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京都大原'プチ'一人旅

 
2001年10月某日、ふと思った「そうだ京都へ行こう・・!」どこかのCMで聞いたようなフレーズだけど、そう思ったんだから仕方ない。その頃、何かと考えたい事や悩んでることも多く、仕事を休みたいな〜と思っていたありす。前々から行きたかった大原に行ってみることにした。 

年に何回かは「あ〜一人旅がしたい」と思う癖があり、その時も迷ったすえ、結局一人で行ってみることにした。いい年して一人で京都に行くくらいで大げさな!って思われるかもしれないけど、あまり一人で遠出したことがないうえ、四条に買い物に行けばビブレにたどり着けないわ、大阪駅で迷うわ・・と結構人混みが苦手だったりするのです。北海道まで一人旅をしてしまう友人には、「日帰りなんて一人旅とは言わん!」と言われてしまったけど、まずは一歩踏み出すことが大事なのだ!(と言うことにしておこう)  

まずはJRで京都へ。さすがに電車くらいはちゃんと乗れるわ〜、と思っていたけど、時刻表を見間違えたらしく、予定していた新快速は休日運行。仕方なく草津で途中下車して普通で京都駅に到着したのだった。ありすの頭に不安がよぎる・・。 

そして、バスの1日乗車券を買うべく案内所へ。平日だというのにさすが京都は観光客が多い。案内所で乗車券を買ったついでに、売り場のおばちゃんに聞いてみる「これって、普通のバス代より安いですよね?」おばちゃんは親切だった。聞いてもいないのに、バスの発車時間と乗り場まで教えてくれる。幸先がイイ。こんなちょっとの事がうれしい。これがもし無愛想に返されてしまったら、きっと1日へこんでいたかもしれない。

 
まだ紅葉には少し早いこの時期、大原なんてへんぴなところ(失礼!)に行く人は少ないだろう、と思ってバスの時間まで売店などに寄っていた。ところが時間近くになってバス乗り場へ行くと結構な人が並んでいる。さすがは京都。 

出発からかなりの人だったが、バス停に泊まる度に徐々に人は増え続け、まだ京都市街も出ていないというのに、すでに満員御礼状態。おまけに市街地を走るバスの遅いこと遅いこと。毎度のこととはいえ、渋滞のせいで、1時間少々で着くかと思われていた道のりも2時間をまわっていた。バスがようやくスムーズに走り出したのは、辺りの風景がのどかなものに変わってからだった。それからもまだかなりの距離を走り、ようやく大原の停留所に着いた。 

観光地だけあってさすがに大きな停留所。何度もガイドブックを読み地図を確認していたけど、そんな下調べは不要なほど目的地への場所はわかりやすかった。とりあえず第一目的の三千院をめざす。地図ではもっと大きな道で、その間にあるお店も離れているのかと思ったけどそうではなかった。割と細い山道をしばらく登り院まで行った。 

石段を登ると辺りは木々が開け、思った以上の観光客が歩いていた。”静かな大原”という私のイメージはあっさり崩される。団体客から離れ、ひっそりと院を散策する。院の敷地はかなり広く、奥へ行くほどに観光客も減ってくる。建家と建家の間は緑が多く、さぞかし秋に来たら美しい紅葉が見られるだろうな、とか、いやいや静かに降り積もる雪もまた美しいだろうな・・・などど想像して歩くのも楽しい。さすがに真冬には来られないだろうけど・・。  

時間をかけて院を周り、少し休憩。ここのみたらし団子は有名らしいので食べようかと思ったけど、一人で1皿(5本くらいだったか?)を食べるのは無理か・・と思ってワラビ餅にした。そして注文してから、みたらし団子がバラ売りされていることを知った。しまった・・。  

 
 
ワラビ餅を昼食代わりにし、そのあと三千院の奥にある「宝泉院」へ行った。ここには有名な「血天井」があるらしい。 

三千院から数メートルの距離なのに、ここまでは団体客もこないとみえて、人もまばらだった。ようやく私の理想とする「京都一人旅」の雰囲気になってきたか? 

ここはお抹茶が1服ついて600円。 
縁側に座るとまもなくお茶が運ばれてくるので庭を観ながら一服する。周りには数組の客がいるだけ。静かでいい感じだ。みんなそれぞれに素晴らしい景色と雰囲気を楽しんでいるようだった。 

お寺の人が他の観光客に「今、住職はちょっとでかけていて・・。居たら「血天井」の説明もするんですけど・・」と言っているのが聞こえる。なんだ残念。血天井がどこにあるのか?と縁側を見上げてみるが、どうもわからない。しょうがない、と思って他を少し見回る。といっても、それほど広くない室内なので、何をするでもない。

開け放たれた部屋からは、木製の窓枠を額縁に見立てて庭を眺める「額縁庭園(↓)」・鶴を池に築山を亀に模した鶴亀庭園・樹齢500年の五葉松(↑)の庭がある。 
よく晴れた日だったので、木々の間から見える大原の山々がとてもきれいで、いつまで見ていても飽きる事がなかった。
 
もう一つ、ここには「水琴窟」があるそうで、周りを見渡すと縁側のはしの方に竹が2本でていた。これか・・と思い、その前にちょこんと座る。・・・が何も聞こえてこない。???隣では私と同じように女性の一人旅をしているらしき人がやっぱり同じように座っていた。 

聞こえないものはしょうがない・・と思って立ち上がる。トイレに行くため奥の部屋に行くと、かすかに水琴窟の音らしき音が聞こえる。更に???となるありす。 

トイレから帰ってくると、ちょうど住職が帰られて説明をしてくれるというので、他の観光客に混じってうまい具合に話を聞くことができた。何も聞かないで天井を見上げていた時はわからなかったけど、「ここが顔のあとで・・。」なんて説明をききくと、なるほどそうか、と思う。住職いわく「あんたら、ようそんな天井の下でお茶なんか飲めますな(笑)」 

住職の話が終わって、そろそろ帰ろうか・・と思っていると、おばちゃんグループを案内していたタクシーの運転手らしき人が「水琴窟あるから聞いていき」と言っているのが聞こえた。見ていると、なんと!縁側から出ている竹の端に耳をあてて聞いていたのだ!道理で前に座っているだけでは聞こえないはずだ・・・。<^^;>一通り他の人が聞いたあと、そっと耳を近づけてみる。なるほど澄み切ったすがすがしい音が聞こえてくる。2本あるのは、それぞれ竹の長さが違い、音に違いがあるのだそうだ。

さてこれでお寺を満喫したと思って、帰ろうとすると先ほど運転手が鶴亀の庭を説明していた。最初に見たとき、「どこが鶴亀?」と思ったけど、説明されてようやく見方がわかった。(手前の細長い溝が足で、その上に羽根を左右に広げている鶴)何とも今回はラッキー続きで満喫することができてよかった。 
  
そんなこんなですっかり長居してしまい、もう一つ「寂光院」に行こうと思っていたのだけど、バス停まで行く道すがらこれも目的の一つであった着物用のバッグを買っているあいだにすっかり予定していたバスの時間になってしまったので、これで帰ることにした。 

大原・・とても気に入ったのでまた来ることもあるでしょう。次回はぜひ別の季節にでも。 

 
 
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