執筆:リディア・ティフィードさん
ロイさん
監修:シェラ・A・ラキシエール(18)
発行:統一暦146年3月
3月になり、ようやく暖かな日が増えてきましたね。2月の雪の降る静かな夜・・・というのも趣があっていいですが、やっぱり人間長く自分の体温よりも低い環境で過ごしていると、精神がその環境を望んでも体が温かな気候の方を望むものですね。ちぢこまっていた体がようやくほぐれてきたような感覚というのでしょうか。
今月は冒険者ギルドに関する情報を掲載していますので、ご一読してみてください。それでは、記者のみなさんから送られてきた記事の方をご紹介していきましょう。
以前、フィレンカ-駿羅間の航路に関する歴史をこのコーナーで取り上げたことがありました。その記事を覚えていらっしゃる方はご存知かと思いますが、現在の「冒険者ギルド」設立に関してはアーネスト=レテルカッツという人物の名を外すわけにはいきません。
アーネスト=レテルカッツは以前にも述べたように睦尾群島の発見者です。睦尾群島は−64年にアーネスト=レテルカッツによって発見されるまで、幾多の冒険者が挑み、そしてあえなく散っていった舞台となりました。まさにその発見は冒険者にとって最大の目標となっていたのです。そんな睦尾群島の発見者となったアーネスト=レテルカッツは、当然のごとく同じ冒険者達から英雄として讃えられます。こうして冒険者を代表する存在となった彼は、次第に冒険者を組織化することによる、情報の共有化・効率化、資金の効率的且つ円滑な運用の利を考えるようになります。
この頃の冒険者達は個人で資金を集めて探索等に出ており、冒険者間のネットワーク(組織)は存在していませんでした。満足に冒険者として生活できたのは一部の人間に限られており、アーネスト自身も、自分で開拓した航路を自分自身の資産を用いて運営していましたが、その中で冒険者を組織化して相互援助を可能にすることによる冒険者の底辺を拡大する必要性を感じたのだと言われています。
すでにフィレンカ国内において多大な発言権を得るまでになっていたアーネストは、聖王国フィレンカ及び王立魔術研究機関「レイ・フィレーナ」の両者に働きかけを行い、資金的・技術的に連携した組織・「冒険者ギルド」の設立を要請します。フィレンカとしても冒険者の組織化は、平時には世界の情報交流を媒介し、戦時には有能な傭兵として役に立つといった思惑があり、また王立魔術研究機関としても魔術研究に対して冒険者側からの協力が不可欠と考えていたと言われています。こうして睦尾群島発見から4年後の統一暦−60年「冒険者ギルド」がフィレンカを本部として設立されました。
その後、冒険者ギルドは各地に支部を持つ一大ネットワークとして、国の管轄を超えた活動をも受け持つような組織となり、現在に至っています。この新聞ももちろん冒険者ギルドの協力を得て各地に配信されていますし、現在では冒険者だったらギルドの恩恵に関わっていない人はいないでしょうね。
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