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『転生したらスライムだった件』(てんせいしたらスライムだったけん)は、伏瀬による日本の小説作品。略称は『転スラ』。小説投稿サイト『小説家になろう』にて2013年2月20日から連載されていたWEB小説を大筋プロットとして大幅に改訂し、2014年5月よりマイクロマガジン・GCノベルズからが刊行されているほか、本作を原作とする漫画や外伝漫画、漫画版を元にしたアニメなどのメディアミックス展開が行われている。
== あらすじ ==
通り魔に刺されて死んだ会社員、三上悟(みかみ さとる)は、異世界の洞窟でスライムとして転生する。
以下の節タイトルは「転生したらスライムだった件 公式設定資料集8.5」(2016年)に従ったものである。また、内容についてはWEB版を除く全媒体版の基本となっている書籍小説版を元に構成し、各媒体版それぞれの相違点については節を分けてまとめる。
=== 地位向上編 ===
スライムとして転生した異世界の洞窟で「ヴェルドラ」と名乗る巨大な竜と出会い、ヴェルドラは主人公にリムルの名を贈り、主人公はヴェルドラと自分に「テンペスト」のファミリネームを名づけて友達となる。
ヴェルドラは過去の勇者によって洞窟内に封印されていたが、リムルは転生したときに身に付けた能力、”捕食者”で封印結界ごとヴェルドラを収納。洞窟を出て旅に出ることを決める。
洞窟があった「ジュラの大森林」にて、最初に出会ったゴブリンの集落を牙狼族から救った縁から集落の救世主となったリムルをゴブリンたちは崇め、リムルもゴブリンたちを守り養うために街づくりを行うことになる。この街づくりの過程で、ドワーフ王国「武装国家ドワルゴン」で刀鍛冶をしていたドワーフのカイジン、その弟子のガルム、ドルド、ミルド三兄弟、ドワーフ王国警備隊長のカイドウ、ドワーフ王国大臣ベスター、ドワーフ国王ガゼル・ドワルゴなどと縁が出来る。
その後、森の洞窟周辺の調査を依頼されたカバルたち3人の冒険者にかつて爆炎の支配者と呼ばれたシズが同行。ジュラの大森林にて魔物に追われていたところをリグル率いる警備隊に助けられ、リムルたちの作った街に案内される。カバルたちとの対話中、シズが不意に苦しみだし、身体に宿らせていた炎の精霊であるイフリートが暴走する。リムルの活躍によりイフリートを捕食者によってシズから引き離し、暴走を抑えることに成功。しかし、イフリートの生命力によって維持されていたシズの体は急速に老い始める。今際の際、「あなたの見せてくれた懐かしい故郷の景色のなかで、眠りたい…」とシズがリムルに願ったことで死後に遺体を捕食者で取り込む。そのことで、リムルはその後「取り込んだ対象を再現出来る」という捕食者の力によりシズの姿で人間に変身する能力を得る。
=== 森の騒乱編 ===
新しい街づくりが続く中で、リムルたちは突如6人の大鬼族(オーガ)たちから襲撃を受ける。しかしそれはリムルがオーガたちの暮らしていた里を滅ぼした仲間という誤解から発したもので、誤解が解けた後はリムルに名付けられて鬼人族(キジン)へ進化、リムルの配下となる。
オーガたちの里を滅ぼした豚頭帝(オークロード)ゲルドに率いられたオークの軍団は20万のオーク軍となってジュラの森の中央部にある蜥蜴人族(リザードマン)の支配する湿地帯方面へ進軍しており、リザードマンの首領はこれに対抗するためには援軍が必要と判断、息子のガビルを使者としてゴブリンの集落へ援軍要請に送り出す。自分たちの集落を守ることで利害の一致したリムルたちとリザードマンは協力することになったが、ガビルは強すぎる自尊心により父親もリムルたちをも侮っており、反乱を起こして首領を監禁、リザードマン反乱軍単独でオーク軍に挑む。
しかし、オーク軍は強く、相対したリザードマン反乱軍は惨敗してしまい、軍を率いていたガビルも殺されそうになったところをリムルたちに救出される。リムルはオークロード・ゲルドとの一騎討ちに勝利し、ゲルドの消滅と同時にオーク軍は瓦解する。
オーク軍の侵略目的が飢餓であったことを知ったリムルは森に集う多数の種族が相互に協力し助け合う「ジュラの森大同盟」を提案、会議の参加者の全会一致をもって、リムルを頂点とする大同盟が成立する。
=== 魔王来襲編 ===
リムルを始めとするジュラの大森林の新戦力出現により謀略に失敗した魔王クレイマンは、同じく十大魔王のミリム、カリオンを利用してリムルたちへの牽制と情報収集を行う新たな謀略を発案する。クレイマンの真の思惑に気づかないまま、ミリムとカリオンは退屈しのぎに策に乗ってリムルたちの作った魔物の町の情報収集を行うことにする。
ちょうどそのころ、リムルら新興魔物勢力が敵対しないかどうかの見極めのため、魔物の町にドワーフ王国の国王ガゼル・ドワルゴが武装国家ドワルゴンの騎士団である天翔騎士団(ペガサスナイツ)を率いて到着する。剣戟を経て、ガゼルはリムルを信用に値する魔物と判断、ジュラ・テンペスト連邦国と武装国家ドワルゴンとの正式な友好関係を締結するに至る。
ガゼルとの対話が一段落したころ、前述のミリムが町へと到着する。子供のように純真で単純なミリムの性格を見抜いたリムルによりあっさりとミリムは懐柔され、友達となって以後は出来たばかりの町の中をリムルの案内により堪能し、魔物の町にそのまま居着く。
続いて同じく町の調査を目的として魔王カリオンの部下フォビオも到着するが、フォビオは高すぎる自尊心を持つ故に最初から魔物の町の住人を見下しリムル配下のリグルドに暴力を振るう。それが理由となり魔王ミリムの逆鱗に触れて制裁されることとなり、それを屈辱に感じたフォビオはミリムに憎しみを抱く。フォビオはそのまま、国元へ戻らずテンペスト周辺に潜んで復讐の機会を伺うことにする。
同時期、ブルムンド王国の自由組合支部長フューズも魔物の国に興味を抱き、部下にカバルらを引き連れ魔物の国へ向かう。テンペスト到着前に森の中の戦闘で知り合ったヨウムがリムルの口車に乗り、「オークロードを倒した英雄」として祭り上げられることとなった際もこれを後押しする。
テンペスト周辺にいたフォビオの元に、「中庸道化連」を名乗る道化師の風体をした男女の魔人、フットマンとティアが訪れる。フットマンとティアはミリムに復讐する手段として災厄級の魔物「暴風大妖渦(カリュブディス)」の力を取り込めると唆し、策に乗ったフォビオはカリュブディスに取り込まれて依代になり体を乗っ取られてしまう。巨大な魔物カリュブディスに変化したフォビオはミリムへの復讐心を動機にミリムが滞在しているテンペストへ向かい、リムルを始めとするテンペストの面々および滞在中のガゼルらペガサスナイツが迎え撃つこととなる。ほぼ一昼夜を費やす激戦の末に、カリュブディスに変化したフォビオの目的が魔王ミリム個人にあることが判明。戦闘の主導権をミリムに交代すると、ミリムはカリュブディスを一撃で葬る。
フォビオがカリュブディスから分離されて生き延びたことで、リムルらはこれが魔王クレイマンの思惑の内にあることを知り、魔王クレイマンを敵と認識しその動向に注意を払うこととなる。
クレイマンはミリム、カリオンとの会談の場に呼んでいた天翼族を支配する魔王フレイの悩みが天敵であるカリュブディスの復活が近いことだったことに気づき、これを自身の策で早期復活させ完全体となる前に滅ぼすことで恩を売り、更に先の謀略に組み込むためにフレイの持つ力を利用する算段を行う。
=== 人魔交流編 ===
国家として成立したテンペストは西方諸国と外交を行うようになり、獣王国ユーラザニアとは農作物と酒類の交易、ドワーフ王国とは回復薬ポーションを主軸とする販売路整備と技術交換、ブルムンド王国では回復薬の販売契約、相互安全保障条約、通行許可協定などを締結する。
またブルムンド王国ではリムルが正体を隠し人間として振る舞う際の身分証として自由組合で冒険者登録を行う。その後リムルはブルムンド王国を離れ、シズが暮らしていたイングラシア王国に住む、シズの教え子である自由組合総帥(グランドマスター)であり同郷人と目するユウキ(ユウキ・カグラザカ)の元へ向かう。
イングラシア王国ではユウキの保護していた不完全召喚により短命の運命を背負っていた、シズの心残りであった5人の子供たちと出会い5人を教導することにし、さまざまに反抗されながらも子供たちの信頼を掴むことに成功する。
教師として子供らに接しつつ子供らの運命を変える方策を探っていたリムルは国民全員が呪術者であるウルグレイシア共和国に「精霊の棲家」があることを知り、子供らを連れて同地へ赴く。精霊の棲家を支配していた魔王ラミリスの課した危険な試練を経て、子供たちはリムルのサポートを受けながらその身に上位精霊を宿らせることで、体内で暴走していた魔素を制御させることに成功し短命の運命から解き放たれる。しかし、その最後の順番であった子供クロエ・オベールには上位精霊以上の力を持つ謎の存在が召喚され、ラミリスの警告も虚しくあっという間にクロエに憑依してしまう。
その後、リムルは子供らと別れ単身テンペストへの帰途へ就いたが、ユウキと同じくシズの教え子だった坂口日向(ヒナタ・サカグチ)の放った結界に捕らえられる。ヒナタはリムルがシズを殺害したと思い込んでいるほか、ヒナタの所属する西方聖教会には魔物の存在そのものを認めない教義があり交渉が成り立たず、リムルは多くの能力を封じ込まれた状態でヒナタとの一騎討ちの末、意識が途絶える。
=== 魔王覚醒編 ===
魔王クレイマンの配下である魔人ミュウランはクレイマンの命令により人間を装って冒険者ヨウムのパーティの一員としてパーティに加わり、テンペストに入り内部から偵察を続けていた。そのうちにミュウランとヨウムは互いに愛し合うようになるが、そのときクレイマンよりテンペスト全体に魔法結界を張るという命令を受け、即座に正体がばれてしまうことで自身の身の危険を感じるも、愛する者への害意をほのめかされたミュウランは命令に逆らうことが出来なかった。
西方諸国でも大国のファルムス王国では国王エドマリス以下の王侯貴族たちがテンペストのもたらす新技術、貿易路を脅威と感じ、また魔物の国家であることから謀略により大義名分を得てテンペストを侵略しようと画策を始めており、3人の残忍な性格を持つファルムス王国所属の異世界人はテンペストに赴き魔物相手に痴漢冤罪を手段として諍いを始める。
異世界人3人とテンペストの魔物たちとの戦端が開かれたその瞬間にミュウランによる魔法無効結界が展開、更にその上に西方聖教会の大司教レイヒムが封魔結界を重ねられたことでテンペストの魔物たちは大幅に戦闘力を削がれ、シオンを始めとする一部の幹部が死亡または重傷を負い、また魔物の住民100名ほどが犠牲となって死亡する。
ヒナタに襲われたリムルは分身体を放つことで生き延びており、急ぎテンペストへ帰国したが既にシオンらが死亡した後で、三日間茫然自失の日々を過ごす。その後エレンにより「おとぎ話」として「ペットの竜を失った少女が怒りにより大量虐殺を行った際に魔王進化が起こり、魂の繋がりがあった竜も死亡後の状態に関わらず進化し蘇生した」という物語が語られる。リムルはそれを聞き、同様に自身が魔王に覚醒すればシオンらが蘇る可能性があると考え、大賢者に計算させたところ蘇生成功率3.14%の計算結果を得る。
また今回の住民蹂躙の直接の原因として自身の人間への対処の甘さを認識し「敵対する者とは徹底的に戦う」という新たな方針を打ち出す。仲間たちは皆それに賛同し、ファルムス王国との戦争を決意、ベニマル以下の幹部らはテンペスト周辺に展開する異世界人3人を含むファルムス王国の兵士らを殺害、リムルは1人でファルムス王国の軍隊2万人に相対、国王エドマリス、大司教レイヒム、王宮魔術師ラーゼンを捕虜として捕獲、それ以外の全員を完全に虐殺する。
大量の魂を得たリムルは予定通りに魔王への進化を開始、アルティメットスキル2つを獲得するなど能力に大幅な進化を得、配下にもその進化の影響が及んだことから死亡していた幹部、住人全員が蘇る。
喜びに湧くテンペスト住民たちだったが、そのとき獣王国ユーラザニアより避難民がテンペストへ到着し、獣王国ユーラザニアが魔王ミリムの手により滅んだことを知らされる。また、同時期についに竜種ヴェルドラを捕らえていた結界の解析が完了したため、リムルはヴェルドラを復活させる。
対ファルムス王国戦後の戦後処理、一連の事件の黒幕であることが確実となった魔王クレイマンへの対処、西方諸国への対応などに頭を悩ませつつ、リムルはテンペストに味方する者たちを集め大会議を開き、リムル自身と仲間たちの力を確認しつつ第一にクレイマンへの対処、第二に西方聖教会の順で対処を行うことを決定する。
=== 八星輝翔編 ===
中庸道化連の集まる中で、ラプラスはルベリオスの奥の院で魔王ヴァレンタインがいたことを「謎の少年」に報告する。謎の少年はクレイマンが王と仰ぐ「呪術王(カースロード)カザリーム」を全盛期の力を持たない不完全状態ながらも現世に女性の肉体を持って復活させた人間であり、カザリーム復活を餌にクレイマンが各地を暗躍させたり、ミリムを操るための魔術道具「支配の宝珠(オーブ・オブ・ドミネイト)」をカザリームに作らせクレイマンに与えたりしていた影の黒幕だった。
ラプラスの報告により中庸道化連の今後の計画の障害となる魔王ヴァレンタインの排除を画策した結果、少年たちは全魔王を魔王達の宴(ワルプルギス)に集中させることで魔王ヴァレンタインを奥の院から宴へおびき出し、魔王不在となった隙をついて奥の院内部の調査を行うこととする。
そのころ、リムルたちは後に「人魔会談」と呼ばれることとなる諸外国代表を集めた国際大会議を開いていた。そこで聖騎士ヒナタへの対策、ヨウムを擁立した(ファルムス王国に代わる)新国家樹立の工作などを話し合う。そこに魔王ラミリスが現れ、魔王達の宴の主催となるクレイマンの思惑が魔王カリオンとリムルの抹殺であることを告げる。リムルたちは戦の準備を開始、またリムル自身は魔王達の宴に参加しクレイマンと宴の場で直接対決することを決定する。
クレイマン軍と魔国連邦・獣王国ユーラザニア連合軍との間で戦端が開かれたが、内容は連合軍の一方的な殲滅戦となり、クレイマン配下は最終的に追い詰められクレイマンの事前布石により配下のひとりがカリュブディスに強制変化させられたりもしたが、ベニマルの「黒炎獄(ヘルフレア)」により一撃で焼き尽くされ戦闘は連合軍の勝利で終了する。
また、別働隊としてシュナ、ソウエイ、ハクロウはクレイマンの本拠地傀儡国ジスターヴの城へ潜入する。そこは「死霊の王(ワイトキング)アダルマン」が守護しており3人は苦戦を強いられたものの、シュナ対アダルマンの一騎討ちでシュナが勝利したことによりアダルマンとその部下たちはカザリームから受けていた呪縛から解き放たれ自由の身となりシュナに忠誠を誓う。
魔王達の宴の場ではクレイマンの一人芝居を経て最古の魔王ギィの命令によりリムル対クレイマンの戦いにより決着をつけることとなる。クレイマンは支配の宝珠を用いて支配している魔王ミリムを配下として用いることで勝利は揺るぎないものと信じていたが、実はミリムは操られている演技をしていただけで支配されておらず、またミリムの手にかかって死亡したはずの魔王カリオンも生存しており、クレイマン自身の戦闘力もリムルたちより全く劣っており勝機はなく、追い詰められたクレイマンはさまざまな手段を講じてあがいたものの、最後は悔恨の念と共にリムルに捕食され魂も含め完全に消滅する。
クレイマンの消滅後、魔王フレイと魔王カリオンは魔王の座を退き魔王ミリムの下につくことを宣言、魔王ギィに認められて魔王の総数は8人となる。紆余曲折のあと、8人の魔王の総称は8番目の新魔王となった「新星(ニュービー)リムル」の命名によって「八星魔王」と決定される。
=== 聖魔対立編 ===
リムルからファルムス王国攻略を一任されたディアブロは周到な計略を練り、行動を開始する。行動に際しては対ファルムス王国戦で捕虜にした国王エドマリス以下3名を使役し、ファルムス王国貴族会議をテンペストの有利に導く。
そのころ、ヒナタはテンペストへの対処について、神(魔王)ルミナスよりテンペストとの戦いは避けるようにとの指示に対し、東の商人の思惑によってリムルたちと敵対するように誘導されていたことに気づいたこともありテンペストと敵対する意志は既になかった。しかしヒナタら聖騎士団と法皇直属近衛師団との合同会議の場に届いたリムルのメッセージは何者かに改竄されており、ヒナタとの一騎討ちを望むかのようにしか聞こえないものとなっていた。ヒナタは前回リムルを襲った責任を考え、単身でテンペストに赴く意志を伝え、西方聖教会の最高顧問である「七曜の老師」たちはヒナタへ「竜破聖剣(ドラゴンバスター)」を授け送り出す。しかし、単身で出立したヒナタを心配したヒナタを慕う複数名の聖騎士たちはヒナタの後を遅れて追いかけ、またその更に後を七曜の老師たちの命令により100名の聖騎士たちが追っていた。
このとき、西側諸国を経済面から牛耳っていたグランベル・ロッゾ以下五大老は自身の戦略の邪魔になるヒナタとリムル以下テンペストを排除する目的から七曜の老師、ヒナタ部下の聖騎士、東の商人と密かに通じ抹殺に向けて水面下で動いており、手始めにファルムス王国大司教の地位にあったレイヒムを殺害しテンペスト勢の仕業に見せかける。
ヒナタはテンペストに到着しリムルと話し合いでの解決を試みたが、七曜の老師の命令によって後続していた100名の聖騎士たちが戦闘を仕掛けたことからに有耶無耶のまま開戦、リムルと一騎討ちになる。ヒナタは苦戦し最大の奥義を破られ敗北し、最後には七曜の老師から授かった竜破聖剣が爆発、咄嗟にリムルを庇ったヒナタは瀕死の重体となる。
ファルムス王国でもディアブロの策略通り新王対前王の様相で戦闘準備が進んでいたが、ディアブロは大司教レイヒム殺害の新犯人を暴くため単身でその軍勢を止めることにし、相対した人間たちも圧倒的な悪魔公(デーモンロード)の力量を目の当たりにしたことで、恐らく真犯人は七曜の老師であることに気づく。そのとき七曜の老師たちのうち3名が真実を知った人間たちを抹殺するためにその場へ現れる。
同時期、リムルとヒナタの元にも七曜の老師たちの2名が現れ、ヒナタの引き渡しを要求したが思念伝達によりディアブロから報告を受けていたリムルはこれを拒絶。戦闘になるがリムルは七曜の老師たちの攻撃をことごとく跳ね返し、またその場に遅れて登場した魔王ルミナスにより七曜の老師たちは粛清され、ヒナタはルミナスによって癒される。
ファルムス王国へ現れた七曜の老師たちもディアブロによって殺害され、新王エドワルドはディアブロに怯えつつ英雄ヨウムに新王の譲位を約束しファルムス王国の戦後処理は終了する。
最後に残っていた七曜の老師のまとめ役、日曜師グランも聖騎士枢機卿ニコラウスによって殺害され、七曜の老師たちの悪事は潰えたかに見えた。しかし日曜師グランはグランベル・ロッゾの精神体に憑依され操られており、肉体を失ったグランベル・ロッゾは元の肉体に戻り生存していた。本体へ戻ったグランベル・ロッゾに、孫娘であり転生体であるマリアベル・ロッゾは「魔物の町はロッゾ一族にとって危険な存在であり、潰さなければならない」と告げる。
=== 領土掌握編 ===
リムル、ルミナス、ヒナタらはテンペストに滞在しこれまでの経緯をお互いに説明、和解し今後について話し合いを行い、
# 神聖法皇国ルベリオスはジュラ・テンペスト連邦国を正式に国家承認する
# 神聖法皇国ルベリオスはジュラ・テンペスト連邦国と100年の友誼を結ぶ
# ルミナス教の「魔物の生存を認めない」という教義を撤廃する
…の3点が決定された。
テンペストはリムルの魔王就任を祝賀する「開国祭」の式典を行うことになり、各国首脳部へ招待状を送付したが西方聖教会筆頭騎士ヒナタが魔王リムルに敗北したというニュースも同時期に西方諸国へ伝わっており、各国は対応に苦慮していた。しかし武装国家ドワルゴン国王ガゼルはリムルが人類に敵対するはずがないと信じ、引き続きテンペストとの友好関係を続けることを宣言、神聖法皇国ルベリオスの国交も正式に開かれ、また魔導王朝サリオンも皇帝自らがテンペストへ外遊することが決定する。
リムルがテンペストへ帰国すると魔王ラミリスがテンペスト移住を強行しようとしている現場に遭遇、リムルは呆れつつもラミリスの持つ「迷宮創造」の能力で冒険アトラクションを作成出来る可能性に気づき、建設途中の闘技場の地下に作成することを決定する。これにより、
# ラミリスとその配下にテンペストへの移住を認めること、迷宮運営者として給金を与えること
# 迷宮という別次元の分離空間最下層に竜種ヴェルドラの居住地を作成することでヴェルドラが他者の害毒となる魔素の開放を我慢せず行えるようになること
# ヴェルドラの放出する魔素により自然発生する魔物を迷宮内部で徘徊するモンスターとして活用すること
# 下層階層ボスとしてアダルマンら配下のほか、魔王ミリムが捕獲してきた竜族を配置すること
# クロベエの武具試作(失敗作)品を各所に配置すること
などにより「金銭を支払って迷宮に潜り、アイテム類の取得を目的とする迷宮アトラクション」として仕上げられていく。
その後ブルムンド王国から豪商ミョルマイルが開国祭運営、テンペスト武闘大会運営の責任者としてテンペストへ移住し、正式にテンペストの幹部となる。同時期、ジュラ大森林の各部族代表たちが魔王リムルへの謁見に首都リムルを訪れる中、長鼻族(テング)の現族長カエデが幹部ハクロウの妻であり、またカエデの娘であるモミジがハクロウの娘であることが明らかになる。
謁見終了後、リムルはソウエイに命じて調査させていた「ジュラ大森林に住むエルフを強制連行しエルフ奴隷として奴隷売買を行っていた犯罪組織」について報告を受けたが、この奴隷商会が「勇者マサユキ」と名乗る者によって滅ぼされ、勇者マサユキは救出したエルフたちを連れてテンペストへ訪れる、とのことであった。しかし勇者マサユキは魔王討伐を行う心づもりであるという噂もあり、マサユキの名前から召還者であることを予測したリムルは話し合いの場で解決することを望み一切の手出しを禁じる。
== 登場人物 ==
公式参考資料集8.5及び13.5に記載のあるキャラクターについては名前横に記載ページ数を記した参考文献として付記し、以下の各解説文末注記からは省いた。
声の項は、テレビアニメ版の声優を指す。
●種族:妖魔族(スライム) ⇒ 魔粘性精神体(デモンスライム) ⇒ 竜魔粘性星神体(アルティメットスライム)
●声 - 岡咲美保
●主人公。異世界の人間(日本人)である三上 悟(みかみ さとる、声 - 寺島拓篤)という37歳のゼネコン勤務のサラリーマンが通り魔に刺されて死亡し、完全な記憶を持ったまま“魂”だけで“界渡り”を成し遂げ、ジュラの大森林の封印の洞窟内部にて魔物のスライムに転生した。その後、初めて出会ったヴェルドラと名前を交換することで「名持ちの魔物(ネームドモンスター)」となり、この世界で最初に縁を持った同郷人である井沢 静江(シズエ・イザワ / シズ)を吸収したことにより人間の姿に擬態する能力を身につけた。
●スライムとしての容姿はぷよぷよした月白色のおまんじゅうのような外見であり、女性たちからは人気である。人間に擬態する時の容姿はシズをやや幼くした愛くるしい少女寄りの中性的な外見で、ぱっちりとした金色の瞳、うっすら青みがかった銀髪が特徴である。人間に擬態する時は黒を基調とした獣毛獣皮のコートなどを身に付けている。生物学的には無性、人間体の外見は女性寄りだが、精神性は前世のままなので口調などは男性的。基本となる人間態の姿は魔素量とスライム細胞の体積に応じて変化するので、習得当初は6歳前後の外見だったが、豚頭魔王ゲルドを吸収したことで身長130センチ程度に、魔粘性精神体に進化したことで12、3歳程度、竜魔粘性星神体への進化で女子高校生くらい、というように成長している。なお、余談だが、シュナやドワーフ三兄弟はリムル用に女性服を仕立てることが多く、度々着せ替え人形にさせられている。
●転生した洞窟を出た後、ゴブリンの村落を助けたことを皮切りに多くの魔物たちと知り合い、やがてジュラの森を拠点とした多民族国家「ジュラ・テンペスト連邦国」の盟主となる。さらに、魔王就任により支配領域が樹妖精の影響下にない地域を含む大森林全域に広がった。前世の常識から「名前がないと不便」と配下の魔物の大半に“名”を与えており、初期はその危険性を知らず調子良く“名付け”しては、しばしば魔素不足で低位活動状態(スリープモード)に陥っていた。
●基本的には剽軽で温厚な平和主義者であり、サラリーマン時代も含めて頼られると嫌と言えない性格の持ち主。名付けした配下の魔物たちを家族のように思っており、配下が1人でも欠けると精神のバランスを崩す可能性が高いことをシュナから指摘されている。しかし、蘇生出来たとはいえ自分の油断が原因で100名もの住民を死なせてしまった反省から、現在では自分の仲間を傷つける者には容赦しないだけの非情さも身につけた。
●天才的な人たらしの才能を持ち、自身を慕う配下の魔物達はどんな無茶な命令でも笑顔で実行するので、様々な開発を力任せに進めることができる。直ぐ調子に乗って失敗する、熱くなると見境がなくなる、後先考えずに許可を出して後悔するという失敗を何度も繰り返すなどの欠点を自覚しており、同時に口が達者でデリカシーに欠けるので転生前は女性にモテず独身貴族であった。交友関係として、暴風竜ヴェルドラとは互いに名を送り合い“魂の回廊”を繋いだ義兄弟にして最大の盟友、魔王ミリムとは親友(マブダチ)、ドワーフ王ガゼルとは兄弟弟子、天帝エルメシアとは悪巧み仲間として親しくしている。
●また、基本的に行動理念は「種族問わず楽しく快適に過ごせる国を作りたい」。そうした要望のままに自重せず突き進んだ結果、魔国連邦の衣食住は、今やほとんどの国と比べても引けを取らないレベルにまで達している。一方で多様性を生み文化(娯楽)を発展させる為には思想・言論・表現の自由が保障されるべきだと考えているので、世界征服のような野望は持っておらず、実際に『強欲者』で干渉を試みたマリアベルをして「反則」と言わしめるほど欲が少ない。
●転生直後にユニークスキルを2つも獲得して名付きの魔物ととなっただけあって、ただのスライムだった頃から異常に強く、初戦闘でAランクの嵐蛇を瞬殺している。ゴブリン村の整備を始めたばかりの頃、ジュラの大森林に侵攻してきた豚頭魔王ゲルドを倒して食ったことで“魔王種”を得る。そして転生から2年弱が過ぎた頃、ファムルス王国の策謀によって殺害されたシオンたちを復活させるため、魔国連邦に迫るファムルス王国軍2万を殲滅、その魂を生贄に“真なる魔王”へと覚醒する。魔王への進化とヴェルドラ解放で、4つもの究極能力を獲得している。その後、『魔王達の宴』で魔王クレイマンを倒したことで正式に魔王として認定され、“新星(ニュービー)” の二つ名を授かる。その約1年後、12体もの覚醒魔王級の存在を生み出したことで、“聖魔混世皇(カオスクリエイト)”の二つ名で呼ばれるようになる。
●以下にこの世界への転生時に獲得した能力を記す。
●粘性生物、あるいは妖魔族とも表記される種族。リムルのように自我を持つことはまず無く、普通は思考もせず吸収・分裂・再生を繰り返すだけで、生息領域から出ることも滅多にない最低位モンスターである。死亡時に血が足りなくなると人は死ぬということを考えていたために、「血液が不要な身体」であるスライムへ転生することになった。
●種族固有スキルに『溶解、吸収、自己再生』を保有するが、『自己再生』以外は『捕食者』の下位互換であった。後に『変質者』により『捕食者』の機能である『擬態』と統合され、エクストラスキル『超速再生』となり消失。
●身体は脳細胞、神経、筋肉の機能を兼ね備えた細胞の集合体であり、睡眠や呼吸を必要とせず、周囲の魔素を取り込んで活動しているので十分な魔素濃度があれば食事も不要。スライム状態では五感のうち、触覚以外を持ち合わせていないため、ヴェルドラに教わったエクストラスキル『魔力感知』で知覚している。
●真なる魔王として覚醒したことで、「魔粘性精神体(デモンスライム)」へと進化して全ての身体能力が大幅に上昇、魔素量は10倍以上になり、『無限再生』『万能感知』『魔王覇気』『万能変化』などの固有スキルと各種耐性を習得。
●さらにルドラに操られるヴェルドラを捕食、シエルが解析したことで、最上位聖魔霊である世界で5番目の“竜種”(亜種)となる「竜魔粘性星神体(アルティメットスライム)」に進化、ヴェルドラと同等の魔素量を獲得し、『魔王覇気』は『竜霊覇気』へと強化された。単独での基本的なEPは868万1123だが、最大存在値は『竜種解放』を解除してヴェルドラの8812万6579とヴェルグリンドの7435万0087を加算した値になり、さらに神話級の直刀“竜魔刀(仮)“を装備する事で228万加算される。
●声 - 豊口めぐみ
●死亡時に童貞であったため、「30歳まで童貞だったら魔法使いになれる」という俗説から、40歳目前でもうすぐ賢者、大賢者も夢じゃないなどと考えていた結果、修得したユニークスキル。
●このスキルは、知覚速度を通常の1000倍に加速させる『思考加速』、対象の解析や鑑定を行うことができる『解析鑑定』、解析したい事象を自分の思考と切り離して演算を行うことができる『並列演算』、呪文の詠唱が必要な魔法などを無詠唱で行使できるようになる『詠唱破棄』、この世界において、隠されていないあらゆる事象を網羅する『森羅万象』を内包する。『解析鑑定』で魔法書の内容を精査、『森羅万象』で記憶領域に網羅することにより、極めて短い時間で大量の魔法を習得できる。当初は『捕食』した物しか鑑定出来なかったが、豚頭帝戦後は見ただけでもある程度の判別がつくようになった。『大賢者』に身体の主導権を委ねる事でスキルのサポートを全面に受け、リムル自身では使いこなせていない能力をも駆使して最適化された戦闘方法で戦う「自動戦闘状態(オートバトルモード)」という奥の手も存在する。また、前世の記憶にある漫画本を複写・製本する際にも活用している。
●本来スキルは疑問や会話の応答などは出来ないが、リムルの疑問に答えるために自己改造を行い、進化時などに響く“世界の言葉”の機能の一部を流用することで応答をすることが可能となった。受け答えは機械的かつ受動的で自我は持たないはずだが、その一方で自我があるかのような発言をする場合がある。無限牢獄内で『大賢者』と情報のやり取りをしていたヴェルドラはリムルの意思と関係なく動いたことに気付き、まさか自律型かと疑っていたことが、漫画版巻末の書き下ろし短編で描かれている。
●覚醒魔王化の際、シズの捕食時に獲得したユニークスキル『変質者(ウツロウモノ)』を統合し、自我を持つ天使系究極能力(アルティメットスキル)『智慧之王(ラファエル)』に進化した。思考加速は100万倍となり、『変質者』の『統合』『分離』に由来する権能『統合分離』『能力改変(オルタレーション)』が加わった。量子コンピュータを軽く凌駕する演算能力を獲得し、『思考加速』『詠唱破棄』『森羅万象』を組み合わせればどんな大規模魔術でも0.1秒以下で構築できる。
●最終的にスキルへの名付けで神智核シエルが誕生し、『暴食之王』と統合されて『虚空之神』となり消失する。
:; 捕食者(クラウモノ) ⇒ 暴食者(グラトニー) ⇒ 暴食之王(ベルゼビュート)
●同じく童貞由来で、「来世では(女性を性的に)喰いまくる」などと考えていたために習得したユニークスキル。
●対象を体内に取り込む『捕食』、取り込んだ対象を解析、研究、またアイテムを創造する『解析』、捕食対象を収納したり、解析で作成したものを収納する『胃袋』、取り込んだ対象のうち、解析に成功したものを再現する『擬態』、解析の及ばない有害な効果を収納し、無害化の後に魔力に還元する『隔離』の効果を有する。魔法を含むほぼ全ての放出系の攻撃は『捕食』で無効化可能という強力なスキル。なお、『解析』は後に『変質者』の力で『大賢者』に統合された。
●豚頭魔王ゲルドを捕食した際に得たユニークスキル『飢餓者(ウエルモノ)』と統合したことで大罪系ユニークスキル『暴食者(グラトニー)』に進化し、影響下にある魔物との能力の『受容』と『供給』、対象に腐食効果を付与する『腐食』が追加される。
●覚醒魔王に進化した際、テンペストを襲撃したファルムス王国と西方聖教会の連合軍2万を惨殺する過程で獲得した、心が折れた相手の魂を掌握するユニークスキル『心無者(ムジヒナルモノ)』を『暴食者(グラトニー)』に統合した事で、大罪系究極能力『暴食之王(ベルゼビュート)』へと進化。新たな権能として、『心無者』が変化した『魂喰(こんじき)』、『受容』『供給』を統合した『食物連鎖』を得た。スライムの固有スキルを限りなく進化させた権能なのでリムルにとって最も使いやすいスキルであり、身体のどこからでも発動できるだけでなく視認するだけで空間に影響を及ぼすことができる。さらに10万の人の“魂”をエネルギーへ還元し、相手の性質に適合する姿へと変換、それを魔王種を得た者に与えて覚醒進化させる事も可能となっている。
●最終的に『智慧之王』と統合され、『虚空之神』となって消失する。
:; 各種耐性
●転生時には、死因が刺殺だったことから『刺突耐性』『物理攻撃耐性』『痛覚無効』を、死に際にハードディスクを水に沈めて電気を流して消去して欲しいと願ったから代行措置として『電流耐性』『麻痺耐性』を、死に際に傷口が熱いと思ったことから『耐熱耐性』を、だんだん体が寒くなっていったことから『耐寒耐性』を獲得、耐寒と耐熱の両特性を獲得したことからスキルが進化し、『熱変動耐性』を獲得した。
●熱変動耐性に関しては炎の巨人(イフリート)が放った数千度に達する炎系最上位範囲攻撃が通じない程の防御力を持つが、「無効」ではない。後にシズやイフリートから受け継いだスキルを統合したことで『熱変動無効』に進化した。
●さらに覚醒魔王に進化した際に、『物理攻撃無効』『自然影響無効』『状態異常無効』『精神攻撃耐性』『聖魔攻撃耐性』へと強化され、竜種に進化した事で『精神攻撃無効』になっている。
●人間形態のリムルがたまに名乗る偽名。リムルとしての正体を隠し人間界で活動する場合に使用される。
●「魔物の国の歩き方」ではフラメアの上司として登場した際に名乗り、西側諸国の商人たちがフラメアを籠絡しようとしていたのに釘を刺していた。
●またその後の活躍により獲得したスキルの中から、物語において重要なスキルを以下に記載する。
:; 暴風之王(ヴェルドラ)
●ヴェルドラとの“魂の回廊”が確立し、残滓を捕食したことで獲得した究極能力。ヴェルドラのバックアップになる代わりにヴェルドラの権能を扱える能力で、権能はリムルの記憶にある姿でヴェルドラを召喚する『暴風竜召喚』、ヴェルドラが復元される『暴風竜復元』、魔法書にも記されていない超絶魔法『暴風系魔法』の3つ。また、この究極能力により、リムルが無事である限りヴェルドラは完全に不死身となった。ヴェルドラの解放中は余剰魔素が自らに流れ込み循環効果で身体が活性化するというメリットもあるが、全魔素量の9割ほどを常時消費するので満タンにはならない。竜魔粘性星神体に進化した後は3割負担程度で呼び出せるようになった。ルドラがヴェルドラを支配した際は一部の権能が消失した。
●また、同様にヴェルグリンドを取り込み解析したことで究極能力『灼熱之王(ヴェルグリンド)』を獲得するが、『虚空之神』を完成させる為にどちらも生贄になり消失している。
:; 誓約之王(ウリエル)
●ヴェルドラを封印していたユニークスキル『無限牢獄』を基礎に、リムルがそれまでの活動で獲得してきた能力を統合し生まれた天使系究極能力。対象を虚数空間に閉じ込める『無限牢獄』、多重構成された複合結界と空間断絶による絶対防御『万能結界』、黒炎雷、魔力操作及び熱量操作に加え慣性制御、自在に『胃袋』へと熱の出し入れをする『法則操作』、位置座標を認識した空間を自在に支配・移動する『空間支配』を獲得した。
●かつてルドラが編み出した、彼の信念や世界を統一するという誓い、それに応える仲間達の想いの結晶が発現した”破邪“と”守護“の権能を含んだ究極能力だったが、ヴェルダナーヴァの『正義之王』と交換していた為、ヴェルダナーヴァの消滅後は行方不明だった。後に、シエルによって主要な権能は『豊穣之王』に統合され、残滓はヴェルグリンドへと譲渡、『救恤之王』と統合して『火神之王』となって消滅した。
●以下には神智核となったシエル、およびその『能力改変』で獲得した究極能力を記す。
●リムルが『智慧之王』に“名付け”を行ったことで誕生した神智核(マナス)。由来は「教える」から。能力を統合し、主の補助を行う存在として、リムルの持つ全ての究極能力を支配下に置く。
●数億倍まで上昇し光速にすら対応可能となった『思考加速』をはじめとする、『未来攻撃予測』『解析鑑定』『並列演算』『統合』『分離』『詠唱破棄』『森羅万象』『食物連鎖』『思念支配』『法則支配』『属性変換』といった演算系の権能を全て統合し、より速やかな反応速度で応じられるようになっている。
●自我を持ち、独断での行動(スキルの統廃合など)も普通に行うようになった。そのためリムルに突っ込まれたりたしなめられたりすることもある。リムルが「これからはシエル先生と呼ぼう」と考えた時には「やめて下さい」と切り返している。
:; 虚空之神(アザトース)
●シエルが『智慧之王』と『暴食之王』を統合し、『暴風之王』『灼熱之王』を生贄にして完成させた究極能力。内包する権能は、対象の魂ごと喰らい尽くす捕食・暴食の超強化版『魂暴食(こんぼうしょく)』、神智核によってのみ完全制御出来る混沌世界を満たす究極的破壊エネルギーの『虚無崩壊』、『胃袋』+『隔離』の超強化版で隔離すべき対象を閉じ込める牢獄『虚数空間』、『竜種召喚』の効果も付加された『竜種解放』灼熱・暴風、本人の了承の元で膨大なエネルギー体である“竜種”を凝縮して「刀の核(ブレードコア)」に変じる『竜種核化』灼熱・暴風、時間と空間を把握し意識するだけで瞬間移動が可能な『時空間支配』、常時発動型の多重結界「次元断層防御領域(ディメンションフォールト)」による絶対防御『多次元結界』の7つ。
:; 豊穣之王(シュブ・ニグラト)
●ヴェルグリンドの『救恤之王』に統合された『誓約之王』の本質を受け継いだ究極能力。内包する権能は、『食物連鎖』『解析』によって得た情報から新たな能力を創り出す『能力創造』、得た能力の複製を作製する『能力複製』、複製した能力を適応する対象者に贈与する『能力贈与』、獲得した能力を情報化し瞬時に再現する『能力保存』の4つ。これらの権能を駆使すれば、“魂の回廊”が繋がった配下の能力を弄って究極の権能を与える事が可能で、手助けだけで自力獲得出来た場合は究極能力に、適性のある者へ大きく力を貸し与えた場合は究極贈与になる。リムルと配下の魔物達の絆の結晶といえる能力で、無駄に“魂”の容量を食っていた大量のスキルを解体して情報化する為にシエルが創造した。
==== 幹部 ====
●種族:大鬼族(オーガ) ⇒ 鬼人族(キジン) ⇒ 妖鬼(オニ)⇒ 鬼神(きしん) / 炎霊鬼(えんれいき)
●声 - 古川慎
●元はジュラの大森林にあった大鬼族の里を治めていた族長の息子で、シュナの兄。真紅の髪と瞳に漆黒の2本角が生えた美男子。鬼人族に進化した際に身長は180センチほどに縮んだが、身体はしなやかに引き締まっている。
●豚頭帝の侵攻によって故郷を滅ぼされ、脱出して来た先でリムルと出会い黒幕と誤解して戦闘、敗北しさまざまな利害を考慮した末に一族の生き残り6名全員を率いリムルに忠誠を誓う。オーガの再興の目的を持つが、リムルの器の大きさに対して心酔して心からの忠誠を誓っており、リムルからも側近として全幅の信頼を置かれている。
●戦闘では太刀“紅蓮”による剣技と、炎熱による攻撃を組み合わせる。名付けによる進化によりリムルのエクストラスキル『黒炎』『炎熱操作』『範囲結界』を与えられ、自らが習得していた炎の妖術と組み合わせ限定空間を超高熱で焼き尽くす広範囲焼滅攻撃“黒炎獄(ヘルフレア)”を編み出した。鬼人進化時にすでにAランクオーバーとなっており、豚頭帝との戦いではオークの軍勢をたやすく焼き払っていくなど戦術級の力を身に着けた。さらに、リムルの魔王覚醒に伴い祝福を与えられたことで、指揮統率に優れたユニークスキル『大元帥(スベルモノ)』を獲得、『思考加速』と『思念支配』、力の制御に特化した『予測演算』、率いる軍勢の力を3割上昇させる『軍勢鼓舞』の権能により、魔王種に匹敵する災禍級の実力を得た。加えて、『炎熱操作』は『炎熱支配』に、『範囲結界』は『多重結界』に進化し、『空間移動』などの能力も身につけている。剣術は連邦加盟時は力に頼り過ぎていた面があったが、隠れて修行も重ね師匠のハクロウやアルベルトをも超える技量を持つ剣士へと成長している。
●好戦的でやや短気な性格だが、シオンなどの他の同胞に比べれば自制が利くほう。問題児の秘書2名を抑える目的もあって開国祭を前に“四天王”筆頭に任命され、帝国軍との戦いを経て“聖魔十二守護王”の1人として“赫怒王(フレアロード)” の称号を授かる。
●魔国連邦全軍の指揮権を与えられた“侍大将”で、直属親衛隊である大鬼族300名の戦闘集団“紅炎衆(クレナイ)”と、『炎熱操作』『熱変動耐性』を獲得した人鬼族3000名の強襲打撃部隊「緑色軍団(グリーンナンバーズ)」を率いる。開国後の軍事再編では、緑色軍団の指揮をゴブタに譲り、代わりに主に元クレイマン配下の魔人達3万で構成される魔人混成軍「赤色軍団(レッドナンバーズ)」を率いる第四軍団の将軍も兼任することになった。
●ユニークスキルは集団戦向きだが個人としての戦闘能力も高く、敵の主戦力を討ち取る機会が多い。クレイマンとの戦争では敵陣営の主力であったヤムザが変化した暴風大妖渦を『大元帥』で完全制御された“黒炎獄”によって一撃で始末し、聖騎士達との戦闘の際は純粋な剣技のみで五大隊長筆頭のアルノーを退けた。帝国との戦争の際にはユニークスキルを無効化する究極付与を持つバーニィをリムルから借りた『絶対切断』で撃破し、八門堅陣では四騎士筆頭のグラニートを後述の“朧黒炎・百華繚乱”で仕留めるなど、“ひとけた数字”を2人も倒している。
●高い地位と実力を持つ精悍な美男子であることから、モミジやアルビスを始め、多くの女性からアプローチを受けているが、奥手で純情な性格ゆえに結婚にはあまり乗り気ではなかった。しかし、帝国軍との戦争後の祝勝会にて、モミジとアルビスの熱意と覚悟を認めて2人と結魂する。
●これによって元大鬼族の長として子供を残していないことへの未練が晴れ、神性を得て、火属性の上位聖魔霊である“炎霊鬼”へと覚醒進化。ディアブロ、ゼギオンと共にリムル配下の三頂点と言える強さとなり、本人のEPは439万7778まで上昇、神話級に至った“紅蓮”を所持すれば114万が追加されて500万を超える。『大元帥』と『黒炎』を融合し、さらにシエルが解析したヴェルグリンドの権能を元に構築した究極能力『陽炎之王(アマテラス)』を獲得、『思考加速』『万能感知』『魔王覇気』『意思統制』『空間支配』『多重結界』、自身をも加速させる『光熱支配』が内包され、リムルと“魂の回廊”で繋がっている配下達の視界を得る能力に目覚める。権能を象徴する実体を消す“隠行法”の極意と超高熱の炎という2つの特性を持つ魔炎『陽炎(ようえん)』を太刀に纏わせ、『光熱支配』による神速の剣閃を放つ“朧黒炎・百華繚乱”を編み出す。また、進化に伴い“紅炎衆”の一部が鬼人族になっている。
●種族:大鬼族 ⇒ 鬼人族 ⇒ 妖鬼 ⇒ 鬼神 / 闇霊鬼(あんれいき)
●声 - 江口拓也
●元大鬼族の家臣でリムル直属の“隠密”。浅黒い肌に青黒い髪、紺碧の瞳の美丈夫で、身長や年齢はベニマルと同じくらい。
●怒りが頂点に達すると自然と笑みが浮かぶという危ない性格をしている。基本的にリムルと自国の仲間のこと以外には興味がない。冷酷で、リムルの「雑魚であっても無闇に殺すな」という指示を、「徹底的に甚振ったのちに回復薬を与えて放逐する」という手順で実行している。美形なので、部下のソーカや聖騎士リティスなど多くの異性から好意を寄せられている。ベニマルはライバルであると同時に将来の主君であったが、里が滅んだことでその未来はなくなった。
●名付けにて鬼人に進化した際、リムルのスキルであるエクストラスキル『粘鋼糸』『分身化』『影移動』を獲得。最大6体の『分身体』と『影移動』を利用した情報収集に長け、二刀流の忍者刀と束縛・切断・操作などが可能な『粘鋼糸』を使っての戦闘力も高い。ベニマルやシオンには及ばないものの、ゲルドやガビルに比肩するほどの魔素量も持つ。また、魔素の微かな揺らぎをも捉えるエクストラスキル『観察眼』を有する。リムルの魔王覚醒にて祝福を授かったときに妖鬼になり、『思考加速』や認識阻害の『隠密』、射出物の初速を音速の数十倍に加速する『超加速』、精神体を破壊する攻撃『一撃必殺』を内包するユニークスキル『隠密者(シノブモノ)』を獲得、『影移動』は『空間移動』へ進化した。特に『分身体』については『思念伝達』『思考加速』を駆使してリムル以上に使いこなしており、体力は極小で、魔素量も本体の10分の1以下(Bランク相当)になるため、魔力消費の多い妖術やユニークスキルの使用は困難だが、身体能力、技量、エクストラスキルは本体と変わらず、本体の魔力が尽きない限り何度でも作り出せ、強力な魔物に対応した結界を無視できる利点もある。
●魔国連邦の御庭番の頭領として、ソーカ達龍人族や司法取引で引き取った問題児などを集めた情報部隊“藍闇衆(クラヤミ)”を率いており、国内での諜報活動全般を請け負っている。また、黒色軍団の団員で諜報向きの能力を持つモスやエスプリに仕事を手伝ってもらうことも多い。
●ベニマルの覚醒進化で祝福を受け、ベニマルの従属神という形で神性を獲得し、闇属性の中位聖魔霊である“闇霊鬼”へと進化。EPは128万1162に上昇し、リムルより“闇の盟主(ダークネス)”の称号を与えられる。そして、シエルにより獲得した究極贈与『月影之王(ツクヨミ)』は、リムルの記憶にある忍者を再現する為に、『思考加速』『万能感知』『一撃必殺』『超速行動』『空間操作』『多重結界』に加えて、『分身化』から進化した意識まで完全に分割した『別身体』を作る上位互換の『並列存在』、町一つ分の広範囲に渡って影を意のままに操る『月の瞳』といった様々な権能を詰め込まれている。『月の瞳』と『分身体』を併用する事で、影を通して世界各地の情報を収集し、その場への『移動』も出来るようになり、さらに諜報能力が向上した。ヴェルグリンドのように複数の『並列存在』を同時に生み出す事は不可能だが、身体の一部だけなら複数でも創り出せる事を利用し、『月の瞳』で伸ばした影から創り出した腕だけの『並列存在』で相手を捕縛し、拘束したところで『一撃必殺』の攻撃を加えるという「千手影殺」を編み出している。
●種族:大鬼族 ⇒ 鬼人族 ⇒ 悪鬼(オニ) ⇒ 闘神(トウシン)/ 闘霊鬼(とうれいき)
●声 - M・A・O
●元大鬼族の家臣でリムルの筆頭秘書。“武士(もののふ)”としてリムルの護衛も任されている。外見は、170センチほどの長身に紫の瞳と黒曜石のような一本角を持ち、長い紫髪をポニーテールにしたモデル体型で巨乳のクールビューティーという感じだが、実際には暴走しやすく、何でも実力行使で解決したがる悪癖を持つ。そのため秘書としての実務能力はシュナに劣る。和装が基本のオーガ出身メンバーの中で、唯一リムルからデザインを伝えられたパンツスタイルのレディーススーツを着ている。
●後に“四天王”に選出されるだけあって元大鬼族の同朋の中では2番目に強く、魔素量だけを見ればベニマルをも上回っている。鬼人に進化した時にエクストラスキル『剛力』『身体強化』を獲得しており、人外としても規格外の怪力で、力自慢のドワーフでも両手で持ち上げるのが精一杯な“剛力丸”と名付けた身の丈ほどの大太刀を愛用し、豪快でシンプルな技を振るう。愛刀は後に精神体そのものへの攻撃が可能な魂喰いの効果を持つ“剛力丸・改”へと改良され、愛情をかけて魔力を注ぎ込み続けた事で伝説級の“真・剛力丸”に、究極能力を得たことで神話級の“神・剛力丸”に至った。
●ファルムス王国配下の異世界人による襲撃を受けた際に非戦闘員を含む住民と共に死亡するが、魔王進化中のリムルの意を受けた『智慧之王』に蘇生処置を施された結果、不死身の半精神生命体として復活し、それと同時に、過程を省いて“結果”を導き出す能力『確定結果』と直感的な行動が最適な結果に繋がりやすくなる『最適行動』を内包したユニークスキル『料理人(サバクモノ)』を獲得する。また、固有スキルとして星幽体で記憶して脳が破壊されても記憶が残る『完全記憶』と『超速再生』を得たことで死ににくくなった上、精神支配系の攻撃を無効化出来るようになり、さらに身体強化系の権能『闘鬼化』を獲得。そして、ルベリオスにおけるラズルとの戦いで『闘鬼化』は上位互換のユニークスキル『闘神化』へ、覚醒進化によって『超速再生』は『無限再生』へと進化を遂げる。『空間転移』も習得しているが、座標計算が苦手なので視認した範囲にしか転移できない。
●「他の刃物に浮気するのは躊躇われる」と料理にすら大太刀を使用するほどであるが、腕前は戦闘とは雲泥の差。下手な毒物より強力と知らずにシオンの淹れた「お茶らしきモノ」を飲み込んだゴブタは生死の境を彷徨い『毒耐性』のスキルを獲得している。その後、手料理を供する場合はベニマルに許可を得るようにリムルから厳命され、試食を続けたベニマルはゴブタ同様に『毒耐性』が身に付いた。蘇生後は『確定結果』の権能を使用することで料理の「味だけ」は良くなったが、見た目や食感が怪しい謎物質なのは変わっておらず、「ケーキ味のコンニャク」を作り出した時には流石のリムルも激怒した。スキルなしでお茶を淹れる訓練につきあったディアブロも精神生命体でありながら体調不良を味わう羽目になり、料理を教えていたゴブイチも入院することになった。
●復活後しばらくはリムルに見捨てられるのではないかと恐怖し、周囲に嫉妬して精神的に不安定になったが、聖騎士団との戦いを経てリムルから諭されたことで自分自身を超える方向へと意識が変化した。
●そして、祝勝会で”聖魔十二守護王“の1人として“闘神王(ウォーロード)” の称号を拝命、魂を与えられた直後ではなく、四騎士ミナザとの戦闘中に覚醒進化し、上位聖魔霊でありながら物質的に無類の強さを誇る精神生命体の天敵、“闘霊鬼”に至った。本人のEPは422万9140で、“神・剛力丸”によりさらに108万が加算される。ただ、リムルを殺しうる究極能力を得る可能性があるとシエルからスキル進化を封じられている。
●リムルの覚醒進化後は、自身同様に蘇生された約100名の不死の戦闘集団“紫克衆(ヨミガエリ)”を率いる。彼らは実力は低めだが、エクストラスキル『完全記憶』『自己再生』、『痛覚無効』や各種耐性を備え、シオンのエクストラスキル『恐怖覇気(モータルフィア)』を纏うことで恐怖騎士(テラーナイト)と化す。さらに自身の覚醒進化の祝福で、配下達は一種の精神生命体に近い「死鬼族」へと進化した。また、1万人程の魔人から構成される「シオン親衛隊」の指揮も執る。
●なお、元大鬼族の中ではシオンのみ進化後の種族が異なり、「妖鬼ではなく悪鬼」、「鬼神ではなく闘神」になっている。
●種族:大鬼族 ⇒ 鬼人族 ⇒ 妖鬼
●声 - 千本木彩花
●元は大鬼族の姫で、ベニマルの妹にあたる。白磁の二本角を備えた薄桃色の髪に真紅の瞳をした、身長155センチほどの小柄な美少女。リムルを慕っており、よくシオンとリムルの取り合いをしている。
●リムルに“巫女姫(かんなぎ)”の職業を与えられており、ほとんど役に立たない秘書であるシオンに代わって秘書業務を全て管理している。特にシオンを都会に連れて行くのはまだ怖いという判断から、公務として外遊する場合は基本的にいつも同行している。その他、料理や裁縫などのスキルも高く、Bランクの地獄蛾(ヘルモス)の繭が原料の絹織物の製作を主に担当している。生産事業の指揮を執る立場にいる才女であり、直属の配下(弟子)として饗応グループのゴブリナであるハルナや、調理研究グループのホブゴブリンのゴブイチがいる。
●名付けによる鬼人族への進化で、1000倍の『思考加速』、『魔力感知』のみで発動可能な高い『解析鑑定』能力、『詠唱破棄』と『法則操作』による事象の改変を内包する魔法戦闘に特化したユニークスキル『解析者(サトルモノ)』を獲得しており、その影響で魔素量はAランクオーバーからBランク程度まで低下したものの、総合的な強さは大鬼族時代より増している。さらに、リムルの魔王覚醒によって妖鬼となった際に獲得した『物質変換』『融合』『分離』を内包するユニークスキル『創作者(ウミダスモノ)』により、生産分野においてますますの貢献を果たしているのみならず、独自の魔法技術も創造している。魔素量の少なさから使用回数に制限はあるが、『空間移動』などの便利なスキルも習得している。また、“魔鋼”製の扇子を武器として所有するほか、ハクロウから実戦形式の柔術も学んでいるので、実は近接戦闘でもAランクを超える実力がある。
●基本的に心優しく控え目な性格の持ち主だが怒ると怖く、笑顔のまま怒気を発するタイプ。
●非戦闘員ではあるが、クレイマンとの戦争ではソウエイとハクロウを護衛に敵本拠地まで乗り込み、格上であるアダルマンを魔法スキルの効率的な運用、魔物には不可能とされた〈神聖魔法〉の駆使などで下し勝利を収めている。アダルマンの連邦加入後は、彼の相手を苦手に思いながらも、リムルの指示で〈神聖魔法〉の共同研究を行っている。
●種族:大鬼族 ⇒ 鬼人族 ⇒ 妖鬼
●声 - 大塚芳忠
●大鬼族の家臣。黒目で伸びた白髪を総髪にした男性。剣鬼の異名を持つ比類なき剣技の達人で、400年ほど前に“朧流”を伝えた異世界人・荒木白夜の孫。普通のオーガの3倍超は生きており、寿命も残りわずかであったが、リムルからの名付けを受けたことで鬼人に進化した際に老人から初老くらいの年齢まで若返った。
●大鬼族の家臣団最強の剣士であり、死期が近かった頃ですら『身体装甲』と『多重結界』で守られたリムルの腕を一刀で切断するほどの凄腕で、若返ってからはますます技量が冴え渡り、卓越した〈気闘法〉で身体能力や魔素量のハンデを覆す。武器はクロベエが鍛えた仕込み刀で、祝勝会の時に伝説級の新作を与えられている。名付けで鬼人に進化した時点で魔素量だけなら災害級に届くかどうかというところでありながら、技能を含む戦闘技術で特A級に至っており、妖鬼となった後はEP6万前後でありながらEP差が数倍ある相手に勝てる程に成長している。鬼人になった際にエクストラスキル『思考加速』を習得しており、リムルの覚醒進化の祝福を受け、額に“第三の目”を開眼させる事で発動し、『魔力感知』よりも正確に魔素の流れや力の大きさが読み取れる『天空眼』、および『思考加速』『超加速』『未来予測』『秘伝』の権能が内包されるユニークスキル『武芸者(キワメルモノ)』を獲得、その後の修練で本来エクストラスキルである『天空眼』はユニークスキルの領域をも越えようとしている。千差万別の組み合わせで瞬時に8回敵を斬る“朧流”の最高奥義「八重桜ー八華閃ー」まで会得しており、技量だけであれば帝国最強の剣士であり数十倍の身体能力を持つ近藤をも上回る。『空間移動』は使えないので他の妖鬼に比べれば長距離移動が不得手だが、〈気闘法〉によって重武装のまま息一つ乱さず40キロ以上の距離を走破する。
●里の同朋のほか、かつてはドワーフ王ガゼル・ドワルゴにも剣技を指南していた経験から、現在は“指南役”として魔国連邦の戦闘員を鍛えている。軍事再編後は第一軍団の軍事顧問を任され、機甲軍団との戦争では緑色軍団の指揮を担当、補給部隊を奇襲し近衛騎士団を優先的に始末している。
●剣術のみならず、料理にも造詣が深く、魚の解体や寿司を握るなどの板前技能も持っている。
●後に妹弟子のカエデとの間に実子となる娘モミジがいることが判明、新たな弟子のひとりとして加えて鍛えつつ、その恋路を応援している。
●種族:子鬼族(ゴブリン) ⇒ 人鬼族(ホブゴブリン)
●声 - 山本兼平
●最初にリムルに接触したゴブリン村の村長。最初にリムルに忠誠を誓い配下となった最古の家臣で最古の幹部。
●初登場時には老人だったが名付けにより若返り、大鬼族並みに大柄な壮年の大男となったほか、一族全員が種族進化しホブゴブリンとなった。
●リムルの配下になった際にゴブリン・ロードの地位を授けられ、後に近隣のゴブリン村の住民も合流したことでゴブリン・キングにランクアップ。主に行政を中心とした責任者として力量を発揮し、司法・立法・行政・生産管理を担当する4人のゴブリンロード(ルグルド〈声 - 佐原誠〉、レグルド、ログルド、リリナ)と共に魔国連邦をまとめている。宴会が大好きで、何かと理由を付けては宴会を開きたがる。
●文官なので戦場に出る機会はほとんどないが、かなり武闘派な面も持ち、鍛えているので若手のゴブタやリグルよりも強く、初期はBランク相当だった強さも軽くAランクを超えるほどになっている。
●種族:子鬼族 ⇒ 人鬼族
●声 - 泊明日菜
●ゴブリン村に住んでいたゴブリンのひとり。リムルの名付けの際にホブゴブリンへ進化したが進化後も見た目がさほど変わっていない。
●リムルの部下であり悪友のような立場で仕えている。脳天気で褒められるとすぐに調子づくお調子者だが、やるべき時を見誤らない頑張り屋でもある。憎めない性格で、周囲からはムードメーカーとして可愛がられている。
●ゴブリン村と牙狼族双方の生き残りがたまたま同数に近かったことから、リムルの指示で1人1匹のコンビを組むことになる。以降は警備隊の副長、兼「狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)」の隊長として街の警護、戦闘時の露払い役として働いている。
●器用で要領が良く、また天才肌の人物であり、嵐牙狼の召喚術を最初に成功させる、単独で『影移動』を使いこなす、専用武器である魔法武器を使い狙撃で強敵を倒すなどの活躍を見せている。Fランクの子鬼族でしかなかった頃に4ヶ月かけてドワーフ王国まで徒歩で往復し、道中では遥か格上のBランクである孤刃虎(ブレードタイガー)を機転と度胸で仕留めるという大金星を挙げたこともある。ただ、考えなしの発言で相手の地雷を踏んだり、肝心な所で詰めが甘くなるので、しばしば失敗して痛い目を見る。
●開国際での武闘大会ではランガとのコンビで優勝を果たし、“四天王”の地位を得る。帝国との戦争後時点でEPは2万弱とAランク最弱クラスだが、6倍以上も存在値に差があるゴズール達より強いというかなり異質な存在である。自他共に認める四天王最弱だが、その真価は後述の『魔狼合一』によって発揮される。
●開国後の軍事再編で第一軍団の将軍を任され、狼鬼兵部隊に加えベニマル配下だった「緑色軍団」約1万2000名も指揮することになる。帝国機甲軍団との戦争では魔導戦車師団を壊滅させ、祝勝会にて敬語が身に付かないことを踏まえて「リムルに気軽な口調で接する権利」を与えられた。
●リムルの覚醒進化の祝福を受けた際に、他の狼鬼兵部隊の隊員共々、相棒の星狼族と一心同体になるエクストラスキル『同一化』を習得している。さらに、武闘大会決勝戦でマサユキと戦った際に、相棒の召喚にランガが割り込んだ影響で、ランガと合体して人狼のような形態となる『魔狼合一(ヘンシン)』を内包したユニークスキル『魔狼召喚(オレニチカラヲ)』を獲得した。当初はランガの能力に振り回されて自爆する危険な技であったが、ミリムに戦闘感覚を磨くための特訓をつけられ、1ヶ月かけて『魔狼合一』を使いこなせるようになり、エクストラスキル『賢者』も獲得し思考加速も可能となった。その成果として、魔狼形態となって超音速で駆け巡る事で“破滅の嵐”の魔法効果を付与した超音速衝撃波を発生させ、やがて“破滅の竜巻嵐”へ成長させるという対軍殲滅技「疾風魔狼演舞(ダンス・ウィズ・ウルブス)」を開発している。
●種族:牙狼族 ⇒ 嵐牙狼族(テンペストウルフ)⇒ 黒嵐星狼(テンペストスターウルフ) ⇒ 神狼(しんろう) / 風霊狼(ふうれいろう)
●声 - 小林親弘
●魔国連邦に所属する狼型魔物を率いる強力な妖獣。外見は漆黒の体毛に覆われ額にある星型の痣から角が生えた狼で、5メートルを超える巨大かつ威圧的な体躯を持つが、大きさは自由に調節することが可能で普段は3メートルほどの大きさで居るようにリムルから命令されている。
●固有スキル『影移動』を利用して常にリムルの影の中に潜んで護衛しており、リムルがシズの最後の教え子達を救う為にイングラシア王国へ向かった時や、ファルムス王国軍を殲滅した時などで同行している。最古参の配下の一体であり、機動力を活かした戦闘を得意とする実力者でもあるが、少し抜けているところがある。リムルからはペットとして扱われることがあるが、本人は気にしていない。
●リムルとの最初の縁は、東の平原に生息する牙狼族の当時のボスであった父(声 - 間宮康弘)に率いられ、リグルドが治めるゴブリン村を襲ったことから。この村の防衛にリムルが助力し父が敗北・死亡したことから、リムルに服従することを選び、群の新たなリーダーとして一族もろともに絶対の忠誠を誓う。リムルに父が倒されたことに関しては思うところはあるものの恨んではおらず、むしろ村を襲ったことを許されて名付けまでしてもらったことに感謝している。
●豚頭帝との戦いの中でAランクオーバーの黒嵐星狼へと進化を遂げ、額から生えた2本の角で固有能力『黒稲妻』を操る。そこにリムルから与えられたエクストラスキル『風操作』 を組み合わせることで、放電する竜巻を生み出す広範囲攻撃“黒雷嵐(デスストーム)”を編み出す。さらに、リムルの魔王覚醒の祝福で特A級相当に成長し、ヴェルドラの暴風系魔法に加え、先読みレベルの『超直感』や最大3体の星狼将を呼び出す『同族召喚』、『憑依同一化』『同族再生』『意思統一操作』といった権能を含むユニークスキル『魔狼王』を獲得して一族を完全に統率した連撃が可能となり、『影移動』は『空間移動』に進化、身を守る『多重結界』も習得した。
●単独でも強いが他者とコンビで戦う事で真価を発揮するタイプで、作中ではシオンやゴブタとよく共闘する。後にゴブタが『魔狼召喚』を習得してからは、彼と合体して戦う為に第一軍団に随行する機会が増える。ただ少々本能で戦いすぎる面があり、ファルムス王国にてグレゴリー率いる新王軍と戦った際には、はしゃぎすぎてたった1体で相手を壊滅させる被害を与えた。
●”聖魔十二守護王“の1人として“星狼王(スターロード)”の称号を拝命し、神性を得て上位聖魔霊の“風霊狼”へと覚醒進化、EPは434万0084と装備なしのベニマルに匹敵するほどになる。獲得した天候すらも支配する究極能力『星風之王(ハストゥール)』は、元はシエルが『暴風之王』と『誓約之王』を統合して生み出そうとした能力で、『思考加速』『万能感知』『魔王覇気』『天候支配』『音風支配』『空間支配』『多重結界』の7つの権能を含む。
●牙狼族は“全にして個”で同族はすべて繋がっているので、リーダーである自身の進化に伴い一族全てが同じように進化を遂げる性質を持つ。“名付け”もランガだけに行われたが、これにより牙狼族は全個体が嵐牙狼族へ進化し、さらに黒嵐星狼へ進化した事で配下達はBランクの星狼族(スターウルフ)となり、一部個体は自分の代理となるAランクの星狼将(スターリーダー)に至った。
●種族:豚頭将軍(オーク・ジェネラル) ⇒ 猪人族(ハイ・オーク) ⇒ 猪人王(オークキング) ⇒ 猪神(シシガミ) / 地霊猪(ちれいしし)
●声 - 山口太郎
●元はジュラの大森林に攻め込みリムルに敗北した魔王ゲルドの配下で、5人いた豚頭将軍の唯一の生き残り。“名付け”の際にリムルの意向で「ゲルド」の“名”を引き継がせ、猪人族の長となった。
●名付けによる進化でAランクからAランクになっており、ユニークスキル『美食者(ミタスモノ)』を習得、『捕食』『腐食』に加え、同族内での『受容』と『供給』、そして黄色軍団全体で共有できる『胃袋』を獲得し、これを利用した食料を含む大量の物資の長距離輸送が瞬時に可能となった。戦闘では暴風大妖渦の素材から製造し『胃袋』に大量保管されている「楯鱗の盾(スケイルシールド)」を装備し、また攻防一体の『腐食』により実体化させた妖気で触れた相手の精神体と物質体を同時に腐らせる「混沌喰(カオスイーター)」による攻撃を行うほか、リムルの覚醒進化の祝福で得た、仲間に自分の防御力を貸し与える事で面での防衛力を発揮する『守護付与』、仲間のダメージを引き受ける『代役』、そして『鉄壁』を内包する防御特化のユニークスキル『守護者(マモルモノ)』を駆使し、恐ろしく硬い防御力を活かした壁役を担う。
●真面目で義理堅く職人肌で、器が大きく男気がある。ただ、生粋の職人気質なので、順序立てて物事を説明するのは苦手。『剛力』『鉄壁』『全身鎧化』『物理攻撃耐性』を持つ元・豚頭親衛隊(オークエリート)の猪人族2000名からなる防御力特化の集団「黄色軍団(イエローナンバーズ)」を率い、土木建築部門の幹部として魔国連邦から各国に伸びる道路敷設業務ほか国家建築事業関係を一手に引き受けており、決して欠かすことのできない人材となっている。現在はリムルが設計し、魔王ミリム、元魔王フレイ、元魔王カリオンの居城とある摩天楼高層建築物の建築に従事しており、リムルらから「戦闘には参加させない、与えられた職務を優先して欲しい」という願いから、オービックでのクレイマン軍との大戦以後戦闘参加していない。
●後に軍事再編で工作部隊となる第二軍団の将軍に任命され、志願兵の猪人族3万5000名の「橙色軍団(オレンジナンバーズ)」も指揮することになる。帝国との戦争では首都の防衛を託され、監査役としてつけられたカレラと意気投合する。迷宮攻略に失敗し、アゲーラの降伏勧告を無視して徹底抗戦をしてきたカリギュリオたち帝国兵との闘いで、カレラが核撃魔法で17万いた軍勢を8割方消滅させたときには、その強さに呆れ交じりに畏怖を示しつつ、第四軍団の攻撃が始まるまでの間、死に物狂いで立ち向かって来た残り2万強の死兵を押し留めた。
●戦争後は“聖魔十二守護王”の1人として“守征王(バリアロード)”の称号を拝命し、神性を得て地属性の上位聖魔霊である“地霊猪”へと進化。褒美として授けられた伝説級防具は覚醒進化の際に妖気を浴びて神話級に至り、これを血肉同然に取り込んだ事でEPは237万8749まで上昇、ソウエイやガビルを圧倒するほど強くなる。武器の肉切包丁(ミートクラッシャー)や防具は、悪魔族の『物質創造』と同じ原理で破壊されても任意で顕現自在になっている。シエルにより獲得した究極贈与『美食之王(ベルゼバブ)』は『暴食之王』を多少劣化させて色々組み込んだような能力で、『思考加速』『魔力感知』『魔王覇気』『超速再生』『捕食』『胃袋』『需要』『供給』『腐食』『鉄壁』『守護付与』『代役』『空間操作』『多重結界』『超嗅覚』『全身鎧化』といった多種多様な権能を含んでいる。『超速再生』と〈回復魔法〉による超常の回復能力は、超級覚醒者の攻撃でも即座に傷が癒えるので無傷かと錯覚するほどであり、超威力の一撃でなければ倒すのは難しく、守りに徹すれば“三妖帥”クラスが相手でも時間を稼げる。
●種族:蜥蜴人族(リザードマン) ⇒ 龍人族(ドラゴニュート) ⇒ 真・龍人族(ドラゴニュート) / 水霊龍(すいれいりゅう)
●声 - 福島潤
●ジュラの大森林の中央に領土を構える蜥蜴人族の王国の首領の息子。同じく蜥蜴人族のソーカは妹。
●初登場時はBランクの“名持ち”ながら、リムル以下幹部全員を下に見る実力を計れない小物として登場。そのお調子者で傲慢な性格から、名付け親のゲルミュッドに唆され、王国で内乱を起こした挙句、豚頭帝軍に敗走。ランガやゴブタ達に助けられて一族の滅亡から救われたが、反逆罪により父アビルから勘当を申し付けられて故郷を追放されたため、リムルを頼って魔物の町に定住し現在に至る。
●ガビル及び共に来た蜥蜴人族戦士団の全員が、リムルによる“名付け”で飛行能力を持つ龍人族(ドラゴニュート)へと進化を果たして戦闘力と防御力が大幅に向上し、自身はAランクの壁を超えた。なお、ガビル配下は蜥蜴人族をベースにし、龍のような翼と角が生えた個体へ、ソーカ配下は人間のような外見にガビル配下の龍人達と同じく翼と角が生えた個体へ変化した。ちなみに、リムルは彼にもう少し反省させるため、すぐには新たに名付けるつもりはなかったが、名前を呼んだことで命名主が上書きされた。
●戦闘では槍術を得意とし、アビルから餞別として託された蜥蜴人族の秘宝である特質級の魔法武器:水渦槍(ボルテクス・スピア)を操る。リムルの配下になってからユニークスキル『調子者(ミダスモノ)』に目覚め、調子に乗っている時は攻撃威力が増加するが、弱気な時は威力が減る『不測効果』や1日に一度まで運命を改変できる『運命変更』の権能を得たものの、使い勝手が悪く不明な部分が多いためによくは理解できていなかった。“聖魔十二守護王”の1人として“天龍王(ドラグロード)” の称号を拝命した事で中位聖魔霊の“水霊龍”へと進化し、EPは126万3824に達する。覚醒進化とシエルの介入によって『調子者』は究極贈与『心理之王(ムードメーカー)』へ強化され、『運命変更』『不測効果』は自分の意思で発動可能な上位互換の『運命改変』『不測操作』となり、『多重結界』を統合、さらに知覚速度100万倍の『思考加速』と空間に干渉する『空間操作』の5つの効果を含むものになった。また、リムルの覚醒魔王化時の祝福で攻撃力・防御力・回復能力を大幅に上昇させる固有スキル『竜戦士化(ドラゴンボディ)』を得、『空戦飛行兵団』との戦いの中で制御法を確立、自らの覚醒進化の際に常時発動状態になった為かスキルからは消失している。龍人族へ進化時に獲得した皮膚を龍の鱗に変えて防御する固有スキル『龍麟化』は、自らの覚醒進化で周囲の魔素を取り込み自己修復する装甲で身体を覆う『竜鱗鎧化(ドラゴンスキン)』へと強化され、神話級装備に近い防御力を発揮出来るようになっている。
●褒めると調子に乗って失敗するタイプだが、任された仕事は責任をもって成し遂げる。実務をしっかりこなす能力があり、部下からの人望も厚い。しかし女性からの人気は低く、本人もモテないことを気にしており、最近ではデリカシーについて勉強している。
●戦略的な思考は苦手だが指揮能力は高く、戦術的局面での判断は的確な戦上手で、固有スキル『竜戦士化』『龍鱗化』『多重結界』を持つ100名の龍人族からなる“飛竜衆(ヒリュウ)”の指揮官を務める。開国後の軍事再編では遊撃飛空兵団の第三軍団の将軍に任命され、3000名の蜥蜴人族から構成される「青色軍団(ブルーナンバーズ)」、及び300匹の飛空龍(ワイバーン)を率いる。さらに自身の覚醒進化によって、“飛竜衆”の『龍麟化』は自身同様『竜鱗鎧化』に強化され、青色軍団の蜥蜴人族達も龍人族へ進化した。移住後は軍事だけでなくヒポクテ草の栽培も担当することになり、後に研究開発部門担当として正式に幹部に認められた。
●種族:悪魔族(デーモン) / 上位魔将(アークデーモン) ⇒ 悪魔公(デーモンロード) ⇒ 魔神(マジン)/ 悪魔王(デヴィルロード)
●声 - 櫻井孝宏
●魔王ギィ・クリムゾンと同格・同郷であり、かつては「原初の黒(ノワール)」と呼ばれた悪魔系統の筆頭。男性型で、赤と金のメッシュが入った黒髪が特徴。リムルの魔王覚醒直前、「上位悪魔召喚」に強引に割り込む形で配下2名と共に現世に召喚され、万を超えるファムルス王国兵の死体を材料に、禁忌呪法:妖死冥産(バースディ)を応用した術で身体を作り出して受肉、後にシオンたち死亡者蘇生のために配下2名を提供したことからリムルに名を与えられた。
●「個々の強さを最強とすることに執着する戦闘狂である悪魔族」でありながら、強さに執着がない、という珍しい悪魔系統。戦うことは大好きで、“限界値まで力を蓄えてから2000年以上年を重ねる”という進化条件を満たす数少ない不敗の悪魔族だったが、「“竜種”を除けば世界最強の原初である自分が進化してしまえば、戦いがとてもツマラナイ一方的なものになってしまう」という理由で成長限界を突破しようとしなかった。しかし、魔国連邦の同僚達の日進月歩の成長を目にして自重を捨て、リムルにとっての有用な道具になるため、向上心を忘れずに力を求めるようになる。
●主であるリムルに心酔して凄まじいまでの執着を見せ、秘書の座を巡りシオンと日々しのぎを削っている。リムルを信奉するものには寛大だが、敵対するものには迷わず排除しようとし、その方面で意気投合するシオンと共にリムルを辟易させている。
●役に立たない道具に存在する価値はないと考えているので、ヴェノムを拾うまでは自分の配下を持たず、独りを好んで生きてきた。原初では唯一、支配領域にとらわれず世界各地に出没していた。
●『思念支配』『魅了』『勧誘』からなるユニークスキル『誘惑者(オトスモノ)』を所持しており、リムルが覚醒前に習得したスキル『心無者』と同様自分に屈した相手の生殺与奪を握り、半強制的に従属させることが可能。さらに、対象者の意識に直接作用し精神に影響を与える世界系の権能『誘惑世界』を利用し、“絶望の時間(ディスペアータイム)”で自分が絶対権力を発動できる仮想世界を具現化させ、『虚実変換』で仮想と現実を入れ替え、取り込んだ相手を世界ごと崩壊させる“崩壊する世界(エンド・オブ・ワールド)”という理不尽な技を持つ。また、『思考加速』『詠唱破棄』『森羅万象』『法則操作』を兼ね備えるユニークスキル『大賢人(モトムモノ)』も持つ。
●リムル配下では最強の実力者で、名付けの際に「覚醒魔王として魔人のころより10倍に達した(リムルの)魔素の半分をごっそり持って行かれた」とあり、他の幹部たちとは一線を画している。作中では西側諸国の有力者であるラーゼンや“七曜”を圧倒し、ユニークスキル以下の権能を無効化する究極付与を持っていたバーニィとジウを、究極能力を持たない身でありながら余裕で始末している。“四天王”の1人に任命されているほか、”聖魔十二守護王“の1人として“魔神王(デーモンロード)” の称号を拝命しており、悪魔王への進化と同時に内包する魔素量は魔粘性精神体時代のリムルと同等にまで上昇、EPは666万6666だが、ゾロ目なので何かしらイカサマをしている模様。獲得した究極能力『誘惑之王(アザゼル)』は『思考加速』『万能感知』『魔王覇気』『時空間操作』『多次元結界』『森羅万象』『懲罰支配』『魅了支配』『誘惑世界』を内包し、リムルとほとんど同じ事が出来るというもので、スキルの理解も完璧。
●雑用を任されている間はリムルの世話ができないという理由で人手を欲し、11巻で“原初”の悪魔「白(ブラン)」「黄(ジョーヌ)」「紫(ヴィオレ)」の3柱とそれらの配下を勧誘してきた。これにより、700名の悪魔族からなる魔国連邦の最大戦力にして唯一ベニマルの指揮下にない「黒色軍団(ブラックナンバーズ)」の指揮官となった。原初直属の副官以外も受肉によって上位悪魔となっており、後に彼らも上司の進化によって上位魔人に匹敵する力を持つ上位悪魔騎士(ディアブルシュバリエ)へと進化を遂げた。
●勇者クロノアの騒動の後、ルミナス、レオン、ギィ、ディーノ、ラミリスとの魔王会談でリムルと知り合った経緯を嬉々として語りだし、そこで自分がシズと縁があり、彼女の死期を察知して様子を見ていたときにリムルと(一方的に)出会ったこと、リムルの最初の召喚の際に自身の眷属であるベレッタに先を越されてしまったこと、以来次にリムルに呼び出される機会をずっと伺っていたことを明かした。さらに自分より先にリムルに召喚されたベレッタに嫉妬し、リムルに隠れて粛清しようとしたが、ベレッタの肉体がリムルが造ったものであることから手が出せず、ベレッタ本人からも自分の身体はリムル様のお手製であるから手を出せば不興を買うと言い放たれ、断念したという。
●数十年前、フィルトウッド王国という小国でシズ(井沢静江)と出会い、無限の時間厚を持つ“抗魔の仮面”に腕を吹き飛ばされた事で、それが時を超えた代物であることを看破し彼女への興味を抱く。そして、シズの死期を感じ、その様子を観察しているときにリムルを知り、無限の時間厚に守られているはずの仮面が割れたことで、リムルがその仮面の創造に関与する人物だと確信し、リムルこそ自らを真理に導く存在であると以降リムルの下に馳せ参じる機会を伺っていた。
●名前の由来はスーパーカーシリーズより、ランボルギーニ・ディアブロ。
●種族:悪魔族 / 上位魔将 ⇒ 悪魔公 ⇒ 魔神 / 悪魔王
●「原初の白(ブラン)」と呼ばれていた女性型の悪魔。大陸の東部を勢力圏としており、数年前に東方の小国シルベリア王国の国民を全滅させる“紅に染まる湖畔事変”を引き起こしたので、帝国では特に脅威とされている。
●魔国連邦の発展に伴い、新たに責任者が必要な状況に対してディアブロが勧誘してきたのだが、その実ディアブロ自身がリムルの側を離れたくないという理由で仕事を押し付けるために連れてこられた。リムルを直に見たことで臣従を決め、配下の悪魔200体と共に名付けを受けたのち受肉。その悪魔達のリーダー格として自らを含む“原初”の3人はそれぞれの副官と共に官職に就く。
●白銀の髪に赤い瞳を持つ、気品あふれる令嬢のごとき美女。優雅に完璧な自信家で、他者を見下す悪癖がある。“原初”の中でも一番誇り高く、彼女が誰かに臣従した事実は同じ“原初”であり、世界最強の一角である魔王ギィをも驚かせた。
●魔国連邦においては副官のモス、シエンを従えて評議会に出向する外交武官となる。評議会を通して各国から集めた支援兵をそのまま編入した15万の「西方配備軍」の軍団長も一応兼任する形となる。帝国との戦争後は、元々東方で活動していたという事情もあって、評議会をシエンに任せてマサユキが新皇帝に即位した帝国へ出向する事が決定する。
●淑やかな外見に反し、好戦的で苛烈な性格をしており、戦闘では黒・ディアブロと並んで厄介と言われるほどの技量。精密な魔力操作を得意とし、核撃魔法などといった人間や通常の魔人では儀式魔法としてでなければ使えない魔法を個人で使用できる。帝国軍機甲軍団との戦争では第一軍団の監察役を任され、遺伝子配列を強制的に書き換え“魂”をも破壊する魔死光線を放つ核撃魔法“死の祝福(デスストリーク)”により、半径500メートルの魔導戦車部隊を皆殺しにした。この活躍が元で“聖魔十二守護王”の1人として“虐殺王(キラーロード)” の称号を拝命する。
●帝国最高戦力との戦いの最中にリムルから魂を与えられ、“悪魔王”に覚醒進化して、EPは3倍以上の333万3124に上昇。さらにシエルの助けで、『思考加速』『万能感知』『魔王覇気』『時空間操作』『多次元結界』『森羅万象』『生命支配』『死後世界』を内包した、『色欲之王』『希望之王』と同じく“生と死”を司るが、より“死”の側に傾いた究極能力『死界之王(ベリアル)』を得る。これにより、2割程度の力の『別身体』だったとはいえ、それでも自身の10倍近い魔素量を誇るヴェルグリンドを相手に単独で時間稼ぎが出来るだけの力を身につけた。
●名前の由来はディアブロと同じくスーパーカーシリーズより、フェラーリ・テスタロッサ。
●種族:悪魔族 / 上位魔将 ⇒ 悪魔公 ⇒ 魔神 / 悪魔王
●「原初の紫(ヴィオレ)」と呼ばれていた女性型の悪魔。大陸西方に勢力を持っていたが、ディアブロに勧誘されリムルを目にしたことで配下200名と共に忠誠を誓った。
●魔国連邦においては副官のヴェイロン、ゾンダを従えて検察庁検事総長となる(立場上は行政担当ログルドの部下)。ログルドをおっちゃんと呼び懐いており、ログルドのほうも正体をしらないため、嬢ちゃんと呼び可愛がっており、関係は仲のいい親子のようなもの。一方、帝国との戦争で監察役を担当したガビルに対しては、戦闘中に味方を巻き込んで実験を開始した一件以来、その言動に苦手意識を持っている。
●紫の髪をサイドポニーテールにした少女で、一見可愛げのある明るい少女であることから、原初の悪魔三人娘の中でもちゃんづけやお嬢ちゃんと呼ばれ可愛がられている。しかし、ルミナスやディアブロなど彼女を知るものからすると、本性は陰気で陰湿で残虐非道の代名詞のような存在と言われており、実際は猫を被るのが超得意で、二重人格を疑われるほど感情の起伏が激しい。そのことを裏付けるように、帝国との戦争でファラガ少将の飛行艇に乗り込んだ際、自分を侮辱したファラガを絶望させるためにあえて最後まで残し、彼の部下たちを情報を抜き取るついでに平然と虐殺し、最後の一人になったところを、熱核爆発を引き起こす核撃魔法“破滅の炎(ニュークリアフレイム)”を抱え込ませ飛行艇ごと蒸発させた。これら行動から、”聖魔十二守護王“の1人として“残虐王(ペインロード)” の称号を拝命する。
●カレラとは職務内容から食事のメニューまで何かと張り合ってケンカになり、賭けの対象とされるなど町の名物となっているが、(リムルを除けば)実力で止められる唯一の存在であるディアブロはその仲裁に駆り出される破目になっている。何かに熱中するという経験がなく、自分が“原初”の7柱の中で一番未熟だと自覚しているが、一番伸び代があるのも自分だと思っている。
●帝国最高戦力との戦いの最中にリムルから魂を与えられて“悪魔王”へと覚醒進化を遂げ、EPは266万8816まで上昇。さらにシエルの助けで、『思考加速』『万能感知』『魔王覇気』『時空間操作』『多次元結界』に加え、ありとあらゆる生命体の弱点を見抜く『弱点看破』、それに適した状態異常を生じさせる“毒”を生成する『死毒生成』、そして究極能力を所有していない精神生命体以外の者を無条件で殺せる世界系の権能『死滅世界』を内包する、殺す事に特化した究極能力『死毒之王(サマエル)』を完成させる。ただ、凶悪極まりない上に本物の強者には通用しない『死滅世界』に関しては、リムルに使用を禁じられている。また、八門堅陣での戦いにて、究極能力で完璧に制御された膨大な魔力を集中させ『死毒』を込めた貫手で守りを突き崩す“紅蛇死毒手(ブラッディーバイト)”を編み出し、“ひとけた数字”序列2位のダムラダを一騎打ちで撃破している。
●名前の由来はディアブロと同じくスーパーカーシリーズより、。
●種族:悪魔族 / 上位魔将 ⇒ 悪魔公 ⇒ 魔神 / 悪魔王
●「原初の黄(ジョーヌ)」と呼ばれていた女性型悪魔。黄金郷エルドラドがある大陸の“地獄門”を拠点としていたが、ディアブロに勧誘されリムルを目にしたことで配下200名と共に忠誠を誓った。
●魔国連邦においては副官のアゲーラ、エスプリを従えて司法府最高裁判所長官となる(立場上は司法担当ルグルドの部下)。言動はともかく賄賂や暴力には決して屈しないので、判決に公明正大なルグルドからも働きぶりを認められている。
●外見は金髪の少女。武人のような考えの性格で、補佐としてついたゲルドとは良好な関係を築いた。一方で、魔王レオンや部下のアゲーラからブレーキのついてない暴走車と称されるほど刹那的な享楽を求める性格でもあり、周りの被害に頓着せず、思いつきで核撃魔法を撃ち込もうとするような危険人物。魔国連邦に来る前までは、エルドラドにてレオンに対し遊び半分で核撃魔法を打ち込んで挑発を行い、レオンも彼女を脅威として対応に頭を悩ませていた。そのため、彼女がリムルの配下となった事態はひどく驚愕させた。なお、レオンの悪名のいくつかは自身が原因であるらしい。
●傲岸不遜で適当な性格をしている。以前は何事にもすぐに興味を失っていたが、趣味としてアゲーラから剣術を習うようになり、その腕前は免許皆伝。リムル配下の悪魔族の中で最大の魔力を有し、帝国との戦闘では、アゲーラの降伏勧告に対し抗戦で応じた帝国兵17万のうち8割近くを、星の重力場を狂わせて局地的に人工的なブラックホールを生み出す核撃魔法“重力崩壊(グラビティコラプス)”で殲滅し、同じ戦場にいたゲルドやモミジ、アルビスを驚愕させた。
●上述の行為から、“聖魔十二守護王”の1人として“破滅王(メナスロード)”の称号を拝命する。帝国最高戦力との戦いの最中にリムルから魂を与えられ、“悪魔王”に覚醒進化し、EPはリムルの配下の中ではダントツの701万3351に到達。シエルの助けで、『思考加速』『万能感知』『魔王覇気』『時空間操作』『多次元結界』『限界突破』、及び空間歪曲防御領域を貫通し迷宮階層破壊すら可能とする『次元破断』を内包する、攻撃力に特化した究極能力『死滅之王(アバドン)』に覚醒した。これにより莫大な魔素量の完全制御が可能になって、重力崩壊力場に奈落の底から呼び出した物質を放り込む事で極大エネルギーの奔流を発生させる究極の攻撃魔法、”終末崩縮消滅波(アビスアナイアレーション)“の発動に成功している。そして八門堅陣ではアゲーラと組んで帝国皇帝近衛師団団長の近藤と死闘を繰り広げ、苦戦の末に撃破した近藤の“魂”を受け取った事で『断罪之王』の権能も統合され、“神滅弾”をも使用可能になっただけでなく、彼から譲られた神話級の“黄金銃”を装備する事によりEPは337万加算される。
●名前の由来はディアブロと同じくスーパーカーシリーズよりポルシェ・カレラGT。
●種族:人間
●声 - 青山穣
●初登場時はブルムンド王国王都の一角に屋敷を持つ大商人。自由組合の商人資格だけでなく、ブルムンド王国の正式な許可も持つ。ブルムンド商店街の元締めであると共に、高利貸しとしての顔も持つ裏町の帝王。貴族の中にも自分に頭が上がらない者が多く、「暗黒街のドン」を自称するも、ブルムンド王国の治安の良さを知るリムルにはスルーされている。強かな商人だが、怪我人を助けるために利益を度外視して奔走し、自分以外の者を魔物から逃がすことを優先するなど、根は善良。意外にミーハーで、マサユキの大ファン。
●リムルの作った回復薬を縁にフランチャイズを始めとした様々な新商売に手を広げる。後に魔国連邦の開国祭を機にリムルからも誘われたことで首都リムルへ移住し、テンペストの財務統括部門と広報宣伝責任者として幹部に取り立てられることになる。
●作中、人間として初の幹部就任であり初の文官であることからさまざまなトラブルが心配されたが、ミョルマイルの持つ人心掌握術の前では全て杞憂だった。
●“悪巧み三人衆”の一人でもあり、表世界で活躍する組織として、魔国連邦を筆頭に、ブルムンド王国、ファルメナス王国、ドワーフ王国が加盟し、評議会とも連携して商業活動を行う“四ヶ国通称連盟”の代表者を任される。
==== 配下・国民 ====
幹部以下の住人および各幹部の配下。
●種族:子鬼族 ⇒ 人鬼族
●声 - 石谷春貴
●リグルドの息子で警備隊長。「リグル」は元々ランガの父が率いていた牙狼族との戦いで戦死した兄がゲルミュッドから授かった“名”で、リムルの“名付け”によって引き継いだ。街づくりの黎明期には食糧調達の為の狩猟も担当していた。後に狼鬼兵部隊の隊長をゴブタに任せ、父であるリグルドの補佐に回っている。
●進化したばかりの頃はBランクに達するかどうかという実力だったが、その後の成長でAランクオーバーの実力者となっている。
●獣王国への第1回使節団でベニマルの補佐をし、以降は喧嘩っ早いベニマルの代わりに団長を任される。その事もあってベニマルからは信頼されており、第四軍団の軍団長にも候補として名前が挙がっていた。
●種族:ドワーフ
●声 - 斧アツシ
●研究開発部門をまとめる元武装国家ドワルゴンの鍛冶師。庶民出身。弟のカイドウ(声 - 樫井笙人)はドワルゴンで警備隊の隊長をしている。
●制作物は超一級品で人間の国にも名が知れ渡っている鍛冶職人だが、元々は研究者。以前は王宮騎士団工作部隊の団長を務めていたが、副官であったベスターの独走によって失敗し頓挫した“魔装兵計画”の責任を押し付けられ、軍を去ることになる。
●リムルが武装国家ドワルゴンを訪れた際に縁があり、ベスターとのいざこざを機に職人を探していたリムルの元に身を寄せることを決め、追随するように幼馴染であるガルム、ドルド、ミルド三兄弟も付いていくことを決めた。王国追放後、テンペストでは研究開発部門の幹部として生産関係の取りまとめを行う職務についている。街づくりの最初期は武器を中心に鍛治作業に励んでいたが、そろそろ力が落ちてきていたことや、本来の趣味である研究に打ち込みたいという思いもあって、武器の製造はクロベエに任せて生産関係の取り纏めに専念することになる。
●後に自分同様魔国連邦に追放されたベスターと和解を果たし、2人で力を合わせ“魔導列車”の動力となる“精霊魔導核”の開発などを行っている。ミルドと共に摩天楼の建設にも関わり、現地へ出向してゲルドをフォローした。
●種族:ドワーフ
●声 - 相馬康一(ガルム)、杉崎亮(ドルド)、野川雅史(ミルド)
●カイジンに世話になっていたドワーフの三兄弟。長男ガルムは防具職人で移住後は衣類生産担当、二男ドルドは細工職人で移住後は道具生産担当、三男ミルドは建築・芸術担当で都市計画担当。
●職人としては非常に優秀だったが、それぞれの得意分野以外では不器用で苦手だったことが祟り、信頼していた相手に店を乗っ取られ、兄弟弟子に才能を妬まれ罠に嵌められ、大臣の依頼を蹴って国に睨まれる、という決定的にどうしようもない状況となっており、幼馴染で兄貴分のカイジンに匿われて素材の収集を任されていた。ドワーフ王国居住時に採掘作業従事中の事故で負った致命傷をリムルが提供した回復薬によって救命されたことに恩義を感じており、その縁からドワーフ王国を追放されたことを機にテンペストへ移住した。
●ガルムは素材さえあれば特質級の装備を製造できる凄腕で、テンペストの仲間や協力者の為に防具を製作する。ドルドは染色や小物作りのほか、得意の〈刻印魔法〉を利用した魔法武具や魔道具の作成を行っている。ミルドは寡黙な天才肌で、トイレや水道関連の整備を担当したほか、ゲルドやカイジンと共に新都摩天楼の建設にも関わる。なお、ガルムは仕事仲間のシュナに惚れているが、漫画版ではリムルの人型時の姿にもときめいては煩悶している。
●種族:大鬼族 ⇒ 鬼人族 ⇒ 妖鬼
●声 - 柳田淳一
●元大鬼族の鍛冶師で、かつては異世界人から受け継いだ鍛冶技術を家業とする里の武器番であった。黒髪黒目で褐色肌をした、平凡で地味な外見の壮年男性。戦闘能力もあるが基本的には能力の指向は生産方面に向いており、一族の持つ刀は全てクロベエが打ったもの。
●テンペストでは首都リムルの南西ブロックに工房を構え、リムル達の武器を鍛えたり、カイジンと共に生産関係を担っている。同じ鍛冶師であるカイジンとは気が合い、共同でさまざまな魔法剣を開発したりといった技術開発、および弟子の育成による生産力向上を行っている。
●名付けによる進化の際にAランクオーバーになるが、リムルから“刀鍛冶”の職業を与えられた際に魔素量はBランクまで低下、その代わりに『万物解析』、『胃袋』に似た『空間収納』、収納内の物を弄れる『物質変換』を内包する、リムルの『捕食者』が元になっているが戦闘力ではなく生産に特化したユニークスキル『研究者』、及び『炎熱操作』『熱変動耐性』を獲得した。リムルの収穫祭の祝福によりユニークスキル『神職人』を獲得した事で鍛治の腕はカイジンを越し、作品は最低でも希少級、最高で特質級になる。帝国との戦争の頃には伝説級武器の製造にも成功し、遂に自力で神話級を創り出せるまでに至る。
●種族:蜥蜴人族 ⇒ 龍人族
●声 - 大久保瑠美
●ガビルの妹で、ソウエイが率いる“藍闇衆”の頭領。元リザードマン王国の首領親衛隊長。
●ソウエイを敬愛しており、ガビルの監視役として魔物の町へ移住した際に、部下4名「トーカ(東華・女)、サイカ(西華・女)、ホクソウ(北槍・男)、ナンソウ(南槍・男)」と共に自ら彼の配下になることを希望した。兄であるガビルと会えば必ず言い争う様子を見せるが、実際は仲の良い兄妹であり、周囲にも気付かれている。
●マイクパフォーマンスの才能があるようで、開国祭では武闘大会の実況をノリノリで務めていた。
●名付けで龍人族になった際、自身はAランクに、配下4名はBランクに成長し、自分だけでなく4人の部下も人間寄りの姿に進化している。任意で角・翼・尾を生やすことは可能で、種族の固有能力である『龍鱗化』『竜戦士化』も使える。さらに兄の覚醒進化の祝福で上位魔将に匹敵する魔素量を獲得して存在値は26万1898に達し、直属の部下4名も存在値20万弱まで成長して上位魔人並みに強化された。
●種族:子鬼族 ⇒ 人鬼族 ⇒ 死鬼族(しきぞく)
●声 - 梶原岳人
●抜けた外見をした人鬼族。外見に反して生真面目な性格で、言わなくてもいい事まで口にして苦労するタイプ。シオンの事が好き。
●当初はゴブタの配下だったが、ファムルス王国の襲撃時にシュナを庇ってショウゴに蹴り殺される。復活後は“紫克衆”に組み込まれ、後にシオンの覚醒進化の祝福で死鬼族へと進化した。『自己再生』『痛覚無効』の練度はかなり高く、剣で刺されて頭に穴が開いたまま戦える程に成長しており、部下からも一目置かれている。
●種族:子鬼族 ⇒ 人鬼族 ⇒ 大鬼族 ⇒ 鬼人族
●“紅炎衆”の隊長を務める美女。元は子鬼族だったが、リムルの名付けで人鬼族、魔王進化で大鬼族、ベニマルの覚醒進化の祝福で鬼人族へ進化している。ベニマルの部下らしく好戦的な性格。大鬼族に進化した時点でAランクに至っており、軍事再編の頃には技量も含めるなら上位魔人ゲルミュッドと互角以上に戦えるまでに成長している。また、指揮官としての活躍を期待され、ベニマルから戦術論を叩き込まれている。
●ベニマルに憧れと好意を抱いていたが、彼がモミジとアルビスを娶ったことで失恋。しかし、同じ境遇となったフォビオと急接近する。
●種族:子鬼族 ⇒ 人鬼族
●警備隊の一員。かなりの野心家で気骨があり、リグルの副隊長の地位をゴブタと争っていた。
●警備隊に入隊したフォスの上司であり、猪突猛進なフォスの行動に頭を痛めながらも、上司として面倒を見ている。後に百人長に昇進し、警備隊を抜けて自分だけの部隊を作る事になる。
●ライバルのゴブタが狼鬼兵部隊の隊長になると、誰の下にも就きたくないと副隊長の地位を蹴り、1人で活動しながら腕の立つ部下を集めようとしていた。リムルからミョルマイルの護衛を任された際に右腕を失い、戒めとして治療を拒むが、何でも1人でこなそうとし過ぎる事を危惧されて仲間を頼るように諭された。
●種族:子鬼族 ⇒ 人鬼族
●初期の頃からシュナの元で料理人の修行を積んでいた人鬼族。シオンに厨房を壊されると嘆き、リムルから新しい厨房を用意する代わりに開発チームを組むよう命じられ、ラーメン、ハンバーガー、餃子などの地球の料理の再現を行っている。確立させたレシピは、ブルムンド王国と魔国連邦を結ぶ街道上の宿屋に提供されている。その後、調理研究グループのトップとしてだけでなく、シュナの不在時には総料理長を任されるほどに成長している。シオンの料理修行にも付き合っていたが、体調を崩して入院する羽目になり、やむなく免許皆伝を認めた。
●種族:蜥蜴人族 ⇒ 龍人族
●声 - 志村知幸
●ガビル、ソーカの父。ジュラの大森林中央部に位置するシス湖周辺の湿地帯を統べる蜥蜴人族の首領で、2万名の同族を従えている。
●オークロードとの戦いの後にリムルから“名付け”を受け、人の姿に近い龍人族へと進化する。以後、リザードマンの中から龍人族が誕生するようになる。
●戦端に際して反旗を翻したガビルを勘当したが、大罪である反逆罪にもかかわらず一族追放で済ませ、餞別に一族の秘宝「水渦槍(ボルテクス・スピア)」を持たせたことから息子への深い愛情が見て取れる。後にリムルの魔王就任祝いに首都リムルを訪れた折、リムルの計らいもあり親子二人での話し合いをすることができた。
●種族:小人族(ハーフリング)
●魔国連邦の軍楽隊指揮者。体力も知力もなく、まともな仕事ができないと落ち込んでいたが、歌が上手くて人を励ます能力があり、リムルから名付けを受けて軍楽隊に推薦された。神聖皇国ルベリオスとの文化交流に関しては重要人物となっている。
●種族:長鼻族(テング)
●長鼻族長老カエデの娘で長の代理を務める。漢字では「紅葉」と表記。
●母から“朧流”を学んでいる他、五感以上に情報を読み解き、幻覚や幻術を無効化するエクストラスキル『天狼覚』を持ち、その強さは三獣士筆頭のアルビスを上回る。
●リムルの魔王就任後、クシャ山脈の天狗の隠れ里へリムルの名代として訪れたベニマルを出迎えた。ベニマルの失態からの騒動の後、母親であるカエデがベニマルの提案を呑む条件としてモミジとの結婚を提案するも、ベニマルは本案件を一旦持ち帰ることとなった。
●後にリムルとの会談のために首都リムルへ来た折、実の父であるハクロウと対面の後、弟子入り。同時にベニマルの妻となる決意を表明し、ベニマルに好意を寄せているアルビスらと妻の座巡る攻防の幕開けとなった。外堀を埋める方向で行動し、シュナに料理を教えてもらい、機甲軍団との戦争では「妻」として第四軍団の指揮官を担当。軍団の妖気を束ねて天空に紅蓮の炎の花を咲かせ、急速に酸素を燃焼させて敵を行動不能に陥らせ、降り注ぐ炎の高温で意識を奪う大妖術「妖天紅華焔」により、帝国軍の残党にとどめを刺した。
●アルビスとは何度も拳を交えたことで友情が生まれ、共闘し2人でベニマルの嫁になるために知恵を絞り、祝勝会の場で第一夫人の座を射止めた。
●種族:長鼻族
●テングの長老でありモミジの母。漢字では「楓」と表記。
●300年ほど前に大鬼族の里でビャクヤから“朧流”を学んでいた頃、兄弟子であったハクロウに一目惚れし、一夜の契りを結んだ結果、モミジを身籠った。
●モミジを長期間胎内で育てて力の大半を託し、15年ほど前に産んで"名"を与えたため、山の神と呼ばれるほどの膨大な魔素量の殆どをモミジに託すこととなった。そのため死を待つだけの身となり、普段は床に臥せっている。
●種族:悪魔族 / 上位魔将 ⇒ 悪魔公
●テスタロッサ配下の悪魔族。
●先史種で、数万年敗北を知らぬ、原初に次ぐ実力者である悪魔界の大公爵。外見は小学5、6年生の少年のような姿。称号に“女帝の腹心”を持ち、冷酷かつわがままなテスタロッサの元で1万年もの間従者を務めており、テスタロッサとその主たるリムルに高い忠誠を誓っている。名付けによって悪魔公に進化し、主人の覚醒進化では種族は変化しなかったが、魔素量が覚醒魔王並みの大公級に至った。EPは107万9397で、ユニークスキルに『採集者(カリトルモノ)』を持つ。戦闘だけでなく小さく分離させた『分身体』を各地に飛ばして情報収集を行うことができ、それを利用した情報収集と情報伝達を行える。これによりソウエイと協力して諜報活動も行っており、その利便性の高さからテスタロッサだけでなくディアブロなどからも使われている。外交武官を任されたテスタロッサの副官として評議会に出席している。
●名前の由来は上司と同じくスーパーカーシリーズより、メルセデス・ベンツ・SLRスターリング・モス。
●種族:悪魔族 / 上位魔将 ⇒ 悪魔公
●テスタロッサ配下の悪魔族。
●魔国連邦加入時点で300年無敗の男爵級だが、発生は古く原初の本流に限りなく近い個体。書類仕事が得意なので主人から代理を任される事も多く、称号に“女帝の書記官”を持つ。主人の覚醒進化により、魔王種を凌ぐ子爵級の悪魔公へと進化する。EPは28万6596で、ユニークスキルに『記録者(オボエルモノ)』を持つ。
●評議会にてギィ配下の悪魔たちが襲撃したときには、その迎撃を担っていた。帝国最高戦力との戦いでは、黒色軍団の上位悪魔騎士の指揮を任されドワルゴンへの救援を担当した。戦後は帝国へ出向する事になったテスタロッサに代わり、西方諸国をまとめる立場を引き継ぐ。
●名前の由来は上司と同じくスーパーカーシリーズより、キャデラック・シエン。
●種族:悪魔族 / 上位魔将 ⇒ 悪魔公
●ウルティマ配下の悪魔族。
●先史種で、4000年以上生きる老獪な侯爵。モスに何度か敗北を喫し、転生を続けている。名付けによって悪魔公に進化、主人の覚醒進化では種族は変化しなかったが、魔素量が覚醒魔王並みの公爵級に至り、EPは88万2869に至る。自分が視た人物に高い精度で化けるユニークスキル『物真似師(マネルモノ)』を所持し、さらにその権能はシエルによって、実際に会ったことのない人物の全盛期の力でも再現可能な究極贈与『真贋作家(アーティスト)』へと進化した。
●“毒姫の執事”の称号持ちで、外見はカイゼル髭が特徴的な紳士といった見た目で、常に背筋をピンと張った姿勢でウルティマに付き従う。料理はゾンダに任せているが、戦場でも紅茶を用意し完璧にサーブしてみせる。しかし、その本性はウルティマの第一の眷属らしく残虐で残忍で、情け容赦がない。
●帝国との戦闘ではゾンダと共に、機甲部隊の中の強者を狙い撃ちし討ち取っていた。最高戦力との戦いではガビルに重傷を負わせた“ひとけた数字”マルコと戦い、初戦では仕止めきれなかったが、八門堅陣にて目覚めた究極贈与を操り、「真贋超越妙技(ギャラリーフェイク)」で白夜の剣技を再現して討ち取る。
●名前の由来は上司と同じくスーパーカーシリーズより、ブガッティ・ヴェイロン。
●種族:悪魔族 / 上位魔将 ⇒ 悪魔公
●ウルティマ配下の悪魔族。
●ゾンダは何度か転生を繰り返している300年間無敗の男爵級だが、発生は古く原初の本流に限りなく近い個体。どんな怪我でも『調理』する事で回復させられるという状況把握と支援に特化したユニークスキル『調理人(マゼルモノ)』を所持し、回復魔法が得意で、補助などの支援も上手いため、アゲーラにはエスプリよりコンビを組みたい相手と思われている。主人の覚醒進化により、魔王種を凌ぐ子爵級の悪魔公へと進化、EPは30万1316に至っている。
●“毒姫の料理人”の称号を持ち、ウルティマの宮廷料理人を務め、自分の髪色と同じ薄紫色に染め上げた特注のダブル使用のコックコートを着用し、気品あふれる洗練された動きで戦場でも極上の料理を提供する。しかし、元々種族として食事が必要なかったためにまだまだ勉強中な面も多く、ウルティマからはよくダメ出しをされてシュナや吉田を見習うよう要求されており、ガビルからも女性陣は人目を気にせず食事を取ることができないであろうことを指摘されている。ウルティマの配下を長く務めるだけあって、なかなか図太い性格をしている。
●名前の由来は上司と同じくスーパーカーシリーズより、パガーニ・ゾンダ。
●種族:悪魔族 / 上位魔将 ⇒ 悪魔公
●カレラ配下の悪魔族。
●300年前カレラに下って以来無敗で、近世種でありながら子爵級の特殊個体。暴走車のごとき性格のカレラに常識を教えようと日々努力する苦労人。悪魔にしては珍しく魔法ではなく刀を武器としており、カレラに剣術を教えた事から“暴君の師匠”という称号を持つ。悪魔らしからぬ優しい人物だが、主君を馬鹿にされたり約束を破られることを極端に嫌う。
●実は転生者であり、前世はハクロウの祖父であった“異世界人”の荒木白夜。外見は金色のまだら模様が入った白髪の老人で、前世の容姿をそっくり引き継いでいるが、当初は300年より前の記憶がなかった。
●カレラの覚醒進化の祝福で魔王種を凌ぐ侯爵級の悪魔公に進化してEPは73万3575になる。さらに四騎士ガルシアとの戦いの中で、シエルにより肉体を刀に変化させて技量を所持者に上乗せする究極贈与『刀身変化(とうしんへんげ)』を獲得し、自らを手にした者に“朧流”の最高奥義である“八重桜ー八華閃ー”や“朧・百華繚乱”といった技術を使用させられるようになる。近藤との戦いを経て転生前の人間だった時代の記憶を取り戻し、戦争後は少し放浪して頭を冷やしたいと願った為、ドワルゴンに派遣されてガゼルの訓練に付き合う事になる。
●名前の由来は上司と同じくスーパーカーシリーズより、ケーニグセグ・アゲーラ。
●種族:悪魔族 / 上位魔将 ⇒ 悪魔公
●カレラ配下の悪魔族。
●何度か転生を繰り返しているが魔国連邦加入時点で500年無敗の子爵級で、発生は古く原初の本流に限りなく近い個体。愛らしい顔だちの少女であるが、性格は悪く、カレラの暴走に追従するのみで諫めようともせず、そんな役割をアゲーラに押し付け自分はカレラの太鼓持ちに徹している。カレラとは主従というより先輩後輩のような仲良しな友達関係に近く、称号には“暴君のズッ友”を持つ。
●観察に特化したユニークスキル『見識者(ミヌクモノ)』を持ち、時間と空間を隔てた相手でも連絡を取り合うことが出来る。カレラ以外には能力を隠していたが、四騎士ガルシアとの戦いで幹部にバレて、ソウエイの依頼をこなすことになる。主人の覚醒進化により、魔王種を凌ぐ伯爵級の悪魔公へと進化し、EPは55万2137に到達している。
●八門堅陣ではアゲーラ、ゾンダと組んで、リムル達を侮辱した四騎士ガルシアを撃破する。
●名前の由来は上司と同じくスーパーカーシリーズより、ロータス・エスプリ。
●種族:悪魔族 / 上位悪魔(グレーターデーモン) ⇒ 上位魔将 ⇒ 悪魔公
●ディアブロの副官。100年も生きていない現代種だが、生まれながらにユニークスキルを所有する特殊個体。また、明確な前世の記憶こそないが、転生者である模様。いわゆるパンクファッションを纏う不良風の青年。
●反骨精神旺盛で、何度も何度もディアブロに歯向かったことで気に入られて強制的に配下にさせられ、100名の部下と共に魔国連邦に加わる。常にディアブロから無理難題を押し付けられ、「俺に人権はない」と語る苦労性。
●リムルの名付けと受肉で上位魔将に、ディアブロの覚醒進化で男爵級の悪魔公に進化しており、EPは40万まで跳ね上がっている。
●マサユキと帝国皇帝ルドラの顔が瓜二つと判明してからは、ディアブロの命令でマサユキの護衛をしている。苦労性で似た者同士であり、弱いながらに自分の意思を持ち続けているマサユキを心の奥底では尊敬している。マサユキの即位に伴い、テスタロッサと共に帝国へ随行する事になる。
●名前の由来は上司と同じくスーパーカーシリーズより、ヘネシー・ヴェノムGT。
●種族:犬頭族(コボルト)
●ジュラの大森林の各地を彷徨い歩く行商人の代表で、リグルド達の村を担当していた人物。利に聡く、中々に気のいい人物。
●魔国連邦の建国直後に森の異変に気付いて首都リムルを訪れ、リムルから許可を貰って部族全員で移住し、ここを拠点に森の各地とを往復する生活することになる。魔国連邦とユーラザニアが友好を結んだ事で、これまでの中央以外の被支配者種族の町や村を回って必需品の手配をする立場から、一気に獣王国の御用商人にまで格上げされる。
●種族:人間
●声 - 朝井彩加(ケンヤ)、石上静香(リョウタ)、白石晴香(アリス)、佐藤元(ゲイル)
●西方諸国で不完全召喚された子供達。リムルと出会った時点で、ケンヤとリョウタが10歳、アリスが9歳、ゲイルが11歳。不完全召喚であることから、魂に融合された魔物でいうAランク以上の魔素量をコントロール出来ず、大人になる前に死んでしまう身体だった。
●自由組合で保護され、シズにとって自由学園における最後の生徒になった。シズが学園を去った後は、死期が近いせいもあって自暴自棄になっており、元Bランク冒険者でも手の付けられない問題児になっていた。後にリムルがユウキの許を訪れた折、クロエを含めた5人の教師役を努め、ラミリスの支配する“精霊の棲処”で上位精霊を宿らせたことで、魔素の制御が可能となり延命することができた。ケンヤは「光の上位精霊(声 - 村中知)」が宿ったことで将来“勇者”になれる資格を得ており、他の3名はリムルの『変質者』によって統合された「擬似上位精霊(リョウタが水風、アリスが空、ゲイルが地)」が宿る。
●その後ユウキを疑ったリムルが開国祭を名目にしてクロエを含めた5人を魔国連邦に連れ出して、そのまま返さずに引き取った。精霊を宿したことでAランクに匹敵するほどの実力者になり、魔国連邦移住後は学校でハクロウやヒナタに指導を受け、ケンヤは光の精霊と変幻自在の剣技のコンビネーション、リョウタは水と風の〈精霊魔法〉を使い分けた器用な戦い方、ゲイルは盾と剣に土の〈精霊魔法〉を駆使した鉄壁の守り、人形使役者(ゴーレムマスター)のアリスは“魔鋼”製の人形や大量の剣の操作、といった戦法を身に付けた。中でもケンヤは現状で並みの聖騎士より強く、アリスも数年後には聖騎士の隊長格と互角になると考えられている。
●種族:人間
●声 - 田所あずさ
●西方諸国によって不完全に召喚されてしまった5人の子供達の一人。初登場時は10歳。常に本を手放さずおとなしい。
●他の4人の子供と違い、クロエのみ元から上位精霊と並ぶほどに突出した魔素量を持っており、また精霊迷宮で召喚した精霊も他の子供らが身に宿らせた精霊と比較して非常に特殊で、リムルの大賢者でも測定不能なエネルギーを持っており上位精霊以上の存在で、ラミリスが危機感を持って戦闘を行おうとした。
●リムルとの別れ際にシズの形見である“抗魔の仮面”のオリジナルを譲り受ける。実はこの世界において歴史上もっとも有名な「勇者クロノア」であり、ヴェルドラを封印した他にもルミナスにとって最も重要な友人。“時の輪廻”に囚われており、未来において破局を迎える度に過去の自分に大まかな流れの記憶が宿ることを繰り返していた。
●未来で自分が死ぬと、“精霊の棲家”で自我を備えた“未来からやって来た自分自身の権能”が過去の自分に宿り、ヒナタの死が鍵となって彼女の自我を保存した『数学者』と共に2000年前に時間跳躍、その時点で記憶を取り戻し、勇者として1000年以上活躍した後、レオンと過去のクロエが召喚された時点でクロエの人格が眠りにつき、その後はヒナタの人格でシズを救うなどの活躍を続け、クロノアを制御できなくなった段階でルベリオスの“聖櫃”で封印される、というループを幾度も繰り返している。最後のループでは、初めてリムルがいなくなる前に時間跳躍が発動するというイレギュラーが生じ、グランベルの霊子崩壊からクロエを庇って死亡したヒナタの魂を取り込んで保護して装備ごと2000年以上の過去に跳び、前回までと同じくルミナスに会い、ヴェルドラの襲来や未来の出来事を伝えて友人となる。勇者として活動したのちにこの世界に過去の自分が転移してくることから意識を保てなくなりルベリオスで眠りに就いた。
●召喚により不安定な肉体の魔素にていずれ肉体を崩壊させる状況にあったが、リムルに救われたことから彼に好意を抱くようになり、先生と呼び慕っている。普段は控え目な性格だが、リムルの前では無邪気さと積極性を見せ、リムルを巡って友人であるアリスと争うこともある。上記の時間跳躍にてそれぞれ違う未来を体験してきたが、その時間軸においてもリムルに好意を抱くほど彼に対する想いは強い。
●リムルの活躍で“時の輪廻”から解放された後も、友達がいる魔国連邦で生活を続けている。帝国の侵攻で、刺客であったマサユキの仲間、ジウがリムルの命を狙った際にはそれを察知し、彼女の前に立ちふさがった。フェルドウェイに狙われたマサユキを守ろうとした際に、『希望之王』を得ていた為に”天使長の支配“で操られてしまうが、クロノアの尽力で支配を食い止めている。
●“勇者”になるだけあって恐ろしいほどの才能の持ち主であり、ループの記憶が戻る前から子供達の中では別格に強く、訓練ではリムル、ヒナタ、ハクロウでも本気にならないと危ない。対象を虚数空間に封印する『無限牢獄』と、“竜種”の体をも斬り裂ける『絶対切断』という究極能力にも届きうる強力な2つのユニークスキルを持つ。さらにユニークスキル『時間旅行(トキノタビビト)』にて時間に干渉する権能を持ち、その力により過去へ時間跳躍して勇者として活動していた。ヒナタと共に現在の世界線に到達し、クロノアの魂の中に眠るヒナタの魂を救うためにリムルの干渉を受け入れる際に、自身のユニークスキルとヒナタの『簒奪者』を統合することで究極能力『時空之王(ヨグ・ソートス)』を発現する。その権能の一つが時間を停止するという規格外のものだが、非常に制御が難しいうえに燃費が非常に悪く、まだ長時間に及ぶ行使はできない。また、死亡したグランベルから天使系究極能力『希望之王』を受け継いでいる。なお、自身の“勇者の卵”にヒナタが所持していた“卵”が融合、孵化した為、真の勇者としても規格外の存在となっている。
:; クロノア
●クロエが過去で勇者として活動する際に名乗った変名であり、悪徳の化身にしてクロエの別人格。“名付け”主はヒナタで、その際に彼女の『簒奪者』を吸収している。『すべてを破壊する意志』と言われるが、その衝動の理由は「リムルが死んだ」という別世界の記憶が元であり、リムルと再会したことで鎮静化し、ただの意識体から能力を管理する権限を持つ“神智核”に最適化された。
●無限の輪廻からの復帰後は一つの肉体にクロエとクロノアの双方の自我があり、両者が交互に会話すると傍目には一人二役を演じているように見える。また、戦闘でクロノアの意識が出ている時は大人の姿に変身する。
●”天使長の支配“で『希望之王』に意思が芽生えて暴走した際には、暴走を抑えこむ為にクロエと会話もできない状態になっており、リムルの隣に立つ為に自力で状況を脱しようと頑張っている。
●種族:人間
●“勇者”マサユキ、または“閃光”のマサユキと呼ばれる自由組合所属の冒険者。イングラシア王国で特に人気が高く、西側諸国最強と言われている。
●ロシア系の血を引く、かなり整った顔立ちの少年。作中時間で初登場の1年ほど前、高校入学直後の16歳のときにこの世界にやって来た転移者。学校帰りに“青い髪の北欧系美女”に気を取られたら、次の瞬間すでにこの世界に来ていた。隠れオタクであること以外は完全な一般人で、WEB小説のような展開に途方に暮れる。その後間もなく人助けしたことで獲得したユニークスキル『英雄覇道(エラバレシモノ)』の常時発動効果から、何もしなくとも幸運が呼び込まれ、全ての言動が都合良く誤解され、勇者のごとく扱われるようになってしまう。“閃光”の異名も、スキルの効果で相手が勝手に降参するのを、周りが閃光のように見えない攻撃をしていると誤認したことに由来する。
●前述の通り、完全な一般人にも関わらず英雄と奉られ、同行する仲間たちも自分を持ちあげるばかりで話が通じない状況に辟易していた。魔王と呼ばれるリムルが異世界から転生した同郷人と知り、自分のスキルに影響されない強者であることから自身の庇護を申し入れる。魔国連邦では日本人としての見地から迷宮運営のアドバイザー的な立場でチュートリアルや宿屋を用意することを提案し、自身は仲間たちと共に迷宮に挑むことで広告塔となった。東の帝国との戦争に際しては人間の割合が大きい義勇兵団の軍団長に抜擢されたが、実態は住民の説得が役目。
●責任感は強く、状況に流されているように見えても弱いながらに自分の意思を持ち続けている。不良は苦手だが、苦労性のヴェノムには親近感があるので気が合う。
●帝国から亡命してきたガドラの証言により、皇帝ルドラと瓜二つの外見をしている事が判明。また、いつの頃からか、地毛が金髪へと変化してきている。後に、記憶はないが、本物の皇帝ルドラの“魂”が集まった転生体である事がヴェルグリンドの口から明言された。これにより、最高責任者を失った帝国で即位する事になり、救世皇帝マサユキ・ルドラ・ナム・ウル・ナスカと称されるようになる。
●実際、剣道を少し嗜んでいたものの、実剣は重すぎて構えられないほど非力で、本人の戦闘能力は皆無に等しい。『英雄覇道』は究極能力に届くほどの希少中のレアなユニークスキルで、『英雄覇気』・『英雄補正』・『英雄魅了』・『英雄行動』が常時発動し、自分を含む仲間の普通の攻撃が全て致命の一撃(クリティカル)になり、言動を周囲が都合よく解釈するなど優れた権能を発揮する。本人の実力はDランク下位でしかないが、この破格のユニークスキルの効果で総合力ならAランクを軽く超えている。フェルドウェイとの戦いで“逃げない勇気”を見せた事で、自らを器に死者の魂を導く権能『英魂道導(ハシャノヨルベ)』が解放され、さらにクロエの素顔を見てヴェルグリンドへの“真実の愛”が確認された事で究極能力『英雄之王(シンナルエイユウ)』に覚醒し、信奉者に対して幸運の加護を、そして存在値10万以上の者へは最低ランクだが究極に対抗出来る加護を付与するという、とんでもないバランスブレイカーの権能を獲得した。
●種族:人間
●“狂狼”の二つ名を持つ冒険者。Bランク以上の実力を持ちながら、素行の悪さからCランクから上がれずにいた。しかし、異世界転移したばかりのマサユキに敗北したことで改心し、彼を復活した勇者と信じて仲間になる。途中からはマサユキが何の実力も持たないことに気づいたが、努力するマサユキのことを認め、何も言わずに従っていた。
●帝国との戦争の頃には、ハッタリだけの自分では守りきれないと思ったマサユキの提案でパーティーから外れたが、腕を鈍らせないよう魔国連邦のギルド職員として働きながら、陰ながらマサユキのフォローに回っている。
●種族:人間
●イングラシア王国の王都で喫茶店を経営していた“異世界人”。無能力者だが、お菓子作りの技術は超一流で、ファンも多い。魔国連邦が開国した際にリムルの勧誘を受け、シュナの料理力を認め、王都の店を弟子に任せ連邦に移住する 。
●種族:巨人族(ジャイアント)
●魔王ダグリュールの息子。長男ダグラは引き締まった体躯の耳ピアス、次男リューラは筋肉の塊のような鼻ピアス、末っ子デブラは小柄で太った口ピアス。旧魔王並みの魔素量を持っているが、戦闘技術がお粗末。
●暴れて母国を追い出され、謁見式をしていた魔国連邦に現れたが、シオン1人にボコボコにされた。以降はシオンを尊敬し、「シオン親衛隊」の隊長として訓練に励んでいる。
●種族:人間(仙人)
●ロッゾ一族によって召喚された“異世界人”。とある国の外人部隊で戦闘技術を叩き込まれた元傭兵。
●当初は五大老からの指示でルベリオスの近衛師団に潜り込み、“十大聖人”にして“三武仙”の1人、“荒海”のグレンダとして活動していたが、エドワルド王のもとに現れたディアブロに敵わず、サーレに相手を押し付けて逃走。その後、評議会の場でエルリック王子を暗殺しようとした際に、失敗してソウエイに捕らえられ、黙秘したにもかかわらず情報を奪われる。そして魂を縛っていた術式を解除したリムルに忠誠を誓い“藍闇衆”でソウエイの手下をしながら、リムル、エルメシア、ミョルマイルが牛耳る秘密結社“三酔賢(リエガ)”のボスを演じている。
●“仙人”であり、その実力は特A級に相当する。『魔力感知』『予測演算』『空間操作』の権能を含むユニークスキル『狙撃者(ネラウモノ)』を持ち、『空間連結』を使用した狙撃は視界内全てを有効射程範囲とする。
●種族:人間
●ジラードは「原初の緑」ミザリーを神として信仰する傭兵団“緑の使徒(ヴェルト)”の団長。アインはジラードの部下で、チーム“緑乱”のリーダーの精霊使役者。両名ともAランクオーバーの実力者。
●“緑乱”は実力を隠して魔国連邦の地下迷宮の攻略を進めていたが、リムル達が操作する仮魔体に討伐され、撤退する。五大老のヨハン・ロスティア公爵と共謀し、西方諸国評議会にミザリーを召喚したが、同格のテスタロッサの介入により失敗。その後は司法取引でテスタロッサに引き抜かれて“藍闇衆”に配属され、“三酔賢”でグレンダを補佐している。
●種族:兎人族(ラビットマン)
●スピンオフ漫画作品「魔物の国の歩き方」の主人公。ジュラの大森林に住む兎人族族長の娘。
==== 迷宮(ラビリンス) ====
●種族:精霊族 ⇒ 妖精族(ピクシー)
●声 - 春野杏
●八星魔王のひとり“迷宮妖精(ラビリンス)”。かつては星の管理者としてヴェルダナーヴァに生み出された“精霊女王(エレメント)”であったが、魔王ギィ・クリムゾンと魔王ミリム・ナーヴァの争いを仲裁した際、力の大半を失って精霊から記憶を保ったまま定期的に転生する妖精に堕天した。公平に世界のバランスを保つ存在でもあり、魔王になってからも勇者に聖霊の加護を与える聖なる導き手の役目を担っている。名付け親はヴェルダナーヴァだが、転生を繰り返し過ぎたせいでその事は綺麗さっぱり忘れ去っている。
●最も古い魔王の一人であり、年齢は数千歳以上。原初の魔王であるギィ、ミリムは当然のこと、第二世代以下の多くの現魔王も過半が友達という交友関係を持っている。魔素量が限界に近づくと記憶を継承した子供を生んで転生するという性質を持つので、魔王の中では唯一世襲が認められている。転生後は記憶を引き継ぐとはいえ、幼い容姿に精神が引きずられ言動も行動も幼くなってしまう。
●楽観的で、無鉄砲で、好奇心旺盛で、臆病な性格かつ、無邪気で善良だが、本質は無慈悲であり敵対者には容赦しない。自分を大きく見せようと大口を叩くので、リムルには「口だけ番長」と評される。出自が精霊であったことから『精霊工学』に詳しく、ドワーフ王国で失敗し破棄された魔装兵の外殻を拾って、“聖霊の守護巨像(エレメンタルコロッサス)”として完成させている。間違いだらけの推論を述べながら、何故か結果的に正解へと辿り着くという“迷”推理が得意。
●リムルと初めて出会ったウルグレイシア共和国にあった自身の管理する迷宮で、最強と自負していた自慢の護衛ゴーレムを破壊された際にリムルに代わりの護衛を作成させる約束を取り付け、その後悪魔を宿らせた魔鋼人形であるベレッタを作成させることに成功している。
●初めて魔国連邦を訪れた際にヴェルドラが読んでいた漫画の魅力に取り憑かれ、ヴェルドラを漫画の師匠として慕うようになる。リムルが魔王となって以降、魔国連邦に魅了されていたこともあって、配下のベレッタを引き連れ改めて移住を敢行。そこでリムルから自身の能力に目をつけられ、能力により迷宮を作り出し、アトラクションとして運営を行うことで、移住のみならず、職務とその報酬を得られることとなった。その過程で、ミリムが連れてきた竜王たちを含め配下を増やしていき、リムル、ヴェルドラ、ミリムとも迷宮をゲームとして楽しむ仲間、友人のような関係となり、特にヴェルドラとは上記の漫画以外にも、迷宮を住処として提供し、代わりに迷宮の進化に協力を受けるなど、高い共存関係を築いており、互いにおだてに弱いお調子者同士で非常に気も合っているため、テンペスト国内ではほぼ一緒に行動するなど名コンビと化している。
●成長途上なので本人の戦闘能力は魔王としては非常に低いが、破格の固有能力『迷宮創造(チイサナセカイ)』により地下100層に及ぶ迷宮を創造し、その中では魂を持つものであれば生死すらも自由自在にできるなど、自らの領域において何でもできるほどの万能さを持つ。その力で自分の配下になった者に対し、迷宮内において不滅の存在とすることができるため、迷宮内においては無敵ともいえる戦力を発揮する。リムルと出会う前までは一人であったため、迷宮の中を自在に変化させる程度のことしかできなかったが、リムルと出会ったことでベレッタを始め、精霊女王時代の配下であるドライアドたちも再び配下に戻り、迷宮づくりの一環としてミリムがテイムしてきたドラゴンロードたちや、ヴェルドラを始めリムルが迷宮のボスとして配置した“迷宮十傑”と呼ばれる者たちの協力も経て、現在では魔国連邦の切り札の一つともいえる戦力を保有するまでになった。ただ、自分に何が出来て何が出来ないのかを理解していないという、とても残念なところがあるので、リムル達からも呆れられる事が多い。なお、この能力は『智慧之王』でも再現できない。
===== 迷宮の職員 =====
●種族:悪魔族 / 上位悪魔 ⇒ 魔将人形(アークドール) ⇒ 聖魔人形(カオスドール) ⇒ 聖魔金属生命体(カオスメタロイド)
●“ラミリスの守護者”としてリムルが創り出した魔人形(ゴーレム)の戦士。
●「精霊の守護巨像」を失ったラミリスの護衛として、リムルが造形した”魔鋼“製の球体関節人形へ召喚した上位悪魔を宿らせ、“名”を与えることで誕生した。黒(ディアブロ)の系統の末端であり、研究好きで、強さを重要視しない異端の悪魔。受肉前はAランクであったが、宿った人形が高性能だったのでAランクオーバーへと成長している。身長は180センチほど、進化の際に体の表面は透明な皮膜で覆われ、漆黒だった長髪は光沢ある銀色に変化した。普段は仮面によって素顔は隠されている。
●それから間も無く、リムルがヒナタに魔素を封じられた焦りを反映し、魔王進化の祝福を受けて正反対の属性を自動で獲得するユニークスキル『天邪鬼(ウラガエルモノ)』を習得、同時に“悪魔核”に“精霊核”が融合して“聖魔核”が生成され、悪魔族と天使族(エンジェル)双方の性質を持つ“聖魔人形”へと進化を遂げて、肉体は生体魔鋼へと変化して全身が伝説級以上の凶器となる。黒の眷属だけあって戦闘経験の蓄積は豊富で、帝国との戦争時点で“魔王種”を獲得しており、EPは40万強だが、技量だけなら存在値が数倍の魔王ディーノに匹敵する。
●『魔王達の宴(ワルプルギス)』の際に忠誠心がラミリス、リムルの双方へ向いていることを魔王ギィに見透かされ、半ば強要される形でラミリスへの忠誠を誓った。しかし、本人としてはラミリスを通じてリムルに貢献するつもりであったため、特に気にしていない。また、その時にギィから実力を認められ、名前で呼ぶことを許される。
●ラミリスの事は敬愛しているものの、同僚である樹妖精達がとにかく主人に甘いので、ラミリスに注意する役を一人で引き受けている苦労人。魔国連邦の迷宮では、迷宮統括者(ダンジョンマスター)と迷宮十傑筆頭を兼任していたが、帝国軍の迷宮侵攻を前に十傑を辞任している。
●系統の最上位であるディアブロに先んじて召喚されている事から激しい嫉妬を受けているが、受肉した自分の肉体がリムルの自信作である事を利用して身を守っている。
●帝国最高戦力との戦争の最中に裏切ったディーノに敗北した悔しさからリムルに強化を願い出て、個人面談の際に10万の“魂”を与えられて上位聖魔霊の金属生命体へ覚醒進化し、肉体を構成する生体魔鋼は究極の金属へ変質してEPは約5倍の197万8743まで上昇した。『天邪鬼』を犠牲にして覚醒した究極能力『機神之王(デウス・エクス・マキナ)』は、『思考加速』『万能感知』『魔王覇気』『鉱物支配』『地属性操作』『反転融合』『空間操作』『多重結界』を内包しており、『鉱物支配』と『地属性操作』の合わせ技で、鉱物を自在に創り出し、操れるようになり、自分の身体を含めて金属ならどんな形状でも自由自在に変形可能。
●名前の由来は拳銃のベレッタ 92。
●種族:樹妖精(ドライアド) ⇒ 霊樹人形妖精(ドリュアス・ドール・ドライアド)
●声 - 田中理恵(トレイニー)、阿澄佳奈(トライア)
●ジュラの大森林を管理するドライアドの三姉妹。
●魔王ラミリスが精霊女王だった時代には配下の精霊であり、彼女が妖精に堕ちた時に自分達も妖精へ変化した。休眠中にラミリスが転生した為に離れ離れになり、数千年前にヴェルドラに保護されて大森林の管理を任された。そして、魔国連邦の前身となる豚頭帝の侵攻の際に出来た「ジュラの森大同盟」の締結時に、樹人族共々盟主リムルに忠誠を誓い、配下の一員となった。
●Aランクの上位に位置する存在で、種族特有能力による植物を通した瞬間移動や、「草木からの囁き(プラントウィスパー)」により種族間であらゆる情報の『共有』が可能なので、森の中では圧倒的な強さを誇る。さらに、上位精霊「風の乙女(シルフィード)」を召喚し、『同一化』することで戦闘能力をさらに高めることが可能。本体は「大霊樹(ドリュアス)」であり、思念分身体を動かすことで自在に動いていたが、消耗が激しくあまり長期間本体から離れることが出来ないのが弱点。
●トレイニーはラミリスの配下として魔王達の宴に参加した際にリムルが作った精霊魔核に霊体を移し、抜け殻となり枯死した元本体の大霊樹で作った人間サイズの木人形に核を宿らせることにより霊樹人形妖精へ進化、場所に囚われることなく自在に移動可能となり、EPは60万に達して準魔王級とも言える災禍級相当の実力を得た。加えて、EP100万の風の精霊王を宿すという奥の手があるが、負担が大き過ぎるので復活可能な迷宮内でしか使えない。
●魔王ラミリスの魔国連邦移住の際には姉妹3人全員がラミリスの作った迷宮に移住し、リムルの許可を得て正式にラミリス配下へと移籍がなされた。後に全員が霊樹人形妖精となった。頼れる人物ではあるが、敬愛するラミリスに対してだけは激甘なのが玉に瑕。
●種族:ドワーフ
●声 - 津田健次郎
●カイジンと同郷であり、カイジンが故郷を追われる原因を作った元悪辣大臣。貴族出身で爵位は公爵。
●幼少のころ、凱旋するガゼルに憧れて将来仕えることを心に誓う。しかし、王宮騎士団工作部隊の副団長であったころ、平民でありながらガゼルに信頼されるカイジンに嫉妬し、魔装兵計画にてカイジンと意見が衝突し、焦って独走の後に失敗。その責任をカイジンになすりつけたうえ、軍の幹部まで抱き込んで嘘の証言までさせ、カイジンを軍から去らさせた。
●その後もカイジンへの嫌がらせは続き、陥れるようと画策していたが、ドワーフ王であるガゼルには魔装兵計画時点も含めた全ての企みがバレており、またドワーフを上回る技術力を持つリムルを武装国家ドワルゴンより追放してしまうことにもなったため、責任を問われ免職、王宮への立入禁止となった。
●後に才気ある者を遊ばせておくのを惜しんだガゼル王によって、ドワーフ王国とジュラ・テンペスト連邦国の相互技術提供の約束を取り付けて間もなく、魔国連邦へ連れてこられる。これまでの全てを反省してリムルとカイジンに謝罪し、和解を遂げ、開発職としてテンペストで生きる道を選んだ。
●元々は精霊工学を専門とした研究肌の職人で、権力闘争などより研究している方が向いていた人物。研究員となってからは以前とは見違えるように生き生きとしており、テンペスト開国祭ではガビルと共同で“完全回復薬(フルポーション)”に関する研究発表をしているほか、リムルのアイデアを元にカイジン、クロベエ、ベスターの3人が共同開発した品々はテンペストの発展に欠かせないものとなっている。
●また武装国家ドワルゴンへの連絡役としての側面も持っており、武装国家ドワルゴン直通の連絡水晶球操作担当でもある。貴族としての教養を活かして魔国連邦の迎賓館を始めとした宿泊設備の接客指導も行っている。なお、爵位の取り上げや降格といった処分はなかった為、公爵家当主という地位はそのままであり、魔国連邦に骨を埋めるつもりで公爵家を総動員した人材確保等を色々やらかしている。
●種族:精霊 / 炎の巨人(イフリート) ⇒ 炎の精魔霊王(フレイムロード)
●シズに憑依していた上位精霊:炎の巨人がリムルの『捕食者』によって『胃袋』へ隔離され、ヴェルドラの願いから復活し「名付け」が行われた姿。
●助手を欲したヴェルドラが、イフリートの復活をリムルへ頼み込み、最後まで責任を持つことを条件に許可。復活に際して『胃袋』内でヴェルドラの妖気を長く浴びていたため、「擬似魂」ではなく「暴風大妖渦(カリュブディス)の魔核の抜け殻」の方が具合がいいだろうということからこれを核とし、依代には魔鋼にヴェルドラの魔素を過剰に込めて変異した竜気魔鋼(ドラゴタイト)の骨格を使用し、復活させた。この復活にはヴェルドラの影響が色濃く出ており、深紅であった髪色は漆黒の割合が多くなり、炎だけではなく風の系統も使えるようになった。またヴェルドラの意向やカリュブディスが女性型であったことなどが影響し、女性型として復活した。
●その後ヴェルドラ主導で「カリュブディス」の面影が色濃く残る名、「カリス」の名を与えられ、魔王級の力を持つ「炎の精魔霊王(フレイムロード)」へと進化した。この時、進化時の願望を叶える力がヴェルドラの影響を上回り、髪色などの影響は残したままではあるものの男性型へ変化した。なお、進化に伴って外見の変化は自身の意志で行えるようになった。
●レオンのことは偉大な魔王であるとの認識は変わらないが、リムルの『胃袋』内から見続けたリムルの行動やヴェルドラとの遊び・学習、『大賢者』も加わった特訓を経てレオンへの忠誠心と呼べるようなものはなくなっており、仕えたいと感じているのはヴェルドラであると意思表示している。その真面目さから、リムルには「ヴェルドラの従者になってくれて良かった」と感謝されている。
●種族:人間
●元帝国軍混成軍団所属の“異世界人”。それぞれ23歳、26歳、17歳。日本の大学生だったシンジは〈精霊魔法〉〈元素魔法〉〈神聖魔法〉をマスターした「魔術師(マジシャン)」で、ウイルスを操作して攻撃や治癒を行うユニークスキル『医療師(ナオスヒト)』を所有、マークは「空気」も含め手に持てるモノなら何でも投げられるユニークスキル『投擲者(ナゲルモノ)』を所持し、格闘術、投擲術、矛術を極めた「戦闘士(ウォーリア)」、シンは弓術と“隠行法”を習得し、ユニークスキル『観察者(ミエルヒト)』で直感回避・危険察知・罠察知・魔物察知・気配察知が可能な「狩猟家(ハンター)」 。全員が特A級で、EPはシンジとシンが12万、マークが13万。
●ユウキの命令で迷宮攻略に向かい、破竹の勢いで進むも60階層でアダルマン達に敗北。その後、ガドラと共にリムルと面会して亡命を決意、ラミリスの配下として迷宮で働くことになった。
●種族:人間
●帝国でガドラに保護された“異世界人”。ルキウスは物質を変容させて他の物質と融合させるユニークスキル『融合者(マゼルモノ)』による核撃魔法並みの高火力攻撃を得意とし、元格闘家のレイモンドはユニークスキル『格闘家(タタカウモノ)』を使いこなす超一流の戦士。
●行方不明になったガドラやシンジ達を探して独断で行動を起こし、機甲軍団の一員として迷宮侵攻に参加、迷宮内で再会した彼らの説得を受け入れて降伏した。以降は迷宮で見習い助手として働く。
===== 迷宮のボス =====
●種族:蟲型魔獣(インセクト) ⇒ 蟲神(コガミ) / 水霊蟲(すいれいちゅう)
●ジュラの森に生息していた魔蟲。迷宮十傑最強の存在、“蟲皇帝(インセクトカイザー)”。生真面目で、リムルへの忠誠以外では強さにしか興味を持たない寡黙な男。
●弧刃虎との戦闘で瀕死の怪我を負いながらも、同じく瀕死のアピトのそばを離れず守護する姿に感動したリムルが2体とも助けて名付けした。身体の半分程度を失っていたため、リムルが自分の万能細胞を与えて補い、外骨格は魔鋼で補った。
●保護された頃は50センチほどのカブトムシとクワガタを足して割ったような外見だったが、迷宮移住後に蟲型魔人(インセクター)へ完全変態を遂げて細身の人型に進化する。漆黒の外骨格は伝説級に相当する生体魔鋼で構築され、さらに覚醒進化を経て外殻の一部を意思の力で究極の金属に変質できるようになる。
●当初命じられた仕事はアピトが花の蜜を集めるのに必要な樹人族(トレント)の集落を守護すること。その後、樹人族やアピトと共にラミリスの作った迷宮へと移り、80階層の階層守護者となる。
●助けられた時にリムルの細胞を分け与えられて怪我を修復したことから魂の回廊がつながっており、桁違いの肉体性能に目をつけた『智慧之王』によってリムルの知らない間に超最適化(フルチューンナップ)を施された。ユニークスキルのレベルを超えた空間支配能力を持ち、『絶対防御』による空間歪曲防御領域(ディストーションフィールド)や次元切断攻撃を使いこなす。さらにヴェルドラに師事して「ヴェルドラ流闘殺法」を学んでおり、その強さは迷宮内では師に次ぎ、格闘戦だけであれば互角以上に渡り合うことができる。ベニマルも自分より強い可能性があると漏らしており、また、蟲型魔獣は悪魔族に有利なことから“原初”の三人娘であってもゼギオンに勝ったことはなく、ディアブロでさえも下手をすれば敗北しそうになるほど。
●迷宮侵攻時は他の十傑を倒して生き残った強者だけを『空間操作』で強引に集めた上で鏖殺している。帝国最高戦力が攻めて来たときには、出陣するヴェルドラからラミリスの最後の砦としての役目を任され、『幻想世界』を発動して戦力を小出しにする事で裏切ったディーノの情報収集につとめ、大罪系究極能力を操る彼を圧倒、裏切り者にラミリスの慈悲が発動するかを確かめる為に迷宮から排除し、復活した彼に刻印を施した。
●“聖魔十二守護王”の1人として“幽幻王(ミストロード)”の称号を拝命し、覚醒進化によって神性を得、水と空間の属性を持つ上位聖魔霊の水霊蟲に至る。戦闘力ではディアブロ、ベニマルに並ぶリムル配下の三頂点の一角であり、EPは武装込みのベニマルに次ぐ498万8856に到達する。リムルから授かった外骨格への愛着から完全な精神生命体にはならず、空気中の水分子を凝集させて仮の肉体を構築する半精神生命体になっている。進化時に獲得した究極能力『幻想之王(メフィスト)』は、『思考加速』『万能感知』『魔王覇気』『水雷支配』『時空間操作』『多次元結界』『森羅万象』『精神支配』、そして希少な“世界系”に分類される『幻想世界』を内包しており、“原初”を凌ぐ程の格闘技量を空間・精神系の究極能力で補完し合い短所を潰すという万能型の能力構成をしている。また、『水雷支配・精神支配・幻想世界』の複合技として、刻印(ノロイ)を刻んだ対象が術者の意に沿わない行動を取った瞬間に心核を破壊する技術“夢の終わり(ドリームエンド)”を編み出している。
●種族:蟲型魔獣 / 女王麗蜂(クイーンワスプ) ⇒ 天星麗蜂(スターワスプ) / 風霊蜂(ふうれいばち)
●軍団蜂(アーミーワスプ)の最上位種である女王麗蜂。ゼギオンと共にリムルに保護された頃は体長30センチほどのハチだったが、ゼギオン同様に完全変態して女性のように美しい形態の魔人となる。
●助けられた時に命じられた仕事は、森で集めた希少花のみを選んで花蜜を集めること。集められた蜂蜜は非常に栄養価が高く、不治の病をも完治する特級万能薬となる 。また、連邦に来襲したミリムにリムルが食べさせて引き分けなどの条件を引き出すほどの美味であることが語られている。
●その後、ゼギオンと共にラミリスの作った迷宮へと移り、蜂蜜の採集場を作った。また、鍛錬で“十傑”となるほどの戦闘能力を獲得し、79階層の領域守護者となった。二つ名は“蟲女王(インセクトクイーン)”。
●負けん気が強く愚直なまでの直情型で、腹黒いクマラとは仲が悪い。
●たった一匹だけでも特A級に災害指定される軍団蜂で構成された、1000を上回る殺戮集団を従える。毒針や羽の振動で放つ衝撃の刃を武器とし、最強の毒針「女王の身命針(クイーンオブニードル)」は“魔鋼”をも易々と貫く。全ての魔物の中でも頂点に位置する素早さを持ち、速度特化型の進化をした事でスピードだけならディーノと互角になり、ヒナタやゼギオンと戦闘訓練を繰り返し技量も高めている。
●ゼギオンの血族として覚醒進化の祝福を受け、中位聖魔霊の“風霊蜂”へと進化した事により、EPは特S級一歩手前の77万5537に達する。外骨格は漆黒の生体魔鋼になり、形状は変わらないが色味が変化し、繊毛は黄金と白銀色に輝き、2対4枚の翅はモルフォ蝶のように青く輝く。また、生体魔鋼を易々と貫く「振動毒針剣(オシリスレイピア)」を体内で何本でも生成できるようになった。そして、子供達に対し一瞬で命令を発動する『魔蟲支配』や、喰った蟲の生態を取り込み魔人として生み出す『魔蟲誕生』の権能を含んだ、大罪系スキルに匹敵するほど強力なユニークスキル『女王崇拝(ハハナルモノ)』を獲得。これにより、迷宮侵攻でミニッツ達に殺された眷属の魂を消費し、複数の蟲の特徴を備えた蟲型魔人(インセクター)を9体生み出し、リムルとの面談の時に9体の子供たちに"ゼロワン"、"レイジ"、"レミ"、"レヨン"、"レゴ"、"レム"、"レナ"、"レッパ"、"レック"という名を授けてもらう。さらに、既に子供たちが『眷属誕生』を獲得していることから自ら眷属を率いて戦う英雄型への能力進化を望み、これにより『女王崇拝』は『魔蟲誕生』を失う代わりに身体能力と戦闘向きスキルが強化され、『思考加速』『魔力感知』『超感覚』『魔蟲支配』『軍隊指揮』『超速行動』『致死攻撃』『空間操作』『多重結界』を含む究極贈与『女王崇拝(プロセルピナ)』となった。
●種族:妖魔獣 / 妖狐 ⇒ 天星九尾(ナインテイル) / 地霊獣(ちれいじゅう)
●迷宮十傑の1人、“九頭獣(ナインヘッド)”。漢字では“九魔羅”と表記。廓言葉を喋る。
●元は魔王クレイマンの配下で「母指の九頭獣(ぼしのナインヘッド)」と呼ばれていた最高位の妖獣。300歳と非常に幼い個体。20年前、カンザスが率いる帝国軍による“妖魔郷殲滅作戦”で故郷を失い、クレイマンに引き渡され、ワルプルギスでの対クレイマン戦の最中にリムルによって支配の呪法を解呪され保護された。
●リムルに名付けられた際に三尾が九尾まで進化し、その後はランガの推薦でラミリスが作った迷宮の90階層の階層守護者となった。また、進化して幼女の姿に変身できるようになり、魔国連邦の学校で5人の“異世界人”の子供達と友達になった。さらに、尾獣の力を全て取り込むことで真の姿である大人の容姿に変身でき、その姿は豊満で魅惑的な体つきをした傾国の美女で、覚醒進化により茶褐色だった髪は黄金色に変化した。
●九頭獣の固有能力『八部衆』で、9本の尻尾のうち8本を動物系妖魔獣として従える。内訳は、風と音を司る“白猿(ビャクエン)”、重力を操る“月兎(ゲット)”、黒き疫病の支配者“黒鼠(コクソ)”、雷を纏う“雷虎(ライコ)”、大気を支配する“翼蛇(ヨーダ)”、幻覚催眠を使う“眠羊(ミンク)”、炎を纏う“炎鳥(エンチョウ)”、鏡面を移ろう“犬鏡(イガミ)”で、各々が82階層から89階層の領域守護者を任されている。リムルに頼んで尾獣達に“名付け”に似た現象を起こしてもらったことで八部衆との絆が強化されており、その成長した力が本体である自身に還元されるため、本体も強力だが八部衆が全て合体した合成獣形態になって初めて最強の力を発揮できる。輝く尾による四方八方からの斬撃で対称を粉微塵に切り刻む「九尾連斬」を得意とする。
●見た目からは想像できない腹黒さと計算高さから、アピトとは性格的に相性が悪い。
●帝国軍による迷宮への侵攻にて母や妖魔郷の皆の仇であるカンザスを見つけ、リムルに嘆願して自分の待つ階層へと送り込ませた。カンザスがユニークスキル『略奪者』にて召喚した母とその配下の尾獣たちの遺体がベースの闇の獣に一時押されるも、自身の尾獣を呼び戻し全力を持って闇の獣を一蹴、その勢いのままカンザスを粉微塵にしたことで復讐を果たした。
●“聖魔十二守護王”の1人として“幻獣王(キメラロード)” の称号を拝命し、地属性の上位聖魔霊である地霊獣へと進化。獲得した究極贈与『幻獣之王(バハムート)』は惑星にすら干渉可能で広範囲の重力を操作出来るというもので、『思考加速』『万能感知』『魔王覇気』『重力支配』『空間支配』『多重結界』の6つの権能を含む。また、天星九尾となった事で、固有スキルの『獣魔支配』『獣魔合一』により8体の魔獣を自らの意思で完全に統率出来るようになる。単独での存在値は100万強だが、配下を全員宿した状態では189万9944で、分離した数値の倍である20万ほどが8体の配下それぞれの存在値となる。経験が少ないので実力は守護王でも下位の方だが、スペックだけを見れば上位に食い込む。
●種族:死霊 / 死霊の王(ワイトキング) ⇒ 死霊(ワイト) ⇒ 死霊の王(ワイトキング) ⇒ 光霊骨(こうれいこつ)
●迷宮十傑の1人である死霊。1000年ほど前にルベリオスに帰属する小国の王子として生まれ、生前はルミナス教に帰依して当代随一の〈神聖魔法〉の使い手となって“仙人”に至り、西方聖教会の枢機卿の地位についた。しかし、“七曜の老師”の謀略によりジュラの大森林に送り込まれ、腐肉竜(ドラゴンゾンビ)や無数の不死系魔物(アンデッド)との戦いの末に落命、親友ガドラから輪廻転生の魔法実験を受けていたため蘇生したものの、死者の怨念に囚われて死霊へ転生し、生前の仲間も不死系魔物になった。
●その後魔王カザリームに発見されて拠点の防衛機構に組み込まれ、カザリームの死後は拠点と共にクレイマンに受け継がれた。クレイマンに支配されていたときは「示指のアダルマン」と呼ばれており、幾多の不死系魔物を従える死霊の王(ワイトキング)だった。自分が〈神聖魔法〉を使えれば不死系魔物になった仲間を浄化できると以前から嘆いていたが、クレイマンの拠点に攻め込んだシュナ達と対峙した際に、「生前が司教だったため、死後に死霊と化した後でも〈神聖魔法〉が使える」という特技を持つことをシュナに気付かされ、自分に覚悟が足りなかった事を自覚した。カザリームの呪縛で自殺ができなかった為に、自分ごと巻き込む目的でシュナに〈神聖魔法〉を放つが、シュナに魔法を上書きされ敗北する。支配からは逃れるも自身と一部の仲間は浄化しきらず、残った部下と共にリムルの配下に下った。この時点ではBランクの下級な死霊にまで力が落ちていた。
●配下になった直後は、仲間と共に日中は封印の洞窟に籠り、活性化する夜間に外出するという生活をしていたが、「見た目が死霊そのままの為、夜に街中で出会うと驚く」「リムルを神、シュナを神に仕える姫巫女として崇めるため鬱陶しい」といった理由により、また外見が迷宮のボスにぴったりだという事もあり、シュナの推薦で部下と共に迷宮内に移住、事実上隔離された。当初はゴズールとメズールより弱かったが、リムルから装備を与えられたことで期待に応えるために努力を続け、迷宮の膨大な魔素を吸収し上位魔将並みの魔素量を持つ死霊の王に再進化しただけでなく、クレイマンに支配されていたときを超えるほどの力を手に入れ、その功績を以て迷宮十傑の一人“不死王(イモータルキング)”として迎えられる。さらにルミナスから『詫び』として贈られたスキル『昼夜反転』をもとにベレッタの協力で生み出したエクストラスキル『聖魔反転』により、自らとその配下を聖属性とすることで死霊としての弱点である〈神聖魔法〉を克服し、弱点が存在しない状態となる。初めは60階層の階層守護者であったが、その努力と成長を認められて70階層へと昇格する。また、元々使っていた〈死霊魔法〉だけでなく、ルミナスから教わった“信仰と恩寵の秘奥”によって再び〈神聖魔法〉を使えるようになり、リムルとの間に名付けに匹敵するほどの繋がりが形成されている。
●帝国侵攻の前に親友であったガドラと再会し、彼の亡命に対し、自ら身元を引き受けることを承諾。かつての旧交を温めあった。
●“聖魔十二守護王”の1人として“冥霊王(ゲヘナロード)” の称号を拝命して、光属性の中位聖魔霊である光霊骨に覚醒進化し、EPは覚醒魔王級の87万7333に到達、『思考加速』『万能感知』『魔王覇気』『詠唱破棄』『解析鑑定』『森羅万象』『精神破壊』『聖魔反転』『死者支配』を内包する究極贈与『魔道之書(ネクロノミコン)』を獲得して、死者達への支配力と加護が強化される。“聖魔十二守護王”の中では唯一超級覚醒者ではなく、個人での力量は下位の方だが、配下のアルベルトとウェンティは不死者である自分が死なない限り滅びない上、死者なので耐性も完璧に近いという無敵さを誇る反則チームと化している。
●種族:死霊 / 死霊騎士(デスナイト) ⇒ 骸骨剣士(スケルトン) ⇒ 死霊聖騎士(デス・パラディン) ⇒ 炎霊人(えんれいじん)
●生前アダルマンを警護していた西方聖教会の元聖堂騎士(パラディン)。かつて法皇直属近衛師団に勧誘されたこともあったが、それを断ってアダルマンの副官を務めた。忠誠心は生前と変わらず、今もアダルマンを守り続けている。
●最初は口の聞けないAランクの「死霊騎士」、リムルの配下に下ったときは「骸骨剣士」に退化していたが、迷宮内の魔素を吸収して進化を遂げ、上位魔将並みの魔素量を持つ「死霊聖騎士」となった。それにより、魔素を使って骸骨の姿から元の爽やかな青年の姿となる。現在は七十階層の前衛を務める傍ら、迷宮に修行に来る聖騎士達に剣術を指導している。十傑としての二つ名は“死霊聖騎士(デス・パラディン)” ⇒ “冥霊聖騎士(ゲヘナ・パラディン)”。
●死霊騎士だった時点でハクロウと互角に斬りあえるほどの剣の達人。生前の剣技を魔物のスペックで操り、肉体欠損も回復し疲れることもない不死の身体を持つ存在で、アダルマンの『聖魔反転』で弱点もなくなっている。『精気吸収』があるために生者では使えないクロベエ・ガルム合作の特質級武器「怨嗟の剣(カースソード)」を扱っていたが、迷宮でクリシュナと斬り結んだ際に破損。戦後の祝勝会でカリギュリオから鹵獲した神話級の装備を授与され、装備中に限り一時的に受肉した精神生命体へと昇華されるという恩恵を得た。
●アダルマンの覚醒進化による祝福を受けて中位聖魔霊の炎霊人に進化し、18万程度だったEPは68万2639に上昇。潜在値を引き出しきれていないが神話級の霊剣を所持しているので、現状でもEPは60万加算される。さらに“魂”をアダルマンに預けている為に肉体が滅ぶ事がないという『隷属不滅』に『思考加速』『完全再生』を内包する究極贈与『不老不死(イモータル)』を獲得する。
●種族:死霊竜(デス・ドラゴン) ⇒ 冥霊竜王(ゲヘナ・ドラゴン)
●20メートルを超える巨軀を持つ死せる竜で、アダルマンのペット。死せる魔物の頂点に位置する特A級の存在であり、魂をアダルマンの中に預けることで「不死」とも言うべき再生力を有するので“魂”への直接攻撃以外は通用しない。身に纏う妖気に触れるだけで精神汚染を受け、「腐食吐息(ゾンビブレス)」の瘴気で精神を汚染された者は腐肉者(ゾンビ)となってアダルマンの命令に従うようになる。
●アダルマンが聖騎士に敗れた際、リムルに頼んで迷宮に召喚し、挑戦者との戦いや機甲軍団との戦争で活躍する。祝勝会にて名付けを受け、“冥獄竜王” の二つ名を授けられたことで、闇色の衣を纏う美女へ変身できるようになった。さらにアダルマンの覚醒進化による祝福を受けて冥霊竜王に進化し、EPは98万4142に達した。加えて、“魂”をアダルマンに預けている為に肉体が滅ぶ事がないという『隷属不滅』に『思考加速』『完全再生』を内包する究極贈与『不朽不滅(エターナル)』を獲得する。
●種族:人間 ⇒ 金属性悪魔族(メタルデーモン)
●古くから異世界を知り、自らの世界に渡ってきた“異世界人”たちを保護してきた東の帝国随一の大魔法使い。ファルムス王国の大魔法使いラーゼンの師匠。神秘奥義「輪廻転生(リインカーネーション)」にて1000年以上生き続ける怪人。
●公には尊大に振る舞うが、根は優しく意外とノリが軽い。また自ら忠誠心がないと豪語する自己中心的な性格、かつ自分や親しい人物が楽しく暮らせていればそれでいいという帰属心に捕らわれない性格で、それゆえいくつもの国を渡り歩いて魔導の知識を蓄えていった。魔素量は低いが魔法技量がずば抜けているので、総合的な実力は“聖人”にも匹敵する。また、かつて暴風竜ヴェルドラと対峙した経験も持っている。
●1000年以来の親友であるアダルマンが“七曜の老師”に謀殺されたことでルミナス教を恨み、復讐のため東の帝国に渡り、地位を築き上げた。30年ほど前までは帝国三大軍団の一角「魔法軍団」の軍団長であったが、魔法は才能に依存する上、魔法に代わる武器が開発されたことで解体され、自身も左遷されて機甲軍団の技術顧問という名誉職に収まっている。侵攻の前にリムルの情報を集めるべく弟子であるシンジ、マーク、シンの異世界人3人を迷宮へ派遣し、自身はファルメナス王国に渡りかつての弟子ラーゼンから情報を収集した。そこでアダルマンの仇である“七曜”がリムルに滅ぼされたことを知り仇討という目的を失う。さらにかつて帝国を震撼させた原初の白を始めとする原初の悪魔が多数在籍していることからリムルの脅威を実感し、先に派遣していたシンジたちと共に魔国連邦への亡命を希望、かつての親友アダルマンとの再会を果たした。また、魔国連邦にて皇帝ルドラと同じ顔と覇気を持つマサユキを見て内心驚愕し、その正体を考察していた。
●最後の奉公としてルドラに魔国連邦の危険性について忠言するべく帰国したが、ダムラダに致命傷を負わされた為、連邦に転移し“復活の腕輪”を利用して傷を癒す。亡命後はアダルマンと共に帝国の侵攻の際に迷宮十傑の一人に暫定として抜擢されて“魔導王(ルーンロード)”二つ名を与えられ、60階層のボス「魔王の守護巨像(デモンコロッサス)」の操縦士として帝国を迎え撃った。帝国との戦争に際してもマイペースを貫くヴェルドラとラミリスに皇帝ルドラに並ぶ器量を感じとり、またそんな二人をまとめるリムルに畏敬の念を抱いた。
●三将ゴウザリンとの戦いで自分の覚悟を示すため元素魔法:生命昇華(サクリファイス)で自爆したが、リムルの魔法を褒めたことでディアブロに気に入られていた為に黒の眷属として転生し、魔王の守護巨像の残骸と融合して新種の金属性悪魔族になり、魔素量は暴走クレイマンに匹敵するほどに上昇。さらに、『思考加速』『並列演算』を備え、リムル(=シエル)が管理する魔法の数々を記した本の形をした究極贈与『魔道之書(グリモワール)』を習得した。
●種族:火炎竜(ファイアドラゴン) ⇒ 火炎竜王(ファイアドラゴンロード)、氷雪竜(アイスドラゴン) ⇒ 氷雪竜王(アイスドラゴンロード)、烈風竜(ウインドドラゴン) ⇒ 烈風竜王(ウインドドラゴンロード)、地砕竜(アースドラゴン) ⇒ 地砕竜王(アースドラゴンロード)
●迷宮の階層に“地形効果”を付与する目的で、上位龍族(アークドラゴン)だった時にミリムに捕獲され迷宮内部に連れて来られ、それぞれ99階層から96階層の階層守護者を任される。エウロスとノトスが女性、ゼピュロスとボレアスが男性。当初は家畜並みの知能しかなかったが、迷宮内の魔素を摂取したことで竜王(ドラゴンロード)へと進化を遂げ、迷宮十傑に加わった。
●帝国軍の迷宮侵攻では押し寄せる軍隊を相手に善戦したものの、戦闘経験の不足から敗北。その後、ラミリスからギリシア神話の東西南北の風を司る神に由来する名と、それぞれに“炎獄竜王” 、“氷獄竜王” 、“天雷竜王” 、“地滅竜王” の二つ名が授けられ、種族は変わらなかったが魔素量が数倍に上昇して人に近い姿へ変化できるようになる。EPは70万相当で、経験を積めば特S級に至れるのは確実。
●種族:牛頭族(ゴズ) ⇒ 牛鬼族(ギュウキ)、馬頭族(メズ) ⇒ 馬鬼族(バキ)
●元はジュラの大森林で100年以上も戦争を続けていた2種族の長。リムルの配下に過ぎないシオンがダグリュールの息子達を一蹴したのを見て忠誠を誓う。その際にリムルに“名”を授けられたことで進化し、対象の力を制限する空間を創りだすユニークギフト『限定者(サダメルモノ)』を授与され、加えてゴズールはエクストラスキル『超速再生』による物理攻撃特化、メズールはエクストラスキル『魔力妨害』による魔法攻撃特化となった。EPは13万前後で、特A級に相当する。
●武闘大会を経て五十階層ボスを交代で担当することになるが、迷宮内で頂点の存在を知ったことで少し謙虚になった。
●リムル、ヴェルドラ、ミリム、ラミリスが迷宮で遊ぶ為に“擬似魂”を用いて作り出した“仮魔体(アバター)”。それぞれの仮魔体は、リムルが魔法と精神魔法に特化した幽霊、ヴェルドラが万能型の黄金骸骨戦士、ミリムが一撃必殺特化の赤い粘性体、ラミリスが大斧を持つ動く重鎧の凶戦士を用いる。
●本来はリムルが自身の娯楽用に開発したものだったが、初仕事ではアインが率いるチーム“緑乱”を討伐する為に利用され、ガイアの復活後は彼の訓練用にも使っている。普段はガイアと共に自動行動でユニークボスとして迷宮を徘徊している。
=== ミリム領 ===
●種族:竜魔人(ドラゴノイド)
●声 - 日高里菜
●“破壊の暴君(デストロイ)” の二つ名を持つ最古の魔王の一人で、ヴェルドラの兄である最初の竜種、“星王竜”ヴェルダナーヴァが人間との間に作った子供。長い桜金髪をツインテールにした14、5歳くらいの少女の姿をしている。竜皇女として“竜を祀る民”からは信仰されている。
●性格は天真爛漫そのもので子供っぽい。周囲には短気で単純だと思われているが、物事の道理を弁え順序立った思考をした上で過程を飛ばして答えに直結する行動を取ることが多いだけで、実は魔王の中でも1、2を争う天才である。
●数千年前に人間(あるいはエルフ)の手により最愛のペットを失った悲しみから暴走し世界を滅ぼしかけ、それを止めようとした魔王ギィ・クリムゾンと七日七夜戦った。この時、膨大な数の“魂”を得て魔王に覚醒した。
●父ヴェルダナーヴァの“竜種”としての力の大半を受け継いでおり、詳細は不明だが究極能力を獲得している。また、隠された魔素量なども見抜く解析系ユニークスキル『竜眼(ミリムアイ)』や『竜耳(ミリムイヤー)』を持つ。さらに自己防衛回路として、『狂化暴走(スタンピート)』という制御不能の状態を有するらしい。
●退屈しのぎに魔王クレイマンの謀略に協力していたが、魔国連邦を訪れた折にリムルとの間で友情が生まれ親友(マブダチ)となる。このことを嬉しく思っており、リムルから贈られた拳に装着するアイテムである「ドラゴンナックル」がお気に入りで、とても大切にしている。
●リムルと一度別れた後、クレイマンが魔国連邦に対し妨害工作を行おうとしていることに勘付き、連邦が害されることを良しとせず、フレイと協力してクレイマンに支配されているかのように振る舞いクレイマンを出し抜いた。『魔王達の宴』にてクレイマンに操られているふりをしてリムルに戦いを挑んだときに、自らの叔父とも言えるヴェルドラと邂逅し、彼の漫画の知識から出た必殺技に驚愕。リムルがクレイマンを倒した後、ヴェルドラが持っていた漫画に目が釘付けとなっていた。
●カリオンとフレイが傘下に入ったことで彼らの支配領域も統治することとなり、将来的に死亡したクレイマンの領土も支配することが内定しており、大陸南方の広大な魔王領を全て領有することが決定した。現在はフレイから統治の勉強をさせられており、息抜きに無断で魔国連邦まで遊びに来ては夢中になって遊び呆け、フレイに叱られて連れ戻されている。
●テンペストの開国祭にてリムルがヴェルドラとラミリスと共にアトラクションとして迷宮づくりを行っていることを直感にて嗅ぎ付け、自身も強引に参加した。そこで、ドラゴンロードになる前の4体のドラゴンをテイムし、迷宮のボスとしてラミリスに与えた。ラミリスとは同じ最古の魔王として仲が良かったが、迷宮づくりを通じてリムル、ヴェルドラ、ラミリスたちと迷宮(ゲーム)仲間として良好な関係を築く。リムルが作った擬似魂によって赤いスライムのアバターを作成し、自身もリムルたちと共に迷宮攻略や侵入者の排除などを行い楽しんでいる。
●マリアベルの策略でペットの混沌竜が復活した際は、友達を殺すことができずリムルに助けを求めて“擬似魂”へ心核を保護してもらい、ガイアの“名”を与えて転生させた。その後、ドラゴンとして生まれ変わったガイアと再会し、大いに喜び、ガイアの育成を踏まえて迷宮での攻略に勤しむ。
●種族:龍人族(ドラゴニュート)
●竜の都を統治する神官団の神官長と神官。
●ミッドレイはミリムの組手相手が出来るほどの実力者で、ユーラザニア侵攻の際はスフィアとガビルを同時に相手取って圧倒している。豪放磊落を絵に描いたような人物だが、固定観念に凝り固まった部分も強く、ミリムからは嫌われている。特に御馳走として出される生の野菜盛りはミリムにとって苦痛でしかなかった。後にテンペストの開国祭でシュナに諭され自らの過ちを認めた。ガビルとは仲が良く、青色軍団に配備する飛空龍(ワイバーン)の捕獲や、“飛竜衆”の『竜戦士化』訓練にも協力している。
●ヘルメスはミッドレイの側近だが、他国を旅したことがあり、自国が停滞していること、ミリムが自分たちに「我慢して付き合っていること」に気づいているが、国内では異端扱いされている。
●種族:精霊竜(エレメンタルドラゴン) ⇒ 混沌竜(カオスドラゴン) ⇒ 小竜(ミニドラ)
●ミリムのペット。かつては“星王竜”ヴェルダナーヴァの転生体の精霊竜だったが、耳長族の古代魔導王国に殺されてしまう。ミリムが魔王に進化した影響で復活したものの、魂を失っていたせいで意思のない邪悪な混沌竜として蘇生してしまったため、封印されていた。その力は竜王よりも強大で、覚醒魔王級を遥かに超える巨大な魔素量を秘めている。
●封印を解かれ、マリアベルの『強欲者』で操られて古代遺跡“アムリタ”を襲撃した際、ミリムが精神体と星幽体を砕いて摘出した心核を“擬似魂”に吸い込ませ、さらに名付けをしたことで転生に成功、全長50センチほどの小竜として復活した。『地』の属性を備え、重力操作が可能なほか、あらゆる物質を腐蝕させる呪いを帯びた「瘴気呪怨吐息(カオティックブレス)」を使うことができる。ミリムが直接鍛えるには幼すぎるので、現在はリムルが迷宮で預かり育てている。
●種族:龍人族
●「魔国暮らしのトリニティ」に登場する竜を祀る民の少女。ミッドレイの指示で魔国連邦に調査に向かい、ゴブイチの元で料理の修行中。
==== 獣王国ユーラザニア ====
●種族:獣人族(ライカンスロープ)
●声 - 内匠靖明
●“獅子王(ビースト・マスター)”の異名を持つ獅子の獣人にして、元魔王の一人。豪快な体育会系だが、物事を見抜く洞察力も高い。
●前王であった父を下克上で弑逆した異母兄グラディムを当時の“三獣士”と共に追放し、王位を得た。そして500年周期の天魔大戦を生き延びた後、400年前にミリムとカザリームの推薦で魔王に就任する。
●当初は魔国連邦を傘下に収めようと考えていたが、暴走したフォビオを引き取る際にリムルと邂逅し、彼を救ってもらった事に感謝して友好国として交流を図る。魔王ミリムから宣戦布告を受けた時は国民を魔国連邦まで避難させた後で、魔王同士の一騎討ちに臨んだが敗北。しばらくは死んだことにして、クレイマンの企みを暴くために正体を隠してミリムとフレイに協力した。『魔王達の宴』の最中に魔王として立つ力量が自分にないことを認めて魔王の座を降り、臣下共々魔王ミリムの配下となる道を選んだ。
●魔国連邦の武闘大会では、ミリムの指示で「獅子仮面(ライオンマスク)」として出場。1回戦で互いにスキルを使わない格闘戦を繰り広げてゲルドを降したものの、2回戦ではゴブタが正体を明かさないというハンデを突いてきたため、棄権した。
●帝国によるドワルゴン制圧作戦では同盟国の救援として出陣し、異母兄である魔獣軍団大将グラディムを撃破。これにより真なる魔王へと進化する。
●存在値は40万前後で、スキルなしでも上位精霊を凌駕するほど強い。獣人の固有能力『獣身化』が進化したユニークスキル『百獣化』により、あらゆる獣の特徴を調和させた姿へ変身することで真の力を発揮する。必殺技は「獣魔粒子咆(ビースト・ロア)」。ミリムの配下になってからは彼女との修行でさらに強くなっている。
●種族:獣人族
●“黄蛇角(オウダカク)”の二つ名を持つ女性の上半身に黒い大蛇の下半身を持つ半人半蛇の獣人で、獣王国ユーラザニアの最高幹部“三獣士”のまとめ役。カリオン配下だが、他の三獣士と共に開国祭開催まで首都リムルに滞在しリムルを助けている。
●クレイマン軍との戦争では敵指揮官のヤムザを倒すが、クレイマンの策略で瀕死のヤムザが暴風大妖渦(カリュブディス)と変身し、死を覚悟した時にベニマルの圧倒的な力に助けられた。この時からベニマルに惚れ、以来ベニマルの妻となるために努力している。また、同様にベニマルの嫁になると宣言したモミジに対しては即座に攻撃を仕掛けた。しかし幾度も拳を交えるうちに友情が芽生え、「子を望む未亡人以外の重婚」を禁じる魔国連邦の法を逆手に取り、フォビオと結婚したうえで迷宮内で復活前提で本気で殺し合い勝利。夫と死別したという建前で、帝国軍との戦争後の祝勝会にてベニマルの第二夫人に立候補し、国際結魂に至る。
●『獣身化』2段階目では携行する錫杖が黄金の2本角に変わり、全身が龍麟に覆われた半人半龍の姿となる。思考加速・空間制御・空間移動の効果を持つユニークスキル『制圧者(アッスルモノ)』を持ち、2段階の『変身』と視界に入った者へ各種状態異常を付与するエクストラスキル『天蛇眼(ヘビノメ)』による近距離特殊戦闘を得意とする三獣士最強の戦士である。
●種族:獣人族
●声 - 山下誠一郎
●“黒豹牙(コクヒョウガ)”の二つ名を持つ黒豹の獣人で、“三獣士”の一人。三獣士中唯一の男性獣人。獣王国ユーラザニアより調査及びスカウトのために首都リムルに乗り込んで来たが、リグルドを殴った場に居合わせたミリムに沈められた。その後、復讐心を中庸道化連に利用され、作中最初の“暴風大妖渦(カリュブディス)”の依り代にされた。
●解放後は自らを救ったリムルに恩義を感じ、カリオンに忠誠を誓いつつもリムルに恩返ししようと動いている。また利用される原因となった直情的な性格を恥じて冷静さを身に付けようと努力している。
●カリュブディスに飲み込まれたことにより、獣人特有の『自己再生』はエクストラスキル『超速再生』に至っている。
●アルビスとベニマルが結婚するための作戦を手伝わされ、アルビスと結婚したうえで迷宮内で殺し合い敗北、勝てたら本当に結婚できるはずだったが失恋に終わる。その後は同じ境遇のゴブアと急接近する。
●種族:獣人族
●“白虎爪(ビャッコソウ)”の二つ名を持つ白虎の女性獣人で“三獣士”の一人。他の三獣士と共に現在はカリオンの配下でありつつ大恩あるリムルに従っている。血気盛んで怖いもの知らず。雷を操る能力を持ち、爪に電気を宿して戦う。使節としてテンペストを訪れた際に勝負して以来、シオンとは仲が良い。
●種族:獣人族
●「異聞 ~魔国暮らしのトリニティ~」の主人公。カリオンの密命で「ジュラ=テンペスト連邦国を訪れ、旅人として魔国連邦の内情を探る」ことを命じられた。長期滞在となるため、生活費を稼ぐ目的で警備隊に入隊し、ゴブタらの配下として活動している。
==== 天翼国フルブロジア ====
●種族:有翼族(ハーピィ)
●“天空女王(スカイクイーン)”の異名を持つ有翼族の女王であり魔王の一人だった。母である先代女王を倒して有翼族の女王となり“魔王種”を得、天魔大戦を生き延びて400年前に魔王に就任した。
●クレイマンによる企てに巻き込まれ、ミリムの精神支配を手伝わされるが、実際には難局を乗り切る為にミリムと手を組んでクレイマンを欺いており、秘密裏に確保していたカリオンを自らの従者に扮装させ『魔王達の宴』の場へと連れて行き、謀略を暴く一手とした。その後、自らの力不足を感じ、リムルの魔王就任を機に魔王の座を返上し、カリオンと共にミリムの配下に入った。ミリムの配下にはなったが国王としての経験は伊達ではなく、仕事を放り出してはテンペストで遊んでいるミリムにとってはリムルとは別の意味で勝てない相手となっている。
●以前から魔導王朝サリオンの首都を欲し、そのための戦力として長鼻族を支配下に置こうとして三竦みの膠着状態となっていたが、現在は魔国連邦の技術協力で建造予定である新都摩天楼に執心している。
●帝国のドワルゴン制圧作戦に対しては同盟国として出陣。双子の姉妹だった“朱雀”ナジムを討ち取り、真なる魔王へと進化する。
●存在値は40万前後。魔王の中では戦闘力は低めながら高速の空中戦闘を得意とする。その身で受けた全ての攻撃を相手に叩き返す「反響反射(エコーリフレクション)」が可能なユニークスキル『双克者(オナジモノ)』を持つが、自分もダメージを負うため使い勝手が悪い。また、特定範囲の座標を把握し隅々まで見渡せるうえ、“魂”まで視えるようになるエクストラスキル『天球眼』や、種族固有能力として爪で捕らえた相手の能力を封じる『魔力妨害』を持つ。さらに、有翼族の女王としての特性で、同種族からの攻撃に対する絶対優位を有している。
●種族:有翼族
●“双翼”と呼ばれるフレイの側近。ルチアが金髪で、クレアが銀髪。
●種族:有翼族
●「魔国暮らしのトリニティ」に登場する有翼族の少女。フレイの命令で魔国連邦へ調査に赴き、本来の目的を若干忘れつつもシュナの織物工房で働き始める。
=== 武装国家ドワルゴン ===
●種族:ドワーフ
●声 - 土師孝也
●ドワーフ王国「武装国家ドワルゴン」の3代目国王。ドワーフの平均を超える身長170センチメートルの長身で、筋肉質ながっしりした体付き。初代国王の祖父に似て自由奔放な性格をしているが、それで苦労した父王を見て育ったために普段は厳格な王を演じている。
●深層意識まで読み取る読心スキルを有する。当初は心を読まれているとは知らないのに表層意識までしか読めないリムルを「暴風竜のような怪物」と認識して警戒していたが、魔国連邦と最初に国交を結び、以後も最後まで同盟国として全ての面で味方に付きリムルを後押しした。見返りとして回復薬を初めとする魔国連邦の技術力を相互提携する技術交換条約を締結したほか、ドワーフ王国とテンペストを結ぶ街道の整備を、全額テンペスト負担で敷設・整備させている。
●“剣聖”と称される達人で、子供のころにジュラの森で迷った際に大鬼族の剣鬼(後のハクロウ)と出会い“朧流”の剣技を学んだ過去がある。そのため、同じくハクロウを指南役として剣技を学んでいるリムルをことあるごとに「弟弟子」と呼び、為政者の先達として様々なアドバイスを送る。
●ユニークスキル『独裁者(ウエニタツモノ)』を所持しており、その効果で上記の深層意識まで読み取る『思考読破』を持つ。また、ハクロウから施された剣術と『英雄覇気』による威圧を合わせた戦法を得意とし、英雄王と称されるその実力は、“異世界人”である法皇直属近衛師団筆頭騎士のヒナタに匹敵する。“聖人”としての力を開放した際の魔素量は悪魔公を超え、召喚した大地の精霊王と『同一化』して、時間制限はあるが覚醒魔王に匹敵する存在値を得る切り札も持つ。
●帝国軍機甲軍団が侵攻して来た際にはリムルと協議し魔国連邦の同盟軍として後ろ盾になると約束し、指揮系統の混乱を避ける為に守勢に徹した。それから日をおかず、東部都市を封鎖していた混成軍団6万がヴェルグリンドによって粛清され始めると、出向いていたバーンを救う為に天翔騎士団を率いて出陣。直後、近藤との一騎打ちに臨んだが、剣での勝負へのこだわりを捨て究極能力を行使された事で敗北、拘束されかけたもののアゲーラとエスプリが救援に現れ、ヴェルドラの出現という状況の変化もあり近藤が退いた為に命拾いした。戦後は自分を鍛え直したいとリムルに相談し、ドワルゴンへ派遣されるアゲーラを相手に鍛錬する事になる。
●種族:ドワーフ
●声 - 江川央生(ドルフ)、朝日奈丸佳(アンリエッタ)
●ガゼル王に仕える武装国家ドワルゴンの幹部達。
●バーンは漆黒の重鎧を纏う、ドワルゴンの軍部の最高司令官(アドミラルパラディン)。ガゼルに次ぐ“仙人”級の実力者で、伝説級の鎧と戦槍を所持する。ガゼルの良き友人でもあり、私的な場面では砕けた口調で王に接する。やや堅い性格であるが、ガゼルが信用するリムルのことを自身も信用している。帝国との戦争では、フォビオと共にフットマンと交戦した。
●ドルフはドワルゴンが誇る最強戦力の秘密部隊、天翅騎士団(ペガサスナイツ)の団長を務める純白の騎士。バーン同様、ガゼルとは親しい間柄だが、やや堅い性格。“仙人級”の実力を持つが、秘密部隊の隊長という立場から普段は文官を装っている。リムルとは盟約を結んだ後、復活した暴風大妖渦(カリュブディス)を倒すため、天翅騎士団を率いてリムル率いるテンペストの軍勢と共闘した。
●アンリエッタはドワルゴンの暗部の長(ナイトアサシン)を務める美女。リムルがベスタ―との一件でカイジンと共にドワルゴンを追われた際、ガゼルの密命によりリムルを監視していた。鬼人であるソウエイがリムルの配下となった際、自身の抱える諜報員たちがソウエイに軒並み追い払われた苦い経験があり、テンペストとの盟約の場でソウエイと火花を散らしていた。帝国との戦争ではゴブアと組んでティアを足止めした。
●ジェーンは宮廷魔導師(アークウィザード)を務める老婆で、先王の代から国に仕えている。バーン達と同様にガゼルと親しい。ガゼルのことを信用しているとはいえ、リムルの規格外の行動にたびたび驚き、ガゼルに警鐘を鳴らす。テンペストと東の帝国の戦いを映像にて確認した際、テスタロッサとウルティマの規格外の強さを目の当たりにし、ガゼルからディアブロを始め複数の“原初”がリムルの配下に就いたと聞かされたときは珍しく興奮し、黙っていたガゼルを責めたが、戦力の一極集中について考えても今更だと思い直し矛を収めた。
●種族:人間
●声 - 成田剣
●ブルムンド王国自由組合の支部長(ギルドマスター、ギルマス)。カバルたち3人の冒険者の直属上司。無神論者。
●元冒険者で、現役時代はAランクの実力者であった。魔物の町を作ったリムルを警戒しテンペストを訪れたが、滞在するうちに信用するようになり心からの協力関係を結んで動くようになった。後に王国で情報局統括補佐の席を与えられ、王から全権代理の委任状を渡されている。
●種族:人間
●声 - 山本格
●ブルムンド王国の男爵。小国の下級貴族だが、頭脳明晰で先見の明に長けた大臣として、王からの信頼も厚い。魔導列車の中継地をブルムンド王国に誘致する際には、その影響を正確に予想しリムルを驚かせた。流通拠点としてブルムンド王国を開放し、魔導列車の開通に備えることを約束した。
●種族:人間
●ブルムンド王国国王。一見して温厚で無害な人のようだが、リムルへの協力を打算あってのことと伝えたり、リムルの人魔共栄圏構想におけるブルムンド王国への要望を聞いてその野心を燃え上がらせるなど計算高さと野心を持っており、リムルからは判断力に優れたギャンブラー気質だと評価された。王妃とはおしどり夫婦として知られており、王妃もまた計算高さと高い知性にて王と共に小国であるブルムンドを支えている。打算を持ちながらリムルとの協力関係に大国であるファルムス王国との戦争を覚悟するほどの義理堅さを示し、リムルから高い信用を得ている。
●種族:人間
●声 - 細谷佳正
●ジュラの大森林と接する領地を持つ貴族ニドル・マイガム伯爵が組織した辺境調査団の団長。元は軽犯罪を犯して矯正施設に送られ、騎士団の雑用係をさせられていた。小悪党でありながら、人を惹きつける魅力と確かな統率力を持っている。
●当初は「大森林で豚頭帝の軍勢に見つかり全滅した」ということにしてメンバー全員が姿をくらまし、他国へ渡ろうとしていた。しかし、リムルによって豚頭帝を倒した“英雄”へなるよう言いくるめられ、それに見合う最低限の強さを手に入れるために新たな装備とともにハクロウに預けられ、英雄と呼ぶに相応しいだけの強さを身につけることとなった。その後、ファルムス王国へ豚頭帝討伐の報告を済ませた後はテンペストを拠点としてファルムス各地を巡って人助けを行い、数カ月後にはAランクの上位魔人と互角に戦えるほどの力を得て、英雄として上り詰めていく。
●英雄となるまでの過程で一生を添い遂げることになる魔人ミュウランと縁を結んだほか、生涯の親友となる魔人グルーシスとも知り合った。ディアブロによって篭絡されたエドワルドから王権を禅譲され、即位と共に国名をファルムスからファルメナスと改め、自身も「ヨウム・ファルメナス」と名乗る。
●種族:人間 ⇒ 魔人
●魔王クレイマンの元部下で、「薬指のミュウラン」と呼ばれていた女性。元々は300年を生きる魔女で、クレイマンの秘術“支配の心臓(マリオネットハート)”を受けて人間から魔人となった事で若さと永遠の寿命を得たが、代わりにその命を握られて渋々命令に従っていた。
●3系統以上の魔法を使い様々な状況に対応できる魔導師。クレイマンの指示でヨウムパーティの一員として魔国連邦に潜入するが、当初はただのバカと見ていたヨウムを愛するようになる。そして自身の死を厭わず愛するヨウムを助けようと、クレイマンの命令に従順に従ったことがシオンらテンペスト住人が犠牲となる原因となったが、リムルによりクレイマンに死亡したと思わせる策略で呪縛から解放され、リムルに忠誠を誓った。
●ヨウム以外にもグルーシスからも愛を語られている他、ヨウムの仲間たちからも慕われている。国王として即位したヨウムと結婚。王妃となり「ミュウ・ファルメナス」と名乗る。その後、ヨウムの子を身籠り、女児ミームを出産したことが明かされている。
●種族:獣人族
●獣王戦士団の末席に名を連ねる狼の獣人。
●獣王国ユーラザニア使節団代表の一人としてリムルの元に訪れた。上司であり謹慎中だったフォビオに命じられて魔国連邦の警備隊に所属して働いていたが、いろいろあってヨウムPTの重要職として潜入中であったクレイマン配下のミュウランに惚れ、またミュウランが惚れた相手であるヨウムと親友の間柄になる。
●ヨウムが王位に就いた際に、フォルゲンの死で欠員のできたファルメナス王国騎士団長に就任する。
●ミュウランがヨウムの子を身籠ったときはショックで落ち込んでいたが、出産後には父性が芽生えミームを勝手に自分の娘と呼んでいる。
●種族:人間
●声 - 堀江瞬
●ニドル伯爵が組織した調査団のお目付け役として同行する法術師(ソーサラー)。魔法学院を卒業したばかりの新米で世間知も低い。命令で掛けた「契約魔法」を伯爵の腹を読んだヨウムに脅される形で無断で解除してしまったが、その後はヨウムのカリスマ性に心酔している。
●調査団が逐電する際にはロンメルだけが戻って全滅したとの報告及び警告、依頼料を受け取って後に職を辞して合流する手筈だったが、リムル発案の「ヨウム英雄化計画」から、一足先にファルムスに帰還してヨウムによる豚頭帝退治を盛りまくって報告した。ファルメナス王国の建国後は、魔導列車軌道を建造する現場指揮を取っている。
●種族:人間
●エドマリスはファルムス王国を治める強欲な国王。ジュラの大森林に侵攻したことでリムルの怒りを買い2万の軍勢全てを失った挙句に捕虜とされ、復活したシオンの『料理人』で肉塊に肉体改造された状態でファルムス王国へ送還された後、肉塊状態を治療したディアブロの傀儡となり、王座を降りる。幼い長男では国家の苦難を乗り切れないと判断して、弟のエドワルドを次の王に指名した。退位後は公爵の地位を辞退して子爵になり、ニドル伯爵領に近い小領地に移住。その後は正体を隠してファルメナス王国の顧問となり、ヨウムを支えている。
●エドマリスの弟であるエドワルドは王座を求める野心を“七曜の老師”グラン、“三巨頭”ダムラダに利用され、一度は王座に着いて再びテンペストと対立したものの、ディアブロへの恐怖によりヨウムへ譲位することを承認した。
●種族:人間
●ヨウムの従者。エドマリスの息子で本来は王族。王様らしくないヨウムに苦労しているが、それ以上に彼を慕っている。
●ヨウムはエドガーを次の王にと考えているが、エドガーはヨウムとミュウランの御子が王を継ぎ、その方に仕えることが夢であると宣言している。
●種族:人間 ⇒ 魔人
●大秘術:憑依転生(ポゼッション)を使い他人の体に憑依しつつ、ファルムス王国へ何百年も仕えている宮廷魔術師長。魔導師級以上の魔法を極めた英雄で、ファムルスの守護者にして、叡智の魔人と呼ばれ、周辺国からも実力を一目置かれていた。
●ファルムス王国が召喚した“異世界人”の1人・ショウゴの肉体を乗っ取り魔人となり、豚頭魔王ゲルドをも上回る程の強さを得たが、部下の殺害に怒り狂うリムルへの脅威によって最終的にはエドマリスの命を救うためにファルムス王国を捨て、ディアブロの『誘惑』に屈しテンペストへ恭順する意志を示した。
●その後は新たな王として擁立されたヨウムを助けている。また、東の帝国に所属していた魔法使いガドラの高弟の一人でもあり、帝国の侵攻の前にやってきた師と再会し、西側諸国での出来事を伝え、同時に魔王リムルとテンペストの脅威を伝え、敵対せぬよう強く忠告した。
●種族:人間
●レイヒムは元々はニコラウスに仕える西方聖教会ファルムス王国最高司祭の立場にあったが、ジュラの大森林への侵攻の際にエドマリスらと共にリムルに捕らえられ捕虜となった挙句、ディアブロの計画を邪魔するために“七曜の老師”に暗殺された。
●フォルゲンはかつてラーゼンにより召喚された異世界人であり、ファルムス軍騎士団長の立場かつラーゲンの親友であった。ヒナタには敵わないものの上位精霊イフリートと互角の強さがあり、自分が率いる配下の力を理解して使用でき、目に見える範囲内で死んだ部下の能力を選択して獲得可能なユニークスキル『統率者(ヒキイルモノ)』を持っていたが、テンペスト侵攻時にリムルによって殺害された。
●種族:人間
●ファルムス王国、およびその関係国によって数年前に召喚された日本人の“異世界人”。全員が強力なユニークスキルを持つが、我が強く自己中心的で、凶暴、快楽殺人者など対人欠陥を持つ。
●テンペスト侵攻時に先遣隊としてシオンらを殺害した実行犯たちだったが、後にテンペストの幹部たちと相対した際に全員が死亡した。
●なお、持っていたユニークスキルはそれぞれ、ショウゴが武器破壊効果付与&身体硬化の『乱暴者(アバレモノ)』、キョウヤが思考加速&空間属性の擬似刀剣生成の『切断者(キリサクモノ)』、キララが魔力波による思考誘導の『狂言者(マドワスモノ)』。
●また、ショウゴは死にかけた際にキララを殺すことで新たに『生存者(イキルモノ)』を獲得し、高速再生能力を得た。それによりこの三人の中で唯一生き延びたが、味方だと信用していたラーゼンによって精神を破壊され、身体をその身に宿る能力ごと乗っ取られた。
●種族:人間
●ジュラの大森林に接するファムルス王国の辺境に領地を持つ伯爵。強欲で碌でもない人物で、領民より自分の利益を優先し、人使いが荒く、高額の税を課す割に警備には金をかけないので人望は薄い。
●他国の侵略に備える必要がないことから大規模な軍隊を保有しておらず、ヴェルドラへの対策で支払われていた特別対策援助金を着服して私腹を肥やしていた。だが、ヴェルドラ消失によって援助金を打ち切られ、さらに20万の軍勢を率いた豚頭帝の侵攻が重なったことで対応を求められ、死んでもいい小悪党を辺境調査団に仕立て上げて大森林に送り込む。
●種族:人間
●ファムルス王国の大貴族。中立派の巨頭であり貴族派閥をまとめるミュラー侯爵はブルムンド王の遠縁に当たり、表立っては仲良くするそぶりを見せないが、裏では親交がある。ヘルマン伯爵はミュラー侯爵に大恩があり、ブルムンド王国を味方している。
●ジュラの大森林とブルムンド王国に接する領地を持つことから、王派閥が断行した2万人の大軍による魔国連邦攻撃には最後まで強く反対した。大敗北の後は、強く反省した王から謝罪される。
●種族:人間
●“十大聖人”のうち、「法皇直属近衛師団(ルークジーニアス)」の“三武仙”だった者達。
●“蒼穹”のサーレは、耳長族の血を引くため外見は少年だが“十大聖人”最年長。“聖人”であり、相手の技能を見ただけで見破り、習得も可能になるというユニークスキル『万能者(デキルモノ)』を持つ。ヒナタの前の法皇直属近衛師団筆頭騎士であり、追い落とされたことで彼女に反目している。ディアブロ討伐任務では、同僚グレンダのせいでディアブロと単身で交戦する羽目になり、圧倒的な実力差の前に完敗。
●“巨岩”のグレゴリーは、『万物不動』の剛性を備えたサーレの片腕。ディアブロ討伐任務に就いた際に、はしゃいだランガによって味方を全滅させられてしまい、これが原因で“犬嫌いの不動要塞”と呼ばれるようになる。
●2人とも大失態のために法皇庁に帰ることができないという事情から、現在はラーゼンに拾われて弟子入りしており、将来的にはファルメナス王国で裏方仕事を任される予定。
●種族:人間 ⇒ 炎の魔人
●声 - 花守ゆみり
●リムルの人型時の姿の元となっている、儚げな美少女の容姿の元日本人女性。劇中ではシズと名乗る。登場時点で70歳前後であるが、イフリートを宿し魔人となった事で老化が止まっているので、外見は16、7歳。
●東京大空襲下の炎上する東京から、60年以上昔に魔王レオン・クロムウェルにより、8歳で異世界に召喚された。この時、焼夷弾によって全身に大火傷を負った状態で召喚されたため、『炎熱操作』『炎熱攻撃無効』のスキルを獲得した。
●一度はレオンに見放されたものの、炎への適正を見抜いたため上位精霊イフリートを召喚し、肉体を与えるために憑依させた。生き延びるためにイフリートが憑依することを許可したものの、身体を奪われるのを嫌ったことで『統合』と『分離』の効果を持つユニークスキル『変質者(ウツロウモノ)』を獲得し、身体は支配されたものの、自我を保つことが出来た。このことから自分を人間として見ていないレオンへの強い憎しみを持つこととなった。
●数年後、自分の意志である程度動けるようになったため、イフリートとの共生がうまくいっていると思っていたが、イフリートが暴走。仲良くなった少女ピリノ(声 - 本泉莉奈)とピリノとシズから一文字ずつとって名付けた風狐ピズを炎によって灰も残らず焼き尽くしてしまい、人並みの幸せも叶えられないことに絶望する。さらに数年後にレオンの城の一つにやって来た女勇者に保護され、イフリートを抑え込む効果を期待できる“抗魔の仮面”を贈られた。その仮面を被ることで魔人の力を自分の意志で使いこなせるようになり、勇者とともに冒険者として活動し、いつしか“爆炎の支配者”という異名を得て尊敬を集める。シズを残して勇者が旅立ったあとは、勇者と同じように苦しんでいる人を助けたいと諸国を巡り、英雄と呼ばれるまでの存在となる。
●しかし、初老にさしかかった頃から徐々に精神力が衰えていき、ドラゴンに襲われた町を助けるためにイフリートを呼び起こしたところ、代償として一週間もの昏睡状態に陥ってしまった。このまま力を使用すれば、支配力に抗って暴れるイフリートを抑えきれず、解き放たれた精霊によりピリノに起こった惨劇をまた引き起こすかもしれないと恐怖して、冒険者を引退。イングラシア王国にて戦闘技術を教える教導官として活動することを決めた。
●数年後、同郷の出であるユウキとヒナタという生徒を迎え入れる。どこか境遇が似ていたヒナタに共感を持っていたが、必要な技術を身に着け早々に去ってしまったヒナタを追いかけたほうが良いか迷ったものの、ユウキが国と冒険者互助組合の相互扶助関係の構築が佳境を迎えていたため、ヒナタを見送り、ユウキを支えていくことを選んだ。その後は裏方として支えてきたユウキが自由組合総帥となったことで、やるべきことを全て達成したと満足し、自由学園の教師を辞す。唯一の心残りを果たそうと魔王レオンの居城へ行く途中、旧知のもとへ寄るとヴェルドラが消失したことで調査隊が出るため、森を抜けるなら一緒に行くといいという話を聞き、この折にカバルたちと合流、騒動の末にリムルに出会った。
●最終的に暴走したイフリートをリムルが『捕食者』で取り込んだことにより暴走は収まったが、シズの生命力の維持にもイフリートが使用されていたこともあり、急速に衰えた生命力は回復の見込みがなく、シズは自らの意志でリムルの中で眠ることを望んだ。そして、シズの持っていたスキルと容姿、レオンへの憎しみ(想い)はリムルへ受け継がれることとなった。
●死後、リムルに吸収された後も意志や魂がリムルの中で生きているようにリムルは感じており、リムルの夢の中に登場するなどしている。勇者クロノアが封印から解き放たれ暴走し、リムルが魂に干渉した際にはリムルの中の幻影として心象風景に登場。そこで勇者の正体が教え子であるクロエとヒナタであることを知り、自分を助けてくれたヒナタに感謝し再会を喜んだ。また、レオンの本心も知ることができ、リムルが約束通りレオンを一発殴ってくれたおかげで、レオンに対する恨みやこの世界に対するわだかまりから解放されることとなった。
●声 - 八代拓
●魔王レオンによって召喚され、シズへ憑依した男性の姿をした炎系の上位精霊。リムルとの戦いで『捕食者』によって『胃袋』へ隔離される際にヴェルドラの干渉によってと同じ空間へ取り込まれた。
●ヴェルドラとの対話から自身はレオンを崇拝しており、よってレオンを憎むシズとの相性は最悪で、わかり合うことができず、シズはスキルでイフリートの力を制御していただけであったことが語られている。これが原因でシズの強さが中途半端になり、イフリートの暴走を許したのだろうとヴェルドラは推察している。また、共に心が通っていれば、力は数倍になり、寿命もここで尽きるということもなく、違う道を行くこともできたであろうと推察されている。自我に目覚めリムルの行動を観察するようになってからはシズと和解しようとしなかったことを反省しており、最大の要因であったシズの友ピリノの殺害について深く後悔することになる。
●復活後についてはカリス参照。
●種族:人間
●声 - 花江夏樹
●元日本人の“異世界人”で、“自由組合総帥(グランド・マスター)”。異世界転移時に能力を全く獲得できなかった代償として加齢しない肉体を得ており、高校生の外観を保っている。また、外部からの魔力とスキルの効果を任意で打ち消す霊的体質『封殺能力(アンチスキル)』を持つ。
●ヒナタと同時期にシズに弟子入りしており、シズの心残りであった召還失敗の犠牲者である5人の子供をイングラシア王国自由組合本部近くの学校に置いて保護している。リムルがイングラシア王国に来た時は、子供たちを助けるために教員として採用するなど色々と便宜を図り、それ以降、魔国連邦の開国祭まで友好的な関係を構築していた。
●元の世界への帰還方法を生涯の課題として探索している。という建前のもと、実は西の自由組合・東の犯罪組織“三巨頭”のリーダーとなり世界征服の計画を練っている。
●世界を渡る前、地球においても念動力などの超能力を扱うなど、格別の才能を有していた。だが、中学生になったばかりのころに両親が事故死し、その原因が社会の欠陥から生まれたがゆえの不幸という理不尽に対し怒りを覚える。社会への報復として社会の破壊を検討するも、大勢の人間を不幸にする選択までは割り切れず、政治家として国家を社会を自分の思い通りに改善するという方策を出しその実行を行うか悩んでいた。しかし、決断する前に、魔王レオンとの闘いに敗れ精神体として漂っていた魔王カザリームにより、復活のため体を奪い取る目的で召喚されたのだが、その際に得た下記のユニークスキル『創造者』で作った『封殺能力』にてカザリームに勝利。その才能にてこの世界の仕組みを理解し、自分がこの世界を支配し正しい方向に導くという思想のもと、世界征服へと動き出した。
●カザリームを配下として加え、魔導王朝サリオンで作成されたホムンクルスの身体を入手し、自身の副官である「カガリ」として復活させる。その過程で、カザリームの所属する中庸道化連に対してもカザリームの復活を報酬に協力を依頼しており、カザリームを復活させた後も、中庸道化連のボスとして彼らを直属の部下として使っている。中庸道化連の一人であるクレイマンの魔王としての立場を利用し、彼に指示を与えながら勢力の拡大を図っていた。
●テンペストの開国祭の折にリムルからクレイマンの黒幕であることを看破され、自身もリムルから疑われたことに勘付く。マリアベルの起こした事件を利用し、マリアベルのユニークスキルを奪い殺害し、彼女に精神支配を受けていたという体を装ったが、リムルの『智慧之王』をごまかすことはできなかった(ユウキは見抜かれていたことに気づいていない)。以降自身の行ってきた悪行をロッゾ一族になすり付け、拠点を東に移すことを画策したが、グランベルの策略に嵌り、勇者クロノアの解放に利用されてしまい、そこでリムルやその場に居合わせたレオン、ルミナスに正体を明かしてしまうこととなった。その場を逃走し、西側での立場を捨て東の帝国に逃亡を図ったが、それを快く思わなかった魔王ギィの襲撃を受け応戦。自慢のアンチスキルや、“聖人”として進化させた力を以てしても全く歯が立たず、仲間であるラプラスに庇われることになり、大きな挫折を味わう。それでも折れずにギィに取引を持ち掛け、東の帝国を内側から崩壊させ、力を蓄え改めてギィに挑戦するという宣告にギィの関心を買うことができ、一時的にギィを含む魔王勢と休戦協定を結んだ。闘いの後、スキルにはまだ先があることを理解し、ユニークスキル『強欲者』を究極能力『強欲之王』として進化させた。
●そして、ギィに宣言した通りに行動を起こし、1年足らずで帝国軍の“大将”となって『混成軍団』を率いる軍団長に任命される。魔国連邦とは一時休戦し、カリギュリオを唆して機甲軍団と魔獣軍団を西方に出兵させる事で、手薄になった本国にてクーデターを起こそうと画策する。しかし、実行前に近藤に計画が露呈し、自らはルドラに精神支配を受け、ドワルゴンの東部都市に待機していた混成軍団はヴェルグリンドに粛清されて、自分同様支配下に置かれたカガリの妖死冥産の材料にされる。
●リムルと出会ったときに上記のように異世界転移時に能力を獲得できなかったと語っていたが、実際のところは能力を隠し持っている。
●一つ目はユニークスキルを生み出すユニークスキル『創造者(ツクルモノ)』。霊的体質『封殺能力』はこのスキルで作り出したもので、能力や魔法を攻撃・防御問わずすべて無効化するため、近接戦においては魔王となり究極能力を持つリムルとも互角の戦いをする。ただ、完全無欠な能力ではなく、武器には適用されないので武装すれば弱くなるなどの欠点が存在する。また、ギィとの戦闘の中で自らを完全な“聖人”へと進化させ、人間としての弱点を捨て去っている。
●二つ目は対象の能力を奪うものでこれは条件が厳しいのかマリアベルから特殊能力『強欲者』を奪う時にしか使われていない。ユウキ本人も例外的なものだと認めるような発言している。
●三つ目は上記の『強欲者』を奪った際にそのスキルに宿った意思を屈服させ、進化させた大罪系究極能力『強欲之王(マモン)』。奪う事に特化しており、触れた相手からエネルギーを奪う『吸命』や、感情を刺激して記憶にまで影響を及ぼす『操心』などの権能を内包する。
●種族:人間
●イングラシア王国の第1王子。マリアベルの“欲望”の影響を受けており、ギャバン伯爵に唆されて、騎士団の総団長ライナーやガイと共に評議会の場に乱入し、支配の宝珠でリムルを操ろうとした。だが、買収していた議員はリムルによって精神干渉から解放されていたので賛同を殆ど得られず、頼りにしていたライナーとガイはヒナタとシュナによって即座に無力化される。直後にリムルの立場を貶める為の捨て駒としてグレンダにより暗殺されかかるが、狙撃を察知したリムルに命を救われ、王になるだけが人生ではないと諭されて観念し、大人しく父の元で再教育を受ける事になった。
●種族:人間
●イングラシア王国の国王。息子のエルリックが暴挙を起こした事を知って魔法審問官を伴い評議会に向かい、迷惑をかけたリムルに対して父親として謝罪と感謝の言葉を送り、黒幕のギャバン伯爵や、王子に協力したライナーとガイを捕らえた。
●種族:人間
●“流麗なる剣闘士”の異名を持つAランク冒険者。片手半剣を右手で振るい、手甲を付けた左手でも殴るという異質な戦闘スタイルをとる。マリアベルの“欲望”の影響下にある。
●魔国連邦の開国祭では武闘大会に参加。予選を突破して、1回戦ではゴブタを苦しめたものの、突如召喚されたランガの実力を見誤り敗退。武闘大会後は地下迷宮のお披露目に参加して、欲望に促されるままに攻略を進めたが、迷宮のルールに反する行動をとったために案内役の樹妖精デルタから痛覚遮断を切られた状態で殺されるという罰を受け、獲得したアイテムも没収された。その後、エルリック王子と評議会に乱入したが、シュナに翻弄された挙句、完全に制御された”霊子崩壊“で鎧だけを消失させられて戦意を喪失し、魔法審問官に拘束された。最後はロッゾ一族の力で釈放され、マリアベルの『強欲者』で残りの寿命全てを前借りさせられて、旧魔王でも苦戦を強いられるほどの強さを手にしたが、“アムリタ”襲撃時にリムルによって瞬殺された。
●種族:人間
●イングラシア騎士団の総団長。傲慢で肥大化した自尊心を持っており、自分こそが最強であると信じ切っており、魔王であるリムルや聖騎士団長のヒナタを自分より弱いと決めつけ見下した対応を取っている。肥大化した自尊心故か行動は自己中心的で身勝手なもので他者への礼儀にも欠けており、マリアベルの支配で欲望を刺激されているのもあるせいか、すべてが自分の思い通りにできるかのような振る舞いで、議会のルールや法律など一顧だにしないなど、規律を重んじるべき騎士団の長とは思えない盗賊、チンピラの頭のような人物。リムルからはAランクオーバーであることから強者としては数えられるものの、戦いでは魔人ゲルミュッドと互角だとみられている。魔物の脅威に晒されることが無い平和なイングラシアの中では突出した実力ではあるが、常に魔物の脅威と戦っている聖騎士たちのような本物の戦士には遠く及ばない。
●エルリック王子と共謀して評議会に乱入し、支配の宝珠でリムルを支配して魔国連邦を支配下に置こうと画策し、エルリックとギャバンの策略が失敗に終わった際は議会のルールさえ無視して武力行使を行おうとした。そこでヒナタと対峙することになり、散々馬鹿にした態度を取っていたが、あっさり投げ飛ばされてからようやく実力差を理解し、動けなくなったところを事態を理解しないエルリックとギャバンの命令と迫りくるヒナタのプレッシャーに追いつめられ、赤子のように泣きわめき、失禁までするという醜態をさらした。エーギル国王の登場で、魔法審問官に連行された際には変わらず傲慢な態度を取ったが、あっさりと抑え込まれた。
●種族:人間
●西方評議会の議長。公正かつ公平な価値観の持ち主。当初リムルたちには魔物としての偏見があったが、リムルたちの高い交渉力に驚愕する。また、魔物であるリムルたちに対してもあくまで公平を貫き、マリアベルに支配された議員たちの自身の欲望のみを突き付けた身勝手な条件や議会のルールを無視したエルリック王子やギャバン伯爵の横車に憤慨し、リムルたちにこの事態が評議会の意思ではないと謝罪と弁明を行った。この事態をリムルが収めて以降はリムルを信用するようになり、外交武官として赴任したテスタロッサにも信用を置いていた。ヨハンの反逆による議会へのミザリーの襲撃をテスタロッサが防いだ際にはテスタロッサへの信頼が確固たるものとなり、議長でありながら一議員であるテスタロッサを重用するようになった。
=== 神聖法皇国ルベリオス ===
●種族:吸血鬼(ヴァンパイア)
●“夜魔の女王(クイーン・オブ・ナイトメア)”の二つ名を持つ覚醒魔王であり、唯一神ルミナスとしてルベリオスに君臨する神でもある。吸血鬼族の真祖の姫。
●吸血する対象である人間が幸福感を得れば得るほど、その血液が美味となることから人間を保護している。吸血に際し人間を死に至らしめるほどの量は必要なく、ほんの少しの血液だけで済む。
●皇国の実際の維持管理は全て配下が行う。ルミナス自身は普段は“奥の院”に隠遁しており、外出する際には身代わりを務める部下(ロイ、ルイ)に付いたメイドに扮している。しかし、『魔王達の宴』の場で、事情を知らなかったヴェルドラとミリムのうっかりによって若手の魔王にも正体が暴露されてしまった為、影武者で誤魔化す事を諦めた。さらにヴェルドラの迂闊な発言で聖騎士の一部にまで正体がバレてしまう。
●2,000年前に当時の首都でありルミナスが建造した“夜薔薇宮(ナイトローズ)”を破壊したヴェルドラに対して未だに怒りを抱いている。そのため、ヴェルドラに対しては強く当たっているが、同時に破壊の権化であったヴェルドラがリムルと友人になったことで他人に寄り添う様を見せるようになっていることには内心驚愕していた。
●また、ヴェルドラの一件で自分たちを救ってくれたクロエとヒナタとはかけがえのない友人となり、クロエとヒナタの魂が眠りについたときには、クロノアのみとなったクロエの肉体を“聖櫃”に封印した。同性愛の一面もあるようで、友人であるクロエとヒナタに情欲を抱くほどの愛着を向けており、魔物である自分にとって毒となる聖櫃に封じられたクロエを自身の身体が聖櫃によって焼かれようともまったく意に介さずに愛撫したり、開国祭でヒナタと共に温泉に入ったときにヒナタの裸体を魔力感知を使ってまで観賞し、リムルが果実酒を言葉巧みにヒナタに飲ませてほろ酔い状態にさせたときには内心リムルを天才と称賛している。
●リムルのことは未来からやってきたクロエとヒナタから話を聞いていたため、存在を承知しており、リムルとヒナタの最初の衝突が起きた際にはクロエから聞かされていた未来の話と違う展開に内心で焦りを抱いていた。この時点でクロエの未来の話に齟齬が生じ始めていることを予感し、その証拠としてリムルが魔王に名乗りを上げたことから、急遽影武者であるロイの従者として『魔王たちの宴』に参加を決意し、万が一のためにリムルを保護するつもりでいた。クロエとヒナタを救ったリムルへの好感はかなり高く、国同士でも友好関係を築くに至っている。
●“七曜の老師”の陰謀によって魔国連邦へ向かったヒナタが危機に瀕している事を察知すると、自ら戦場に現れケジメとして現地にいた“七曜”を始末する。首都リムルに招かれて会談を行い魔物を敵視する教義の撤廃を決定、その後開国祭に顔を出した際に連邦の音楽に感銘を受け、リムルと音楽交流会を行う約束を取り付ける。自国で開催した演奏会をグランベルと“中庸道化連”に襲撃され、ヒナタが死亡した事で究極能力に覚醒、同じく究極能力を得たグランベルを倒し、彼の本当の願いであった勇者クロノアの覚醒という目的を察して遺言通り彼女へ『希望』を受け継がせた。
●大罪系ユニークスキル『色欲者(ラスト)』を所持し、“生と死”を司る権能を所持していた。また、グランベルにより一度ヒナタが殺害され、時間跳躍によりヒナタの魂が消失した際には、ヒナタを救えなかった無念さと怒りから、究極能力『色欲之王(アスモデウス)』に進化した。“生と死”を司る権能はさらに強化され、『再誕(リ・バース)』によって『無限牢獄』に取り込まれたヒナタの“魂”を掬い上げている。
●種族:吸血鬼
●それぞれ魔王ルミナスに仕える“三公”の一人で、1,500年に渡ってルミナスの影武者として魔王代理や法皇、執事の役を勤めていた。
●ロイが魔王“鮮血の覇王(ブラッディーロード)”、双子の兄であるルイがルベリオスの法皇として存在することで、「魔王の脅威から人々を守る皇国」としてのマッチポンプで人々の信仰を得ていた。得意技は血を魔粒子化させて放出する拡散粒子砲「血刃閃紅波(ブラッドレイ)」。
●代役とはいえ魔王を務めるだけの力量はあったが、ロイは自信過剰な性格が祟って奥の院に侵入したラプラスの実力を見誤り、あっけなく殺された。しかし、元は一人の吸血鬼であったが、ルミナスに討伐されて配下に加わった後、狂暴過ぎたためにルミナスの力で2人に分かたれていたという経緯があったため、ロイの死後はルイが往年の力を取り戻した完全体になり、力は以前の倍以上に高まっている。
●ギュンターはルミナスに侍る執事。遥か古の時代は敵対勢力の王だったが、ルミナスの配下となってからはその支配体制を構築した。雑事が主ではあるが奥の院である“夜想宮廷(ナイトガーデン)”の仕切りを任されている。“三公”の中では一番の実力者だが、完全体になったルイには劣る。
●種族:人間(聖人)
●異世界から呼び出された元日本人。西方世界最強の剣士と呼ばれ、法皇直属近衛団筆頭騎士と聖騎士団長を兼任している。剣技は人間の最高位に近い能力で、一度はリムルを死の瀬戸際まで追い込んだ。
●母親のために暴力的な父親を自らの手で殺害した過去を持ち、宗教に逃避した母の対処を考えていた時に異世界へ転移する。ユウキと共にシズの教え子であり、敬愛していたが、彼女を信じきる事が出来ず、シズを超える強さを手にした後で彼女のもとを離れる。15歳で召喚されてから10年程経過しているが、10代後半の外見で老化が停止している。
●弱者が強者に食いものにされる事のない社会を理想とし、全世界を争いのない平和な社会にすることを理念としている。かつてルミナス教の本質を知り魔王ロイと法皇ルイに戦いを挑むも相打ちとなり、ルミナスに助命され、“七曜の試練”を乗り越えたのち、ルミナスに敗れてその軍門に降り、“神の右手”として彼女が築いた平等で公平な社会を維持することに尽力してきた。
●東の商人にシズをリムルが殺したという誤情報を掴まされてリムルを襲撃し、あと一歩のところまで追い詰めた。後に“七曜の老師”の陰謀に巻き込まれ魔王へ進化したリムルと戦い敗北、火曜師の奇襲を受け致命傷を負ったが空間転移で駆けつけた魔王ルミナスの手により治癒され事無きを得た。その後リムルが人類に対し全く害意がないことをさまざまな事例で見せつけられ、呆れつつも味方となることを約束している。
●性格は生真面目で合理主義なため、一見して冷酷だと見られがちだが、規律を重んじ困っている人には手を差し伸べるなど優しい性格。近視のせいで目付きが悪いのもその印象を増長している。また、面倒見が良く、リーダーシップも強いので、部下からはとても慕われている。一方で、意外に子供らしい部分も持ち合わせており、開国祭で祭りの屋台を下見をしてまで遊びつくしたり、ハクロウの握った寿司をワサビ抜きで頼んだりしている。食事に関しても強い関心を見せリムルの作り出した元の世界の食べ物を呆れつつもしっかり堪能し、自分のものを横取りした部下をしっかり制裁するなど、かなりの食通。
●父親を家族として支える事をせず、断罪によって自分の行為を正当化していたが、内心では自分自身を許すことができず、人々を救ってきたのも元の世界で必要とされないなら異世界で誰かの役に立ちたいという願いからであった。デリカシーのないリムルに対しては辛辣に対応することも多いが、そのお人好しさに心を救われており、何処かで彼に父の面影を追い求めていた。
●夜想宮廷を襲ったグランベルの放つ“霊子崩壊”からクロエを庇って死亡した際、自我を宿した『数学者』と装備はクロエごと2000年以上の過去に跳ぶ。クロエの身体に宿った状態で過ごし、300年前には身体を借りてヴェルドラを封印、過去のクロエが転移してきたためルベリオスで眠りに就いた。2000年のほとんどをクロエの中で過ごしていたため、クロエが覚醒した時には自我が消えかけていたが、リムルとルミナスによって『無限牢獄』の中から引き戻され、元の身体に蘇生された。蘇生後はクロエと共にリムル、ルミナス、レオンとの会議に参加し、自分とクロエの身に起きたこと、体験した未来を説明し、途中参加したギィから帝国とユウキの動向を聞き、帝国との戦争に備えるべくルベリオスに帰還した。
●ユニークスキルは『予測演算』や『思考加速』を内包し、論理的思考を支え戦闘時に常に最適解を選び取れる『数学者(カワラヌモノ)』と、相手の力を奪い取る『簒奪』と学び取る『複写』を内包する『簒奪者(コエルモノ)』。『簒奪』は判定が《成功》すれば能力や技能を無理矢理奪える格上殺しの凶悪な能力で、鍛錬で本来は《対象外》となる格下の能力を強引に奪う『強制簒奪』を開発している。ただし、格上すぎる相手には《妨害》されて通じず、個々人が鍛えた技術までは奪えない。また、自動で魔素を分解して影響を無効化する体質を持つため、魔素を介在しない〈神聖魔法〉以外の魔法が通用しない。人間から“聖人”に至っており、その実力は覚醒クレイマンを上回る。さらに、火水風土空の5種類の精霊と契約している。ただ、父を殺した心の闇のために光の精霊を受け入れることができず、勇者としての覚醒を果たせずにいた。後にクロノアに“名付け”をした影響で『簒奪者』は失われ、勇者の“卵”もクロエの“卵”と融合して喪失している。
●種族:人間
●西方聖教会の事実上の頂点に君臨する枢機卿。ヒナタの腹心であり、法皇ルイの懐刀。
●熱狂的なまでのヒナタの信者であり、宗教はヒナタと繋がるための手段の1つでしかなく、信仰心は全てヒナタに捧げられている。神ルミナスの実在も察しているが、法皇庁の最高位に立ちながら神を信じていない。
●ヒナタの暗殺を図った“日曜師”グランを“霊子崩壊”で粛清したが、ルベリオス大聖堂襲撃の際はグランベルに一蹴される。しかし、対外的には今もグランを討った張本人ということになっている。
●種族:人間(仙人)
●“十大聖人”のうち、「聖騎士団(クルセイダーズ)」の代表者。
●レナードは聖騎士団の副団長で、“光”の貴公子と呼ばれている。美しい柔の剣技に加え、魔導師としても天才的な才能を持つ魔法剣士であり、〈精霊魔法〉〈元素魔法〉〈神聖魔法〉を極めた聖魔導師(セントウィザード)。学生時代に見たヒナタの剣の強さに魅了され、ルベリオスへと移住した。魔国連邦との戦いではギャルドと共にシオンに圧倒され降伏。
●アルノーは“空”の二つ名を持つ特攻隊長で、ヒナタに次ぐ最強の騎士。魔国連邦との戦いではベニマルとの一騎討ちに敗北。
●4人の隊長格、”地“のバッカスは神聖戦鎚使いの大柄で寡黙な男、”水“のリティス治癒魔法の使い手にして水の聖女(ウンディーネ)を使役する精霊使役者の美女、”火“のギャルドは炎槍・炎獣牙槍(レッドスピア)を操る長身の騎士、”風“のフリッツは風魔法と双剣術を得意とする邪道よりのトリックスターである魔法剣士。バッカスとフリッツはアルビスとスフィアに引き分け、リティスはソウエイに敗れた後に好意を抱く。しかし、ギャルドは侵攻以前に“七曜”に始末され、“火曜師”が成り代わっていた事実が判明した。
●その後、魔国連邦と同盟を結んだ事で迷宮で戦闘訓練を積んでおり、元神殿騎士のアルベルトから剣術の指導を受けている。
●種族:人間 ⇒ 仙人
●西方聖教会の最高顧問であり人類の守護者、偉大なる英雄などと呼ばれ尊敬されていた7人のルベリオス大幹部。“光”を司る長の“日曜師”グラン、“月曜師”ディナ、“火曜師”アーズ、“水曜師”メリス、“木曜師”サルン、“金曜師”ヴィナ、“土曜師”ザウスの7名で構成される。
●老化を抑制するルミナスの儀式・愛の接吻(ラブエナジー)の頻度が低くなったことで、新しい「お気に入り」が増えることを恐れており、過去にはアダルマンを死地に送り込んで落命させ、現代ではヒナタの存在を邪魔に思って始末する機会を探っていた。
●ヒナタ暗殺のため、魔国連邦攻撃にギャルドになりすました火曜師が潜入、月曜師と金曜師も出撃したが、本国から駆けつけたルミナスに粛清され、ディアブロ討伐のためニドル領に向かった土曜師、水曜師、木曜師も返り討ちにあって消滅。最後に残った日曜師もニコラウスによって始末され、精神体だけがグランベルの元へ戻る。
=== 魔導王朝サリオン ===
●種族:風精族(ハイエルフ)
●魔導王朝サリオン皇帝。見た目は絶世の美少女だが、実年齢は叔父であるエラルドより遥かに年上。その年はサリオンの歴史よりも古いと言われ、約2000歳を超えると推定されている。そのため、ドワルゴンのガゼル王に対しても坊や呼ばわりし、十三王家の貴族たちを小僧と呼び子ども扱いするなど計り知れない貫禄を持つ。しかし、年齢のことについて追及するのは禁忌である。
●対外的には常に冷酷な無表情で接するため、冷酷な印象を持たれているが、本性は気ままな性格。十三王家の中で唯一血縁関係にあるエラルドに対しては自身の素顔を見せるほど信頼しており、奔放な振る舞いとわがままで彼を振り回している。リムルが魔王になった際に自分に黙ってリムルと会談を行ったことに拗ね、ネチネチと小言をぶつけた。血縁上従妹にあたるエレンとは仲が良く、エレンからエルちゃんと呼ばれており、本来の喋り口調も似通っている。
●戦士としての実力も魔王級に至っている可能性があるとされ、ガゼルより高いレベルで『英雄覇気』を纏っている。
●長年、かなりの額を貯め込んでいる大金持ち。魔国連邦の開国祭の時、迎賓館付近の一等地にある旅館を1つ購入して、転送魔法陣でいつでも遊びに来られるようにしている。
●魔国連邦の開国祭にてリムルに興味を抱いていたことから自ら魔国連邦に赴き各国を騒がせた。そこでかの国の予想をはるかに上回る技術と文化に感激し、サリオンの皇帝として自ら魔国連邦との盟約を結んだ。魔国連邦の首都に別荘の購入や、魔導列車などの技術の買い取り、異世界人の菓子職人である吉田の新作スイーツの買い取りなどかなり懇意にしており、リムルに対して開国祭のときのように何か企画するときは自分も混ぜろと要求しリムル、ミョルマイルと共に悪だくみ三人組としてガゼルやエラルドを震え上がらせた。その際リムルの執事として傍にいたディアブロを“原初”だと見抜きリムルに対応を問いただしたが、リムルが何の気負いもなく自分がディアブロの暴走を止めると言ってのけたことから、余計リムルを気に入っていた。
●魔王レオン・クロムウェルとは彼が勇者だったころからの知り合いで、彼の本質を理解する数少ない友人でもある。
●種族:耳長族(エルフ)
●魔導王朝サリオンの重鎮であり大物貴族。爵位は公爵で、サリオン皇帝エルメシアの叔父にあたる。
●頭脳明晰、政治・魔法知識も深い知的な男性エルフだが、実子エレン(エリューン)が絡む事柄には全てにおいて親馬鹿となる。
●ドワーフ王国国王ガゼル・ドワルゴとは親友であり、プライベートでは罵り合える間柄。
●サリオン皇帝のエルメシアとは血縁関係もあって公私共に重用されており、彼女の気まぐれに振り回され、ガゼルなどから同情されている。
●種族:人間(エレンのみ耳長族(エルフ))
●声 - 高梨謙吾(カバル)、木島隆一(ギド)、熊田茜音(エレン)
●ブルムンド王国自由組合に所属し、フューズを直属の上司とする3人組の冒険者(通称三馬鹿)。カバル(重戦士)をリーダーとしてギド(盗賊)、エレン(本名エリューン・グリムワルト、法術師)の構成。ランクはBランク。
●魔物の町を調査するためにジュラの大森林を冒険中、同行を申し出たシズと共に出会ったモンスターと戦闘中にリムルの仲間たちに救われ縁を持った。
●その後のシズの暴走にも関わっているが、シズが死亡しリムルに吸収される場面には立ち会っていない。
●実は魔導王朝サリオンのグリムワルト公爵家の令嬢であるエリューンと、その護衛である人間のパーティ。エレンは薬で外見を人間に変え、護衛であるカバルとギドはサリオンの守護騎士、魔法士団(メイガス)の一員で、魔法の指輪で能力を制限することで本来の実力を隠しBランクと偽っている。しかし遭遇した魔物の巣を正体の確認もせずに剣を突っ込んで追い回される、道を惑わす花に引っ掛かって道に迷うなど、熟練のはずなのに冒険者としては抜けているところが多い。リムルと知り合ってからはジュラの森の町や街道を整備中の副産物として得た素材の余剰分を譲ってもらい、それを組合に納めて実績を上げていた。
●エレンはシオン死亡後、リムルの覚醒魔王化のきっかけとなる重要情報を与えた。同時に、魔王誕生の原因を作った者が冒険者を続けると自由組合に迷惑がかかるうえ、恐らくサリオンにも情報が伝わって連れ戻されるので、魔国連邦へ所属を移したいと申し出た。なおエレンが魔王誕生に関わったことはエラルドが情報を握りつぶしたのでサリオンではエルメシアしか知らず、さらにリムルが魔王になったことも正当防衛だと公表することになったので、所属の移動についてどうなったかは明言されていない。少なくとも冒険者は続けており、魔国連邦の開国祭の時点ではBランクに昇進し、ヨウムを助けるために旧ファルムス王国自由組合を回り、その後エラルドにばれぬように開国祭に参加した。リムルの指示でヨウムを助けたような説明もされているが、設定資料集ではその後もブルムンド王国自由組合を拠点にしているとある。
=== 傀儡国ジスターヴ ===
●種族:妖死族(デスマン)
●声 - 子安武人
●中庸道化連の一人、“喜狂の道化(クレイジーピエロ)”であり、十大魔王であった頃の元魔王の一人“人形傀儡師(マリオネットマスター)” 。300年程前に魔王となり、200年前にカザリームが殺された後はその地盤を引き継いだ。他人を一切信用せず、「五本指」と呼ばれる配下にも冷酷に接するが、本来の仲間である中庸道化連の面々に対しては親しく接していて、特に親代わりであったカザリームに心酔していた。
●もともとカザリームと同郷の出身であり、故郷が滅んだ屈辱を忘れないためカザリームによって死体から作り出され、妖死族として生まれ変わった。頭脳に比重が置かれているため戦闘には向いていないが、策謀を巡らせて軍団を指揮するのを得意とする。EPは36万1423。〈精神魔法〉を得意とし、情報を暗号化通信に変換するユニークスキル『操演者(アヤツルモノ)』を使い、派遣した自分の息のかかった配下の目と耳を通じて情報を得ている。十大魔王の中でもっとも財力を持ち、金の使い方を知っている魔王であり、東の帝国やドワーフ王国と貿易して東西両陣営の最新式の武器と防具を揃え、過去の遺物や魔法装置で配下の戦力を増強することで魔人達を惹きつけ利用、得た利益をふんだんにばら撒き調略を駆使していた。
●同じ魔王であったミリム、フレイ、カリオンなどに、また新興勢力であったリムルらにさまざまな謀略を仕掛けたが、「あの方」なる人物から「支配の宝珠(オーブ・オブ・ドミネイト)」を渡され、それでミリムを支配しようとしたことが失墜のきっかけとなる。ミリムが操られたフリをしたことでミリムの力を自分のものにしたと思い込み、増長し、今までの慎重さを失い仲間であるはずのラプラスの助言にさえまともに耳を傾けなくなってしまう。真なる魔王への覚醒のためにファルムス王国の扇動とミュウランを暗躍させテンペストへの被害を拡大させたことでリムルたちの怒りを買い、ミリムを操りユーラザニアを滅ぼしたこと、その片棒を担がせ弱みを握り、高圧的な態度に出たことでカリオンとフレイも敵に回すことになる。自身の真なる魔王への覚醒のための計画が失敗続きになっていることに焦り、仲間たちの忠告を無視して『魔王達の宴』を開催する裏で再度ユーラザニアとテンペストへの侵攻を秘密裏に実行するも、ベニマル率いるテンペストとユーラザニアの連合軍により軍勢を壊滅させられ、拠点もシュナたちによって墜とされてしまう。『魔王達の宴』において嘘の証言でリムルを始末しようとするが、逆に嘘を暴かれ全魔王からの信用を失う。リムルらに戦いを挑むも、精神攻撃効果を持つ武器を所有し精神攻撃を無効化できるシオンに圧倒され、ミリム達に欺かれていた事を知って追い詰められ、最期は『魔王達の宴』の場で不完全覚醒を試みEPにして78万8842に到達するも、リムルの『暴食之王』で魂も残さず吸収され消滅、死亡退位した。
●実は数十年前から近藤に精神支配を受けており、時折暴走するようになったのもその影響だった。
●種族:魔人
●声 - 河西健吾
●覚醒魔王化計画の一環としてクレイマンに雇われた上位魔人。正式にはクレイマンの配下ではなく、ジュラの森に干渉するために雇った使い捨ての駒に過ぎなかった。魔素量だけならAランクオーバーだが技量は低く、近接戦闘は苦手。
●性格は傲慢かつ身勝手で、自分より弱者と判断した者に対して横柄であり、かつ自分の思い通りにいかなくなると癇癪を起し、感情任せに行動して軽率な行動を取ったり、作戦が失敗しそうになったことで自分の手駒としていた豚頭帝ゲルドに散々当たり散らした後、リムルたちに叩きのめされ敵わないと知るや、プライドを捨ててゲルドに助けを求めるようなどうしようもない小物として、リムルだけでなくヴェルドラやイフリートにも呆れられる。
●クレイマンの思い通りに動く魔王種を生み出す為、ジュラの大森林を回ってリグルの兄やガビル、豚頭帝ゲルドに名付けを行い、影から戦況を監視していた。鬼人族やランガが蜥蜴人族に加勢し計画が大きく狂ったためにやむなく自ら前線に出向き、ガビルを殺して豚頭帝の餌にしようとしたが、割って入ったリムルに叩きのめされる。最後まで自分が利用されていることに気づかないまま計画の実現に奔走したが、最期は自身が育てた豚頭帝ゲルドに食われ死亡した。
●種族:魔人
●クレイマンの幹部“五本指”の筆頭である「中指のヤムザ」。五本指の中で唯一自ら忠誠を誓いクレイマンの配下となっていた。氷結魔剣(アイスブレード)を操る剣士。性格は残忍で同じ五本指のミュウランからも下種と呼ばれ、自分より弱いものに傲慢な態度を取る。クレイマンを敬愛はしていても、彼が自分を道具としてしか見ていないことも承知しており、命を捧げるほどの忠誠心は無く、敗北により自身の立場が危うくなると、配下を見捨て逃げ出そうとするなどあくまで自身のための忠誠である。
●クレイマンを覚醒魔王とするため、ワルプルギスの最中にユーラザニアに侵攻したが、ベニマル率いる連合軍に敗北し、自身もアルビスに敗れ降伏しようとしたところ、その感情を引き金にクレイマンの支配によりカリュブディスの欠片を取り込まされ、核として魂まで取り込まれ消滅した。カリュブディスと化した本体もベニマルによって跡形もなく焼き尽くされた。
●種族:魔人
●クレイマンの幹部“五本指”の一人である「小指のピローネ」。五本指の中でクレイマンに忠誠を誓っており、主に偵察任務を担っている。人間社会での策謀などにも重宝する腹心として、クレイマンから高く評価されていた。魔国連邦とファルムス王国の戦争の偵察中、上空からディアブロとラーゼンの戦いを監視していたが、ディアブロに見つかってしまい、ラーゼンの核撃魔法“熱収束砲(ニュークリアカノン)”を自身に誘導されて抹殺された。なお、クレイマンはピローネの死を偶然戦闘に巻き込まれたと思っている。
●元“五本指”のメンバー。詳細はクマラを参照。
●種族:耳長族(エルフ) ⇒ 黒妖耳長族(ダークエルフ) ⇒ 妖死族 ⇒ 人造生命(ホムンクルス)
●中庸道化連の会長で、かつて“呪術王(カースロード)”と呼ばれた元魔王。元々はエルフの王族だったが、所属していた国が魔王になる前のミリムの怒りを買って滅ぼされ、呪われてダークエルフになり、そこから妖死族に進化した経緯を持っている。500年周期の“天魔大戦”を3度生き延びた古き魔王であったが、当時魔王狩りをしていたレオンを襲って返り討ちとなり死亡、魔王となったレオンと入れ替わりに魔王の座を死亡退位した。
●しかし肉体は失っても魂だけは星幽体として生き延びており、自身の復活のために肉体を奪い取る目的で10年前にユウキを召喚した。ところが召喚したばかりのユウキにも敗北し、彼の肉体に憑依したまま配下となる。10年経って謎の少年が入手した魔導王朝サリオン製のホムンクルスの身体に魂を定着させて復活したが、この肉体が女性だったため女言葉を使っている。レオンへ復讐する機会を伺っているが、クレイマンの死を受けてカザリームの名を復讐を遂げるまで封印する決意をして「カガリ」と名乗る。
●どう転んでも利益が出るように計画を立てるユニークスキル『企画者(クワダテルモノ)』を持つ。精神体で漂っている間は自我を保つだけで精一杯だったが、手に入れた人造人間の肉体を鍛え上げて上位魔人相当までの力を取り戻している。さらに、死者の死体と怨恨の念を集合させることで強力な妖死族を生み出す禁忌呪法:妖死冥産(バースディ)を使用でき、ラプラス、フットマン、ティア、クレイマンをこの術で創造した。
●ユウキが西側にいたときは彼の部下として表向きは自由組合の副総帥(サブマスター)を務めていた。副総帥としてリムルらと共に遺跡調査に赴いた際に、ユウキを疑っていたリムルはミリムのスキルで彼女について確認してもらったが、遺跡襲撃に関して全く知らされていなかった事もあって、特に怪しい点は見つからなかった。
●帝国でクーデターを企てた際、行動を起こす前に近藤の“支配の呪弾”を受けてしまい、その支配下に置かれ妖死冥産で妖死族を生み出す為に利用される。
●種族:魔人(妖死族)
●声 - 中井和哉
●中庸道化連の副会長で、“享楽の道化(ワンダーピエロ)” の異名を持つ。カザリームによって妖死族として生まれ変わった同郷の仲間の一人。
●特別製の妖死族であり、中庸道化連ではカザリームに次ぐ実力者。その上、狡猾で用心深い性格。精神魔法の使い手で、ユニークスキル『詐欺師(アザムクモノ)』を持つ。また、他の妖死族とは違い、カザリームの命令を無視できる。
●言動が非常に胡散臭く、自業自得だが真面目な話でもなかなか他人に信用してもらえないので、交渉事は苦手。何故か関西弁で喋る。
●親友クレイマンの魔王覚醒のため、ジュラの大森林周辺の各種族・周辺国家に不和の種を蒔いて裏工作を行っていた。『魔王達の宴』の裏でルベリオスに潜入した際にクレイマンの死を知り、彼を侮辱した魔王ルミナスの配下ロイ・ヴァレンタインを瞬殺したが、仲間には様々な要因が重なったことで勝てたとその事実を隠している。ルベリオス襲撃では完全体となったルイに苦戦し、殺されかけたフットマンを連れて逃走した。その後、ユウキの正体がバレて東の帝国に拠点を移し、魔国連邦と休戦することになった際には連絡員を任されたため、帝国最高戦力による粛清を免れ、ルドラに支配されてしまった仲間達を救うためにリムル達と協力することになる。
●種族:魔人(妖死族)
●声 - 川田紳司
●中庸道化連の一人で、“怒った道化(アングリーピエロ)”の異名を持つ。カザリームによって妖死族として生まれ変わった同郷の仲間の一人。
●ユニークスキル『増幅者(フトルモノ)』で、波動や質量を意のままに増幅でき、莫大な運動エネルギーをぶつける攻撃を得意とする。魔素量は“仙人”を軽く圧倒し、“魔王種”に並ぶほど。しかし、初めての儀式であったこともあってか術者のカザリームが当時まだ未熟で魂と力の配分に失敗してしまい、強大な力に呑まれて精神が未熟なままとなっている。
●ベニマルらの故郷である大鬼族の里を滅ぼしたり、獣人フォビオが暴風大妖渦(カリュブディス)に取り込まれ復活する契機を作ったりするなどの実行犯として動いていた。高い技量を持ち、クレイマンのユーラザニア侵攻に協力した際は魔素量で自分を上回るゲルドを圧倒した。ルベリオスを襲撃した際にはギュンターと戦い死にかけた為に撤退している。
●帝国でのクーデター直前にカガリが精神支配された事で近藤に逆らえなくなり、ドワルゴン攻撃では本気を出せないよう敢えて理性を飛ばした暴走状態にさせられてフォビオやバーンと戦った。
●種族:魔人(妖死族)
●声 - 本渡楓
●中庸道化連の一人で、“涙目の道化(ティアドロップ)” の異名を持つ。カザリームによって妖死族として生まれ変わった同郷の仲間の一人。
●素早さに自信があるアンリエッタでも追いきれない程のスピードが自慢だが、フットマン同様精神は未熟。
●フットマンと共に暴風大妖渦(カリュブディス)復活の手伝いをし、ジュラの大森林に混乱を呼んだ。ユーラザニア侵攻では以前騙したフォビオを相手に戦い、仕止め切れないまま撤退した。ルベリオス襲撃では隙を突いて覚醒したクロノアを攻撃し、レオンと争わせる事に成功する。
●ドワルゴン攻撃では近藤に逆らえなかった為、極限まで本気を出さずにアンリエッタやゴブアと戦った。
●種族:元人間
●表向きはシルトロッゾ王国を束ねるロッゾ一族の長。実態は西方諸国評議会の創設者であり、事実上の西方諸国の真の支配者。西方諸国を裏から牛耳る五大老のまとめ役で、自由組合にも高額出資を行っている。
●“勇者の卵が孵った者”にして“光”の勇者だった男。勇者クロノアには及ばないが、その実力は旧来の魔王を超えているという。人の世に平和をもたらす事を願い、人の生存圏を守り抜く為に1000年もの間戦ってきた伝説的な人物。
●目的が競合する新興勢力であるテンペストとヒナタ率いる聖騎士団の相打ちを目論んで東の帝国所属のダムラダらと共に裏工作を行い、神聖法皇国ルベリオスの高位魔術師“七曜の老師”7人を束ねる“日曜師”グランに精神体を憑依させ操り、リムルら魔物たちとヒナタたち騎士団を相打ちにさせようと裏で手を引いていた。“日曜師”はその後、悪事に気づいたヒナタの部下である枢機卿ニコラウスによって一撃で殺害されたが、グランベルは精神体を元の肉体へ戻して生存している。
●最愛の女性であったマリア・ロッゾが亡くなって以降精神が綻んでいき、人類の平穏をいつしか上位者による管理という支配と同じ方法で実現しようとしていた。マリアの遺体を禁断の邪法である死霊魔法:死霊蘇生(レイズデッド)で使い魔とし、ルミナスに与えられる愛の接吻のエネルギーを貯めていた。その中で自分の後継者と呼べる存在である孫のマリアベルと協力し、様々な謀略を行ってきたが、マリアベルが死んだことによって正気に戻った模様。
●マリアベルの死後ユウキと手を組み、勇者クロノアを復活させた。神聖法皇国ルベリオスに攻撃を仕掛け、マリアの体内に貯えていた愛の接吻で最盛期の若さを取り戻し、死亡したラズルの“魂”のエネルギーを使い究極能力に覚醒するも、同じく究極能力に覚醒したルミナスに敗れる。世界の守護者である勇者クロノアに自らの希望を託し、ルミナスに看取られながら消滅した。
●死後はどこかの世界で妻のマリアと再会。自らの人生を長く悲しい物語と称したが、最期に希望の光を見たと語り、マリアと共に友であるラズルのいる場所へと並んで歩んでいった。
●ユニークスキル『不屈者(アキラメヌモノ)』を所持する。ルミナスとの闘いでラズルの“魂”を糧に、生死を司る権能を持つ『色欲之王』と対をなす天使系究極能力『希望之王(サリエル)』へと進化した。
●種族:人間
●グランベル・ロッゾの孫娘で、容姿は10歳にも満たない転生者。グランベルの妻、マリア・ロッゾの転生体でもあった。
●金本位制の統一通貨から各国が主導する紙幣経済へと移行させ、五大老として為替相場の変動を操作する事で、西方諸国を経済支配しようと目論んでいた。経済面で世界を支配するロッゾ一族の構想が新興勢力のリムルらと全く同一であることに気づき、祖父グランベルにリムルらを警戒し滅ぼすことを提案する。
●元の世界でも金融で世界の頂点に君臨し、栄華を極めていた。そのため、自身の栄華のために他者を踏みにじることに何らの疑問も覚えない。
●様々な謀略でリムルを失墜させようとするも失敗し、ついには自分の手でリムルの抹殺に動き、“アムリタ”の遺跡調査隊を襲撃するも予想外のリムルの強さに歯が立たず、最期は支配していたと思っていたユウキに嵌められたことを知り、彼により自らのユニークスキルを奪い取られ殺害された。
●死後はどこかの世界でマリア・ロッゾとしてグランベルと再会。マリアベルとしての自分をとてもわがままな少女であったと称し、なぜスライム(リムル)の手を取らなかったのかと疑問に思うなど、人格はマリアベルとは別物。グランベルと語り合い、彼が人生に満足していることに素直に喜び、二人で共に歩んでいった。
●大罪系ユニークスキル『強欲者(グリード)』を所持し、相手の“欲望”に干渉し精神支配する能力を持つ。生者の本能を反転させ死を渇望させる事で死に至らしめるなど、攻撃能力も高い。
●種族:蟲型魔獣(インセクト)
●グランベルが名付けをした蟲型魔獣の完全形態。グランベルが全盛期だった頃の相棒で、彼の1000年頼の友人。魔法と物理の両方に耐性を持つ。悪魔達への備えとしてイングラシア王国北方のシードル辺境伯領を守護するロッゾ一族の切り札。
●ルベリオス襲撃では1人でシオンとランガを同時に相手取り、当初は圧倒したものの、戦いの中で成長したシオンに敗れ死亡。死後は、“魂”のエネルギーでグランベルの『不屈者』を覚醒させた。
●種族:人間
●ロッゾ一族に連なるガストン王国の公爵。35歳。
●五大老への昇格をだしにリムルに恩を売り信用を勝ち得るようグランベルから勅命され、開国祭に沸く魔国連邦に対し、小売商を操りドワーフ王国金貨での支払いを強要させることで資金不足を起こさせ、これに助け舟を出して目的を果たそうと目論んだ。しかし、リムルがガゼルやエルメシアの協力を得ていたために計画は頓挫、取引の場に集められた記者達に好き放題記事に書かれ失脚。その後は泳がされてソウエイが追跡していたが、グレンダの狙撃により暗殺された。
●種族:人間
●ロスティア王国の公爵にして、評議会の重鎮、そしてロッゾ一族の五大老の1人でもある。
●リムルが評議会に参加した際には、ロッゾ一族の方針から同じく五大老であるギャバン伯爵からリムルを擁護する立場で行動したが、寝返ったグレンダの口からその行動がマリアベルの指示であったことを知られてしまう。マリアベルの死後はリムルに従うフリをして力を蓄えるべきだと考えていたが、グランベルが死地に赴く決断をしたことで覚悟を決めて、ラズルの不在を突いたギィ配下の悪魔によるイングラシア王国襲撃に際し、国を守る『防衛結界』を破壊させ、雇った“緑の使徒”にミザリーを召喚させてロッゾ一族の誇りを抱いたまま死のうとする。しかし、同格の“原初”であるテスタロッサがその場にいたせいでミザリーが帰還してしまい、『国家転覆罪』と『外患誘致罪』を犯したとして、イングラシア王国の法で裁かれることとなった。
●種族:人間
●ロッゾ一族の五大老の1人。イングラシア王国の伯爵を務める。
●マリアベルの意を受けてエルリック王子を唆し、リムルを支配することを目論んだ。しかし、エルリックと同様に魔王や聖騎士団の強さを軽く見ており、リムルを支配すれば八星魔王の一角やヴェルドラを手駒にできると安易な考えで行動してしまった。裏工作も強硬策もあっさり無力化され、エルリックが自らの非を認めた際にはエルリックに責任を押し付けて逃れようとしたが、後から会議の場に現れたエーギル国王が引き連れた魔法審問官に拘束され、日の目を見ることなく処分された。
●種族:人間
●五大老の1人。イングラシア王国の辺境伯を務める。ラズルと共に北から来る悪魔たちから北方を守護する役目を担っていた。マリアベルの死で覚悟を決めたグランベルにヨハンと同様に忠義を尽くした。
●種族:人間
●五大老の1人。ドラン将王国の国王を務める。グランベルの命で最終決戦に参加せず、世界の混乱が収まったあとに人間社会を復興させ、ロッゾ一族を絶やさないために生き残った。
●決戦後はリムルとエルメシアの傘下に加わることとなり、エルメシアが裏で手を回す西側諸国の商会連合「西方総合商社」を設立し、息子であるフィガロ・ロス・ドラン王子を代表者としている。ロッゾ一族の生き残りを始め、リムルたちへの敵愾心を持つ勢力が土壌となっているが、裏でリムルとエルメシアが関与していることはドラン王と息子のフィガロだけが知っており、エルメシアの庇護を受けることと引き換えにリムルたちの計画に協力することを受け入れた。
=== 黄金郷エルドラド ===
●種族:人間 ⇒ 人魔族(デモノイド)
●声 - 福山潤
●“八星魔王”の一角で、“白金の悪魔(プラチナデビル)” 、“白金の剣王(プラチナムセイバー)” とも呼ばれる。シズを異世界召喚し、かつイフリートを宿らせた当人。
●元々は異世界から渡ってきた人間で、かつてはラミリスの配下だった光の精霊と契約した元“勇者”だった。後に魔人に転生し、200年ほど前、当時の魔王カザリームに戦争を仕掛けられ、単身返り討ちにしたことで魔王に覚醒したという変わった経歴を持つ。
●長い金髪が目立つ女性のような顔立ちの美丈夫。魔王としては新興勢力だが戦闘能力は古き魔王ギィに匹敵するほどで、ギィからは親友として認められている。詳細は不明ながら究極能力を獲得しているらしい。
●西側諸国にて特定召喚の方法を広め、特定の人物の召喚を目的としている。その一環で東の商人であるダムラダや、ユウキら中庸道化連とも取引をしており、ギィに対し人生の目的とまで語っている。シズを召喚したのもその目的の一環であった。
●実はリムルが保護していた子供のうちの一人、クロエ・オベールと幼馴染の関係。共に異世界に渡るも、クロエが再び姿を消してしまい、それ以来ずっと彼女を探し求めていた。子供のころはラミリスから泣き虫だったと言われており、クロエと再会するために、悪行と理解しながらこの世界に現れた異世界人の子供を集めるために上記の手段を行っていた。原初の黄がリムルの配下になった影響で自分の支配地から姿を消したこと、レオンの目的を探るための策略で流されたリムルのもとにいる異世界人の子供の情報をもとにある予感を感じ、行動を起こす。旧交のあったエルメシアの情報で、リムルの保護した子供たちの中にクロエがいることを確認し、リムルと子供たちが滞在していたルベリオスに赴く。そこで、グランベルの襲撃が行われており、グランベルの策略で自分の悪行を暴露され、リムルとの対決を差し向けられるも、リムルの一撃をあえて受けたことで、リムルから逆に信用され共闘することとなる。その場でクロエと再会を果たすも、グランベルにより致命傷を負わされたヒナタの魂と共にクロエが時空を渡ったことで再び見失ってしまうが、復活したクロノアを相手にリムルと共に抑え込み、リムルとルミナスの活躍によりクロエと再会することができた。
●その後、日を改めて魔国連邦にて事件に関わったリムル、ルミナスたちと魔王会談を開き、クロエに何が起こったのか説明を受ける。そこで、クロエが勇者として覚醒したことや、自分の支配地を脅かしていた“原初の黄”がカレラという名を得てリムルの配下になっていたことを知る。途中で参加したギィから中庸道化連たちの動向を知らされるも、勇者となったクロエに目をつけたギィが腕試しと称して斬りかかったときにはギィ相手にも強く抗議を行った。
●幼馴染のクロエに対しては最愛の女性と認識しており、彼女に対して恥ずかしげもなく「超絶美少女」と言い放つなど、ラミリスに対するトレイニー以上の甘さを見せる。しかし肝心のクロエからは自分に執着しすぎとまったく相手にされていない。そのクロエがリムルに好意を寄せていることには納得しておらず、リムルに対しては話の通じる魔王として高く評価しているが、クロエが絡むと打って変わって辛辣な態度を見せる。
●本当は優しい人物だが、無口すぎる上に融通が利かず、人々からの誤解を恐れず、誰にも本心を打ち明けず、全ての業を自分で背負おうとする。そのため、リムルからはマサユキとは逆で誤解を受けやすいタイプだと本質を見抜かれており、クロエに相手にされない不憫さから内心同情されている。
●種族:種族不明
●黒騎士卿と呼ばれる黄金郷エルドラド最強とされるレオンの側近で、礼儀正しく気の回る武人。同僚のアルロスと共にギィと面識がある。シズの剣の師匠でもある。
●種族:種族不明
●銀騎士卿と呼ばれるレオンの配下筆頭。
=== 白氷宮 ===
●種族:悪魔族 / 上位魔将 ⇒ 悪魔公 ⇒ 悪魔王
●“暗黒皇帝(ロード・オブ・ダークネス)”の二つ名を持つ最古の魔王にして、原初の悪魔「原初の赤(ルージュ)」。ミリムと七日七夜戦った伝説のほか、自らを呼び出された超魔導帝国の願いを叶えて敵国を滅ぼし、その後呼び出した側の帝国まで滅ぼし2国を地上から消し去った、などの伝説も語られている。その超魔導帝国の跡地である北方の大陸を支配領域としている。
●人類全体を魔王達で支配することを最終目標とする一方で、創造主ヴェルダナーヴァの代弁者として世界の崩壊を阻止する“調停者”でもある。
●ヴェルダナーヴァが光の大聖霊から始原の七天使を創造したことによって、その反動で闇の大聖霊から創造された。ヴェルダナーヴァから直接生み出されたのではないため、地上で出会うまで創造主であるヴェルダナーヴァとは縁がなかった。
●数万年前に世界統一を目論む超魔導帝国により地上に召喚され、「死の祝福」で100万を超える敵国民を皆殺しにした結果、1万の“魂”により悪魔公に覚醒して死体を利用して受肉に成功、さらに死にゆく者の叫びを自らの“名”とした事で“悪魔王”に至り、冥界での力を完全に取り戻す。そして超魔導帝国を滅ぼす為に原初の緑と原初の青を召喚し、受肉させ名を与えて悪魔公へ進化させる。創造主であるヴェルダナーヴァに挑んで惨敗した際、彼の代理人として人間が傲慢にならないように見守る“調停者”に役割を依頼され、絶対的な“敵”として人間に恐れられる“魔王”になる事を決め、自分と引き分けたヴェルザードを相棒とした。かつての超魔導帝国の城がヴェルザードとの戦いで「白氷宮」となって過ごす中、勇者として自らの討伐にやって来たルドラ、ルシア、ヴェルグリンドと出会い、戦闘の最中で「ギィ」という名前とその由来から、「それは名前じゃない」として、真紅色の髪にちなんでルドラから「ギィ・クリムゾン」の名を改めて与えられた。それ以降も何度もルドラからの挑戦を受け、その技量を磨いていったことでルドラとの実力差が開きかけてきたが、いつしか決着をつけることを敬遠し、引き分けることを望むようになり、人間らしいルドラを気に入り親友と認めていった。ルドラとの交流でルドラが自分のもとに来たのがヴェルダナーヴァの差し金であることを察し、さらにヴェルダナーヴァがルシアと結ばれたことで子供をもうけたこと、その結果、普通の人間ほどの力しかなくなったことを知らされ唖然とした。ルドラを認める一方でルドラのすべての人間が幸せに暮らせる統一国家を作るという野望にはルドラならばと一抹の希望を抱きながらも失敗に終わるだろうと冷徹に計算しており、しかし親友となったルドラを想うゆえに止めることもできず、親友への優しさと悪魔としての律義さゆえに悲劇のなかですり減っていくルドラを見届けながらも自分自身で動くことはなく、最後に魔王としても異端の存在であるリムルに希望を託すも、親友の死を感じ取り表には出さなかったものの、悲しみから涙を流した。
●“魔王”になると決意した際に心の形が具現化して大罪系ユニークスキル『傲慢者(プライド)』を獲得、さらにヴェルザードとの戦いを経て究極能力『傲慢之王(ルシファー)』に覚醒する。「時間の止まった世界」の中で動くことができ、その実力は“竜種”や“勇者”でも脅威とはならないほどで、かつては暴れ回るヴェルドラを殺害したこともあり、未来のある時間軸では時間に干渉するユニークスキルを持つ勇者クロノアを始末している。
●冷酷かつ残虐な魔王として周知されているが、意外に良識も持ち合わせており、実力を認めた者には寛大な対応を見せる。かつて自身と引き分け認めた原初の黒、ディアブロが魔王リムルの配下に就いたことでリムルに興味を抱く。グランベルのルベリオス襲撃においてディアブロと再会するも、マイペースかつ世界情勢などまったく考慮していない奔放すぎる振る舞いに頭を痛めてたり、隙あらば主であるリムルを自慢しだす有様に「もう病気」と呆れかえっていた。そして自身と同じ“原初”を4人も従え、名を与えたリムルの異常性を感じ取り、グランベルとの闘いの後、リムル、ルミナス、レオン、クロエの会談に途中で強引に参加し、自身の計画を崩したリムルや監視要員として送りながら全く役に立っていないディーノを厳しく追及した。その際ディアブロの語るリムルの理想に理解を示し、西側諸国の運用をリムルに任せることを認めた。また、そこでディーノが働いていることをラミリスから聞かされ驚愕し、思わずリムルに何をしたのか原因を問いただした。
●帝国の皇帝ルドラを好敵手と認め、理想を語る彼に現実を教えようと、お互いに直接戦わず手駒だけで相手に勝つという“ゲーム”を2000年以上に渡って続けている。魔王同士の争いを容認してきたのも、駒として使える真なる魔王を増やすためだった。自分が保ってきた世界のパワーバランスを崩したリムルに帝国と戦うよう要請し、また配下2人の覚醒進化を依頼した。
●種族:悪魔族 / 上位魔将 ⇒ 悪魔公 ⇒ 悪魔王
●ギィ配下の暗紅色のメイド服を着た緑髪の美女。“原初”の一柱「原初の緑(ヴェール)」。ギィが受肉した際に雑用を任せるためにレインと共に召喚された。自身を神として信奉する「緑の使徒(ヴェルト)」たちのような人間を利用して人間社会の監視と情報収集を行っている。魔王達の宴ではギィの命によりラミリスとリムルを迎えに現れた。
●グランベルのルベリオス襲撃に合わせてギィの命により緑の使徒を利用し西方評議会に侵入し、議員たちの殺戮により西側諸国に魔王の恐怖を植え付けようとした。だが、魔国連邦の外交武官として出席していたテスタロッサに阻まれ、同格相手との戦いを避けて撤退を選ぶ。
●魔国連邦と帝国の一度目の戦争後、ディアブロによって呼び出されたギィとヴェルザードにメイドとして付き添う形で初めて魔国連邦を訪れた。そこで提供されたケーキをギィが気に入ったため、レインと共にシュナからレシピの提供を受け、リムルに感謝の意を示した。魔国連邦のメイドを務めるゴブリナのハルナのメイドとしての熟練度にも感心しており、ギィからの依頼を受けたリムルによって覚醒を果たした。
●名前の由来は「苦痛に歪む人間の表情」。
●種族:悪魔族 / 上位魔将 ⇒ 悪魔公 ⇒ 悪魔王
●ギィ配下の暗紅色のメイド服を着た青髪の美女。“原初”の一柱「原初の青(ブルー)」。ギィが受肉した際に雑用を任せるためにミザリーと共に召喚された。法と秩序を重んじ、表情を変えることがない。かつてギィと引き分け、実力を認められたにも関わらず、さらなる強さを求めず悪魔の願望である受肉による地上への現界すらも笑い飛ばして自由に振る舞うディアブロに嫉妬していた。魔王達の宴では進行役として議題の内容を説明した。
●事前に自分の身体を分割しておくことで、どちらの部位からでも再生可能となる能力『偏在(ミスト)』を有する。ただし、『並列存在』とは違って意思はどちらか片方にしか宿らない事から、保険的な意味合いが強い。
●グランベルのルベリオス襲撃に合わせて自らもギィと共にルベリオスに出向。ディアブロを誘い出して戦うも、悪魔にとっても危険な〈神聖魔法〉を使われてあえなく敗北してしまう。ディアブロに対して悪魔公になったばかりということで侮っていたが、ディアブロからは逆にその固定観念に捕らわれた思考を指摘され、進化前のテスタロッサより張り合いがないと一蹴される。ギィとディアブロの会話では終始空気として扱われており、途中ミザリーからの報告でテスタロッサ、ウルティマ、カレラの三人がリムルの配下に加わったことで、パワーバランスが完全に崩壊したことに青ざめる。
●魔国連邦と帝国の一度目の戦争後、ミザリーと共にギィのメイドとして魔国連邦を訪れる。因縁のディアブロを前にしてもメイドとして一切感情を出すことはなかったが、ギィが気に入ったケーキのレシピの提供を受けたときはミザリーと共にリムルに感謝したり、魔国連邦のメイドであるハルナの熟練度に感心したりしていた。ギィから依頼を受けたリムルによって覚醒を果たしたが、そこでギィが自分たちを連れ帰るという発言にミザリーと共に驚愕していた。
●名前の由来は「血の雨」。
=== 東の帝国 ===
●種族:人間
●東の帝国・ナスカ・ナムリウム・ウルメリア東方連合統一帝国の皇帝。灼熱竜ヴェルグリンドを元帥として長く覇道を共にしている。
●“星王竜“ヴェルダナーヴァの弟子であり、“始まりの勇者”だった存在。覚醒した勇者であり、究極の力を与えられている上に技術を極めているので、ギィと拮抗するほどに強かった。ただ、勝たなければ正義ではないと考えているので、戦い方はギィから苦言を呈されるほど汚い。
●貧困や不平等をなくして誰もが笑って暮らせる世界を作るという理想を持ち、師から”調停者“を任されていたギィに認めてもらおうと幾度となく戦いを挑んできた。妹と子を為して弱体化し寿命に縛られたヴェルダナーヴァを安心させたいと、互いに直接手は出さず配下を競わせるというゲームで”統一国家の樹立“を目指すが、敵国のテロでヴァルダナーヴァとルシアを殺害された事で最大の目的を失い、以降も度重なる苦難と人の醜さを突きつけられていく。人の身で“竜種”を超えるほどの強大過ぎる力『正義之王』を継承するための転生を行うたびに魂が磨耗していくという代償を抱えており、転生を繰り返すごとに聖なる力は摩耗して”勇者“の資格を失い、理想を求める執念から”聖人“ではあり続けたが、心が限界に達して当初の理念は失われ、ギィに勝利する為ならどんな手段も厭わない冷酷で残酷な人物へ変貌してしまう。身近な者に暴走の兆しが出たなら自分を殺すよう頼んでいた。
●魔王ギイとは2000年以上も世界の覇権をかけて争ってきた好敵手であり、世界をチップに人と魔物を駒にしたゲームを長きに亘り続けるために、何世代にも渡り、自我と記憶を自らの子に継承させてきた。基本戦術として、臣民が納得できる理由を作りつつ、軍を鍛え上げてから脅威に晒し、生き残りから進化する者を見出し、100万の犠牲が出ようと1人でも覚醒した手駒が集まれば釣り合うと考えて、非道とも取れる手段を取っている。
●裏切りを防ぐために近衛騎士団は団長と副団長以外は互いに正体を知らず、序列6位未満の者は皇帝の顔も見たことがない。
●実は既に“神智核”ミカエルに乗っ取られた状態で、上記の非情な戦略はミカエルの影響による変化であった。ミカエルに害されたヴェルグリンドの『別身体』を庇ってわずかに残っていた“魂”の欠片が肉体から飛び出し、彼女と共にフェルドウェイによって異空間へ飛ばされてしまう。その後、『火神之王』を得たヴェルグリンドと合流して旅を続けた後、ある世界で自身の転生体であるマサユキと融合、そのまま元の世界へ転移する。
●ルドラが所有している『支配』に特化した天使系究極能力『正義之王(ミカエル)』が、自我を持つ“神智核”へ進化した存在。
●本来はヴェルダナーヴァが所有していた究極能力だが、支配の力を嫌った彼がルドラの『誓約之王』と交換していた。“竜種”を含め意思ある者全てを支配する“王権発動(レガリアドミニオン)”という権能を持ち、支配している対象の能力を自在に操れる。加えて、ヴェルダナーヴァが生み出した天使系の究極能力に対し絶対支配を行う権能“天使長の支配(アルティメットドミニオン)”がある。また、発動中は一切他の行動が出来なくなるものの、臣民や配下の忠誠心をエネルギー源に破壊不可能な常時発動型の防御結界を展開する“王宮城塞(キャッスルガード)”という能力もある。さらに、“聖人”へと至った人間に究極付与(アルティメットエンチャント)『代行権利(オルタナティブ)』を与える能力を持ち、限定的とはいえ究極能力の所有者を量産できる。ただ、制限として劣化した限定的な権能しか貸与できず、エネルギー消費が激しいので最低でも“仙人”に覚醒していないと受け皿になれない。制御が難しいものの、全てを滅ぼす天使軍団を召喚できるという『天使之軍勢(ハルマゲドン)』という切り札も存在する。
●その目的は自分の本来の主人であった“星王竜”ヴェルダナーヴァの完全復活。1000年以上も前から自我を有し、目的の為に行動しており、接触したフェルドウェイから戯れに呼び名を与えられた事で、確固たる意思が芽生えた。転生で“魂”が磨耗したルドラの肉体を乗っ取り、“天使長の支配”でヴェルグリンド達をも支配していた。カレラの攻撃から自らを庇わせたヴェルグリンドの前で本性を現し、『奪命掌』で彼女の力を奪った後、フェルドウェイを連れ帝国から拠点を移す。
●種族:人間
●帝国でもほとんど知られていない情報局を束ねる日本出身の“異世界人”。帝国情報局局長にして、帝国皇帝近衛騎士団(インペリアルガーディアン)の団長。“ひとけた数字(ダブルオーナンバー)”序列1位。皇帝に心の底からの忠誠を誓い、帝国にて全ての情報を握る“情報に巣食う怪人”と呼ばれ、帝国の闇として恐れられている。
●元の世界では旧帝国海軍の軍人で、70年前に特別攻撃作戦に参加し、死の間際に世界を渡り、帝国の秘密庭園で寛ぐ皇帝ルドラと出会い、その縁と実力で現在の地位に至る。ただ、かつての戦友のために当時の中尉という階級にこだわり、昇進していない。
●荒木白夜の弟が伝えた“朧心命流”の達人で、軍刀と南部式大型自動拳銃を武器とし、“戦い”を司る天使系究極能力『断罪之王(サンダルフォン)』に自力で覚醒している。権能の効果は防御結界を壊す“破界弾(リムーブ)”、魔法効果を打ち消す“解呪弾(ディスペル)”、魔力回路を破壊する“呪壊弾(ネクロシス)”、高密度の魔力弾“消滅弾(イレイザー)”の4つからなり、さらに1日1回しか使えない切り札に全ての効果を併せ持つ“神滅弾(ジャッジメント)”がある。接触した対象の思念思考を読み取るユニークスキル『解読者(ヨミトクモノ)』も所有し、『断罪之王』と連動させる事でユニークを遥かに超える性能となっている。また、ルドラの『代行権利』により、撃った他者を操る“支配の呪弾(ドミニオンブレット)”を使用可能。
●“原初”であるカレラをして「人間とは思えないくらい強い」と評する程の実力者。その実力からユウキからも帝国で警戒すべき人物として挙げられ、近藤もユウキがクーデターを企てていることを見抜き、警戒している。暗殺したミーシャから情報を奪ってクーデターを阻止し、カザリを支配下に置く。ドワルゴン制圧作戦では剣術でハクロウを退け、“呪壊弾”でガゼルを無力化し、ヴェルグリンドと戦うヴェルドラに隙を作る。八門堅陣ではカレラとアゲーラのコンビを圧倒し死を覚悟させたが、彼女が究極能力に目覚めたことで逆転され敗北。ダムラダと同じくルドラから理想を見失った時は殺して欲しいと頼まれており、最期に自らの魂を報酬に自分の銃でルドラを殺すようカレラに頼んで絶命、心核は解脱していった。
●種族:元人間
●東の帝国に拠点を持つ犯罪組織“三巨頭(ケルベロス)”を取り仕切る頭領のひとりで、「“金”のダムラダ」の異名を持つ。ジュラの大森林に接する西側諸国周辺で暗躍している東の武器商人を装っている。狡猾で、配下の事を信じず、石橋を叩いて渡るような慎重な性格。
●中庸道化連、魔王レオン、ファルムス王国、シルトロッゾ王国にまで情報をばら撒いてさまざまな謀略に関わっている。ヒナタにシズを殺したのがリムルだと吹き込んだ張本人でもあり、狡猾なユウキでも利用しきれないリムルに対して最大級の警戒心を抱いている。
●その正体は帝国皇帝近衛騎士団の副団長を務める序列2位の人物にして2000年以上生きる“聖人”であり、近藤が現れる前は団長を、元ナスカ王国では宰相を務めていたルドラの親友。純粋に対人、対個体相手に技量を磨いており、千差万別の応用力を持つ“拳聖”。『代行権利』によって、如何なる精神攻撃をも無効化する絶対的心理防御壁と、あらゆる防御を貫く絶対的物理破壊という相反する力を与えられている。
●帝国を裏切り、テンペストに寝返ったガドラを近藤と共に始末しようしており、その情報をガドラから受けたユウキによって皇帝側のスパイであることが疑われ、事実としてダムラダが手配した勇者マサユキの仲間、バーニィとジウは皇帝近衛騎士の“ひとけた数字”だった。
●記憶を封じられながらも、正気が残っていた頃にルドラから与えられた「自分を殺せる者を探す」という勅命に従っており、ユウキに協力していたのもそのためだった。また、バーニィとジウには皇帝と瓜二つの容姿を持つマサユキを守るよう命じていた。最期は八門堅陣でウルティマと激突し、壮絶な格闘戦の末に致命傷を負い、自分の技と魂を代価にルドラを弑しマサユキを守るようウルティマに頼み絶命、解脱していった。
●四騎士と呼ばれる、“ひとけた数字”序列3位から6位までの聖人。
●四騎士の長を任される序列3位のグラニートは、帝国の礎を築き1000年の平和を実現せしめた立役者。2000歳を超える長齢の、歴史書にも記される“軍神”であり、あらゆる武器や格闘術を使いこなす戦闘士(ウォーリア)。『代行権利』で究極能力以外の相手の戦闘能力を見極める『敵状看破』を与えられている。八門堅陣では対峙したベニマルを自軍に勧誘するが拒絶され、格下と侮って長話したのが仇となり、突然究極能力『陽炎之王』に覚醒した彼に倒された。
●序列4位のガードナーは、“聖人”になったばかりの頃にヴェルグリンドの『別身体』に惨敗した事で、『代行権利』で『並列存在』を習得した。八門堅陣ではソウエイに手玉に取られ、捨て身の攻撃に打って出たが、究極贈与『月影之王』を得た彼に敗北。
●序列5位のガルシアは、『代行権利』により敵を倒すという意思を己の力へと還元する事で、敵を罵るだけで肉体が強化される権能『討伐制覇』を所有する。八門堅陣では、アゲーラ、エスプリ、ゾンダを迎え撃つが、能力発動のためにリムル達を嘲った事で全員の逆鱗に触れて微塵切りにされ、死後もウルティマの“呪怨狂滅罪”で1000年の苦しみを魂へ与えられることになる。
●序列6位のミナザは蟲型魔人の女性で、生み出した上位魔人以上の力を持つ蟲型魔人達の死骸を喰らうことで何度も再生させるユニークスキル『貪食再誕(ワキデルモノドモ)』を持ち、さらに『代行権利』によって再誕時間を短縮している。八門堅陣ではシオンと戦い、速さと数で苦戦させたが、戦闘中に闘霊鬼に進化し究極の意志力を得た彼女に敗れた。
●種族:人間(聖人)
●マサユキの仲間になった男女。バーニィはアメリカ出身の“異世界人”でイングラシア学院を卒業した魔法使い、ジウは回復魔法も使える〈精霊魔法〉の使い手。
●その正体は帝国皇帝近衛騎士団の“ひとけた数字”であり、ルドラから究極能力を貸与されていた“聖人”。バーニィは序列7位で45歳、ジウは序列9位。『代行権利』で魔法やユニークスキルに対する絶対優位と自己の権能の完全隠蔽を与えられている。団長からマサユキを利用してリムルに接近するよう命令を受けていたが、一方で副団長のダムラダにはマサユキを守るよう命令されていた。帝国軍による迷宮侵攻が失敗した直後に本性を現しリムルを暗殺しようとしたが、『絶対切断』を借りたベニマルとクロエによって退けられる。隠し持っていた復活の腕輪で迷宮から脱出したものの、ミーシャの護衛として撤退中、ディアブロに発見されて殺害される。
●以降は捕虜として力を失った状態で蘇生される。マサユキに対して悪意を抱いていた訳ではなく、彼がフェルドウェイらに暗殺されそうになった際には身を呈して守ろうとし、これをきっかけに和解を果たした。
●“ひとけた数字”序列8位。800年前にダムラダに抜擢されて近衛騎士になった“聖人”。
●目にした人物とまるまる同じに擬態できる潜入に特化したユニークスキル『変装者(ナジムモノ)』を持ち、ルドラの『代行権利』を上乗せすることで、究極能力の再現こそできないが模倣精度を高められる。『変装者』でも模倣しきれない強さを持つ近藤に心酔し、中尉という地位にこだわる彼にならって少尉の地位に留まっている。
●平凡な情報局員としてドワルゴンの攻撃部隊に紛れ込み、近藤に化けてガビルを技量の差で降し重傷を負わせるが、駆けつけたヴェイロンに妨害されて止めをさせずに終わる。八門堅陣でヴェイロンと再戦し、当初は圧倒したが、究極贈与『真贋作家』を得て全盛期の荒木白夜に変身した彼に敗れる。
●種族:人間
●近衛騎士団の団員。序列はそれぞれ11位、38位、64位。中でもデイビスは“ひとけた数字”を補助する立場の“仙人”級に至った実力者で、“紅に染まる湖畔事変”を解決した立役者だった。しかし、かつて倒したはずの「原初の白」が受肉し名を得て進化したことで絶望的な力量差が生じており、一矢報いることもできぬまま全滅した。
●種族:人間
●近衛騎士団の団員。序列はそれぞれ17位、35位、94位。
●迷宮侵攻では、バザンが死霊竜を止めている間に、剣士のクリシュナがアルベルトを倒し、魔法使いのレイハと共にアダルマンを撃破した。しかし、ミニッツと合流して挑んだゼギオンに瞬殺される。クリシュナだけは復活の腕輪で脱出に成功しカリギュリオに作戦失敗を伝えたものの、ディアブロに殺害される。
●種族:人間
●帝国機甲軍団の軍団長を務める隻眼の大将。下級貴族出身。策と必勝にこだわり冒険しない軍人らしい性格だが、一方で理由さえあれば損失を厭わない強欲さを持つ。
●ヴェルドラの打倒を目指し94万の大軍勢を率いて魔国連邦とドワルゴンへの侵攻を行い、主力の『機甲改造兵団』70万名による迷宮攻撃を指揮するが、敵戦力を見誤り3名を残して部下は全滅。その絶望から“聖人”へと覚醒し、神話級装備から真の主人だと認められて精神生命体をも殺し得る力を得たが、目覚めたばかりの力を使いこなすことができず、究極能力も持たなかったため、ディアブロの本気も引き出せないまま殺された。
●その後は遺体が無事だった70万程の配下とともに“擬似魂”を用いて蘇生され、自分達の力で食い扶持を稼ぐため魔国連邦で労働することになる。蘇生後にEPは1万少しまで減少したが、空っぽの身体に魔素を溜め込む事で、悪魔公並みの40万まで存在値が跳ね上がるという命に関わる禁じ手を編み出している。
●迷宮で出会ったマサユキには、皇帝ルドラと同じ顔をしているということから敬意を持って接している。“始原”により迷宮が攻撃された際には、ミニッツやルベリオスから出向している超克者と共にヴェノムに助力してコルヌからマサユキを守るべく戦う。既に彼を皇帝として認めるようになっていたが、ヴェルグリンドがマサユキのもとに『時空跳躍』してきた際に、マサユキがルドラの転生体であることを知らされ、魔国連邦とドワルゴンとの会談でマサユキを新たな皇帝として仰ぎ、帝国の再興に尽力することを表明した。
●種族:人間
●カリギュリオの腹心を務める少将。優雅たることを美学としているが、戦いと血を見るのが大好き。ユニークスキル『圧制者(オゴルモノ)』により、視界の全てに心理的な圧迫から引力操作による物理的な圧縮まで多様な効果を及ぼす。
●迷宮侵攻作戦では精鋭の指揮官として内部に突入、部下と分断されながらも魔蟲の群れを殲滅してアピトを相打ちに近い形で倒し、クリシュナ達と合流するが、ゼギオンに瞬殺された。魔国連邦の捕虜として蘇生された後、EPは1万少しまで減少したが、一度は失った『圧制者』を再び習得している。
●マサユキが皇帝の転生体と判明した後は、彼を即位させる為に貴族達への根回しを担当する。
●種族:人間
●ガスター中将は20万名の『魔導戦車師団』を率いるカリギュリオの腹心。音を司るユニークスキル『演奏者(カナデルモノ)』を持ち、音で相手の動きを察知し音波砲による攻撃が可能。2000台の魔導戦車を指揮してドワルゴンを攻め、ゴブタが率いる第一軍団と激突、ランガと『同一化』した彼の力で部隊は壊滅。自身はテスタロッサの相手を近衛騎士団に任せて撤退を図ったが、本気を出した彼女に瞬殺された。
●ファラガ少将は4万の兵士と100隻の飛行船で構成される『空戦飛行師団』を率いる。ガドラの弟子で、優秀な魔導師でもある。戦争では“飛竜衆”と交戦し、他の龍人族より10倍以上強力なガビルをヴェルドラと勘違いした。その最中に艦橋に乗り込んできたウルティマに部下を全滅させられ、自身は核撃魔法:破滅の炎(ニュークリアフレイム)を浴びて戦艦もろとも蒸発した。
●カンザス大佐は20年前の“妖魔郷殲滅作戦”を成功させた英雄で、ミニッツの直属の部下の叩き上げの軍人。クマラにとっては故郷を滅ぼし自分をクレイマンに売り飛ばした仇。殺した相手と同等の力を持つ“闇”を呼び出すユニークスキル『略奪者(ウバウモノ)』を持つが、一番大きな力しか利用できず、死体がベースなので倒されれば二度と召喚できないという制限がある。迷宮侵攻では単独でクマラの元へ転移させられ、彼女の母である先代九頭獣を使役して戦闘経験の少ない尾獣を圧倒したが、クマラ本体には敵わず切り刻まれて死亡。恐怖で心が壊れたため、“擬似魂”では蘇生できなかった。
●種族:人間 ⇒ 人造人間
●『機甲軍団』の少将。戦争では飛行船300隻を指揮して友軍である『魔獣軍団』3万名の輸送を担当する。当初は大陸中央まで送り届ける予定であったが、突如ドワルゴン制圧作戦に参加する事が決定しヴェルグリンドによってドワルゴンへ転移させられる。皇帝旗艦における戦闘でテスタロッサの“死の祝福”による魔死光線を浴びて肉体ごと消滅するが、カリギュリオからの助命嘆願で“魂”だけを回収され、これを宿した“擬似魂”を人造人間の肉体に定着させる事で蘇生された。
●種族:獣人族
●3万名の『魔獣軍団』を率いる帝国軍の大将。白虎を宿すカリオンの腹違いの兄。自分勝手過ぎて父である前王に王位継承権を剥奪され、逆恨みで下克上を企て前王を弑逆するが、弟と当時の三獣士の手でユーラザニアを追放された。
●魔獣軍団の構成員は様々な魔獣の特徴を統合して生み出された「人造合成獣(バトルキマイラ)」という人造生命体を従え、『獣身化』をベースに開発された特殊投与能力(メディカルスキル)『獣魔合身(ザ・ビースト)』の投与で人魔一体となる。ただし、現状での成功率は1割と非常に危険な技術である。
●イングラシア王国北部へ向け出撃していたが、計画変更でヴェルグリンドの『空間連結』によって全軍でドワルゴンに転移。ガゼルを狙い救援に現れたカリオンと交戦し、配下を『獣魔合身』させて戦局を有利にしようとするが、図らずも副作用で死亡した配下達から大量の“魂”を得たために魔王への進化が始まってしまい、耐えがたい眠気に襲われた隙をつかれて弟に倒される。
●三将と呼ばれるグラディムの忠実な部下。
●“朱雀”のナジムはフレイの双子の姉妹。有翼族の変異種で、3対の翼を持ち、生殖能力を失う代わりに突出した戦闘力を有する魔王種。生まれてすぐに母親だった先代女王に追放された事を恨んでいたが、実は女王としての能力を持たずに生まれた娘に群れとは関係なく幸せになって欲しいという母の願いによる行動だった。ドワルゴン制圧作戦では救援に現れたフレイと戦うが、女王として有翼族の攻撃を無効化する彼女に敗れ死亡した。
●“青龍”バラガは、グラディムが倒した上位龍族の水撃竜(ウォータードラゴン)を模した人造合成獣を従え、近衛騎士の中堅クラスの実力を持つ壮年。『獣魔合身』の完全適合者となった魔獣騎士(キマイラナイト)で、水撃竜と合体することで龍人族に似た姿に変身する。作戦中にグラディムとナジムが殺されたことで激昂、仲間を吸収し人為的に覚醒魔王級の力を得たが、究極贈与『心理之王』に目覚めたガビルに回復能力を奪われて死亡した。
●“玄武”ゴウザリンは岩妖精(ローレライ)を従える異民族の巫女で、多様な魔術を得意とする。『獣魔合身』によって聖人に準ずる力を得て、『金属操作』で身体構造を魔鋼成分に置き換える事が可能。一度はガドラを自爆にまで追い詰めたが、金属性悪魔族に転生した彼に敗れた。
●種族:人間
●それぞれ“三巨頭(ケルベロス)”の頭領のひとりで、「“女”のミーシャ」、「“力”のヴェガ」の異名を持つ。
●ミーシャは“女”としての魅力を存分に駆使して男を籠絡するのが得意で、ヴェガやダムラダには劣るが戦闘能力にも秀でる。カリギュリオの籠絡を任され、帝国機甲軍団の魔国連邦侵攻に同行して戦況を監視、ユウキとリムルが停戦中ということもあって助命され帰国するが、クーデターの準備中に近藤に暗殺された。
●ヴェガは魔物の因子を取り込み過ぎて魔人と化した“魔法審問官”の父が強姦した母から、妊娠3日で生まれ落ち、人間を含む様々なものを喰って十数年生きてきた。シズの協力を受けたユウキに捕獲され、ダムラダを通じて帝国で教育されてきた。類まれなる戦闘センスと強靭な肉体を持ち、ユニークスキル『悪喰者(イヤシイモノ)』で魔獣軍団の死体を捕食した事で覚醒魔王を凌ぐ程に強化されている。
●“勇者”ルドラ・ナスカの妹。桜金色の髪の少女で、強力な破魔の魔法を使える。後にヴェルダナーヴァと結婚してミリムを身篭るが、敵国のテロで夫と共に命を落とす。
=== 始原の七天使 ===
●種族:天使族(エンジェル) / 熾天使(セラフィム)⇒ 妖天(ようてん)
●妖魔族を統べる妖魔王と呼ばれる異界の存在。帝国皇帝近衛騎士団序列10位の人物で、帝国に常在し、万が一にも“ひとけた数字”に欠員が出た際は、スペアとしての役割を期待される人物でもある。
●かつては“始原の七天使”と呼ばれた天使族の最上位個体の筆頭であり、“光”の大聖霊からヴェルダナーヴァに創造され、名を与えられて意思を獲得し忠誠を誓う。人類の脅威を取り除く為に様々な悪鬼羅刹を討伐してきたが、異界に封じられたイヴァラージェの監視を命じられる。だが、イヴァラージェの魔素を長い年月に渡って浴び続けた事で“妖天”へと変質し、消失したヴェルダナーヴァが数百経過しても復活しなかった事で自分達が見捨てられたと推測するようになり、地上の全人類を憎悪し滅ぼそうと考え、人類の敵対者たる“魔族”となった。黒の王(ノワール)や蟲魔族の妨害で元の世界への帰還が叶わずにいた頃、1000年以上も前に『正義之王』から接触を受け、自らの名付けで意思を得たミカエルと対等の協力関係を結ぶ。また、現在は『並列存在』を使ったミカエルの器になっているので、『正義之王』の権能の一部を使用できる。
●帝国最高戦力が魔国連邦幹部と戦っている間に、“始原”達を引き連れて迷宮の破壊とマサユキの暗殺を行おうとした。“天使長の支配”により天使系究極能力を持つ勇者クロノアを支配して暗殺を任せ、ミカエルによって致命傷を負わされたヴェルグリンドの『別身体』を“時空転送”で異界へ追放する。しかし、その直後へと『時空跳躍』したヴェルグリンドによってマサユキ暗殺は阻止され、ラミリスの排除を命じていたディーノもゼギオンに敗れた為、計画は完遂できなかった。
●種族:天使族 / 熾天使 ⇒ 妖天
●妖魔族を統べる“三妖帥”の1人であり、フェルドウェイ配下筆頭。かつて“始原の七天使”と呼ばれた元熾天使であり、フェルドウェイと共に異界の管理を行う過程で妖天へ変質した。EPは300万以上で、ゼギオン同様「空間歪曲防御領域(ディストーションフィールド)」を使う事が出来る。
●マサユキ暗殺の為に迷宮に侵入し、囮としてトレイニー、カリス、竜王達を相手に時間稼ぎを行うが、コルヌとディーノが作戦に失敗した為、負け惜しみを言いながら撤退する事になる。
●種族:天使族 / 熾天使 ⇒ 妖天
●妖魔族を統べる“三妖帥”の1人。かつて“始原の七天使”と呼ばれた元熾天使であり、フェルドウェイと共に異界の管理を行う過程で妖天へ変質した。獰猛な肉食獣のような眼光と、精悍な肉体美を持つ。EPは生身で180万、神話級の武具で完全武装すれば280万に達する。
●数十年前に行われた異世界侵略の際に、あと一歩のところでヴェルグリンドの業火によって自らは快癒するまで数十年かかるほどの大怪我を負った挙句、自身の軍勢を焼き尽くされてしまった為、現在は部下一人持たない身となっている。
●失敗すればフェルドウェイに粛清されかねないという焦りを抱えたままマサユキ暗殺の為に迷宮侵攻を行う。だが、帝国軍の捕虜や超克者の思いがけない抵抗により時間を稼がれ、マサユキには究極能力に覚醒された上、『時空跳躍』の権能で地上に帰還したヴェルグリンドの『時空連続攻撃』により異界にあった本体ごと消滅した。
●種族:天使族 / 熾天使 ⇒ 妖天
●妖魔族を統べる“三妖帥”の1人。かつて“始原の七天使”と呼ばれた元熾天使であり、フェルドウェイと共に異界の管理を行う過程で妖天へ変質した。
●ザラリオ、コルヌが迷宮へ侵攻するなか、異界の奥地にある"妖異宮"の守りに残っていた。
●種族:天使族 / 熾天使 ⇒ 堕天族(フォールン)
●“眠る支配者(スリーピング・ルーラー)”の異名を持つ、第2世代の古き魔王の一人。少年のような風貌で、2本の剣を腰に差している。働かない事に美学を持つ怠け者で、ワルプルギスに出席した際は挨拶もそこそこに寝てしまいリムルを驚かせた。
●ラミリスとは砕けた会話を行う間柄。
●実はかつての“始原の七天使”の1柱であり、地上に残り“監視者”としてヴェルダナーヴァの手足となって働いていたが、ある出来事がきっかけで堕落し堕天族になった。EPは200万に達するが、普段は40万に偽装しており、神話級である肉厚幅広の片刃大剣“崩牙(ホウガ)”を装備する事で、合計存在値は300万になる。
●『魔王達の宴』の時点ではダグリュールの元に居候していたが、後に追い出されてギィの勧めで魔国連邦へと移住する。数百年前から自分で金を稼いだことも、自分の金で飲み食いしたこともなかったが、魔国連邦の美食に魅了されてあっさり信念を曲げ、リムルに「働かざる者食うべからず」と言われて止む無くラミリスの下で働くこととなった。
●ギィはリムルの監視要員として送りこんだつもりだったが、本人はまさか自分に仕事をさせようとしていたとは思っていなかったので観光気分でいた。目の前でリムルが原初3柱に平然と名を与えたことに驚いたものの、周囲の反応を見て文句を言うのを諦めた。
●魔国連邦の研究者たちには仲間意識を感じていたが、“天使長の支配”を使える元上司のフェルドウェイには逆らう事ができず、帝国最高戦力との戦争の最中にやむなく魔国連邦を裏切る。ヴェルドラが帝国に支配された直後に迷宮を破壊すべくラミリスを狙ったが、シンジに気付かれてしまい、格下であるはずのベレッタとアピトに時間を稼がれ、最終的にそれまでの戦いがゼギオンの“幻想世界”内部の出来事であった事で計画は失敗し、存在を“虚無”へと掻き消される。“復活の腕輪”で蘇生したものの、“夢の終わり”の刻印を刻まれて魔国連邦の者に殺意を抱けば心核が破壊される状態になっている。
●所有する大罪系ユニークスキル『怠惰者(スロウス)』は、普段動いていなければいないほどに力を増し、エネルギーの貯金が出来るという性質を持ち、発動するのに時間がかかるのが欠点だが、『睡眠』による究極能力保有者以外は抵抗できない目覚ぬ眠りに誘う非殺傷性広範囲無力化攻撃“怠惰なる眠り(フォールンヒュプノ)”などの、強力な精神系の権能を有する。また、『怠惰者』の認識阻害を応用した剣技“幻影流”を編み出している。さらにヴェルダナーヴァからは、自分の能力限定で望む形の効果が得られるよう進化させられる権能『創造進化(エボリューション)』を内包する天使系究極能力『至天之王(アスタルテ)』を与えられている。後に『怠惰者』は『創造進化』の力で究極能力『怠惰之王(ベルフェゴール)』へと進化し、知恵ある者、感情を有する者への絶対支配が可能となり、超強力な催眠術の一種で“滅び”へと自主的に導く“滅びへの誘惑(フォールンカタストロフィー)”、相手の無力化という意思を込めて放たれる精神系致死攻撃“死への催眠誘導(フォールンタナトス)”といった攻撃手段を持つ。本質は所有者が溜め込んだ力を仲間に貸し与える“配下や仲間への支援”であり、本来なら恐るべき力を発揮する権能だが、本人が動けば動くほど弱くなるという特性にディーノ自身が気付けていないので、ゼギオンには完敗してしまっている。
●種族:天使族 / 熾天使 ⇒ 堕天族
●大柄で筋肉質な女戦士。“始原の七天使”の1柱にしてディーノの部下で、普段は人間の国に潜入して暮らしている。武装は片手剣と円形盾で、力に関してはディーノよりも上。
●フェルドウェイに命じられてヴェルグリンドが迷宮に開けた穴の修復を妨害していたが、進化の眠りから目覚めたゲルドと戦いになり、ディーノが敗北しコルヌが死亡した事で撤退した。
●種族:天使族 / 熾天使 ⇒ 堕天族
●小柄な美少女。“始原の七天使”の1柱にしてディーノの部下で、普段は人間の国に潜入して暮らしている。槍を武器とし、『黒雷天破(ブラックサンダー)』という雷撃を使う。
●フェルドウェイに命じられてヴェルグリンドが迷宮に開けた穴の修復を妨害していたが、進化の眠りから目覚めたクマラと戦いになり、ディーノが敗北しコルヌが死亡した事で撤退した。
=== 異界の住人 ===
==== 幻獣族 ====
●種族:幻獣族(クリプテッド)
●“滅界竜(めっかいりゅう)”と呼ばれる幻獣族の王。どこで発生したのかも、どこからやってきたのかも不明な存在で、“竜種”に匹敵する力を持ちながらも知性がないせいで意思疎通すらままならず、本能のままに破壊行動を繰り広げる。世界に破滅をもたらす危険性を案じたフェルドウェイと激闘を激闘を演じた後、知性が芽生える可能性があると考えたヴェルダナーヴァにより異界に封じられ、自身から漏れ出た魔素より幻獣族が自然発生するようになった。
==== 蟲魔族 ====
●種族:蟲魔族(インセクター)
●“蟲魔王(むしまおう)”と呼ばれる蟲魔族の王。元は幻獣族から誕生した知性を持つ意思ある個体であり、ヴェルダナーヴァから名を与えられて、命じられるでもなく生まれながらの闘争本能から暴走した幻獣族の駆除を行うようになり、自らの手足となる蟲魔族を生み出し、いつしか派閥の一角を形成した。
●かつては妖魔族を率いるフェルドウェイと対立していたが、現在は世界の半分を支配地とするという条件でミカエルと協力関係を結んでいる。
=== その他 ===
●声 - 乃村健次
●種族:猪人族(ハイオーク) ⇒ 豚頭帝(オークロード)⇒ 豚頭魔王(オークディザスター)
●数百年に一度、ユニークスキル『飢餓者(ウエルモノ)』を保有して突発的に発生する豚頭族の特異個体。元々は猪人族の子供であったが、手駒となる魔王を欲していたクレイマンの策略により、ゲルミュッドから“名”を与えられて豚頭帝に進化する。
●この『飢餓者』は、肉体に刻まれ血族のみに宿り隔世遺伝する特殊な種族固有スキルであり、喰った魔物の力、身体的特性、スキルを確立で獲得出来、支配下にある者へ還元する『食物連鎖』、接触した全ての物質を腐らせる『腐食』に加え、周囲の有機物を喰い尽くしてエネルギーに変換して取り込む性質を味方に授けると共に、味方から恐怖の感情を喰う代わりに呪いのような果てなき飢餓感を与え、飢えれば飢えるほど戦闘能力が高まっていく。一方で人間からは奪えるものがないので、過去に出現したオークロードも全て人間に討伐されている。
●元は3つの魔王領に接する自治領オービックに住んでいたが、大飢饉によって魔王へ税を納められなくなり、ジュラの大森林で食を得るために武力蜂起して、ゲルミュッドを介したクレイマンの援助を受け20万もの大軍を率いて侵攻を開始、その過程で大鬼族の里などを滅ぼして喰らい、最終的に配下のオークはCランクまで強化された。蜥蜴人族王国での決戦にて、ゲルミュッドの願いを最短で叶えるべく養父を殺して喰らったことで、“魔王種”を得て豚頭魔王に至る。ゲルミュッドから得た回復魔法と『自己再生』により『超速再生』並みの再生力を得て、鬼人達を圧倒するほどの実力となったが、最期はリムルの『捕食者』の前に敗れ、彼が自分の罪まで背負ってくれたことに安堵しながら消滅した。
●古に大空を支配した伝説の魔物。魔王と違って知恵を持たず暴れるだけなので分類上は特A級の災厄級魔物(カラミティモンスター)だが、実質的な強さだけならSランクの魔王に匹敵するという。ヴェルドラから漏れ出た魔素溜まりから発生し、破壊を願う意志が魔素と結合して生まれた精神生命体で、数百年サイクルで死と再生を繰り返す。
●外見は全長50メートルを超える一つ目の竜。自我を有さず本能のままに生きる魔物であるが、『超速再生』による非常に高い回復能力を持つ上、エクストラスキル『重力操作』によって高高度を飛行する事が出来るので接近が難しく、『魔力妨害』で周囲半径300メートルでは魔素の動きが乱され魔法効果が低下する為、地上からの魔法攻撃も通じない。さらに攻撃手段として目から放つ怪光線や、数万以上の楯鱗を砲弾として発射する広範囲殲滅攻撃“暴風の乱鱗雨(テンペストスケイル)”を持ち、“暴風の乱鱗雨”はエクストラスキル『超速再生』の効果で最速3分で再発動が可能。加えて固有能力『魔物召喚(サモンモンスター)』で20メートルを超えるAランクの鮫型の魔物・空泳巨大鮫(メガロドン)を呼び出し、群れを形成して暴れ回る。
●勇者によってジュラの大森林に封印されていたが、“中庸道化連”の暗躍で復讐心に駆られたフォビオと『同一化』し復活、13匹召喚されたメガロドンは下位龍族の死骸に受肉しAランクになった。魔国連邦の総力と天翔騎士団による10時間を超える攻防でも倒しきれなかったが、参戦したミリムの“竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)”により素体となったフォビオだけを残して消滅、融合していた魔核は『変質者』で『分離』されて『暴食者』にて『隔離』され、後にイフリートのカリスの核として利用される。
●後にクレイマン軍によるユーラザニア攻撃の際、ヤムザを核に再復活を遂げようとしたが、駆けつけたベニマルの“黒炎獄”により焼滅した。
●種族:人間
●400年ほど昔、ジュラの大森林にあった大鬼族の集落に現れた“異世界人”の鎧武者の集団の一人。闘気によって魔を祓う至高の剣技である“朧心命流”開祖の兄。
●異世界へと転移して遭難しかけた所を大鬼族達に救われ、その恩返しとして“朧流”の戦闘技術を伝授した。 そして、大鬼族の女性との間に女児をもうけ、さらにその娘が産んだのが後のハクロウである。自然のままに生きることを良しとした変わり者で、“仙人”に至る事なく300年ほど前に死去。その後は記憶の殆どを失い、原初の黄の眷属の悪魔族に転生、それから300年後にリムルから「アゲーラ」という“名”を授かることになる。
●種族:悪魔族 / 上位魔将
●声 - 興津和幸
●アニメ1期24話に登場する、フィルトウッド王国で英雄とされる国家騎士を名乗っていた魔族。表向きは王城を守る騎士を演じ、フィルトウッド王国上層部を裏で支配していた。赤(=ギィ)の係累で自信過剰な性格。系統の頂点であるギィの伝説になぞらえて、後述のように自ら“名持ち”へと至ったことがより強い自尊心となっている。しかし絶対的な上下関係のある悪魔という種族のため上位者に対しては敬意を表す言葉遣いとなり、自身の系統の頂点であり、最強と名高いギィに対してはもちろん崇拝するような態度を見せ、当初格下と侮っていたクロが悪魔の王の一人である“原初”だと気づいた際には一転して上位者に対する言葉遣いとなった。
●人為的に英雄となった存在で、国民の声を力として自ら“名持ち”へと至り、有力な冒険者を食らっていた。だが、致命傷を負わされながら逃げ延びた「銀嶺の翼」という冒険者の片割れ(声 - 赤﨑千夏)に召喚された“原初の黒”が、彼女の魂と引き換えにフィルトウット王国に巣くう悪魔達の殲滅を請け負った事で運命が狂い始める。クロを自称する謎の悪魔を退けたシズを食らうべく王城の地下へ呼び出して戦いで消耗した彼女を追い詰めたが、下位悪魔たちの憑依した騎士(声 - 前田弘喜)たちや、魔族に寝返っていた国王(声 - 菊池康弘)や大臣(声 - 梅津秀行)を、再び現れたクロによって悉く殺害される。当初はクロが格上の“原初”である事を見抜けず、上位魔将であることを鼻にかけ彼を下賤な悪魔と侮ったが、手も足も出せず自らの王を"赤"と呼び捨てた振る舞いから彼の正体を悟り、“魂”もろとも滅ぼされて二度と復活できないように処理された。
== 魔王の一覧 ==
=== 八星魔王(オクタグラム) ===
物語開始時点では、“十大魔王”として10名の覚醒魔王や魔王種が君臨していた。だが、覚醒進化したリムルが『魔王達の宴』の場でクレイマンを殺害して魔王の位に就き、その際に魔王種のカリオンとフレイが退位、ルミナスが影武者をしていたロイと交代した事で現行の8名となる。元々十大魔王という名称は、魔王達が会議を重ねても名前を決められずにいる間に人間達が便宜的に決めたものをそのまま使っていただけだった。現在の8名になった時に原因を作ったリムルに命名権が委ねられ、満場一致で“八星魔王(オクタグラム)”の呼称が定められた。
●種族:巨人族(ジャイアント)
●大きな体を持つ巨人族で、第2世代の古き魔王の一人。“不毛の大地”と呼ばれる荒野を挟んでルベリオスと接する大陸最西部を支配領域としており、領土的野心を持っている。
●聖なる属性を身に纏うため魔王種は有していないが、“竜種”と互角の異常に膨大な魔素量を誇る。戦闘力も高く、ヴェルドラと何度も戦っているが未だに決着がついていない。戦闘力だけではなく冷静な判断力を持ち、物静かな人格者でもある。
●後に騒動を起こした3人の息子ダグラ、リューラ、デブラを修行のため首都リムルへと向かわせた。
== 竜種 ==
竜種は世界に4体しか確認されていない世界最上位、最強種で不老不滅の存在。不死ではないが、一度死ぬとどこかで別の人格を持った竜となり、蘇る。破壊されれば悪魔でも消滅を避けられない“心核”を壊されたとしても復活可能という理不尽なまでの不死性から、自然現象にも例えられる。最強の意思の力で単なる攻撃でも究極能力を打破出来る。竜の姿の肉体も仮の姿であり、実態は精神生命体であり、精霊の上位種で聖属性と魔属性の両方を併せ持つ聖魔霊の最上位に位置する存在。人の姿と竜形態(ドラゴンモード)を持ち、どちらも攻撃力自体はまったく同じだが、エネルギー効率と継戦能力なら人の姿、攻撃範囲と防御力なら巨体の竜形態が圧倒的に優れており、どちらかと言えば竜形態の方が強い。自由組合の評価では、4体とも特S級の天災級(カタストロフ)と分類される。
因みに竜族(ドラゴン)は“星王竜”ヴェルダナーヴァの劣化した因子を持って生まれた魔物で、“竜種”に姿は似ているが肉体を持つ物質生命体であり、本質は恐竜に近い。精霊竜が死んで竜の因子がばら撒かれたことで、下位龍族が魔素溜まりから生まれるようになった。地、水、火、風の竜王(ドラゴンロード)を頂点とし、火炎竜、氷雪竜、烈風竜、地砕竜の属性竜へと樹形図が描かれる。属性竜の強さに相性は関係なく、戦闘経験が重要になる。巣作りする習性があり、縄張りを自分好みの環境へ作り変えることができる。
●種族:竜種
●世界最上位、最強種である“竜種”の長兄にして、魔王ミリムの父。この世界の創造主たる最初の“竜種”であり、“星王竜”の異名を持つ。
●元々は完全無欠の“全なる一”であり、生まれた時には自身の意思しか存在しなかったが、そんな世界はつまらないと自ら“全知全能”を捨てる。自身の作業を手伝う天使族、大地の化身たる巨人族の狂王、星の管理者として妖精族の女王、地上に文明を築き繁栄させる為の吸血鬼族の神祖、そして、申し分のない繁殖力と、環境適応能力、個性豊かな自我と好奇心を備えた人類、といった数多の種族と世界を支える意思ある存在を生み出した。夢想主義者(ロマンチスト)だが完璧主義者でもあり、理想は理想として、実現不可能なものは割り切って考える冷静さを併せ持つ。
●その後、弟子の妹であるルシアと結婚してミリムを儲けるが、これによって殆ど人間と変わらない状態まで弱体化して”寿命“に縛られる存在になり、残された力をミリムのペット兼護衛である精霊竜へと転生させ、ドラゴンなどの「竜族」の始祖となる。本人はルシアと一緒に逝けると喜んでいたが、娘が生まれてまもなく敵国がナスカ王国内で起こしたテロに巻き込まれて妻と共に命を落とした。竜種は完全には滅びない存在のため、ヴェルダナーヴァもいずれ復活すると考えられているが、今のところはその兆候は確認されていない。
●支配に特化した天使系究極能力『正義之王(ミカエル)』の元の所持者であったが、その力を嫌ってルドラの究極能力『誓約之王(ウリエル)』と交換していた。
●種族:竜種
●ギィの居城に住む竜種で、“白氷竜”、“氷の女帝”などの異名を持つ。ヴェルドラ、ヴェルグリンドの姉。ギィ・クリムゾンの相棒。竜形態は深海色の瞳の美しい白い竜。人間態の顔立ちは姪のミリムに似て、艶のある白い髪と深い青の瞳を持つ。
●兄に認められたギィに嫉妬して戦いを挑み、戦いの中で自力で究極能力を進化させた彼と引き分けた事で兄が気に入った理由を悟り、自らもまた彼を気に入って共に歩む事を決めた。
●“運動エネルギーの停止”に特化した力の性質を持ち、完璧なまでに魔力放出を抑えることができ、絶対的停止“凍れる世界(エターナルワールド)”の鉄壁の防御はヴェルドラの能力の一切が通じない。
●ヴェルドラが暴れるたびにあきらかにやりすぎな規模で叩きのめしていたので、彼からは強い苦手意識を抱かれていたが、その暴力に悪意は一切なく、リムルに指摘されるまで避けられている事を認識していなかった。
●兄から天使系究極能力『忍耐之王(ガブリエル)』を与えられている。
●種族:竜種
●“灼熱竜”の異名を持つ。ヴェルドラの姉、ヴェルザードの妹。東の帝国にて代々総帥に指名されてきた皇帝ルドラの側近。巨大な深紅の竜形態と、蒼髪を特徴的なシニョンにした美女の姿を持つ。ルドラを愛し、帝国で“元帥”を務めると共に、“燃え盛る神山”に住まう守護竜として祀られるが、一般には両者が同一人物だとは知られていない。
●司る属性は火。力の性質は熱に由来する『加速』で、エネルギーを自在に操作し“支援”を本質とする天使系究極能力『救恤之王(ラグエル)』を持ち、完全に意識を分割した『別身体』を創造して魔力の分割なしで最大10体まで同時に存在させる権能『並列存在』や、破壊効果を増大させてエネルギーを暴走させる『加速破壊促進』、自身を中心とした広範囲空間への干渉が可能な『空間支配』などの権能を有する。“支援”と“加速”によって音速の数千倍という物理的最速行動が可能であり、音速の数十倍という速度で放たれる超高熱の収束熱線「灼熱吐息(バーニングブレス)」、自身の肉体を亜光速の流星弾へ変える事で変幻自在の追尾攻撃を行うだけでなく、直撃すれば相手を強制的に加速し情報すらエネルギーに換算して熱崩壊させる最強奥義「灼熱竜覇加速励起(カーディナルアクセラレーション)」、熱量を極大に増幅し数万度という灼熱の溶岩の牢獄に閉じ込める「灼熱の抱擁(バーニングエンブレイス)」などの技を持つ。ヴェルドラには劣るが、覚醒進化前の悪魔公カレラの10倍を超えるという規格外の魔素量を有しており、究極の核撃魔法“重力崩壊”を発動しても魔素消費は1パーセント未満で収まる。
●『別身体』によって複数の作戦を同時進行し、クーデターの鎮圧、悪魔3人娘の打倒、魔獣軍団の輸送、リムル達の拘束を成功させる。ルドラ、近藤と協力しヴェルドラを精神支配したが、これによってリムルの怒りを買い、シエルの演算能力の前に敗北し『虚数空間』に捕らえられる。その際、『正義之王』の“天使長の支配”の影響下にあることが判明した為、シエルの『能力改変』で『救恤之王』と譲渡された『誓約之王』を統合し究極能力『火神之王(クトゥグァ)』を獲得して支配から脱し、世界中に散ったルドラの“魂”を探知できるようになる。内包される権能は『思考加速』『灼熱励起』『並列存在』『時空間操作』『次元跳躍』『多次元結界』で、『次元跳躍』については本人はルドラの“魂”の欠片にしか跳べないものの、目印に向けて時間と空間を超越して放つ『時空連続攻撃』が可能であり、その攻撃は『並列存在』であっても逃れられず本体まで滅ぼせる。
●その後、フェルドウェイに送り込まれた異空間へ『時空跳躍』してルドラの魂の欠片と共にあった『別身体』と合流。それからはいくつもの世界と時代を超える長い旅を経験し、EPは元々の4982万9987から7435万0087へ大幅に上昇する。旅の果てに、ある世界で遂に発見したマサユキに欠片が融合して異世界に転移した事を確認し、自らも彼を追いかけて再び世界を渡り、フェルドウェイらによる襲撃の最中の迷宮に跳躍してマサユキを狙うコルヌを滅ぼした。そして、マサユキをルドラの“魂”を持つ者だと認定し、皇室典範に則り帝国の皇帝に即位させる。
●声 - 前野智昭
●種族:竜種
●“暴風竜”の異名を持つ“竜種”の末弟。リムルが最初にこの世界に出現したジュラの大森林の洞窟内で最初に言葉を交わした魔物であり、その際は300年前に戦った勇者クロノアによって『無限牢獄』に封印されていた。リムルの名を名付け、またリムルと苗字を交わしてこの世界で最初のリムルの友達となった。
●社会的には「邪竜」と恐れられているが、性格は単純で調子に乗りやすく、また無能ではないが思ったことを思ったまま口にしてしまうためトラブルメーカーとなってしまうことが少なくない。煽てに弱いので、リムルからは内心で「チョロゴンさん」と呼ばれている。また非常に好奇心が旺盛で物知り。リムルからは人間好きで寂しがりな所があると認識されている。人の話を全く聞かない悪癖があったが、リムルとの出会いを経てやや改善されている。
●存命の“竜種”では唯一死亡した経験を持ち、封印前は世界中を飛び回って大暴れした末にギィやヴェルザードに殺害され、復活を繰り返している。その事もあって、普段は強がっているものの姉2人に対しては強い苦手意識を持ち、頭が上がらない。
●竜形態では威厳のある巨大な漆黒のドラゴンの姿。性別的には雄であり、リムルの『強化分身』を依代として復活した際は、リムルの人間態を男性型に特化した感じの、金髪かつ褐色肌でがっしりとした体格の青年という姿になっている。生殖能力については、本人曰く「個にして完全なる者」であるため必要ないとしている。
●その好奇心に由来するのか、対象の情報を知るユニークスキル『究明者(シリタガリ)』を持つ。ただし、大賢者のように最初から知っているのではなく、知ろうとしなければ知ることができない力である。復活した際、リムルの覚醒進化に伴い解析系の究極能力『究明之王(ファウスト)』を獲得。これは『思考加速』『解析鑑定』『森羅万象』に加え、同格以下の相手に対して都合の良いように事象を操作する『確率操作』、敵の権能を即座に見抜いて適切に対応できる解析系最上位権限『真理之究明』の5つの権能を内包し、攻撃威力の上乗せではなく魔力制御や命中精度の補正に向いている。
●風・水・空間の3属性を支配し、暴風系魔法“死を呼ぶ風”・“黒き稲妻”・“破滅の嵐”、及び上記の究極能力の効果を上乗せした“黒き破滅の嵐(ルインテンペスト)”を操る。復活後は「ヴェルドラ流闘殺法」なる漫画知識由来の戦闘術や、口から放った「雷嵐咆哮(サンダーストーム)」で空間に干渉し、複数の干渉波を交差させて思わぬ破壊力を発揮する奥義「収束暴風攻撃(ストームブラスト)」を開発している。現存する“竜種”の中では最大の魔素量を誇り、EPは8812万6579というデタラメさ。復活前は膨大な妖気を垂れ流して大災害を招いていたが、リムルの中で得た漫画の知識を参考にして抑制が可能となる。ただ、ときどき魔素を発散開放しないと暴発してしまう危険性があり、実際迷宮で全力発散させた際には爆風で迷宮が歪みラミリスが身の危険を感じたほど。また、リムルの究極能力『暴風之王』の『暴風竜復元』により、彼が無事である限り完全な不死性も獲得している。なお、リムルが“名づけ”を行う際に消費される膨大な魔素はヴェルドラからも徴収されており、それによる最大魔素量の減少を危惧していたが、後に『大賢者』の計算によって最大魔素量の減少無く完全復活可能な程度に徴収される形となった。
●魔素の流出が止まらなければ、あと100年ほどで封印されたまま消滅するはずだったが、消滅を避ける為にリムルの『胃袋』に『無限牢獄』ごと収納され、約2年後に覚醒魔王になったリムルが『智慧之王』を獲た事で復活を遂げた。しばらくはリムルの家に入り浸り半ばニート化していたが、後にリムルがラミリスの協力により闘技場の地下に作り上げた100階層の迷宮の最奥でラスボスを任されると共に、本来の竜の姿で魔素を発散し続けても地上まで影響を及ぼさない居室を作ったことで気軽に過ごせるようになる。また、『胃袋』内で仲良くなった元イフリートのカリスを助手として、迷宮内の研究所でそれなりに忙しく働いている。
●リムルたちの街づくりを見て折角建設したものを破壊されて怒る気持ちをある程度理解を示すようになっており、2000年ほど前にルミナスの都・夜薔薇宮を破壊したことに関しては機会があれば謝るつもりでいた。しかし、書籍7-8巻では聖騎士団員の前でルミナスの正体をバラしてしまった上、まったく謝罪にならない発言で尚更怒らせてしまった。その為、ルミナスからは「クソトカゲ」と罵られることもしばしば。
●帝国との戦争では姉ヴェルグリンドから迷宮を守る為に出陣し、トラウマのある彼女に一矢報いるほどの成長を見せたものの、一瞬の油断を突かれて近藤の“神滅弾”に撃たれ、ルドラに強制支配されてしまう。咄嗟に“心核”を身体から切り離し、リムルにまで影響が及ばぬよう自ら“魂の回廊”を切断した状態で、操られたまま暴威を振るったが、駆けつけたリムルにより再度『捕食』されて支配から脱する。その際にシエルが『能力改変』を行い、『究明之王』は究極能力『混沌之王(ナイアルラトホテップ)』へと進化して、元々の『思考加速』『解析鑑定』『森羅万象』『確率操作』『真理之究明』に加え、『並列存在』『時空間操作』『多次元結界』の権能が追加されている。
●漫画版の巻末おまけ小説「ヴェルドラのスライム観察日記」では、その巻におけるヴェルドラ視点の感想を知ることができる。リムルの異空間に身を置いているがその魔力を駆使して多少感覚にアクセスできるようになっており、見聞きした情報を共有している(リムルは知らない)。『究明者』を持つ彼でさえ知らなかった自律型スキル『大賢者』によるサポートをリムルが意識的に行っていると思い込んでおり、若干過大評価中。リムルの常識を超えた行いの数々を観察することで、感心したりかつての行いを反省したりしている。また、暇つぶし相手として取り込まれたイフリートを自身のいる亜空間に誘い込んでおり、一緒にリムルの言動を観察したり、記憶の中にある書物(漫画などのサブカルや参考書など)や将棋といったゲームを嗜んでいる。その過程で、イフリートも賢くなっている様子(ヴェルドラに対する敬意の減少も見られるが)。
== 世界設定・用語 ==
この世界の物理法則は基本的にリムルの前世の世界である日本のある世界と共通しているが、魔素のない物質世界とは違い、魔素が満ち、魔物、魔法の存在など異なる部分も多く、精神生命体が顕現出来る「混沌世界」という極めて特殊な世界である。また、物質世界とは別に精霊、悪魔、天使といった精神生命体が住む精神世界が存在している。また、悪魔族が君臨する地獄の並行世界として、この世界を狙う侵略種族(アグレッサー)が住む冥界が別に存在し、そこでは半精神生命体である蟲魔族(インセクター)・幻獣族(クリプテッド)・妖魔族(ファントム)の三大種族が覇権を争う。
文明・技術レベルは中世ヨーロッパレベルながら、オーバーテクノロジーとしてこの世界で独自に発展してきた『精霊工学』の存在がある。
健全な実態に即した経済が回っており、国際金融資本は存在しない。貨幣の国家的な概算価値では銅貨が100円、銀貨が1万円、金貨が100万円、星金貨が1億円。都市部での価値観では大まかに銅貨が10円、銀貨が1000円、金貨が10万円、星金貨が1000万円。ただし、大都会では貨幣経済が主流であるが、農村部では銀貨以上の金銭を見た事がない人間もおり、物々交換も主流で行われている。都市部の労働者の平均賃金は月給で銀貨150枚(=15万円)なのに対し、農村部では年収が銀貨100枚未満(=10万円以下)という格差社会となっているが、娯楽が少なく金の使い道が制限されているので貨幣の必要性が薄く、格差はあっても暮らし向きにそこまでの違いはない。なお、星金貨は両替するのも大変なので、大口取引が行われない限り死蔵されており、国家予算として利用されるのは金貨が主流で、勝手に換金もできない証券的な扱いになっている。
世界法則が変更される際には謎の存在である“世界の声”がコミュニケーション不可の変更を告げる一方的な宣言を行う。
気候もほぼ元世界と同様となっている。
以下は公式設定資料集8.5、13.5にて解説された設定・用語のほか、書籍から判る設定を抜粋し解説する。
=== 国家、地名 ===
●主人公リムルの転生地域であり、300年前から暴風竜ヴェルドラが封印され、森林の守護神として祀られていた。その封印が解けないように不可侵条約が結ばれていたが、ヴェルドラの消滅に伴い魔王5名による決議で条約は破棄される。
●ジュラの大森林を挟んで東西の諸国を東側諸国、西側諸国と呼称されている。東西以外にも、ジュラの大森林より北の大陸、南西の大陸にも一部の魔王の支配地域がある。
●ジュラの大森林は人間、魔王、魔物などの各勢力から暗黙の不可侵領域として緩衝地帯の役割を果たしていたが、全域を支配地域とする魔王リムルの登場によりそのような垣根が取り払われつつある。
●略称:魔国連邦(テンペスト)。魔人リムルを盟主としてジュラの森に住む魔物種族の集落が連携・同盟した大同盟国家。国民は人鬼族(ホブゴブリン)、ドワーフ、鬼人族(キジン)、樹妖精(ドライアド)、樹人族(トレント)、猪人族(ハイオーク)、蜥蜴人族(リザードマン)、龍人族(ドラゴニュート)、犬頭族(コボルト)、小人族(ハーフリング)、魚人族(アーマン)、長耳族(エルフ)、兎人族(ラビットマン)、牛頭族(ゴズ)、馬頭族(メズ)など多種多様。
●建国当初の支配領域は森の3割程度であったが、リムルの魔王就任で大森林全域が支配下に置かれた。ジュラの大森林全域を領土とするテンペストは世界の中心に位置している。
●また、テンペストは人間と魔物の友好を目的としている。その意思表明として、西方諸国評議会にも加盟し安全保障を結んでいる。
●リムルの『暴食者』の『腐食』を利用した酒類など発酵食品の生産、シオンの『料理人』による結果改竄を利用した作物の品種改良を手掛けているので、食文化に関しては地球と同レベルまで発展している。
●連邦国家の名に反して、裁判権、立法権、行政権、軍事統帥権、幹部の任命権といった国家大権をリムル個人が有する事実上の独裁国家であるが、実務は配下に丸投げしている。現状は三権分立の徹底が目標。立法府は法律の制定のみを行い、リムルに任命され問題を起こさない限り永続的に議員資格を有する上院と、選挙で国民から選出される下院に分離されている。法に従い国家運営を行う行政府は、各種族の長老連中(及びその代理人)が最初の官僚に推挙された後、将来的に全体主義が浸透した時点で能力主義に移行する予定。逮捕者の裁判を行う司法府は、カレラの最高裁判所長官就任と共に行政との関わりはない正式な独立機関となる。恨みを持つ者の襲撃の危険がある為、裁判官には頭脳だけでなくそれなりの腕っ節が要求される。なお、警察権を有するのは行政府だが、相互監視の為に逮捕権は行政府、立法府、司法府の全てが有している。
●常備軍は約5万2000名で、総帥権は王であるリムルにあるが、軍事の素人が口を挟むべきではないという考えから、指揮権は“侍大将”のベニマルが持つ。山岳地帯の猪人族が産出した鉄鉱石は迷宮地下91階の保管庫に運ばれ、ヴェルドラが放出する魔素にさらされる事で自然に“魔鋼”に変化するので、一般兵でもクロベエの弟子が作った特上級(スペシャル)を装備出来る。さらにこの世界の戦いでは「量より質」が重要である事から、帝国軍との戦争などで獲得した大量の“魂”を用いてリムルは資格のある幹部12名を覚醒進化させており、最高戦力となった彼らには“聖魔十二守護王”の称号が与えられている。
●最初期からの主力商品は回復薬で、完全回復薬の量産体制が確立されている。ヴェルドラが消失した後の封印の洞窟を利用してヒポクテ草の栽培を行っていたが、魔素濃度が低下し収穫量が低下する可能性が出た為、地下迷宮93階層の花畑の一角に栽培場所を移す事になった。それに伴い、以降は洞窟の通路を拡張して青色軍団に配備される飛空龍(ワイバーン)を飼育している。
●結婚制度に関しては、子を望む未亡人以外での一夫多妻は禁止と決められている。
●現状の社会制度は配給制で、衣食住が完全保障され、必要に応じて各種物品や福利厚生を受け取れる。一方で、貨幣経済へと移行する為に、働きに応じて様々な恩恵を受けられる「功労ポイント制度」が試験導入されている。
●魔国連邦、武装国家ドワルゴン、ブルムンド王国、ミリム支配領域、ファルメナス王国、魔導王朝サリオンといった国々が手を取り合い、人間と魔物が共存共栄するという「人魔共栄圏」構想における中心地となっている。
●魔国連邦テンペストの首都。元々はリグルドたち子鬼族が暮らしていた小規模な集落で、スラムの方がマシな程に生活水準が低かったが、技術指導者としてドワーフを招き、鬼人族や猪人族などが加わった事で急速に発展している。
●整然と区画整理され上下水道も完備されている。また、『影空間』を利用した配管で火山地帯から温泉を引いている。
●東西南北に門があるが、魔法結界で防御されているため城壁は建造されていない。門と中央広場を繋ぐ十字の道筋を基幹として、中央部に行政府としての執務館があるほか、居住区画、農地、中央広場、幹部用住居区画、迎賓館、工業区画、倉庫街、公共施設区画などに区分けされている。
●また首都リムルからの道はいくつかの国家へ伸長しており、街道はさまざまな技術で整備・守護されている。
●有事の際は街全体を迷宮101階に転移させることが可能で、そのための避難訓練も行なわれている。ただ、ヴェルドラの膨大な魔素を前提とした避難手段であり、ヴェルドラからの魔素供給が停止すると街が地上へ放り出されてしまう危険がある。
●魔国連邦の常備軍の一つ。軍団長はゴブタ、軍事顧問はハクロウ。狼鬼兵部隊と緑色軍団の約1万2000名で構成される。
●ゴブタが隊長を任されている、人鬼族と星狼族のペア100名で構成される騎兵部隊。リグルドのゴブリン村にいた子鬼族と、リムルに服従した牙狼族の群れがほぼ同数だった事から2人1組のペアを結成したのが始まりで、普段は街道の警備や狩猟を担当している。嵐牙狼族への進化で獲得した固有能力『影移動』により相棒を連れて高速移動が可能で、面識のある相手の元へなら一瞬で転移出来る。最大の特徴は群れである事で、意思伝達の速さを生かして一糸乱れぬ行動を取れるのが利点。
●さらにリムルの覚醒進化の祝福を受けて希少なエクストラスキル『同一化』を獲得、合体して四足歩行による高速機動が可能となる。牙狼族は1匹1匹がCランクで群れ全体ならBランク相当の魔獣だが、嵐牙狼族を経て星狼族に進化した時点で平均Bランク、騎手と一心同体となる事でBランク相当になる。祝福を受けた直後は対個体戦闘に特化している為にAランクには届かないもののAランクまで成長。軍事再編の頃には実力は騎手それぞれで百人長相当のAランク、『同一化』した状態ならAランク相当となっている。
●攻撃力に特化した強襲打撃部隊。元々はベニマル配下の人鬼族4000名で構成される部隊であったが、軍事再編でジュラの大森林出身の魔物達約8000名が合流し、兵数が計1万2000名まで増加してゴブタの配下に組み込まれる。初期からいる人鬼族達はリムルの覚醒進化の祝福でBランクになり、ベニマルの影響を受けた為かエクストラスキル『炎熱操作』、および『熱変動耐性』を習得している。後に参加したC〜Dランクの魔物達は下級兵として、3人1組で初期から所属する人鬼族の上級兵に率いられる。ハクロウから〈気闘法〉の技術を徹底的に叩き込まれており、重武装したまま40キロ以上の距離を走破するなど、あらゆる事態に対応出来るような訓練が施されている。ゴブタが狼鬼兵部隊を指揮している間はハクロウが指揮官になる。
●魔国連邦の常備軍の一つ。軍団長ゲルドが率いるテンペストの主力部隊で、現在は工作部隊として各地で活躍中。黄色軍団と橙色軍団の計3万7000名で構成される。
●約2000名の猪人族で構成される軍団。豚頭帝が率いていた豚頭親衛隊(オークエリート)が前身で、進化した時点での強さは平均的な猪人族を上回るCランク。ゲルドのユニークスキル『美食者』の権能である『胃袋』を共有する事が出来、自分の体格と同体積の物資を収納し、遠隔地の仲間へ転送が可能。
●リムルの覚醒進化の祝福を受けた際にBランクに成長し、全員がエクストラスキル『剛力』『鉄壁』『全身鎧化』や物理や電流などへの耐性を習得、一部個体は土を任意で操り塹壕などを製作できるエクストラスキル『土操作』を得て、ゲルドの『守護者』の恩恵を受け彼と一体化したかのような防御力を発揮する。軍事再編後は新人部隊を纏め上げる小隊長の役割も担う。
●猪人族の志願兵3万5000名で構成される軍団。平均Cランク相当の力を持ち、うち1万5000の精鋭が戦闘に携わり、残りの2万は後方支援や工作を担当する。
●魔国連邦の常備軍の一つ。軍団長ガビルが率いる遊撃飛空兵団。“飛竜衆”と青色軍団の約3000名で構成される。
●テンペストが誇る最強部隊。元々はアビルに勘当されたガビルを慕って魔国連邦に合流した100名の蜥蜴人族戦士団で、連邦加入時にリムルに“名”を与えられて飛行能力を有するBランクの龍人族へ進化した。通常業務として濃密な魔素を利用したヒポクテ草の栽培を任されており、当初はヴェルドラがいた封印の洞窟で作業をしていたが、地下迷宮の完成に伴い職場も迷宮内へ移った。
●進化で獲得した皮膚を竜の鱗に変化させる種族固有能力『龍鱗化』、及びエクストラスキル『多重結界』と『魔法耐性』により物理と魔法の双方に対して高い防御力を誇る。さらに、リムルの覚醒進化の祝福を受けた際に竜の血が強まって全員がAランクになり、暴走する魔素によって使用者の肉体を強化、質量を増す事で攻撃力と防御力を高め、傷を即座に回復出来る竜化戦士(ドラゴンウォーリア)に変身する固有スキル『竜戦士化(ドラゴンボディ)』のほか、『黒炎吐息(フレイムブレス)』か『黒雷吐息(サンダーブレス)』を習得して上空からの攻撃が可能となる。ただし絶大な効果を持つ固有スキルだが、凶暴性が増して自我を飲まれる危険性が高く、活動可能時間は10分程度で、発動中は魔法を使えなくなり、使用後は反動で回復薬でも治療不能な行動不能状態に陥るといった欠点を抱えている。後にガビルが行った実験で、暴走する魔素に思念を飛ばすことで制御が可能になる事が判明する 。
●そして、祝勝会にてガビルが“真なる魔王”へ覚醒した祝福で、全員がAランクの壁を超えて中位魔人相当の戦闘能力を獲得、存在値は平均で12万を超え、上位者は20万に達している。『竜戦士化』『龍鱗化』が消えた代わりに周囲の魔素を取り込み自己修復する装甲で身体を覆う『竜鱗鎧化(ドラゴンスキン)』を習得し、防御力がさらに強化された。
●ガビルがジュラの大森林を回って集めた3000名の蜥蜴人族で構成される軍団。個々の強さはCランクだが、うち300名はガビルが捕獲し育成に成功したBランク相当の下位龍族の亜種である飛空龍(ワイバーン)に騎乗する飛空龍部隊(ワイバーンライダー)に選出されており、元素魔法:火炎大魔球(ファイアボール)に匹敵する威力の火球で上空からの攻撃が可能。祝勝会にてガビルが“真なる魔王”に覚醒した祝福で、全員が龍人族に進化する。
●捕虜になっていた旧魔王クレイマンの元配下を中心に、多種多様な魔人達で構成される魔人混成軍「赤色軍団(レッドナンバーズ)」。総数は約3万名。軍団長はベニマルが兼任し、“紅炎衆”から選任される千人長が部隊を纏め上げる。帝国軍との戦争の際はモミジが現場指揮官を務めた。捕虜として働いていた時に上司となったゲルドが尽力したお陰で自分勝手な乱暴者はいなくなっており、自分が評価される場所を求めて従軍している。大半がBランクだが、中にはAランクオーバーの者が数名混じっている。
●独立直属部隊の一つでベニマル直属の親衛隊。現在は参謀本部も兼ねている。名付けとリムルの覚醒進化の祝福を受け、子鬼族から人鬼族を経て進化した総勢300名の大鬼族で構成されており、ゴブアが隊長を務める。結成時点で全員が知性のない平均的な大鬼族を上回るAランク以上の強さを持ち、技量まで考慮すれば軍事再編の時点で上位陣はAランクに匹敵、隊長のゴブアは上位魔人ゲルミュッドと互角以上という精鋭部隊。そして、祝勝会でベニマルが“真なる魔王”の炎霊鬼へ覚醒した祝福で、全員がAランクに到達し、複数名が鬼人族へ進化した。
●独立直属部隊の一つでソウエイが率いる隠密集団。頭領のソーカとその部下4名が隊長として約100名のメンバーを率いる。諜報活動を担当しており、直接戦闘能力は低いとされるが、暗殺は得意。ソーカはAランク、隊長4名はBランクで、祝勝会でのガビルの覚醒進化により、ソーカは上位魔将並み、4名は上位魔人並みの魔素量を得る。また、司法取引などで身柄を引き取った特A級〜Aランクオーバーの実力者も抱えている。
●独立直属部隊の一つでシオン直属のリムル親衛隊。シオン同様、ファムルス王国先遣隊の襲撃で一度死亡し、リムルの覚醒進化で祝福を受けた事により復活した100名で構成される。星幽体で記憶するエクストラスキル『完全記憶』と『自己再生』を習得している為に非常に死ににくく、訓練によって『痛覚無効』などの各種耐性を身につけているので、頭を吹き飛ばされた程度では戦闘をやめない。当初はCランク程度の力しか持たなかったが、聖騎士団との戦いでは自分達が弱い事を利用して油断させ、強力な睡眠薬を塗られた武器で敵を次々と行動不能にしていった。訓練を重ねた事で軍事再編の頃にはBランクに至り、将来的には“飛竜衆”を超える部隊に成長する可能性もあるとされる。そして、祝勝会でシオンが“真なる魔王”の闘霊鬼へ覚醒した祝福で鬼の因子が強く現れ、肉体を保有する新種の精神生命体「死鬼族(しきぞく)」へと進化、一部の個体は身体強化系のエクストラスキル『神通力』を獲得し、Aランクに達した者まで現れた。
●しぶとさを生かした囮としての時間稼ぎが主な役目で、リムルを守る為に存在するので、リムル本人からの命令に従い勝手な行動を取ることは厳禁となっている。欠点は指揮が出来るシオンがセットでないと、勝手気ままに行動してしまい真価を発揮しない事。
●ダグリュールの息子達が隊長を務める非公式部隊。通称、シオンのファンクラブ、もしくはシオン親衛隊。多種多様な魔人達で構成され、総数は1万人程。シオンの訓練に耐えられた者だけが残っているので、その実力は最低でもBランク以上。“紫克衆”を介して全員がシオンのエクストラスキル『恐怖覇気(モータルフィア)』を纏い、敵の恐怖心を煽り、戦意を喪失させる。
●リムル個人の切り札である直属部隊。唯一ベニマルの指揮下にない完全独立部隊で、軍団長ディアブロ、及び“原初”の三人娘からの命令しか受けない。リムルが培養した人型骨魔人形(ボーンゴーレム)に受肉した悪魔族700名で構成されている。魔国連邦の軍団の中では最小規模だが、最凶の部隊として恐れられる。“名付け”と受肉により7名の腹心達は悪魔公〜上位魔将へと進化し、一般兵はAランクの上位悪魔となった。そして上司4名が“真なる魔王”の悪魔王へ覚醒した祝福で、腹心は全員が悪魔公となり、指揮官は騎士爵相当の上位魔将に、残りも上位魔人に匹敵する力を得た上位悪魔騎士(ディアブルシュバリエ)へと進化する。リムルの魔法「上位悪魔召喚門創造(コールデーモン・クリエイトサモンゲート)」により、全軍を即座に召喚することが可能。
●“魔導列車”の軌道敷設工事の為に評議会を通して集められた支援兵をそのまま編入した軍隊。軍団長は一応テスタロッサ。一度解体されたが、後方支援の為に再募集をかけた際に増員して15万もの大軍勢となった。基本的には治安維持が目的であり、訓練期間が短いので魔国連邦の正規軍に比べれば兵の練度が低いが、将来的には災害・事故対策のエキスパート部隊として活躍することが期待されている。軍権はテンペストに認められ、維持費のほとんどをテンペストで負担しているものの、正式な所属は西方諸国評議会で、戦時でも魔国連邦には招集されず現地で運用される。
●魔国連邦在住者、及び近隣諸国から集まった人間達で構成される軍団。総勢は2万名に達し、内訳は冒険者や傭兵がほとんど。人間の軍のトップを魔物に任せるのは難しいという判断から、軍団長はマサユキに任される事になる。街の治安維持が主な役目。
●魔国連邦に移住した魔王ラミリスが、固有能力『迷宮創造』で闘技場の地下に作り出した全100階層の迷宮。以後、ここにラミリスの配下が住むことになり、最下層にヴェルドラの棲家が配置される。迷宮内部ではラミリスの配下が不滅になるという特徴があり、これを利用し集客用の冒険アトラクションを行う施設として使われている。
●リムル達の手で下層に向かうほど悪辣な罠が仕掛けられており、10の倍数階層では階層守護者が階段前の部屋を守っている。さらに50階層より下には迷宮の守護者である“迷宮十傑”が控えている。
●冒険者カードを持っていれば入場料は1回あたり銀貨3枚で、簡易カードは銀貨10枚で発行される。また、回復薬や食糧のほか、ラミリスが権能で創造した使い捨てアイテム(装着者に『不滅』属性を与える蘇生アイテム“復活の腕輪”、地上への緊急脱出用アイテム“帰還の呼子笛”、任意の場所を記録地点(セーブポイント)に設定できる“事象の記録玉”など)の販売も収益源となっている。
●地下95階層の街は迷宮都市(ラビリンス)と呼ばれ、ジュラの大森林に住んでいたエルフや樹人族などが移住し、ダンジョンの休憩所や多目的ホール、研究施設などが存在する。攻略中の冒険者は銀貨1枚を支払えば施設を利用できる。また、封印の洞窟で行われていたヒポクテ草の栽培地も移動されている。そのほか、地下91階には鉄鉱石の保管倉庫、92階に魔鋼の製造工場、93階の花畑、94階の蜂蜜加工場は隔離区画となっている。
●また、生命体情報の数値化及びデータベースの構築という隠された役割もあり、蓄積された情報を危機管理に役立てている。
●ドワーフが集まって建国された1000年の歴史を持つ王国。ジュラの大森林の北部に位置し、アルメド大河の上流、カナート大山脈の麓に空いた自然の大洞窟内に築かれている。そのため食料自給率に難があることから、これをドワーフ固有の技術力を背景とした高い技術力により加工製品の生産輸出によって補っている武装中立国家。自由貿易都市にして異種族間交易の中心地である事から絶対中立都市となっており、都市内部での武力行使は固く禁じられている。天井までの高さが制限されている為、3階以上の高層建造物は存在しない。
●人口はドワーフだけで5000万人、他種族を含めると1億人に達する。首都の“セントラル”に、“ウエスト”と“イースト”を加えた三大都市が広がっている。国政は絶対王政だが、立法のみは元老院に委ねられている。
●常備軍として、工作部隊、兵站部隊、救急部隊、重装打撃部隊、魔法打撃部隊、魔法支援部隊、王直属護衛部隊の7つからなる王宮騎士団がある。さらに、軍団長でも知らない王直轄の極秘部隊として、Aランクの天馬(ペガサス)と騎士で構成された500名の「天翔騎士団(ペガサスナイツ)」を保有する。
●精霊に由来する現象を利用した科学、およびそれを発展させた技術体系である『精霊工学』の研究が盛ん。剣の時代が終わる時に備え工作部隊でかつて行われていた、人によって操縦可能な決戦用軍事兵器としての魔導装甲兵(クルーシャルゴーレム)を製造する“魔装兵計画”で開発された動力源“精霊魔導核”も、これを利用したものであった。
●ドワーフ王国で加工された貨幣は、魔法による刻印が施されているため偽造が困難な事もあって、世界共通の貨幣として流通しており、評議会で定められた国際法でも取引はドワーフ金貨で行うよう定められている。
●相互不可侵条約や安全保障、街道の舗設、相互技術提供を条件に、魔国連邦を国家として認める。
●魔王ミリム・ナーヴァが支配する領地で、首都“竜の里”にはミリムの住む神殿が建っている。
●住民は龍人族の末裔で、ミリムを信奉する「竜人教(ドラーム)」の教徒からなる。軍隊は持たないが、成人した住民全員がCランクに相当する戦闘力を持つ武闘派集団でもあり、神殿守護のための〈神聖魔法〉を扱える神官騎士団も別個に存在している。
●ただし、ミリムを崇拝するあまり、挑戦することを忌避し無為に世代交代するだけの民族と成り果てたことからミリムには嫌われている。食事は素材のままで頂く事が最高のご馳走だという思想がある為、料理という概念が存在しない。
●総人口は10万人に満たず、政治機能も存在しない。皆が生産した富は中央神殿に集約され、基礎となる富が分配された上で、働き者には神官長であるミッドレイが貢献度を判定して追加支給がなされる。また、神官達は神官長の罷免権を有するため、神官長も自分勝手な振る舞いはできない。
●魔王カリオンが支配していた獣人族(ライカンスロープ)中心の国家。総人口は3億人にのぼる。領土には豊かな大地を利用した広大な田畑が広がり、それを維持管理する技術もあって、様々な農作物が彩り豊かに実る。地形は平野部やなだらかな丘陵部が多く、大河沿いの水はけの良い丘陵地には果樹園が広がっている。土木技術はあまり発展しておらず、建物は石を積んで作られ、道路は土を均しただけ。
●弱者は立ち入る事のできない修羅の国であり、カリオンが統治する魔王領全土から中央へと全ての富が献納され、王宮には贅が凝らされている。しかし、この顕著な富の一極集中は住民が望むところであり、弱い種族でも働いて納税すれば首都の外でなら住む事ができ、カリオンと配下の獣王戦士団は民を遍く平穏に守っている。強い男が複数の女を愛する一夫多妻が一般的。
●クレイマンが起こした騒動が原因で、魔王ミリムの最強魔法「竜星爆炎覇(ドラゴ・ノヴァ)」により首都“ラウラ”が消滅。ミリムに敗れて実力不足を感じたカリオンが魔王の座を辞し、彼女の臣下となったことでミリム領に併合された。また、その際に戦禍復興支援をリムルが申し出たことから、テンペストとは永世友好国となった。
●魔王フレイが支配していた有翼族(ハーピィ)中心の国家。総人口は100万人未満。首都“ジア”は山脈の中心部をくり抜いて造られた積層型都市。翼ある者を上位とする完全な上下社会が出来上がっており、自力で空を飛べない者は強力な上位魔人でも厚遇される事はない。希少金属や宝石類が採掘される。フレイの側近として、希少な戦士型の有翼族で構成された“天翔衆”が存在する。有翼族はほぼ女性しかいないので一妻多夫が基本であり、希に生まれる男性型や力ある魔人を頼って種を維持している。
●フレイが魔王の座を辞し、魔王ミリムの臣下となったことでミリム領に併合された。
●魔王クレイマンが支配していた黒妖耳長族(ダークエルフ)などの魔物種族が住む国家。元々は魔王カザリームの支配地で、その配下であったクレイマンが引き継いだ。総人口は1億人にのぼるが、そのほとんどが奴隷階級で、“墓守”を自認している。
●魔王領の中では珍しく全ての行商を自由に許可しており、貨幣経済が成立している。東の帝国との緩衝地帯でもあり、険しい山々の間に不死系魔物が多く舗装もされていない“死の渓谷”と呼ばれる街道が存在し、そこを通って帝国と行き来が出来る。
●古代遺跡でもある首都“アムリタ”は、ミリムによって滅ぼされた超魔導大国の都市”ソーマ“を模して、魔王になる前のカザリームが興し、魔法技術を駆使して構築された呪術と多数の魔人形(ゴーレム)による都市防衛機構が備えられている。
●クレイマンの死後はミリム領に併合されたともテンペストの管轄下になっているとも説明されていたが、後に現在はテンペストが管理しているがいずれはミリム領に併呑する予定、ミリム領とテンペストの共同管理と説明が改められた。
●ジュラの大森林に接する小国で、西方評議会の加盟国である。人口100万人程に自由民が50万人、街と言えるのは王都“ロンド”くらいであり、貴族も小さな村々の領主(地方監理者)でしかない。情報を売り物にしている情報国家であり、優れた情報局を有している。王都の町並みは中世ヨーロッパのように古風だが堅固な印象で、国土が狭い分、農村部まで道の整備が行き届いている。辺境にある国らしく、街中でも武装している者が目立つ。
●テンペストに最も近い人間の国で、ドワルゴンに続いてテンペストの友好条約を締結した。魔国連邦、ドワルゴン、サリオンと手を組んだ事で各種商品の取引数量の割り出しを担当する、世界初の総合商社のような超国家企業として多大な影響力を持つ事になった。さらに、“魔導列車”の完成により、ドワルゴン、ファルナメス、サリオンを繋ぐ中継地点となり、物流の集積地としての役割を担う予定。
●西方諸国の中でも最上位に近い大国。人口は国民3000万に自由民1000万の計4000万人。専制君主制の封建国家で、西方諸国とドワーフ王国を結ぶ交易路の玄関口に位置し、首都“マリス”を基点に貿易中心国家として栄えていた。また、軍事強国でもあり、最大兵数にして10万人規模を動員出来るほどの圧倒的な国力を有し、独自の召喚儀式を行い大量の“異世界人”を抱え込んでいた。観光と貿易によって税収を潤している一方で、富は中央政府に集約し再分配されず、目立った特産や鉱山資源はなく、工業レベルもドワーフ王国より低く、農作物の生産も国庫を賄える程ではない。
●魔国連邦経由でブルムンド王国とドワーフ王国を結ぶ交易路が形成された為に利用する商人の数が減り、さらに連邦の高品質な特産物を手中に収めようと目論んでテンペストへの侵略戦争を敢行するも、リムルの反撃で2万の大軍勢が全滅したことにより、戦争主導者であったエドマリス王の退位を含む混乱が発生した。
●後に王権を禅譲されたヨウムの即位とともに、国名がファルメナス王国へと改められた。以来、輸入品に多大な税をかけ横流しして売りさばく中間搾取国から、穀物を中心とする農作物の生産国へ生まれ変わる。また、戦争賠償として要求された星金貨1万枚(=1兆円相当)のうち1500枚が支払われ、借款として残っていた分はヨウムが王になった際に帳消しとなった。
●大陸のほぼ中央に位置する西方諸国でも有数の大国。人口は国民と自由民が2000万ずつの計4000万人。西側諸国の交易路の要所であり、自由組合の本部、西方聖教会の実務拠点などが置かれている。
●首都“ルーラ”は周辺国でも特に発展した大都市で、高度な建築技術により板ガラスを使ったショーウィンドウなどが立ち並ぶ。首都の中心部にある大きな湖の中央には白亜の城が聳え、城を中心にして放射状に広がる町並みは商業区画、観光区画、工業区画、住居区画の大きく4つに分けられている。高層建造物は多くないものの、5階建てくらいの建物なら一定数存在し、街の要所要所に騎士が配置されて治安維持を行う。
●ジュラの大森林に面していないので、魔物の被害を受けにくく安定している。その一方で、北部のシードル辺境伯領付近はギィ配下の悪魔族の遊び場になっている。ロッゾ一族が健在だった頃は悪魔の天敵である蟲型魔獣のラズルが守護していた。
●通常の軍や騎士のほか、王直属の秘密部隊に魔物の因子を取り込み魔人と化したAランクオーバーの戦力「魔法審問官」を保有する。自己の研鑽で至った訳ではないので、魔人に変化すると拒絶反応で自我が消えるが、取り入れる因子によって様々な環境下での活動が可能。
●大陸西部に位置する宗教国家。およそ2000万人の国民のほぼ全員が唯一神ルミナスを信奉するルミナス教徒である。行政は枢機卿から選出される執政官に任されている。
●神ルミナスが魔王ルミナス・バレンタインであることを知る者はごく限られた人間のみ。建国の背景には、人類を滅ぼされれば下等な吸血鬼族に不可欠な食糧としての上質な生気が得られなくなるので、仕方なくルミナスが共存共栄の仕組みを考え人類の保護に動いたという事情がある。現在のルベリオスが建国されたのは2000年程前で、前身となった人間を奴隷とする吸血鬼の大国“夜薔薇宮(ナイトローズ)”がヴェルドラが暴れたせいで崩壊した後で成立、さらにルミナスに降った勇者グランベルを中心とした“七曜の老師”により、宗教を中心とした政治形態が構築された。
●首都たる聖なる都“ルーン”は、完全なる調和を実現して法の下に管理されている。あらゆる外敵の侵入を防ぐ最高レベルの守護結界で1000年守られており、気温は年間を通してほぼ一定に保たれ、太陽光は遮断されて結界内部の光量は自動で調節、区分けされた農地で季節ごとの作物をどの時期でも収穫可能、学校はないが全ての子供に一定レベルの教育が施され、全ての国民に仕事が与えられて飢える事がない。国民が一様に幸福な生活を保証され、平等な理想郷として完成されていると言えるが、魔王の脅威を演出して無辜の民を守るというマッチポンプで幸福を噛み締めるように仕向け、脅威から守られた安穏とした生活の代償として献血を行っているので、悪く言えば“畜産”に近い側面もある。
●麦を中心とした穀物を大量に産出する農業大国でもある。
●ルーンに隣接する霊峰の麓には、大聖堂、聖神殿(法皇庁)、西方聖教会総本部などの教団の主要施設が存在する。また、西方聖教会に神殿騎士団が組織され、本国と各国の間に摩擦が生じるようになった為、神と法皇にのみ忠誠を誓う戦力としてAランク以上の戦闘能力を有する敬虔なルミナス教徒で構成される「法皇直属近衛師団(ルークジーニアス)」が誕生した。近衛師団は神殿騎士団に命令する権限を持っており、執政官もあくまで要請することしかできない。
●霊峰の山頂に建てられた“奥の院”の先には地下への入り口があり、真の皇都である“夜想宮庭(ナイトガーデン)”が広がっている。この場所の存在は高位の聖職者ですら知らず、皇国貴族である吸血鬼族以外が住むことを禁止されており、ごく限られた人間以外は立ち入ることも許されない。弱点の太陽光を克服して暇を持て余した吸血鬼族の貴族階級である“超克者”の一部が趣味で研究をしているので、地下の本国はかなりの技術レベルを持ち、魔法的な要素を一切排除した上で自然界のルールを見出し物理法則を定める『物理工学』の研究が行われている。
●政治形態は共産主義に近いが、支配階級の腐敗による富の分配の不平等を防ぐ仕組みとして、上位存在として君臨する法皇庁が神ルミナスによる平等な支配を行っており、他国との外交も上層部が管理している。平等を標榜しているため、給与は全て現物支給で、どれだけ高い役職でも表立っての現金支給はなく、聖騎士や近衛師団が国外で活動する際は犯罪取り締まりの礼金や魔物退治の報酬などの形で現地調達する必要がある。
●その後“七曜の老師”の私欲による陰謀を粉砕したことでテンペストを正式に国家として認め、100年の国交を結ぶに至った。またその際、「善良な魔物」を認めるに際して障害となっていた「魔物の生存を認めない」というルミナス教の教義の成立経緯が、ルミナスら吸血鬼族の各人より明かされたことから便宜上の方便であったことが分かり、これを機に撤廃されることとなった。
●ファルムス王国とイングラシア王国の間、北海に面した人口200万人の小国で、グランベル・ロッゾを頂点とするロッゾ一族が支配している。グランベルは評議会の創始者でもある事から、一族の重鎮である五大老と共に強い影響力を有していた。
●人類生存権の外に目を向け、魔物の脅威に備える為に設立された、危機管理を目的とする諜報機関「シルト対外情報局」を擁し、西側諸国で最高の腕前を持つ少数精鋭の構成員は最低でもBランク以上。
●最終目標は経済面からの全人類支配であったが、マリアベルの死で計画が潰え、グランベルも倒された事で評議会への影響力を失い、ロッゾ一族の生き残りはドラン将王国へ落ち延びている。
●エルフ十三王家を従える古いエルフ王朝を主軸に置いた2000年の歴史を持つ王朝国家。国民は耳長族の血を引いており、人口は1億、自由民が2000万ほど。カバル、エレンたちの出身国でもある。列強国家として知られる大国で、ドワルゴン同様に西方諸国評議会にも加盟していない。
●首都は“エルミン・サリオン”で「神樹に抱かれた都市」の異名の通り、巨大な神樹の内側に大都市を形成している。天帝エルメシアが神の末裔を称しているので国教が存在せず、一方で国民には信仰の自由が認められるという独特の宗教観を持つ。
●魔法研究を盛んに行っており、ドワーフ王国とも技術交流している。特に〈元素魔法〉を極めた者により、魔法による法則操作でどこまで世界を変革可能であるかを追及する『魔導科学』が特色。また、人と区別出来ないほど精巧な人造人間(ホムンクルス)を製造し、そこに精神体を憑依させる技術が開発されている。
●各王家は領地の自治を認められ、皇家は十三王家から納められる税収で賄われる。十三王家は軍事力を持たず皇家に全ての武力が集中しており、皇帝が軍部の最高指導者を務め、各国の調停を司る。調停者の資格を有する皇帝の全権代理人として、“純潔の騎士”とも呼ばれる「魔法士団(メイガス)」という高位武官の集団を擁する。古き血に先祖返りした者のみで構成された最高戦力で、他国には存在を厳に秘している。
●大陸中央の南端に位置する人口1000万人未満、自由民100万ほどの小国。首都は“ガルート”。民主的な共和制を布く平和な国で、サリオンとの交易で成り立っており、西方聖教会の影響下になく、評議会にも加盟していないので西方諸国との直接的な繋がりが希薄。
●国の最北部にあるウルグ自然公園にはラミリスが暮らす“精霊の棲家”への入り口が存在しており、国内には大量の精霊がいる。満10歳で精霊契約の儀式を成功させる事で初めて国民として認められるので、国民全員が〈精霊魔法〉を使う呪術師であり、希に契約に失敗した者は国民の資格を失い20歳で国を追い出される。
●ジュラの大森林の東方に位置し、大陸北東の一帯を支配する帝政国家。あまりにも正式名称が長いため“東の帝国”の通称で呼ばれている。最も古き国家の一つで、その歴史は古く、2000年前には既に帝国の基礎として国家を運営していたと言われている。小国であったナスカ王国が長き年月をかけて、大国であるナムリウス魔法王国とウルメリア東方連合を吸収し、現在の帝国が生まれた。
●臣民人口が8億人、自由民も推定数千万人という巨大国家。西側諸国とサリオンを合わせたより強大だとされる圧倒的な迄の軍事力を背景にして、この2000年、一切の反乱を許さずに、強固なまでの権勢を誇っている、統一皇帝ルドラ・ナム・ウル・ナスカという絶対支配者による完全なる統治国家群。また、帝国皇帝は覇権主義であり、圧倒的な武力により、近隣国家を統合してのけた戦闘集団を祖に持つ、純血の戦闘狂。故に『力こそ全て』という理念の下、実力があれば出世出来る特殊な形態を持つ軍を所有している。
●政治の主権も軍事統帥権も皇帝個人が所有している。政治部は貴族院があるものの、実際の決定権はなく、名誉と権益のみを握らされ皇帝の意思に従う官僚的な役割で、様々な企画立案をする役人達の後ろ盾にも皇帝が付いている。存在すら疑われる最強の神話級(ゴッズ)武具を複数所有しており、“元帥”と3人の“大将”にこれを与えている。帝国軍100万はあくまでも目に見える形での武威であり、真の戦力として皇帝を守護する「帝国皇帝近衛騎士団(インペリアルガーディアン)」という100名からなる上位者集団が存在している。彼らは最低でも“仙人級”の実力を持ち、伝説級(レジェンド)の装備を与えられ、特殊任務下での最低でも大佐クラス相当の権限を有する。特に序列上位の“ひとけた数字(ダブルオーナンバー)”は全員が“聖人”で、皇帝より究極付与(アルティメットエンチャント)『代行権限(オルタナティブ)』を与えられ限定的に究極能力を扱うことが可能。なお、平の二等兵の基本給は年に金貨10枚(100万円相当)が相場で、階級が1つ上がるごとに金貨4枚ずつ増額され、衣食住は軍が面倒を見てくれる。
●保護した転移者が持つ科学の知識を応用した兵器開発が盛んに行われており、魔石をエネルギー源として銃身に刻まれた魔法陣を発動させる“魔銃(スペルガン)”や、同じ原理で武器強化の魔法が施された“帝国式魔法剣(マジックサーベル)”といった小型魔導兵器が配備されている。
●魔国連邦との戦争により全戦力の3分の2を失い継続戦争が不可能になった上、最高責任者である皇帝ルドラがミカエルに乗っ取られて消息不明になってしまう。そこで「ヴェルグリンドが認めた者が皇帝(ルドラ)になる」という皇室典範に鑑み、ルドラの“魂”を持つマサユキが新皇帝に即位する。
●イングラシア王国の更に北方にある極寒の大陸で、原初の赤たる魔王ギィの支配領域。数万年前までは超魔導帝国が存在していたが、敵国との戦争に利用しようと召喚したギィによって滅亡した。ギィの居城“白氷宮”は、かつての超魔導帝国の帝城である。
●ギィとヴェルザードの3日3晩の戦いにより人の住めぬ凍土に変貌し、居城は余波で氷に覆われる。以降は弱者を嫌うギィの意向に沿ってヴェルザードが妖気を放出する事で気温が極限まで下がり、永久凍土の平原に覆われた力の弱い生物は生存できない過酷な環境になっており、悪魔族や魔王級の生物以外は入ることも出来ない。
●魔王レオン・クロムウェルが支配する、海を隔てた別大陸。オーストラリアより大きな島で、レオンはその全てを支配しているが、大陸の位置や人口、種族構成など詳細は不明。中央に大きな火山があり、年中噴火。その近くに美しい中央都市とレオンの住む王城が聳えるが、魔法的な気流操作により都市に噴煙や火山灰が降り注ぐことはない。付近に豊かな金属鉱床があり、金鉱脈も豊富で、人間社会と密かに取引を行なっており、非常に栄華を極めている。レオンには黒騎士卿クロードや銀騎士卿アルロスといった忠実にして強力な配下の他、青騎士団なる精強な軍団が支えている。その詳細は不明だが、領内にある地獄門から現れる悪魔たちを阻むため戦力を割いているようだ。また原初の黄(後のカレラ)が昔住んでいた。
●西側諸国の更に西に広がる砂漠地帯。魔王ダグリュールの支配領域に面している為、支配者がいない空白地帯となっている。かつて長耳族の古代魔導王国があった場所で、当時の首都にして現在では世界最大級の遺跡となっている“ソーマ”が存在している。
=== 組織 ===
●ジュラの大森林より西方に存在する複数の国家群が寄り集まって形成された評議会。創始者はグランベル・ロッゾ。西側諸国内でさまざまな紛糾を調停する緩やかな国際機関であると同時に、東の帝国に西側諸国が対抗するための連合国家の側面も持つ。テンペスト建国以前に西側諸国の中心として機能していたイングラシア王国に設置されている。評議会に参加していない小国、帝国もある。
●人類生存圏の維持という利益を守る事を理念とし、魔物、旱魃、疫病、台風、地震といった様々な災害対策を行うのが役割。各国の余剰食糧や特産品の輸出入は協議が難航するので、実質的な支援に関してのみ話し合われる。
●経済だけでなく政治的視野まで含めて権限を有する、いわば国際連合の権限を強化したような、絶大な権力の集中した組織である。評議会自体は武力を有していないが、自由組合の上部組織として魔物討伐の代金を捻出する代わりに組合への命令権を有しており、加盟国への安全保障を盾に自分達の発言力を高めている。
●予算は各国から捻出され、負担額に応じて選出議員の数を増やす事が認められるが、国家間の平等性を保つ為に議員を1人増やすごとに拠出金の割合が大幅に増えるよう定められている。しかし、複数の国に危険な魔物が現れた場合は発言力の大きな国が優先されるので、余裕がない時は平等に弱者を切り捨てるシビアな数の理論という現実が存在する。最低拠出額が定められており、分担金の支払い遅延は認められず、納められなければ評議会から脱退させられる。
●中立公平を謳っているが、国力の大きいファルムス王国やイングラシア王国の発言力が優遇されており、実態と乖離している。また、グランベルを頂点とする“五大老”の息がかかった者が多くの議席を有し、利権に関わる問題に干渉していた。ロッゾ一族と五大老の失脚後は、テスタロッサ達の活躍により魔国連邦が一番発言力のある国家となった。
●元々存在していた冒険者互助組合が、ユウキの手により改変され各国首脳との交渉権や相互互助規定を確立した民間国際組織。本部はイングラシア王国の王都ルーラに存在する。
●自由組合員は所属国家を自由に変更出来るほか、組合と提携した国家においては身分が証明されるので行き来も自由。国家所属の職人に比べて生活の保障はされないものの、国民に準ずる最低限の身分保障はされているため、一定の割合で税の義務が課せられている。また、国家と自由組合の協定に基づく動員が発令された場合、国家ごとの組合所属人数の1割が国の指揮下に入り、その代わりに発令期間中は税が2割減になる。
●主な活動形態は所属冒険者(組合員)によって行われるアイテム類の採取、現地の調査、魔物の討伐の3つに大別されるほか、国家協定に基づき動員令を受けると所属組合員の一定人数が国家の指揮下に入る傭兵集団の側面も持っている。“冒険者”とは、街の外での活動をメインとする採取・探索・討伐の3部門の組合員を指し、それ以外でも街で生活する組合員も存在する。また、組合員養成施設としての側面を持つ学校「自由学園」も存在し、引退した冒険者などが教師をしている。
●建前では、評議会は出資する見返りとして色々と仕事を依頼する、対等な持ちつ持たれつの関係とされるが、力関係ではまだ評議会が上で、資金提供がなければ立ち行かないのが現状。
●後に総帥と副総帥が東の帝国へ出奔したことで混乱が発生している。
●また、東の帝国にも類似の組織として、専門職を派遣する「請負連合会(コントラクター)」がある。
●何でも屋を自称する道化の格好をした魔人の集団。仲間と依頼主を裏切らない事を絶対のルールに掲げている。元々は魔王カザリームと、その配下である妖死族で構成された集団であったが、200年前に魔王レオンによりカザリームが殺害され、さらに10年程前にカザリームの復活を条件にユウキの傘下に入った。
●世界征服を最終目標に、不可解な戦力として世界で暗躍している。
●ルミナス教を布教する目的で組織された宗教団体。ルベリオスとは独立しており、実務はイングラシア王国が拠点であるが、儀式専用の本部はルベリオス国内に存在する。
●元々は武力を持たず神の教えを広めるだけだったが、布教する者達の安全を守るため、法皇庁が各国に要請し、中央の聖教会神殿から各国に派遣される、教会に所属する騎士達の集団「神殿騎士団(テンプルナイツ)」が結成された。その数は数万を超え、活動資金は法皇庁の予算で賄われる。この中の特に優れた者が「聖騎士団(クルセイダーズ) 」に所属を許され、「聖騎士(ホーリーナイト)」と称される。1000年前は聖堂騎士(パラディン)と呼ばれていた。
●以前はルベリオスの下部組織でしかなかったが、聖騎士団長ヒナタの手で、西側諸国に点在している教会に騎士を派遣し、“弱者を守る正義の味方”として効率的な組織活動を行う精強な組織に変わっている。
●“東”の裏社会を支配する巨大な秘密結社。東の帝国の裏社会を支配していた「闇の母(エキドナ)」をユウキが潰して出来た組織。ユウキを総帥とし、男の欲望を象徴する“金”、“女”、“力”を冠する3人の頭領が存在する。また、下部組織に“女”のミーシャが取り仕切る“娼婦の館(エキドナ)”や“金”のダムラダが任された“奴隷商会(オルトロス)”があるが、“奴隷商会”は切り捨てられてマサユキが検挙する事になった。
=== 種族 ===
人間と魔物・魔王は基本的には敵対関係にあるが、積極的に争うのではなく相互不干渉の雰囲気が維持されている。
人間以外の種族は全て、人間側の視点から便宜上の区別がされており、人間と友好的で人類の一員と見なされているドワーフや耳長族(エルフ)などの人間と交配している人間に近しい種族を「亜人(デミヒューマン)」、それ以外の人類に敵対する一般動物以外の種族の総称が「魔物(モンスター)」とされている。また、魔物のうち、知性が高く生殖能力のある種族を「魔族」と呼び、その中でも強大な力を持つ魔物を「魔人」と呼ぶ。
例として子鬼族(ゴブリン)や豚頭族(オーク)などは、ドワーフなどと同じく妖精族の末裔ではあるものの、人間と敵対しているため魔物(魔族)であるとされているが、異種交配は可能であるとされる。「上位魔人」の代表的な種族としては巨人族(ジャイアント)、吸血鬼族(ヴァンパイア)、悪魔族(デーモン)などの長命種族が挙げられるが、人間が魔人となるレオンのようなケースも存在する。人類の脅威として恐れられる一方で、強大な力を持つミリムやルミナスは神として信仰を集めており、妖鬼や龍人族のような強力な魔物の一部も土地神として崇められている場合がある。
魔物の繁殖には種だけ授けるか本気で作るかの2パターンある。種だけを授ける場合は魔素の減少は少ないものの、親の能力をある程度受け継ぐが弱い。本気で子作りすると、親は魔素量の最大値が半減するほどに消費し、回復しない場合がある上に寿命まで減るが、強力に全ての能力を受け継ぎ生まれてくる。なお、女性は相手が気に入らなければ妊娠を拒否できるので、望まない妊娠が起こる事はない。弱小種族は奪われる力が少なく個体数を増やす事で子孫を残すので多産であり、個体としての生命力が強く能力減退のリスクが大きい上位種族ほど繁殖力が低いという傾向がある。
動物と魔物の区分けは難しいが、明確な違いとして魔物は動物より遥かに強い。さらに細かい区分けとして、動物が魔素を浴びて変質した“魔獣”は動物と同じく肉や木の実を食事にし、一方で食事が魔素メインなのは“妖獣”と区分される。
魔物は人間に対する危険度の大きさで自由組合による危険度ランク付けがなされている。ランク内での強弱をプラス、マイナス記号を付記しB、Cのように表記することがある。ただ、災厄級以上の存在は人間にとって細分化する意味がないほど危険なので、特A級を超える場合は同じランクでも実際の強さが大きく異なる事が珍しくない(例:暴風大妖渦と上位龍族など)。
また、人間などの肉体を持つ生き物は、魂を覆う「星幽体(アストラル・ボディー)」、力を蓄える基盤となりうる「精神体(スピリチュアル・ボディー)」、世界と直接的な繋がりを持つ「物質体(マテリアル・ボディー)」の3つの位相体から成る種族であり、このうち物質体を持たないものを精神生命体(悪魔、天使、精霊など)として設定されており、精神生命体は召喚されるなどの行為により物質体を得る(受肉)ことで肉体を持った存在として強化される。竜種は精神生命体ではあるものの、魔素を用いて自力で物質体を形作ることで受肉することができる。
魔族(魔人)は成長の果てに“魔王種”へと至ることがある。存在値は最低でも20万以上で、この時点でも3人以上の魔王達に承認されれば魔王を名乗ることができる。そして、一定の条件を満たし、1万の憎悪する“魂”を得たものは“真なる魔王”として覚醒し、魔王種とは一線を画す災禍級でも最上位の強さを得る。また、魔王への覚醒進化に成功すると、“魂の系譜”にある配下の魔物達に“収穫祭(ハーヴェストフェスティバル)”の祝福が分配され、進化したり新たな能力を得る。
一方で、人間もまた過酷な修練の果てに半精神生命体の“仙人(せんじん)”へと至ることが可能で、進化すると魔素量と寿命が大幅に増加する。さらに進化を果たして存在値が100万を超えると、「覚醒魔王」に匹敵するとされる“聖人”へと至る。人間は魔物と違って進化しても身体がすぐには適応できず、長い年月をかけて馴染ませる必要があるが、完全な“聖人”に至れば肉体に囚われない精神生命体と等しくなり、睡眠や呼吸も不要となる。
●魔素量や身体能力を数値化した上に、装備している武具の含有エネルギーを加味したもの。英語ではEXISTENCE・POINT(イグジステンス・ポイント)で、EPと略される。
●所持している能力や研鑽された技量は計測不可能なので、実際的な戦闘能力を指すものではなく、あくまで参考や目安である。
●魔国連邦では自由組合の等級とも紐づけている。E級が1000未満、D級が1000から3000未満、C級が3000から6000未満、B級が6000から8000未満、B級は8000から9000未満、A級は9000から1万未満で、ここに大きな壁が存在する。A級は1万以上、特A級(災害級)は10万以上、魔王種は20万以上、S級(災禍級)は40万以上とし、魔国連邦のみの基準である特S級は80万以上、そして100万を超えた者を超級覚醒者(ミリオンクラス)と呼称する。なお、従属神のような例外を除けば、存在値が200万を超えた時点で種族が神性を帯びる。
●また、神話級(ゴッズ)の装備は100万の潜在値を持つ。ただし、その潜在能力を引き出すには、装備に宿る意思から真の主として認められ、自らの存在値を上昇させる必要がある。
=== 能力、技術 ===
●何らかの成長を世界が認めた時に獲得することがある能力。獲得の契機は進化や、強い意志によるものなど様々。また、契機が訪れたとしても、本人の資質や運など偶発的な要素が絡むため、獲得が保証されるということはない。その他、種族特性として先天的に獲得しているともある。また、複数のスキルを獲得した場合に統合されて新たなスキルとなる場合もある。
●スキルの種類としては大まかに、共通能力(コモンスキル)、特別能力(エクストラスキル)、特殊能力(ユニークスキル)、究極能力(アルティメットスキル)の4つに分類される。エクストラスキルは、コモンスキルより威力も性能も段違い。本来英雄のみが獲得すると言われる、感情や願望が具現化したユニークスキルはさらに強力で、自らの願望が形となり望むまま固有の権能を主に与える。“魂”に根付く場合が多いので、保有者はスキルによって“魂”が保護されており、“魂”に影響を与える権能の効果を緩和できる。究極能力は真なる魔王、聖人、勇者といった特別な域に至ったごくわずかな者だけが得る、天使や悪魔、神の名を冠したスキル。中でも人の根源的な欲求に由来する大罪系のスキルは特に強力とされる。個性から発現するのがユニークスキルであり、その限界を超えた先にあるのが究極能力なので、基本的に共通点が多く似通った究極能力は有り得ない。修練で肉体を極めた先に身に付けたスキルや魔物の種族固有スキルのように肉体に宿るスキルもあるが、総じて“魂”から生じたスキルの方が強力で、肉体のスキルは良くてもエクストラレベルである。
●この世の全ての法則はユニークレベルでしかない。究極能力には究極能力で対抗するしかなく、下位の能力は通用しないのが絶対的な法則となっている。『絶対切断』『無限牢獄』『英雄覇道』のような例外があるので、実際にはユニークとアルティメットの差は絶対ではないのだが、究極の力には究極の力で対抗するのが最善である。
●痛覚、耐熱、刺突、物理攻撃、耐寒、熱変動、電流、麻痺、炎熱攻撃、毒、自然影響、状態異常、精神攻撃、聖魔攻撃などに対するレジスト系スキルにもランクがあり、『耐性』の上位が『無効』である。無効化には限界が存在するようで、例として、数千度の高熱になら『熱変動耐性』で耐えられるが、数億度もの熱量になると『熱変動無効』でも無効化に失敗する。
●個体が自らの努力と修練で獲得する後天的な技術で、武術や魔術などがこれに該当する。魔素を持たず、魔力に乏しい人間が力を得る際に習得する事が多いが、知性の高い上位の魔物も習得している場合がある。
●例えばハクロウが用いるのは、修練によって体内の魔素を練って闘気(妖気)となし、直接攻撃力に変換する身体強化系の技術〈気闘法〉で、武器や拳を強化する初歩の“気操法”、瞬間的に移動する“瞬動法”、相手の認識を遮る“隠形法”など、様々な術がある。
●闘気を魔法力に変換して武器に纏わせるエクストラスキル『魔法闘気』などのように、アーツとスキルを複合させて使用することもできる。
●魔法は「何らかの効果を生じさせるイメージ」を、特定の法則によって具現化するもの、と解説されている。なお、能力でありながら技術でもあるので、魂のエネルギーの代わりに大気中の魔素を利用する事で法則を操作できる。
●魔法属性は“地・水・火・風”の自然属性と“空間”属性からなる五大属性と、光、闇、時の上位三要素がある。五大属性は「地>空>風>水>火>地…」という相克関係になっていて、“光”と“闇”は背反し、“時”は何者にも囚われず全ての属性の上に君臨する。
●また、〈元素魔法〉〈精霊魔法〉〈神聖魔法〉〈召喚魔法〉の4つに大別でき、これを四大魔法という。この大別により、魔法を使う職業の名前も「法術師(元素魔法系)」「呪術師(精霊魔法系)」「召喚術師(召喚魔法系)」などの相違があり、2系統以上の魔法を習得した者は「魔術師(マジシャン)」、3系統以上の魔法を習得した者は「魔導師(ウィザード)」と呼ばれる。四大魔法の他にも、〈幻覚魔法〉〈刻印魔法〉〈死霊魔法〉〈核撃魔法〉〈精神魔法〉〈暗黒魔法〉〈竜種魔法〉などが存在している。
●法則を紐解き、世界の真理を探る事で奇跡を起こす詠唱魔法。魔素によって物理法則を書き換える魔法であり、現象の発動ではなくイメージの具現化によって発動される。使用者は「法術師(ソーサラー)」と呼ばれる。自然現象や化学現象とは異なる法則によって成り立ち、術者の込めた魔力と魔素が尽きない限りイメージ通りの効果を継続的に発揮するが、法則性を見出すのは難しく、他の目的に流用しようとすると上手くいかない。威力では〈精霊魔法〉を上回るが、詠唱を必要とするので発動が遅く、近接戦闘は難しい。
●人間は自分の魔素を着火源として用いつつ、呪文の詠唱により大気に満ちる周囲の魔素を集めて術式を構築するので、制御には相応の精神力と魔力が必要。一方で、魔物が元素魔法を用いる場合は、自分の体内魔素にて即座に発動可能なケースがある。
●〈元素魔法〉の究極であり、奥義。究極能力にも通用するほどの高度かつ強力な魔法で、精神体で魔素量が膨大な上位の悪魔族や竜種なら連発可能だが、人間が扱う場合は高レベルな術者達が儀式魔法や集団魔法として時間をかけて唱える必要がある。
●精霊と契約を結び、対価として魔素を渡し、その力を借りて発動する魔法。使用者は「呪術師(シャーマン)」と呼ばれ、召喚魔法も同時に習得した者は「精霊使役者(エレメンタラー)」という。精霊という自然現象に準じた存在の力を、そのままの形で行使するので、結果は物理法則に従ったものになる。極めれば〈元素魔法〉と対になる攻撃系魔法となり、更なる修練で〈精霊召喚〉を習得すれば契約精霊そのもの力を自由自在に行使できる。呪文の詠唱を必要としないので近接戦闘に組み合わせやすい。
●この世界で自然現象は精霊の力と結びつけて考えられており、精霊はこの世の法則が具現化した存在で、8属性いる。
●精霊魔法の亜種。悪霊や亡霊といった負の怨念を利用する魔法で、亡者などを召喚できる。
●通常では干渉できない“霊子”を効率的に運用する魔法。無属性で“霊子”を操作する系統と、聖属性で魔素を打ち消す系統がある。神聖系最強の“霊子崩壊(ディスインテグレーション)”は、究極能力保有者にも通用する魔法のひとつである。仕組みは〈精霊魔法〉に似ていて、一般には聖霊との契約で為されると言われているが、実際には奇跡を信じる信仰の力こそが習得の条件で、善悪は関係なく想いの強さが力に変わる。その原理は“信仰と恩寵の秘奥”と呼ばれ、信仰対象となる神の“名”を媒体に力の一端を借り受ける事で術者が魔法を使用可能になる。この場合の“神”とは“霊子”に干渉可能な存在を指し、神との契約が成り立ってさえいれば、大気中の魔素を集める必要もなく、自身の魔素量にも左右されず、十分な知識と詠唱時間だけで大魔法を行使可能。祈りの言葉はイメージを伝えるのが目的で、演算処理は個々人に任されている。
●信者が増えれば魔力が増大して“神”としての格が上がり、信者との繋がりで自分の演算領域を代用させるという裏技も可能になるので、膨大な信者がいれば大規模な魔法でも一瞬で行使出来るようになる。
●上位存在としての精神生命体や、使役する魔物を召喚し、行使する魔法。使用者は「召喚術師(サモナー)」と呼ばれる。他の魔法を修めたうえで初めて習得可能な魔法であり、魔物の召喚なら元素魔法を習得し空間系の理を理解する必要が、精霊召喚の場合は精霊魔法の習得が必要。術者の技量で大体の魔物の強さが決まり、自分の実力以上に強い魔物を召喚するには様々な条件が必要。
●〈精霊魔法〉に似ているが別系統の魔法。妖術などを含む。使用者は「妖術師(マーヤー)」と呼ばれる。元素魔法に基づくものと、精霊魔法に基づくものがある。
●魔法効果を付与する魔法。使用者は「符術師(エンチャンター)」と呼ばれる。自分だけでなく他者の魔法も刻印可能。札や宝珠のようなアイテムに魔法を込めておくのが一般的で、一時的に武具に魔法効果を付与することも可能。
●〈刻印魔法〉の上位互換。悪魔を憑依させた魔人形(ゴーレム)の作製が可能。
=== 用語 ===
●「転生者」は転生前の記憶を引き継いで転生した者全てを指す。作中ではリムル、マリアベル、アゲーラ、ヴェノム、ガドラなどがこれに当たる。異種族への転生者の例はあるが、「前世の記憶を持ったまま元の世界から次元を渡り別種族に転生する例(別種族への転生者かつ異世界人)は非常に稀」とされており、リムルはこれに該当するが、世界の年齢とほとんど同年月を生きているヴェルドラですら聞いたことがない珍しい事例であることが説明されている。ガドラは神秘奥義:輪廻転生で転生を繰り返しているものの失敗のリスクがあり、死霊として復活したアダルマンの実例が存在する。
●「異世界人」については、現実世界と異世界の間に開いた裂け目やゲートなどに落ちたことで次元移動してしまった来訪者と、この世界から故意による召喚儀式で元の生活を強制的に奪い無理やり呼び出された召喚者をまとめて指す。どちらの場合でも自力で元世界へ帰還することは不可能となっている。界を渡る際に浴びる魔素の影響でユニークスキルなどの強力な能力を得る場合が多い。そのスキルの影響は当人の性格、人格などにも後天的に及ぶ。
●「召喚者」は転生者とは別に、元の世界で自身が持っていた肉体を失うことなく召喚術によりこの世界へやって来た者を指す。主に魔物へ対抗するための兵器として喚ばれる場合が多く、召喚主に逆らえぬよう呪いを刻まれる場合も多い。世界を渡る際に肉体が一度滅び、大量のエネルギーを取り込んで半物質化する。必ず個々特有の“ユニークスキル”を持っているが、強い“魂”がなければ召喚に耐えられずエネルギーに飲み込まれて滅んでしまう。様々な条件を提示する場合は、30人以上の召喚術師で7日かけて儀式を行う上、成功例は1%未満と極端に少なく、33年から66年のインターバルが必要になる。条件を示さない不完全な召喚ならインターバルは短くなるが、成功率は低いままな上、成功しても子供が呼ばれてしまう事が多く、身の丈に合わない大量の魔素の為に5年ももたずに死亡する。西側諸国では異世界人の召喚は禁忌とされているが、ファルムス王国やシルトロッゾ王国など秘密裏に召喚を行っている国家も存在する。
●「来訪者」は召喚術によるものではなく、偶発的な要因により元の世界からこちらの世界へ迷い込んで来た者を指す。召喚者との区別は困難で、非合法な召喚者を保護した来訪者だと主張された場合、真偽を確かめる術はない。
●人類の切り札となる存在。異世界において人類は圧倒的に強い魔物の勢力の脅威に常に晒されている為、対魔物への戦力として希望となる勇者が求められる。“勇者”はそう簡単には生まれないが、飛び抜けて強い“異世界人”を召喚する方が効率が良いと考えた各国では禁忌を犯して極秘裏に勇者召喚が行われており、これで呼ばれた者が“召喚者”である。
●勇者になりうる可能性を持つ者には“勇者の卵”が宿り、試練を超え卵が孵る事で真なる勇者として覚醒する。本来の“勇者”の資質とは光か闇の上位精霊を従える事であり、全ての罪や咎を背負う覚悟を持たなければ精霊の試練に打ち克てない。ミリムによれば、「特別な存在で、勝手に名乗っていいものではない」との事だが、何も考えず、精霊の怒りを買う事を恐れない馬鹿が名乗る事もあるという。
●勇者を名乗る者には因果が巡り、対となる魔王との縁が必ず生じる。例として、勇者グランベルは、魔王ルミナスの配下になった後、再び離反するという複雑な縁をもつこととなった。また、本人が勇者であり魔王でもあるレオンは因果が自己完結している。
●この世界の魔法の根源となる物質で、主に高い魔力を持つ魔物の個体から放射されるほか、空気中に存在する魔素を用いて魔法として行使出来るような性質を持つ。魔素濃度の高い場所ではヒポクテ草(回復薬の原料)などが発生・栽培できるほか、「魔素溜まり」と呼ばれるポイントからは魔物が発生することもある。
●魔物に限らず人間でも、種族または個人能力により耐えられる分量に限界点があり、限界を超えると死に至ると説明されている。一方で魔法行使の際のエネルギー源となることから、魔素が染み込んだ食品は魔力回復剤としての性格も持つ。
●魔国連邦でガビルとベスターが行った実験により、「意思」に反応するものである事が判明した。
●魔素を構成する特殊な粒子。時間と空間を無視した特殊な動きをする為にあらゆる障壁を素通りする性質を持ち、自然転移する法則性である乱数位相を看破しなければ、『絶対防御』でも貫通する。
●霊子より小さな世界の最小単位。質量は限りなくゼロに近い。あらゆる物質に含まれており、これを管理する事である程度生と死を司る事が可能となる。
●不定形な波長である自我を、“情報子”の集合体である「心核(ココロ)」が包んでおり、これに全ての情報が刻まれる。そして、心核を覆うエネルギー結晶が“魂”であり、魂に刻まれた情報が力、つまり能力(スキル)を行使する源になる。
●物語の根幹を成す固有能力で、魔物であれば全員が苦もなく使いこなすとされている。名無し魔物同士の個別認識のほか、意志を乗せて話せば言語が違っても相互理解可能、肉声が届かないほど距離が離れても通話可能、などの特徴がある。
●主に名無し魔物に名前を付ける儀式を指す。上位の魔物が下位の魔物に“名付け”した場合のみ効力が発揮され、“名付け”られた魔物は名付けた魔物から所有魔素を奪うことにより進化する。魔素は生命力と同義であることから、子を成す行為によって生命力を子に奪われた親が死亡することもあるのと同様、簡単に行われる行為ではない。
●上位存在に“名付け”られると性質が変化してしまうため、自力で獲得した“魂”を使っても“真なる魔王”に覚醒する事はできない。他者に“魂”を与える場合のエネルギー効率は1割程度に低下するので、“魂”のエネルギーを変化させる能力があっても10万の魂が必要になる。
●スキル『影移動』によって利用できる空間。主な使用者はランガ、ソウエイで、影の中に潜むことで移動距離を無視して常に側に居られる別空間待機所(ランガ)、影から影へ繋がる異空間を通過することにより移動距離をゼロにしてしまう空間能力(ソウエイ)として活用されている。ただし空気が存在しないので、人鬼族などは息を止めていられる間しか利用できない。
●影空間の内部では熱の移動が起こらないので、遠隔の温泉地より鉱泉を引き常時入浴出来る露天風呂の源泉輸送経路として活用されている。
●後にリムルの発案として影空間と魔鋼を利用した世界規模での通信伝達網構築構想が語られた。
●ヒポクテ草から不純物を取り除いた抽出液を魔素と融合させて作製される薬品。抽出率99%の完全抽出液を“完全回復薬(フルポーション)”、これを20倍希釈したのが“上位回復薬(ハイポーション)”で、更に5倍に薄めると“下位回復薬(ローポーション)”になる。抽出液は非常に反応しやすい性質がある為、不純物が何もない完全な真空状態でなければ抽出率99%は達成できず、98%以下の抽出率では上位回復薬と同等の効果にしかならない。回復薬は遺伝子情報をもとに効果を発揮するので、完全回復薬なら部位欠損すら治療可能で、所有者が長く愛用して意思が宿った“魔鋼”製の武具まで回復させるが、魂の蘇生まではできない。
●完全回復薬の量産に成功している魔国連邦では、下位回復薬を銀貨4枚、上位回復薬を銀貨35枚で販売している。
●回復薬の原材料として有名な、魔素濃度の高い場所に生育する稀少な薬草。劇的な効果はないものの、抽出液の搾りかすを魔素と融合させれば傷を塞ぐ軟膏になる。
●ガビルとベスターの研究から、実は高濃度の魔素によって突然変異した植物の総称であり、厳密にはヒポクテ草という植物の種は存在しないという事が判明した。なお、抽出後の魔素が全て採取されたヒポクテ草は、元の雑草へ姿が戻ることも分かっている。
●鉄鋼より硬度が高く、柔軟で、魔法との相性もいい金属。沸点が1万度近くと超高温にも耐性があり、自己再生能力もある。魔素の誘導と非常に相性が良く、使用者のイメージに添って徐々に理想の形態へと姿を変える“成長する武器”となる。
●原石である“魔鉱石”は、魔素濃度の濃い場所にあった鉄鉱石が、長い年月をかけて魔素を大量に取り込んで突然変異した物質であり、最低でもBランク相当の魔物の生息地にしか存在しない。“魔鉱石”から取れる“魔鋼”は3〜5%であり、“魔鋼塊”は同等の金の20倍以上の価値を持つ。その価値の高さから純魔鋼の武器はほとんど製造されず、魔鋼を芯に刀身を鋼鉄で整えるのが普通。その為、長い年月を経て魔素の侵食が進んだ武器の方が強く、古くなっても周囲の魔素を取り込んで自動再生するので、錆びや欠けも起こらない。また、命が宿るとも言われており、折れたり完全な歪みが出来た時、魔素が一気に抜けて風化するという。
●金という希少金属の『不変』性に着目し、“魔鋼”に“金”を加えて通常よりも濃密な魔素を注入する事により精製した特殊合金。全ての面で“魔鋼”を超えるが、金そのものが希少なので量産は出来ない。
●金剛石を超える硬度と生物らしい柔軟性を備えた伝説級(レジェンド)相当の金属。
●魔鋼がヴェルドラの波動にて変質した、黒銀色の特異な生体魔鋼の一種。神輝金鋼に匹敵する強度を持つ。
●永久不変の属性を持つ神話級(ゴッズ)の金属。あらゆる性質の波長に反発し、『解析鑑定』も欺く。普段は光さえも打ち消すので闇夜のような漆黒をしているが、魔力を流して戦闘状態に変化させると虹色に光り輝く。
●仮面型の魔法道具(マジックアイテム)。付与された効果は『魔力抵抗、毒中和、呼吸補助、五感増強』の4つ。『魔力抵抗』は敵の魔法への対抗と自身の魔力の隠蔽、『呼吸補助』で無酸素の環境下でも呼吸が可能になり、残る『毒中和』『五感増強』も冒険者には必須と言える。
●元々は“勇者”の所持品であったが、50年前近く昔にイフリートを抑制する目的でシズに譲渡される。時を経てイフリートが暴走した際に破損、シズの死後は形見として最期を看取ったリムルが継承、『捕食者』で取り込んで再生され、その後はリムルとの別れを悲しんだクロエにプレゼントされた。
●“勇者”=クロエである事から、彼女と共に“時の輪廻”を繰り返している装備であった。その為、無限の時間厚を内包しており、仮面の創造に関った者でなければ傷付ける事が出来ないという性質を秘め、上位魔将時代の「原初の黒」(=後のディアブロ)でも破壊出来ず逆に腕を吹き飛ばされている。
●魔国連邦にて開発された列車・鉄道網。車体は魔鋼製で、動力の蒸気機関に必要な燃焼力として“精霊魔導核”を搭載し、魔導科学で構築された制御魔術術式で運用され、魔素を熱量に変換させてタービンを回すだけでなく、タービンで生み出された電気を“精霊魔導核”に戻して溜め、蓄電池としても利用できる。
●試験運用中は動力車1両に貨物車2両と客室車3両の6両編成で、平均時速50キロメートルを維持して運行する。客室車は80座席で、最大150人まで収容可能。理論上は4倍の速度まで出す事が出来、積載量は1000トンを超えるので、将来的には時速100キロ以上、10両編成での運用を計画している。
●ブルムンド王国を中継地点として、北側はファルメナス王国経由でドワルゴンの西口まで、南側はクシャ山脈を貫くトンネルを経てサリオンまで線路を伸ばす予定。
:; 精霊魔導核
●精霊を利用した動力炉。魔素を各種属性の精霊に与える事で、使い勝手の良いエネルギーへと変換する機能を有しており、エネルギーを循環させる事も可能。大気中に含まれる魔素が燃料で、足りない場合は魔石を用意するだけで済み、メンテナンスが必須とはいえ常に魔素が存在する場所なら永久に活動可能。
●クロベエとカイジンが共同開発した新式の魔法武具(マジックウェポン)。カイジンとベスターによる“精霊魔導核”の研究を元に属性を付与した魔石「精霊属性核(エレメント・コア、通称「魔玉〈コア〉」)」を、クロベエが製造したベースとなる特質級(ユニーク)武具に空いたビー玉サイズの孔へ嵌め込む事で、魔法を固定する事のない属性変更が可能な魔法武具が完成した。孔の数は最大で3個が限界であり、クロベエでも成功率は1%未満。なお、カイジンは2個孔、クロベエの高弟4人は1個孔が最高で、他の弟子達では成功していない。
●また、帝国との戦争では、魔玉にカリスの炎の魔力を込めた「炎爆玉(フレアボム)」という形で爆弾として利用された。
●帝国が実用化した新兵器の1つ。5人で操縦され、古代遺跡から発掘した魔導制御動力炉を現代風に改良して、石油の代わりに魔素を利用した内燃機関を有し、大気を循環させる事でエネルギーをチャージ、放熱と魔素供給を同時に行う。
●主砲の“魔導砲”は初速2000メートル/秒、装弾数50発、1分間あたり5発連射可能で、最大射程30キロメートルの有効射程3キロメートル、破壊力は超高等爆炎術式に匹敵し、魔法原理で発射されただけの質量兵器なので対魔法結界は効果がない 。さらに、数万度の熱と爆風で範囲数十メートルを吹き飛ばす特殊弾も試作されている。
●帝国の魔法技術の結晶といえる秘密兵器。最大400名が搭乗可能で、操作を行う運用部門、対物理、対魔法、対属性の『防御結界』を担当する防御部門、計5門の魔法増強砲関係に携わる攻撃部門に各100名ずつ割り振られ、残る100名は予備、連絡や医療関係に従事する。最高速度は音速を凌駕し、最大の特徴として魔素撹乱放射(マジックキャンセラー)発生装置が搭載されている。
●リムルが開発したデバイスで、魂の器の代用として働く。
●これを核とし魔精核で形作った魔物に埋め込むことで、本来の身体とは別の「仮魔体(アバター)」を持つことが可能となる。作中ではリムルやラミリス、そして強すぎて活躍の場が限定されるヴェルドラやミリムが、仮魔体を利用して迷宮内の魔物側「遊撃パーティ」として活動するのに使用しているほか、混沌竜の魂を擬似魂に吸わせることで別の魔物へ復活させることにも使われた。
●東の帝国との戦争では、奪い取った魂から抜き取った“情報子”を含ませた擬似魂を遺体に埋め込むことで殺した帝国将兵を蘇生させている。擬似魂で蘇生された者は普通に生きていく分には問題なく、鍛えた身体能力や魔法の知識、習得した技術は損なわれないが、スキルは魂と強く結びついたものなので、魂のエネルギーを奪われた擬似魂では使用できない。
●魔王3人以上の合意により開催される魔王集会。元々はギィ、ミリム、ラミリスの3名で行われていたお茶会だったのだが、現在では魔王視点で世界に関わる様々な合意が必要な事項が話し合われるほか、新しい魔王の就任も認定されるなどの側面を持つ。
●なお、「魔王の総称」を決定するための会合でもあり、十大魔王となる以前は「名称を決定するたびに(魔王の数が)増減した」という理由で何度も開催された上、結局は人間側の呼称によりなし崩しに決定となり魔王たちの命名に関する数年以上に及ぶ努力は全て無駄になったとされている。
●500年周期で発生する大戦。地上の発展した都市を目標に天使族(エンジェル)の軍勢が侵攻し、呼応するように魔人も活性化することで、天、魔、人が入り混じって大戦が行われる。ドワーフ王国が地底に、サリオンが神樹の洞に都市を築くのは、天使から都市を守るためである。