カリフォルニアワインの
主用葡萄栽培品種
 ソーヴィニヨン・ブラン(フュメ・ブラン)

◆Sauvignon Blanc(Fume Blanc)
 ソーヴィニヨン・ブラン(フュメ・ブラン)
■概要■
 フランスのボルドーとロワールの白ワイン用主要品種。カリフォ ルニアでは100年以上の歴史を有する。フランスのシャトー・ディ ケムの畑から移されサン・フランシスコ湾近くの砂利質土壌に植え られたこの品種のワインが1889年のパリ万博で2個のゴールドメダ ルを獲得した。しかし、カリフォルニアのソーヴィニヨン・ブラン が評価を確立するには、その後長い試行錯誤を経なければならなか った。カリフォルニア大学デイヴィス校の専門家たちの提唱により 「フュメ・プラン」として脚光を洛びたのが1980年代初めで、以来、 カリフォルニアではソーヴィニヨン・ブランとフュメ・プランの双 方の名でワインが造られる。
■果実の形状■
 房の大きさは小さめ、ないし中程度。円錐形をなし、時に翼が見 られる。果粒は球形で中程度の大きさ。緑がかった色を呈し、果皮 は比較的柔らかい。ハーブなどを連想させる強いアロマと特有のフ レーヴァーとがある。
■栽培適地■
 非常に成長力が強く、葉が密集している。芽吹きは早い。幅広い 土壌に適すが、沿岸地域の谷の砂利を含むローム層や粘土質土壌で 特に個性を発揮する。
■収穫■
 沿岸部の産地では9月初旬〜中旬に収穫が開始される。灌漑を施 した肥沃な土壌では過度に成長する傾向がある。このため、カリフ ォルニアの栽培家たちは冬の間に入念な剪定作業を行い、成育期に は繁茂する葉を除去する。
■醸造&熟成■
 ノースコースト地区の冷涼な地で栽培されるソーヴィニヨン・ブ ランは品種の個性が充分な味わい豊かな辛口ワインとなる。
 ハーヴァルな風味を強調したワインと南国の果実を思わせる熟し た果実の風味豊かなワインの2つのタイプがある。さらに、オーク の小樽で適度に熟成させると、上品で複雑な味わいのワインとなる。
 多様なワインのスタイルを求めるカリフォルニアのワインメーカ ーたちは、この10年の間にセミヨンとのブレンドを行い始めている。 最大1対1の割合でブレンドされたワインは短期間の小樽熟成を経 て、ボルドー地方グラーヴ地区の辛口ワインに比類するコクと複雑 さを合わせ持つワインとなる。