| 山行報告(1999年 5月、北アルプス・槍ヶ岳) |
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| 槍ヶ岳から、穂高連峰遠望。左端に前穂北尾根が見える。 |
ゴールデン・ウイークに穂高連峰に行ったが、その2週間後、その穂高連峰の北側にある槍ヶ岳(3180m)に登った。 京都を夜行急行「ちくま」で発って、朝4時に松本着。 ここから、タクシーを使うと、入山口の上高地までは1万数千円かかる。 しかし、松本駅西口のタクシー溜まりで運ちゃんと交渉。 「よっしゃ、5人揃うと考えて、ひとり3,000円で行ったる」との強いお言葉。 でも、他にいた登山者は2人だけ(ま〜季節はずれだもんな)。 おまけに、その2人は、松本電鉄とバスを乗り継いでいくからとなぜか頑なに拒否。 なんでやねん、タクシーの方が楽やで? でも、その運ちゃん、結局、僕ひとりだけを3,000円で連れていってくれた。 ラッキ〜ッ! さんくす、運ちゃん。 上高地着が5時半、そこから延々、距離にして22km、標高差1800mの槍ヶ岳頂上をひたすらめざせ! …。 バテた、けっこう。 その週、ず〜っと早出残業続きで、睡眠不足も続いたからかなあ。 そう言えば、夜行列車のなかで缶ビール1本で、コテンと寝てしもうたしなあ。 途中までは快調だったんだけど、急登がはじまると同時に、がっくりとペースが落ちた…。 「いち、にィ、さん、しィ、ごォ、…、98、99、100、ふぅ〜」 そう、バテきったときにはこれしかない。 一歩一歩、数を数えて頑張る。 本当は10歩で立ち止まって休みたい。 けれど、んなことしてたら、いつまでたっても、どこにも着けない。 自分に100歩は連続して歩くことを約束する。 50歩を過ぎるとホントに苦しくなる。 でも頑張るしかない…。 おまけに足元は上がった気温で腐りきった残雪。 ズルッと滑るたびに、疲労がつのる…。 しかし、100歩なんて距離で言えば、わずかなものだ。 たかだが50mくらい。情けない…。 ほんと、誰か(まゆぞ〜、君だよッ)の言うように、「ひとりSM趣味」だ、まったく。 それでも一歩一歩積み重ねれば、必ずいつかは目的地にたどりつく。 これは僕が山で得た教訓だ。山は人生学校(笑) 予定時間を大幅にオーバーしたものの、2時半に頂上直下の「槍の肩」に到着。 上高地からは延々、9時間…。 ここで宿泊予定だったが、どうも雲行きが怪しい。 雲の流れが速すぎるし、突風が残雪を巻き上げて氷粒を顔面にたたきつけてくる。 まあ、とにかく頂上を往復するか。 ここから、槍ヶ岳頂上へは一部梯子や鎖(ほんとSM、笑)とかはあるものの、基本的に岩登り。 しかも、梯子や鎖などはこの時期、残雪に覆われて一部しか使えない。 そう、またもや雪壁があるのだ…(泣) 午後3時半、槍ヶ岳山頂、3180m。 雲行きますます怪しく、雨の匂いがする。空はまだ晴れているけれど。 不思議と、ひと吹きの風から、雨の匂いってわかるものだ。 ああ、明日は雨だな、と。 午後4時半に「槍の肩」に戻って、この時間から強行下山を決定。 登りで一歩一歩あんなに苦労した雪面を滑るように飛ぶように下って、登りの時間の1/3で下る。 午後6時半、槍沢、標高1800m。 暗くなったので、ここで行動をうち切り。 朝5時半から夕方6時半まで、13時間連続行動。 標高差1800mを登って、標高差1400mを下山。 歩行距離約30km。 馬鹿みたい。 けど、12時間以上の行動に耐えられる体力を取り戻しつつあるのが、嬉しかった。 ひとりSM趣味の勲章(笑) 翌日、上高地は小雨。 見上げる穂高連峰3000mの稜線は深いガスにおおわれて、おそらく雨。その姿を見ることはできなかった。 強行下山は正解だった、としておこう。 |