XR100R

前回のKLX300SRに続いて、今回はXR100Rウインタースペシャルを紹介します。
XR100Rと聞くとバイクに詳しい人は、「子供用のEDレーサーねェ〜」と思うでしょう。
確かに、子供が乗ってモトクロスのまねごとをする程度のバイクですが、以外にもバカに
できないマシンなんです。
たかが100cc、されど小型、軽量、4ストローク100ccです!

 
ノーマルスペック
     全長        1.855m
     幅         0.800m
     高さ        1.030m
    シート高       0.770m
   ホイールベース     1.255m   
    乾燥重量       68Kg(+約3Kg)
    排気量        99.2cc
    最高出力       9.5PS
    最大トルク      0.79kg-m
   燃料タンク容量     6.5L
    保安部品       XLR80R用(+約3Kg)

  改造データ(ノーマル公道走行車両からの変更)
ノーマルのギヤ比では50Kmぐらいのスピードしか出ない為、
二次減速比をF14/R50からF14/R46へ変更した。
この際流用したRスプロケットはXR80用で、チェーン
サイズが420の為(ノーマルは425)Fスプロケットと
チェーン(強化タイプ)も420サイズに変更している。
二次減速比変更によりMaxスピードは70Km以上に
なり、これでもオフで十分なトラクションがかかる。
今は登坂力重視のF14/R50、ノーマルチェーンを使用。
 
エンジンの出力特性改善の為、カムシャフトを交換した。
ノーマルではXRシリーズ一連のフラットトルクタイプの為、
高回転での伸びが無く、この排気量では常に高回転を使うので
ハイカムタイプのXR80用カムシャフトに交換し、さらに
プラグも7番(NGK相当)から8番にして、キャブレターの
セッティングをそれらに合わせて変更している。
これにより低速トルクは少し減少したが、下から上まで
直線的に伸びる出力特性になった。
 
ヘッドライトが暗い為、バルブを25Wから30Wの
ハイパーハロゲン(50W相当)に交換した。
XLR80Rの電装を流用している為、発電量が少ないので
ヘッドライト以外の電流消費を抑える為、ウインカーを
12Wから5Wへ変更し、テールランプも15W/8Wから
8W/3Wに変更した。
これによりヘッドライトの光量を確保すると同時に、ウイン
カー等も少ない電流で十分発光するようになった。
 
サスペンションが子供用の為柔らかいので、リヤスプリング
をPLOT製の強化スプリングにに交換し、フロントも油面を
20mmアップした。
今はモデルチェンジ後のRサスを延長加工して装着している。
 
ブレーキはドラムの為効きが悪いので、ミニバイクレース用の
ブレーキシューに交換し、タイヤもミニモトクロッサーの
ラージサイズ(F70/100-19、R90/100-16)に
変更する事により、タイヤのダンピングでサスの悪さをカバー
している。
 
ほかにも子供用チェンジペダル間隔を広げる為、XR250用
を10mmカットし再溶接して装着、またエンジン内部には
マイクロロンを入れてある。

 

XR100Rウインタースペシャル

雪道走行用スペシャル装備
ノーマルでも小型、軽量、トラクションの良さを生かして
結構走れるが、圧雪路やアイスバーンではモトクロスタイヤ
もグリップしない。
そこで、前後ホイールを改造してカブ用のスパイクタイヤを
装着できるようにした。
F19/R16インチのタイヤを前後17インチに改造する為、
フロントホイールはノーマルのホイールハブにCR80R2の
スポークとカブのリム(ニップル径を拡大加工)を組み合わせ、
リヤホイールはノーマルのホイールハブにカブのスポークと
リムを組み合わせる事により、17インチのスパイクタイヤが
装着できるようになった。
これによる効果は絶大で、雪道を普通のダートのように走る
事ができ、フロントブレーキもフォークを沈み込ませるまで
効かせられる。
ただし、小径ホイールになった為キャスターが立ち、ハンド
リングがクイックになりすぎて安定感が無くなってしまった。
そこでフロントフォークを延長しキャスターを補正する為、
40mm長いロングフォークキャップを単品制作してもらい、
アライメントを補正した。
この際、ブレーキワイヤー等もMTX50用を流用しロング化
してある。
これらにより操縦安定性は、ほぼ元のようになり雪道での
ライディングもよりイージーになった。

XR100Rというバイクは性能だけを見れば、つまらないバイクです。
でも、大柄でハイパワーのマシンを持て余し気味の人は一度乗ってみてください。
特に、下り坂でジャリ道のコーナーリング! この難しい所を普通に走ってしまう
バイクなんです。
このマシンコントロール性は、まさに“自由自在”そのものです。
バイクメーカーやバイク購入者の人も、このカタログに表れないプラスαを理解できれば、
より良いバイク開発、又はバイク選びができると思います。
今乗っているバイクでコントロールに苦しんでいる人は、意外なバイクXR100Rに
その答えが有ると言えるので、セカンドバイクを持てる人はXR100Rが有ると、
より楽しいバイクライフを過ごせるでしょう!

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