定の削減を実現できたので よいパフォーマンスが出るのを期待しよう。 ちょっとだけ夜更ししてさらにコーディング。となりの小僧は 夜中にカップラーメン食ってるし。なかなか大胆。

2001/8/22(水) 手術後5日目

点滴 朝の喉の痛みは幾分やわらいできたかなぁ。今日は軟飯食。 今朝は朝の点滴にずいぶん時間がかかった。2つくらい となりの部屋から「いやだぁー」と泣きわめく女の子の声が。 この階は耳鼻咽喉科と小児科が入っているため、 お迎えの近そうなご老人はほとんどみかけない。 そういう意味では入院といっても悲壮感を受けずに済んでいる。 診察で、予定通り2日後の退院ということにしましょうという 話があった。昼前にはすっかり晴れ上がった。台風一過。 高校野球決勝、近江-日大三を観戦。夕方は飛車や角の飛び利きを 更新する部分を眺めてた。過去に何度も書き直しているのだが、 スマートなステップにならずいまだに納得できていない。 夕方の点滴も1時間くらいかかった。困ったものだ。

2001/8/23(木) 手術後6日目

やっぱり朝は喉が痛い。今日から通常の食事。 せっかくなので撮影してみた。朝食は以下。
朝食
  • ごはん
  • 卵スープ
  • 味付け海苔
  • ホウレンソウのおひたし
  • 高野豆腐の煮含め
  • ヨーグルト
昼前に再び薬剤師がやってきて、退院後服用向けに処方された 薬の説明をしていった。朝食後服用といわれても 普段朝飯食わないしなぁ。水分多めで飲んでくれとのこと。 昼食。
昼食
  • きつねうどん
  • シューマイ
  • 長いもの煮物
  • 白菜のおひたし
  • グレープゼリー
昼過ぎ、だらだらとテレビを見る。再び職場に連絡を入れ、 週明けから出社できることを伝える。明日の退院を考え、 少し身の回りを整理。となりの子は、日曜日か月曜日に 退院するとのこと。まだ耳が痛いようで、なんかかわいそう。 夕食。
夕食
  • ごはん
  • ニラ卵汁
  • 豚の角煮と粉ふきいも
  • 野菜の中華あん風
  • いちごムース
夕食後に最後の点滴。左腕からようやく点滴用の針を抜いた。 テレビの陰陽師のドキュメント、すごかったなぁ。 ミズノのグラブ作り名人原田さんのドキュメントも面白かった。 あんな心意気を持った職人になってみたいものだ。

2001/8/24(金) 退院日

やっぱり朝は喉が痛い。診察で、退院後の経過を診てもらうため 次週金曜日に外来に来ることに。喉の状態を撮影。担当の 看護婦さんが、退院の処理をしてきた。入院中に服用した 薬の残りも持って来た。食前に飲む痛み止めのシロップを 容器ごともらってしまった。これはなかなかよく効く薬だ。 結局使用しなかった痛み止めの坐薬は、もらったけど使わんだろうなぁ。 となりの小僧は今日もやんちゃで甘えん坊だ。母親に向かって 「もう帰っていいよ」「何やってんのおまえ」なんていう口をきいたり、 いたずらしたり。いかにも次男坊といったところ。 着替え、身支度後、さきに会計を済ませる。病室に戻り昼食。 14:00頃に退院、病院を後にする。
振り返ってみると、初めての手術・入院にしてはうまく 乗り切れたし、快適だったのではと思う。何よりノートパソコンを 自由に使えたので、コーディングしたり、思うことを記録したり、 音楽を聴いたりすることができ、Computing環境に不自由せずに 済んだのが大きかった。何度も何度も入院するようになっては 困るが、一人になってゆっくり考える時間を持てるというのは、 普段の仕事だけの生活には無い、新鮮な充電であった。

2001/8/25 Taikou Yamada (t-yamada@ceres.dti.ne.jp)