ケイヒンCVキャブの話 (4/30/2001 updated)

*4/08/2001 (10/27/2007 Modified)

SB1シビックRSの特徴の一つがこの2連装のCVキャブです。

CVキャブはスロットル開度とは別に吸入負圧に応じて上下するバキュームピストンとそれに付いているジェットニードルが特徴です。SUキャブの仲間ですが、スロー、プライマリメイン(ジェットニードルが刺さる系統)、セカンダリメインと3系統あり、それぞれエアジェットがあります。

純正のジェットより、プライマリメインジェットを5番程度大きくするか、プライマリエアジェットを10番絞ると、25005000位までの1/2開度くらいのトルクが増えて走りやすいです。

このバキュームピストンのおかげか4連CVキャブでハイカム入れ、加速ポンプ吐出量少なめな状態で、アイドル付近からスロットルを全開してもエンジンはスムースに吹け上がります(ジェットがあまり合ってなさそうなのに...)排気量に対してスロットル径が大きめのキャブ車として結構偉いなぁと思います。

ジェットセッティングをする際には、スロットル開度では実際のバキュームピストンの開度がワカラナイので、難しいです。バイクでもCVキャブよりFCRキャブの方がセットアップが判りやすいのと同じですね。

しかし、当時のケイヒンのジェットの番手違いが入手困難なため、セッティング変更はハードル高いです。

*4/30/2001 Add1

ホンダ技研さんには申し訳ないですが、パーツリストをお持ちでない方ましてや海外の初代シビック・フリークたちはRSのパーツリストは存在してませんので、ここにRSのCVツインキャブの分解図を載せたいと思います。スキャナーを持っていないので、借りて1枚コピーしました。

RS carb fig. There is a exploded view of RS dual keihin CV carbs as follows.

 

*10/27/2007 Add3 <パッキンセット、加速ポンプダイアフラム、エコノマイザーダイアフラム>

CVキャブの整備に必要な、パッキンセットはとうにメーカ製廃です。フロートチャンバーとのパッキンよりも、加速ポンプのダイヤフラムゴムがひび割れやすく、その場合はガソリンが漏れてしまいます。NV用でも、水冷360(Z、ライフ、ステップバン)のでも使えますが、それら全てメーカ製廃になってしまいました。

そこで数年前にクラブSB−1の会長が「テクニカルトート神奈川」へお願いして、CVツインキャブ用パッキンセットを用意してもらいました。空冷・水冷360のCVツインキャブと違って、シビックRSやH1300のそれは、「エコノマイザージェット」があり、それ用のダイヤフラムもセットに入っています。

初代シビックRSのCVキャブを使用してる方で、加速ポンプダイアフラム破損しても大丈夫!「テクニカルトート神奈川」さんか、「山之内キャブレター」さんへ問合せてみてください。

 

*10/28/2007 Add4 <キャブボディ>

SOLEXも旧い2型などそうですが、このCVキャブも、ボディの材質が「亜鉛ダイキャスト」です。 フロートチャンバーを締めるネジがM4で、アルミのつもりで締めると亜鉛のネジ山が崩れますョ。 経年変化でよけいに脆くなっているのか、うかつに触るとポロポロとねじ山が崩れる固体もありました。 キャブを分解掃除後、ガソリン漏れないようにとキツ目に締めずに、緩めで漏れてきたら最小限に締め増しするのがイイと思います。

 

 

*4/30/2001 Add2

完調なCVキャブならいいですが、25年以上経ってくると肝心のバキュームピストンとバキュームチェンバーの摺動面に傷が入ります。例えば、ゴミをかんでバリのようになってしまったりします。 私はこの状態で走り続けていたら3000 kmおきにバュームピストンが上がったまま張り付くのが習慣になってしまいました。 負圧に関係なく実質のベンチュリー径が大きくなり負圧が足りず、ニードルとニードルジェットの隙間も大きいため、特に2500 rpm 位まで力のないスカスカなエンジンになってしまいます。( バキュームピストンのスプリングを弱めると同じことがおきます。空冷系は強め、水冷のそれは弱めのスプリングで、それぞれピストンの穴系とバランスしていますので、いじらずにジェットサイズでセッティングしましょう)

しかし、摺動面を研磨し過ぎてクリアランスが広くなり同一の負圧でもピストンが下がり気味になるのはいやなので、実験としてチェンバーとピストンにミリテック(オイル添加剤)を原液で塗ってドライヤーで65℃位まで加熱してみました。それをやったのは3年位前ですが、それから丸2年のあいだ4連CVに換えるまで一度も張り付きは起こりませんでした。ミリテックは「ある温度にて金属表面を改質して...」とあり凄く怪しい。 興味本位で買ってみたものの、スペアの無いエンジンへいきなり入れるのが怖くてキャブで実験してみたら案外具合がいいです。

とりあえずミリテックによる害は今のところありません。アルミが変色したりも無いです。但し、エンジン内のもっと荷重が掛かるところでどうかは不明です。