ムービーランド
はみだし 言いたい放題
without screen!

2003年03月08日 更新


【その12】 2003/03/08
『日本アカデミー賞』
昨晩TV放映された、第26回日本アカデミー賞の授賞式。どうしようもないクソったれな俗物との思いからずっと無視してたんだけど、久しぶりに見てしまった。賞自体の権威はまぁ陳腐なのでいちいち文句を言うまでもないが(だいたい、どういう基準で選んでるんだ?っと思ってたら今回やっと裏が読めたんだけど)、式もやっぱりクソったれだった〜!

クソったれの先鋒は、何といってもあの、会場インタビュアーである。もう何もかもが酷い。品も知性も皆無。見ていて聞いていて絶望感すら覚える。どうしてあ〜もロクでもないんだろうか?一言一言が、思い出されただけでムカムカするので、引用はなし!

負けず劣らずのクソったれは、スタジオ司会のみのもんただ。名前を聞くだけで頭に来る男だが、昨晩は特に酷い。会場司会の関口宏が吹き飛ぶほどの悪辣さだ。女優の年齢を並べ立てて「助演女優勢はベテランばかり」だってさ。役者は夢を売る商売、男も女も、生まれてから何年たったかなんて関係ないのである。光り放っていればそれで良いのだ。そんな基本中の基本さえ知らないのか疎んじているのかワカランが、無視して、したり顔でしゃべくりまくるあのゴルフ焼けの顔。むかつく〜!

放映対象の賞も、主演・助演賞と監督賞と作品賞だけ。まぁ他の賞もザクッと流したが、TV放映の主旨からは明らかに外されている。その行為が、スタッフが陽に当たらない現状を容認しているということが判ってない。クソったれインタビューなんぞカットして(というか行わずに)、受賞場面と受賞コメントをキッチリ放映して欲しいものである。

賞の設定もよくワカラン。「何とか賞」が数人?確定していて、そこから最優秀を選んでいる。他国の賞(米アカデミー賞とか)は「ノミネート」という形をとっている。日本のこの賞は、選考されただけで「賞」をもらっちゃう。それでいいのか、日本?

ちなみに主だった各賞は、助演女優賞が北林谷栄(『阿弥陀堂だより』、外国作品賞は『チョコレート』で、他は全部『たそがれ清兵衛』だ。
『たそがれ清兵衛』は、忙殺されているうちに上映が終了してしまったために、観たかったが観ていない。なので映画についてはコメントはできないのだが、それにしても何でこんなに賞が集中するの?他に映画はないのか?確かにスタッフは日本では大家な連中ではあるけれど。でもそれに重きを置いてしまうと、賞自体が陳腐に果てていくのは明確。
と半ばガッカリしていたら、この『たそがれ清兵衛』、資本が日本テレビじゃん。で、日本アカデミー賞は、日本テレビ系列の放映だ。
なんだ、出来レースじゃん…… もともと価値なんてなかったんだね……
いや〜、久しぶりにはらわた煮えくり返りましたな〜。


【その11】 2003/02/02
『ピーター・セラーズのこと』
先日、NHK-BS2でピーター・セラーズの映画が連発されていたのをご覧になった方も多いと思う。私はTV番組情報誌なんぞには縁がないので、何が放映されるのか観た所勝負だったわけだが、『 ピンク・パンサーシリーズ 』と、とどめが『博士の異常な愛情』(1964)だった。個人的には『チャンス』(1979)か『007/カジノ・ロワイヤル』(1967)か『天才悪魔フー・マンチュー』(1980)も観たかったが。まぁピーター・セラーズのために特集を組んだわけではなさそうな企画なので、無理は言うまい。

ピーター・セラーズを喜劇人として一括りに語るには、個人的には全く遺憾である(そもそもコメディアン・コメディエンヌを俳優業者と区別する風潮自体が如何なモノかと痛切に思うのだが、それはまたの機会に)。
イギリスのショービジネス一家に生まれたピーターは、60年代にはイギリスでは観客動員数において常に安定した実績を示し続けたが、それもコメディアンとしてだけでなく演技の質そのものを見抜いた演劇立国の英国人達を唸らせたからに他ならない。まぁピーターの根っこは確かに「どうしたら笑わせられるか」なんだけど。

ピーターが日本で知られるようになったのは、ご多分に漏れずアメリカに進出してからである。ブレイク・エドワーズと組んだことで、彼の笑いのセンス、特に“破壊”と“間”が磨かれていく。もちろん『ピンク・パンサーシリーズ』である。
キズの具合からその中にピンクの豹が見えるという世界最大のダイヤモンド、ピンク・パンサーを狙う“ファントム”とフランス警視庁きってのおバカ刑事クルーゾーの攻防は、シリーズが進むに連れて、クルーゾーの“破壊”ギャグと、左顔面ピグピグの上司ドレフェス主任警部(ハーバート・ロム)の錯乱、執事のケイトー(カトー?)(バート・ウォーク)とのカラテ・チョップ合戦に食われてしまうのだが、そんなことはど〜でもいいくらいに馬鹿馬鹿しく面白い。当時ピーターは50歳を過ぎているのに、あのパフォーマンスはお見事である。同じく英国名産の『007シリーズ』をパロディとする対抗馬意識も大当たりだ。ヘンリー・マンシーニによるお洒落で美しくて笑いの脊髄反射を促すあのテーマソングはつとに有名だが、個人的には『暗闇でドッキリ』(1964)の音楽の方が好きだな。
ちなみに、ブレイク・エドワーズ監督の妻(当時。現在は知らない)はジュリー・アンドリュースで、『ピンク・パンサー3』(1977)でオカマ歌手の吹替をしている。

ところで、私のベスト10に間違いなく入る大好きな映画『チャンス』である。ピーター・セラーズの集大成(ゴールデン・グローブ主演男優賞をゲット)であることはもちろん、シャーリー・マクレーン、メルビン・ダグラス、ジャック・ウォーデン、リチャード・ダイサートなど、名優というか年寄りばっかりのキャストだが、みんながみんな感染したかのようにピーターの潮流に身を任せて心地よく演じているのが楽しい。特にシャーリーの抜群なるコメディエンヌセンスの素晴らしさ。往年の名コンビであるジャック・レモンもタジタジ。彼女のマスターベーションシーンなんて、あんまり見たくないが貴重と言えば貴重である。まぁそんなところにスポットを当てたいわけじゃ〜ないんだけどね。
“間”と“すれ違い”がいかに笑いに重要なのかというお手本のようなコントが見事に盛り込まれているのに加え、辛辣な政治権力争いと火照る身体が、TV番組にしか興味のない男の口先から出る言葉を深読みしていく切なく悲しいエピソードが、当の本人の口先の言葉で勝手に方向を見出し癒やされていく妙。笑えて泣けてただただ感心する脚本。素晴らしい映画だ。エンドロールのNG集も良い出来である。
BS・地上波で何度か放映しているが、まだ観ていない人はVHSでもDVDでもいいから何としてでも観るべし!

というわけで、ピーター・セラーズは、ファーストネーム繋がりのピーター・オトゥール(『アラビアのロレンス』(1963))、ピーター・フォーク(『刑事コロンボ』)と共に、“ピーター三兄弟”として幼心に焼き付いた大事な大事な俳優なのであった。


【その10】 2002/11/15
ご無沙汰です。
ここしばらく、出張でL.A.に行くために、映画もこのメルマガも我慢してきました。
いままで、『猫の恩返し』『ジブリーズ エピソード2』『オースティンパワーズ ゴールドメンバー』『ピンポン』を観ています。随分前ですが……
このインプレッションは、ですから帰国後に。

L.A.では自由時間はあまりないのですが、
★チャイニーズシアターの『ハリウッドスターの手形』を舐めまくり!
★『HOLLY WOOD』の看板を、この目で!
★『プリティ・ウーマン』のあのホテルに!
★『ビバリーヒルズ・コップ』のあの通りに!
★イーグルス『ホテル・カリフォルニア』のジャケットのあのホテルをバックに記念写真を!
など、もっともっと欲張りに見てきたいと思います。
感想は後ほど!


【その9】
 久しぶりに、豪快なバカ野郎に出会いました。70歳に届こうかという御大なのですが。前から5列目に陣取ったこの御仁、いかに空いている劇場とはいえ、前シートの背もたれに足を投げ出し、コーラを飲みながらゲップを繰り返し、屁もこきまくり。挙げ句の果てには上映中に中座、頭をスクリーンに映しながら退出。あぁやっと映画に集中出来ると思ったのもつかの間、帰ってまいりました。コーラの紙コップを持って。飲み物を買い足しにお出かけなさったのでした。
 あぁ、こういう年寄りにはなりたくないね。


【その8】
 場内の、アナウンスや張り紙に、「消防法の規定などにより、喫煙は決められた場所で。」というのがある。まぁ、どこの映画館でもあると思う。
 消防法の規定はもちろん大事だ。しかしなんで、「喫煙は他のお客様の迷惑にならぬよう、マナーを守りましょう。」程度のことが言えないのかなぁ。または、簡単に「館内禁煙!」でもいいんだけど。


【その7】
 仙台に、『仙台フォーラム』なる映画館ができた。3館入っていて、大きくて100席ないという、これで採算とれるのか?みたいなハコである。なんでも、山形の映画好きの連中が、地方で上映されない映画(仙台あたりでいえば、年間200本以上あるらしい)を引っ張ってこようと苦心惨憺の末に映画館を作り(『山形フォーラム』)、好評なので真似する町が増えて、遂に仙台に上陸した、という事らしい。スクリーンは充分に大きく、シートはゆったり、音響はBOSEの巨大パイプウーハーを含む5.1chのドルビー・デジタル・シアター・システム(DTS)&ドルビー・デジタル・サウンド・システム(SRD)、完全定員制、と至れり尽くせりで、さらに一万円払って会員になると、会員証(提示で料金が千円になる)と無料チケット10枚がついてくる。美味しすぎる!


【その6】
 前を向いているので気配のみでの推測なのだが、手に取るように判るのでつい爆笑した実話。久しぶりに映画館に来たらしい、おかん2人組が、折りたたみで跳ね上がっている椅子を見て、「あら、最近の映画館の椅子って、変な形ねえ」「ずいぶん小さいわねぇ」とそのまま座っていた。暫くして、ドカン!とでかい音をたてた。椅子が倒れたらしい。「あら、こうやって座るのね」と平然。おかんパワー恐るべし。


【その5】
 『映画の日』とは、言わずと知れた毎月1日に鑑賞料が安くなる(だいたい\1,000均一)という誠にありがたい日です。ありがたいので、お客さんが殺到します。いつもは映画なんてあんまり観ないアベックも来ます。みんな同じ眉毛をした女子高生も学校をサボってやってきます。劇場の外は煙草の吸い殻やゴミだらけ、館内は上映中にも関わらずウロウロ、携帯電話の音がすることもあります。という訳で、私はあまり『映画の日』を狙って映画を観ません。


【その4】
 私は、劇場に入る前、売店で(売ってれば)缶ビールを買う。ちょっと飲むと、リラックスしてスクリーンに集中できる。って、あんまり自慢にはならないか。


【その3】
 逆光や朝日・夕日、夜の照明。いろいろな映画に見られるシーンだが、画面に起こるハレーション(レンズに差し込んだ光が変な反射をしてフィルムのあらぬ場所にいらない“光”を写し込んじゃう、あれ)を皆さんどう思います?私は結構がっかりしちゃうんですよ。『アルマゲドン』にもあるんだよ。120億円もかけてんだから、CGでチョチョイと消してもらいたいもんだ。


【その2】
 パンフレットは必ず買うようにしている。記念になるし、キャストやこぼれ話などを拾うにも役立つ。
 値段が高いと思うが、まあ目を瞑ろう。が、困るのは、そのサイズがバラバラなことだ。基本はA4版だが、AB版や、本みたいな厚さでハードカバーのものや、はたまたビデオの箱に入ったもの(!?)まで、多種多様。配給会社さん、お願いだから、揃えてよ!


【その1】
 2人の俳優が向き合っての会話のシーン、たとえば、『ジョー・ブラックをよろしく』で、ブラピが右側にいてカメラがブラピの左半身を撮っているとき、向かい合っているクレア・フォラーニを収めるカメラは、絶対に彼女の右半身を撮ってるわけですよ。つまりカメラは同じ位置にあって、つまりつまり2人の俳優とカメラは三角形の位置関係にあるのです。これって、カメラ(の位置)=観客というのが自然だからという事なのか、舞台劇からの視点を脱却できないという事なのか、はたまた、四角形になるとスタッフやセットの切れ間が写ってしまうから物理的にできないからなのか。みなさん、気になりません?それとも、こんなこと気にしているの、私だけ?