以下は、アルパイン・クライミングMLに掲載された「冬の黒部横断記録」です。
にしやん経由で入手しました。
報告者・野村勝美氏の了解を頂いていませんが、MLで配信された主旨から、
タダオからの正式な報告があるまでの一時的措置として以下に転載させて頂きます。
by 管理者:NG(noguring)
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Alpine Climbing MLに、早速野村が簡単な山行報告をしていたので、以下転送。 また、正月剱八ツ峰にはCMCとサンナビキ(この組み合わせの妙!)も入っていたが撤退、剱沢からヘリに「強制連行」されたらしい。下記参照。 最近アイスクライミングの報告が殆どのACMLで、こういう報告は希少。 -------------------------------------------------- ACMLのみなさん 野村@左京です、こんにちは。 詳細は(きっとかなり)後日何らかの形で報告できると思いますが、取り急ぎ年末年始山行の行動概要をお知らせ致します。 オリジナルプランは行動12日/予備9日で、仙人池ヒュッテから八ツ峰滝ノ稜に継続するものであったが、野村が直前に食中毒となり入山が2日遅れる。まず予備日を2日カット。 さらに、無線の不調・野村の足指凍傷等もあり、八ツ峰への継続を放棄し、ガンドウ尾根からそのまま池平山に詰め、劔主稜線に抜けた。 結果的にはこのプラン変更がなければ、恐らく現在八ツ峰で行動不能に陥っていただろう。 事前デポはなし。但し途中ラッセルに耐えられず、仙人池ヒュッテに継続放棄により不要になったギア類を置いてきた。 MEM:野村勝美、岡田忠雄(百万辺ラッセル同人) @12/21 曇り時々晴れ 大谷原−赤岩尾根2200m付近 A12/22 晴れ −冷池小屋−鹿島南峰−牛首尾根2200m付近 B12/23 晴れのち夜に入り雨のち雪 −十字峡−十字峡下流左岸の台地 ・十字峡の徒渉は股下まで、川幅15m。 C12/24 湿雪 −ガンドウ尾根(本稜)1610m付近 D12/25 雪 −ガンドウ尾根1680m付近 E12/26 風雪 同位置にて沈 F12/27 雪時々晴れ −ガンドウ尾根JP−大滝尾根の頭 ・十字峡〜JP間は薮払いのため鋸が大活躍! G12/28 雪 −南仙人山−仙人池ヒュッテ (この日野村凍傷受傷) H12/29 晴れ −仙人山−池の平小屋−池平山2400m付近 ・27-29のまるまる三日間、トップは空身でラッセル("朝鮮歩荷"とか"ビーコン"って言うらしい)状態。 I12/30 晴れ −池平山−小窓−三ノ窓−池の谷乗越 J12/31 曇り後風雪、馬場島は雨 −本峰−早月尾根−馬場島 ・二つ玉低気圧が襲来、以降停滞を余儀なくされそうだったので悪くなる前に脱出開始とするが、長次郎コル辺りで捕まる。 本峰からはトレイルがあったお陰で、早月の下り口をしばらく探して下降開始、僕らはシシ頭はトラバースルートを採ったが、2800mへの分岐辺りで稜線沿いに進むPa(これが廣川さん達)とすれ違う。 ・2800まで行けば逃げ切り、2600以下なら安全圏と思っていたが、今回の状況下では2600どころか、早月小屋から続く樹林帯に入って初めてほっとすることができた。今回一番の悪場だった。 廣川さん達のトレイルがなければ、逃げ切れたか怪しい。 K2001/1/1 雪 ・県警の好意で雪上車に便乗させて頂き、伊折まで。引き続きワゴンで上市駅まで送って頂き、下山。 (1/1は上市タクシー休業、県警は交代隊員出迎えの用あった) ・結果的にこのお陰で、野村の凍傷の水泡は潰れずにすみ、帰洛後の治療が容易であった。 和田城志さんではないが、当初思い描いていたルートからすればかなりレベルダウンしたものとなったが、廣川さん達が20世紀 最後の劔登頂者なら僕らはラス前、また十字峡については、恐らく最後の横断者であろうと、ちょっと嬉しいような気がしてます。 野村勝美@京都・左京労山 |