サントラ盤への道

  • えっと、僕は割とリアルタイムにブルース・リーを体験した事もあって、今では入手困難なサントラ盤LPを所有してるんですが、このライナーノートがなかなか良く出来ていて「STAFF」「CAST」「解説」「ストーリー」なんかが詳しく書かれてるんですね。
    で、こりゃ最近ファンになった人達にも是非一度読んでもらいたいと思ったので、文章の部分を完全コピーしたページを設けました。サントラ盤LP持ってない人は見てみて下さい。
    まっ、中古レコード屋さんとかブルース・リーショップなんかでたまに売ってるのを見かけるので、既に入手された方は見なくていいです(苦笑)。

下記の画像をクリックすると各作品の詳しい解説へ


  • ん〜、まずはブルース・リー先生の有り難いお言葉を読んで心を落ち着かせてくれっ!

四つの言葉

他者を見よ

 武道は技術に対するあらゆる理解にもとづくものである。筋力の鍛練や力の使用は容易であっても、武道のすべての技を完全に理解することは、きわめて難しい。そのためには、あらゆる生き物の自然な挙動のすべてを研究しなくてはならない。

 しかし、他人の武道を理解することは不可能ではない。つまり、そのタイミングと弱点について詳しく調べれば良い。

 これらの二要素、即ちタイミングと弱点を知ることによって、相手を比較的容易に打ち倒す能力をうることができるのである。

武道の真髄は技術を理解することである

 技術を理解するには、それが多くの動作の要約であることを知らねばならない。要約された動作は、非常に奇妙にみえるものである。このような飾りのない簡潔な動作は、初心者の目にはいかにも、ぶかっこうなものに見える。

 しかし、このような動作こそ、すぐれた技巧、迅速な変化、そして多様性とスピードに富んでいるのである。武道とは、善と悪の概念のように相反するものを含んでいる、といっても間違いではない。

 武道家の心をわが心に取り入れ、それを自己の一部と成すことは、自由流儀の完全な包含と活用とを意味する。これを習得することができた時には、限界というものが全く存在しないことを知るであろう。

実技上での警戒を要すること

 ある種の武道は、非常に人気があり、滑らかな技巧で形良く見え、観衆をよろこばせる。しかし、我々は、警戒しなくてはならない。こういうたぐいのものは、水でうすめられた葡萄酒のようなものである。うすめられた葡萄酒は、真の葡萄酒ではなく、良い酒でもなく、本物とは呼びがたい。

 また、ある種の武道は見栄えは良くないが実力があり、ぴりっとする持味、本当の味がある。それはあたかもオリーブの実のようなものである。その味は旨く、後味が強く残る。要は、その持味に対する嗜好を養うことである。未だかって、うすめられた葡萄酒を好きになった者はいない。

後天的才能と先天的才能

 ある者は、良い体格、スピード感覚と十分なスタミナを持って生まれてくる。それは好ましいことであるが、しかし武道においては覚えるすべてのことが後天的技術なのである。

 武道を吸収することは、仏教を経験することに似ている。即ち、それに対する感覚は心からくるものであり、自己が必要とするものをうるために献身するのである。そしてそれが己れの一部となった時、自分がそれを習得したことを知る。そうすることによって、成功するのである。

 自分は決してその全体を理解しないかもしれない。だが、理解しようと試みることを続けなければならない。こうして進歩するに従って、単純な方法を見つけるのである。

 自然の素朴な道を観察することを忘れてはならない。このようにして今まで知らなかった人生を経験するのである。
KKベストブック社 「秘伝・截拳道への道」より