2004年の読書・私的BEST

2004.1.1-12.30 までの間に、冒頭から最終頁まで通読した本についてのまとめです。
評価の基準は、まったく私的な好みに過ぎません。
仕事用の読書、資料としての読書、斜読・速読などは含んでいません。
再読するたびに印象が変わったりするので、来年また同じ本を読んでも順位は変わります(^^;

 

●BEST12 (再読を含む) 国内作品(今年の読了数は122册だったので12位までです)

タイトル
初・再
著者・編者
ひとこと
出版社
生ける屍の死
再読
山口雅也
再読してあらためて、完璧なミステリーだと感動
創元推理文庫
2
遊廓の少年
再読
辻中 剛
美か醜か、読み手を翻弄する桜幻想
パロル舎
3
11枚のとらんぷ
再読
泡坂妻夫
本格推理ファンにとって、最高の御馳走と言うべき作品
創元推理文庫
4
とむらい機関車
初読
大阪圭吉
大阪圭吉の作品は、単発でちらちらと読んだことがありました。
あらためてまとめて読むと、とても端正で面白い!
戦地での病没が、本当に残念です。
創元推理文庫
5
天城一の密室犯罪学教程
初読
天城 一
天城作品がこれだけまとめて読めただけで満足
日本評論社
6
百器徒然袋 -風
初読
京極夏彦
やっぱ個人的に、榎木津が爆裂するシリーズの方が好きなんです
講談社ノベルス
7
キマイラの新しい城
初読
殊能将之
笑えます。好きだなぁ、こういう「本格」(笑)
講談社ノベルス
8
殺しはエレキテル
初読
芦辺 拓
曇斎先生の魅力溢れる、痛快本格推理捕物帖
光文社カッパ・ノベルス
9
ジェシカが駆け抜けた七年間について
初読
歌野晶午
仕掛けにも驚いたけれど、
丁寧にエチオピアという国を扱った誠実さに脱帽です。
原書房
10
暗黒館の殺人 (上・下)
初読
綾辻行人
八年を費やした大作です。筆力に圧倒されます。
講談社ノベルス
11
亜 愛一郎の狼狽
再読
泡坂妻夫
再読してみて、各作品のユニークさにあらためて驚嘆
創元推理文庫
12
だからドロシー帰っておいで
初読
牧野 修
ファンタジー編もホラー編も秀逸。一部テーマがわたしの「リアル・ゼロ」とかぶっていたのがちょっとヒヤヒヤ(^^;;;;;
角川ホラー文庫

●BEST4 (再読を含む) 翻訳作品(今年はたった36册しか読めず。おまけして4位まで)

タイトル
初・再
著者・編者
ひとこと
出版社
1
No.1レディース探偵社、
本日開業
初読
アレグザンダー・マコール・スミス
ボツワナの女探偵!もうその設定だけでわくわく。アフリカの大地の夕焼けを心に思い浮かべて味わう、とっても素敵な探偵物語!
ヴィレッジ・ブックス
2
ウィッチ・ベイビ
初読
フランチェスカ・リア・ブロック
理想的なハッピー・ファミリーの中にさえ、居場所が見つからないウィッチ・ベイビの自分探しの旅。傑作です。でも、シリーズ一作目の「ウィーツィ・バット」も読んでいないと、人間関係がわかりにくいかな。
東京創元社
3
五輪の薔薇 (-V)
初読
チャールズ・パリサー
19世紀初頭のロンドンの迫力!分量も壮絶
ハヤカワ文庫
4
怪奇小説傑作集1
再読
W.W.ジェイコブズ他
これだけ名作揃いだと、ベスト○○に数えるべきではないのかも(^^;
創元推理文庫

●中・短篇 BEST20 (再読を含む) 

タイトル

作者
ひとこと
収録作品集
炎天
再読
W.F.ハーヴィー
久しぶりに読んで、絶品の恐怖にふるえました
怪奇小説傑作集1
(創元推理文庫)
猿の手
再読
W.W.ジェイコブズ
こんな名作をベストに数えていいものでしょうか(^^;
怪奇小説傑作集1
(創元推理文庫)
いも虫
再読
E.F.ベンスン
再読して、作品の緻密さにびっくり
怪奇小説傑作集1
(創元推理文庫)
4
比類のない神々しいような瞬間
初読
有栖川有栖
あざやかに決まるダイイングメッセージ!
白い兎が逃げる
(カッパノベルス)
5
パーキー・パットの日々
再読
フイリップ・K・ディック
深読みすれば底が見えない作品
ペイチェック
(ハヤカワ文庫)
6
キャル
初読
アイザック・アシモフ
いちおう作家としては、笑いながらも
痛いところをつかれた感じで……
ゴールド
(ハヤカワ文庫)
7
五徳猫
初読
京極夏彦

 この長さを「中・短編」とするのは無理があるんですが、この長さ三作も入れてやっと一冊で刊行れているため、ここで個別に評価してあげないと、入れるところがないんです(^^;;; 
 招き猫のいわれについての考察がとにかく面白くて、物語の展開もスピーディで楽しめたけれど、檀王さんが招き猫の本家ルーツかも知れない、という記述で「わーい」と喝采しました(^^) 個人的に、檀王さんにはとってもお世話になりましたので……

「百器徒然袋 風」
(講談社ノベルス)
8
ナイルの猫
初読
エドワード・D・ホック
シンプル・イズ・ベスト。お見事。
サム・ホーソーンの事件簿III
(創元推理文庫)
9
自動工場
再読
フイリップ・K・ディック
ディックの着想の妙にはいつも唸るばかり。
ペイチェック
(ハヤカワ文庫)
10
ナニー
再読
フイリップ・K・ディック
ナニーをパソコンに置き換えれば……
ペイチェック
(ハヤカワ文庫)
11
たそがれの朝食
再読
フイリップ・K・ディック
とにかくアイデアが卓抜。
ペイチェック
(ハヤカワ文庫)
12
あやつり裁判
初読
大阪圭吉
アイデアが秀逸。シンプルなのに、謎が魅力的
「とむらい機関車」
(創元推理文庫)
13
坑鬼
初読
大阪圭吉
人間消失トリックがあざやか
「とむらい機関車」
(創元推理文庫)
14
とむらい機関車
再読
大阪圭吉
著者の代表作だが、あらためて、動機のせつなさに感動
「とむらい機関車」
(創元推理文庫)
15
ノロ魔
初読
森村誠一
読後、思わず、深呼吸して我が身を振り返りました
 魔性の群像
(徳間書店)
16
鉄のパイナップル
再読
イーデン・フィルポッツ
なんとも奇妙な読後感。
ざわざわする感じがやみつき
探偵小説の世紀(下)
(創元推理文庫)
17
防音を施した親子室の謎
初読
エドワード・D・ホック
このトリックのバリエーションはいろいろ読んだけど
大胆さという点では、これはすごい(笑)
サム・ホーソーンの事件簿III
(創元推理文庫)
18
超読書機械殺人事件
初読
東野圭吾
笑いながらも自戒をこめて。
読書をいつまでも愛していたいから……
超・殺人事件
(新潮文庫)
19
Yの誘拐
初読
大山誠一郎
反則一瞬手前の騙しのスリル。
アルファベット・パズラーズ
(東京創元社)
20
ウェンズデーの悪魔
初読
翔田 寛
ラストの「神は見ていた」が素晴らしい切れ味
消えた山高帽子
(東京創元社)

●新刊(2003.11.01-2004.10.31までに刊行された本)でのBEST10 (既刊文庫化は含まない) 昨年中に読んだものも含んでいます。04.11.01以降の分は来年のベストに。

国内編

タイトル
作者
版元・版型
刊行日

1
天城一の密室犯罪学教程
天城 一、日下三蔵
日本評論社
04.05.20

2
百器徒然袋 -風
京極夏彦
講談社ノベルス
04.07.05

3
キマイラの新しい城
殊能将之
講談社ノベルス
04.08.05

4
殺しはエレキテル
芦辺 拓
光文社カッパノベルス
03.12.20

5
ジェシカが駆け抜けた七年間について
歌野晶午
原 書房
04.02.09

6
暗黒館の殺人 (上・下)
綾辻行人
講談社ノベルス
04.09.05

7
アヒルと鴨のコインロッカー
伊坂幸太郎
東京創元社
03.11.25

8
無法地帯
大倉崇裕
双葉社
03.12.05

9
白い兎が逃げる
有栖川有栖
光文社カッパノベルス
03.11.25

10
紅楼夢の殺人
芦辺 拓
文藝春秋
04.05.30

翻訳編 あまり読まなかったので、BEST5 だけ。

タイトル
作者
版元・版型
刊行日

1
荊の城 (上・下)
サラ・ウォーターズ
創元推理文庫
04.04.23

2
ジェーンに起きたこと
カトリーヌ・キュッセ
創元推理文庫
04.07.16

3
キリンの涙
アレグザンダー・マコール・
スミス
ヴィレッジブックス
04.08.20

4
ブラック・リスト
サラ・パレツキー
早川書房
04.09.20

5
魔術師
ジェフリー・ディーヴァー
文藝春秋
04.10.15