ムービーランド
店長の 映画言いたい放題 251-300
★=1ポイント、☆=0.5ポイントで、最高は5ポイントです。
『ゲド戦記』( seen by DVD )
観た日:2007/07/15
お薦め度:★★★★ もう一度観たい度:★★★★★
2006年06月19日に、劇場で観ました。でも当時から、書けなかった(というか、書きかけ)レビュー。いろいろ考えされられたのさ。で、もう一年たっちゃった。そしたら、先週DVDが発売されて(その遥か前から延々とPR広告が垂れ流されてましたね)、買っちまった。
で、観た。2回観た。うむ。
ジブリ作品って、アニメとしてのクオリティはとっても高いので、それだけで“観せちゃう”ところがある。でも、ジブリ作品であることと、宮崎駿作品ではないことの差って、とっても大きい。
その一つ目は、“言葉による唐突な主張や説明”があるかないか、だ。本作の場合は「“限りある生”=“死”を受け入れることで今を一生懸命に生きられる」という主張が、言葉でなされちゃうのだ。ハイタカもテルーも話し過ぎなのだ。ところが、宮崎駿が演出する作品は、言葉の代わりに映像で説明がされ、映像を観てみんなが納得することができる(と、思う)のだ。
それから、コマ割りとかシーンとかにも唐突さがある。最たる部分が、竜の登場である。テルー(テハヌ)と竜の関係がワカラン。でもテルーは竜になる。まぁまぁ想像しなさいよ、ってことなのかもしれないけど、かなり不親切な感じを受ける。
たぶん、ストーリーを“削る”のと“省く”のは違うのだ。“削る”作業は“磨き上げる”に似たものだが、“省く”というのはただ単純に“そこからなくなる”ことを意味するわけで、だから、観る人の第一声に「意味がわからなかった」というのがあるわけ。この“省かれた部分”を自分なりに想像しつつ補完しつつ観ることができると、最初に観た時点で、面白いという意見に収束することができるかもしれない。でもそれを強いるのは、製作側のエゴともいえるよね。
失敗作でも駄作でもないと思う。世界中で親しまれている大巨編を取り上げるのだし、監督の意思思想が反映されるのが映画というものだから、いろいろ言われたとしても、別に構わないと思う。
でもな〜、あんなに文句タラタラ非難ブーブーだった本作を、DVDを売らんがために、さも名作っぽく祭り上げるのはなぁ。商売だからね〜上手に広告するに越したことはないんだろうけどね〜。
ま、親殺しまでしちゃったわけだし、吾郎監督も、逃げ出さないで次々と作品を発表しつづけてくださいな。
『茄子 アンダルシアの夏』( seen on TV )
観た日:2007/06/30
お薦め度:★★★★ もう一度観たい度:★★★★★
2003年作のアニメ。
上映当時、47分という短さにもかかわらず通常料金だったので、元は取れるのか〜?と思いながら観たのだが、ノックアウトされました。そして、今回もKOされた!
当時の寸評では、ぺぺ役の大泉洋を「2世紀にまたがる最強のローカリスト」と称していたが、なんというか、もうローカルタレントではありませんねぇ。
スタジオジブリの作画監督の高坂希太郎が、監督をしているので、なんとなくジブリ作品みたいな気がしてしまうのだが、製作はマッドハウスです。ジブリは関係ありません。ま、絵も、ジブリじゃないもんね。
個人的には、自転車レースには詳しくないけど、でも、このアニメでは、そんなことは関係なくレース自体が楽しめる。特に、最後のガチャガチャが、いいですな。
人間関係がしっかりしていて深く織り込まれているので、むしろそっちの方が楽しめるかな。これを言葉で細かく説明せず、絵で見せているのがいいです。
後味爽やかだし、短いアニメだから、買って持っていて一日の最後に観てスッキリして……ってのも、アリかな。
『ダイ・ハード』( seen on TV )
観た日:2007/06/24
お薦め度:★★★★☆ もう一度観たい度:★★★★☆
1988年作。ブルース・ウィルスが、まだ映画界では無名で、まだおでこにそれなりに毛が残っていたときの映画。
アメリカの何とかという映画雑誌で、最近、アクション映画のナンバー1に選ばれたらしい。
たしかに。この映画は面白い。人がジャカスカ死んじゃうけどね……。
最初は『タワーリング・インフェルノ』(1974)のパクリかと思った。火がいっぱい出るし。で、映画館で観ました。浅はかでした。派手なドロボウと、妻と別居中の裸足男との戦い、でした。
この裸足。キーワードですね。誰もが、簡単に想像できてしまう痛さです。割れたガラスの上なんて、歩けません。ま、『オーメン』(1976)(でしたっけ?)の針の上もどうかと思いますが、普通の人は、修行でなければ針の上は歩かないので、やっぱりガラスですかね痛いのは。
また、人のよい下っ端警官、マヌケな上司、もっとマヌケなFBI、割と誠実な日本人社長、マヌケな同僚、ゾンビな敵、とか、ロレックスとかすべる畳とか、ブルース演じるマクレーン刑事が何度もつぶやく「考えろ!」にあやかる必要なんてないくらい、よ〜く考えられて作られている映画です。
撮影がヤン・デ・ボンだったんだね。知らなかった。
ま、面白い映画であることは間違いなし。ブルース・ウィリスが嫌いならともかく、観ましょう!
『ハッピーフィート』(吹替)
観た日:2007/04/29
お薦め度:★★★★ もう一度観たい度:★★★★☆
監督・共同脚本・製作は『マッド・マックス』(1979)、『ベイブ』(1995)!のジョージ・ミラー、共同脚本はジョン・コリー、ジュディー・モリス、ウォーレン・コールマン、音楽は『シュレック』(2001)のジョン・パウエル、振り付けは『フットルース』(ミュージカル)のケリー・アビー、タップダンスは天才セヴィアン・グローバー、美術は『M:I-2』(2000)のマーク・セクストン。声優にイライジャ・ウッド/手越祐也(マンブル)、ロビン・ウィリアムズ/ブラザートム(ラモン/ラブレイス)、ブリタニー・マーフィー/園崎未恵(グローリア)、ヒュー・ジャックマン/てらそままさき(メンフィス)、ニコール・キッドマン/冬馬由美(ノーマ・ジーン)、ヒューゴ・ウィービング/水野龍司(長老ノア)。
皇帝ペンギンは、歌で人生を表現する。そんな南極で、歌姫ノーマ・ジーンを射止めたメンフィスは、過酷な吹雪の季節、守っていた卵をうっかり落としてしまった。心配していたが何事もなく息子マンブルが産まれた……ように思えたのだが。彼はオンチだった。かわりにタップを踏んだ。皇帝ペンギンとしてはまったくの落第者。すべてを受け入れ愛そうとするノーマ・ジーンとは対照的にメンフィスは心を痛める。ある年、魚がなかなか取れなかった。長老ノアは、その元凶はマンブルだと言う。謎を追って、偶然知り合ったアデリーペンギンのラモンらと“禁断の地”へ旅に出たマンブルは、人間の漁港に到着、マンブルは漁船を追い、泳ぎ疲れ、都市の浜辺へ漂着、水族館に引き取られた。お腹一杯に餌を与えられ、南極の魚が取れないことを調べるという、本来の目的を忘れてしまうマンブル。しかしあるとき、心の声が聞こえ、無意識に踏んだタップが見学客に見つけられた。驚いた科学者たちはマンブルに無線機をつけ、南極に連れて行った。マンブルは皇帝ペンギンの国に帰った。真実を話すマンブルに同調する家族らと、彼を受け入れない長老たちの前に、ヘリコプターが下りてきた。
この映画の出来がいいのは、半年以上前から知っていたので、最近は新作映画はなかなか観る余裕がないけど、これだけは見たいって思っていたのだった。
もう、アニメなのにあんなに毛がフサフサしているとか、見たことない動きをするとか、そんなには部分には驚きはしない。ペンギンたちが一頭ごとに別の踊りをしていることにも驚かない。既に開発された技術だからね。まぁ楽しいけどね。
この映画の見所は、なんといってもマンブルの疑問から展開する、前半とはまったく違う後ろのシナリオである。なんなんでしょね、この映画。別に、子供に、踊るペンギンで釣って乱獲防止キャンペーンを植えつけようとか、そういうことなワケではないと思う(クジラも魚を食いまくってるが、その部分には触れられてはいないけど)。しかし、ただ楽しいとか、冒険活劇だとか、ハッピーエンドだとか、そんなところに着地点がないハリウッドCGアニメっていうのは、珍しいではないか。
というか、きっと、ストレートな脚本じゃなくて、こういう癖のある変化球でストライクを取れないと、打者を打ち取れない(集客できない)ってことなのかな?環境問題なんかを入れないと、出資者を説得できないってことなんだろうか?世知辛いね……。
なにはともあれ、出来はいいです。観て損はなし。陳腐な言い回しだが、オトナも子供も楽しめると思う。
『オズの魔法使い』( seen on TV )
観た日:2007/02/21
お薦め度:★★★★★ もう一度観たい度:★★★
1939年の作品である。
どうよこのCGの完成度。魂がこもってるよね。特にワイヤーアクション(って、当時はそんな言葉なかっただろうな……)。ドロシーをさらっていく“飛ぶサル”のところなんてさ!いや〜きっと、みんながこれを真似して、今日の香港映画や日本の映画やTVがあるんだと思う(この辺は、語りつくされていると思うので、あんまり偉そうに書けませんが)。
ほかにも、たとえば悪役の魔女が水をかけられて溶けていく場面や、案山子男が襲われるシーン。もちろんフロアに穴を開けているんだけど、当時の無垢な子供達は、これを見てどれだけ衝撃を受けただろうか?まぁスレッカラシな子供もいたと思うけど。
ドロシー役のジュディー・ガーランドは、可愛いし初々しいし素晴らしい。他の配役も2.5枚目の感じでよい。
あと、主題歌『虹の向こうに(Over The Rainbow)』がやっぱり素晴らしいですね。スタンダードナンバーとしての地位という既成でなく、純粋に良い歌です。
それにしてもアメリカって、今も昔も、竜巻に悩まされてきたんですね〜怖いね〜……
あ、言い忘れたけど、犬のトト、可愛いっす!
そそ、“オズ(oz)”って、原作者ボームの出身地“ニューヨーク(NY)”のその次、っていう意味があるんだってさ。ほほぅ。『2001年宇宙の旅』(1968)のHAL9000が、IBMの“次”を差しているのも、これのオマージュなんだな〜シミジミ。
『ファイヤーフォックス』( seen on TV )
観た日:2007/02/01
お薦め度:★★★★ もう一度観たい度:★★★
なかなか観る機会がなく、やっと観ることができた。
冷戦時代に、マッハ5で飛び思考を認識して攻撃できる戦闘機『ファイヤーフォックス』を開発したソ連に、潜入し略奪するアメリカ空軍一のパイロットの話である。クリント・イーストウッドが、制作・監督・主演をしている。
1982年の映画だから、CGも現代的に出来上がっていて、そっちの見栄えもいいのだが、それよりも、冷戦時代で、スパイ活動とか反体制勢力とかが実際にあったという背景に、映画にのめり込める説得力がある。
そうそう、これについては、現代の若者(う〜私ってオヤジ?)には理解できないモノなのであろう。だいたいにおいて、ソビエト連邦共和国も東ドイツ(ドイツ民主共和国)も知らないヤツがいるんだもん。そういう人は親が持っている(かもしれない)社会の地図帳を借りてみましょうね。
で、戦闘機のアクションシーンは、たしかに凄い。20年以上前のクオリティとしては凄い。
でもやっぱり、クリント・イーストウッドでしょ。なかなか俳優として上手いんだよ彼。そう見えないけど……(偏見?)。表情もそうだけど、任務の重さと、自分のために命を投げ出す反体制主義のロシア人への困惑に、揉まれていく数日間を、ベトナム戦争への反省のオマージュと共に、キッチリと演じているのが好感です。
それから監督としても!『硫黄島からの手紙』とかで、話題再燃な感じがあるけど、イーストウッドは映画人として力あると思うよ。特に監督として。もちろん『ミリオンダラー・ベイビー』なんかを敢えて取り上げることもないよね。
ちょっぴり笑ったのが、ゴールデン・ブブローブ賞の授賞式の映像だけど、渡辺謙よりもイーストウッドのほうが小さく見えた(というか微妙に大きいか?程度)こと。なんか、もっとでかいイメージだったからね。まぁ別にいいんだけどさ。
というわけで、CG創世記でリアルなスパイ映画終末ということで、押さえておいてもいいのではないでしょうか。
その1.『桃』
原作は姫野カオルコ。監督は『深呼吸の必要』(2004)の篠原哲雄、脚本は公園兄弟(真辺克彦&鴨義信)、撮影は上野影吾、編集は山本浩司。キャストは長谷川京子、池内博之、野村恵里、草野康太。
森岡淳子(長谷川)は恩師の葬儀に出席するため、14年振りに故郷に帰った。地元の同級生は、淳子の噂で持ちきりになった。淳子は中学3年(野村)の当時、ある教師(草野)と“いやらしい”関係だった。淳子をかばう矢崎(池内)に「ただ、やりたかっただけよ」と、遠い目でつぶやく淳子。そして、桃をしゃぶるように食べた。
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