ゲームレビュー


サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜(セガ)

私にとってDC初のゲームでしたが、「サクラ大戦」は、テーマ曲の「ゲキテイ(激! 帝国華撃団)」から入って、シングルや歌謡集は一通り持っているので、完成度の高い曲の方を純粋に楽しんでおりました。 今回からキャラクターが一新され(友情出演あり)、声優さんも変りましたが、私としては初めてプレイする「サクラ大戦」シリーズですので、すんなりその世界間とキャラに感情移入できました。敵と対戦するシミュレーションゲームの部分の出来は、そのてのゲームをやり倒していくようなヘビーな方には物足りないものでしょうが、CGとセルアニメ(?)を合成した必殺技のシーンなど、同じ映像でも完成度が高いので何度見ても飽きが来ません。 昔のロボットものアニメの「必殺技」シーンでその技名を主人公が叫ぶと言うのがありましたが、ちょっとそんな事も思い出しました。 アドベンチャーゲームとしては、「そのー、ロボット物って云っても、所詮ギャルゲーって言う、いわゆるトキメモ的なぁ、、、。」な感じで、恋愛物に戦闘の要素を取り入れた感じなので、本編シナリオ進行中、敵と対戦するまでのイベントを「楽しめるか」、「長いと感じるか」、結構判断に困ります。 私は「巴里華撃団」が全部揃う頃には、余りストレスを感じずにプレイできるようになったので、世界観やゲームシステムに馴染めるかどうか、その辺りが鍵になりそうです。 私は十分楽しめました。 熱狂的(?)ファンの多いシリーズなので、新しく「サクラ大戦」に出会う人には、キャラクターやTV、CDなどの関連物に感染(?)してからの方が楽しめると思います。 ミニゲー時の「SDポリゴン」のキャラクターをもっと鑑賞したいなぁーとか、メインのキャラ以外との意外な展開とか有っても良いんじゃないか、結局、上位ランクの3名から1人をパートナー(恋愛対象)として選ぶだけなのがシンプル過ぎるかな? とか、分岐と言う物が無いので、選択を変えてもシナリオ自体は毎回同じ、、、。 悪口では有りません、コンシューマーを意識した上で、シリーズ作品の最新の物として、良く出来ていると思います。 安易なマルチエンディングにしてしまうよりは、本編シナリオがしっかり1本筋で、矛盾が無い(キャラ毎のイベントは除く)最後まで(確かに最終戦は長すぎるかもしれませんが)、突っ走ってしまえるゲームでしたので、次回作の4もたぶん買うでしょうね。 ドタバタの要素も結構好きです。 このキャラで麻雀とかもしたいですね。余談ですが、5人とも制覇した後でも、ミニゲーだけはもっとやりたくなるんです。 ミニゲーだけ別ものとして、本格的に作ってくんないかなぁ? でも、コラムスみたいなのは嫌だけど、、、。

総合評価 ■■■■■■■■□□
アクション ■■■■■□□□□□
シミュレーション ■■■■■□□□□□
ゲームシステム ■■■■■■■□□□
操作性 ■■■■■■□□□□
本編シナリオ ■■■■■■■■■□
キャラ別イベント ■■■■■■■□□□
ミニゲー(おまけ) ■■■■■■□□□□

このレビューは伊藤さんから頂きました。


蒼魔灯(テクモ)

このゲームを買ったのは、「サイレントヒル」だけのためにPSを買い換えた頃でした。「刻銘館」シリーズは以前から気になっており、CB'sプロジェクトのレビューでもBEST版の「影牢」が絶賛されていたので、即購入となりました。 特異で複雑なトラップバトルのメインシステムは、その操作も含めて慣れるのに多少時間が掛かりましたが、「トラップライセンス」と言う、攻略に必要なテクニックをステップ毎に習得できるモードのおかげで、ストーリーモードの序盤は楽勝な位でした。 アレンダルと言う島国にさらわれた少女は、現地のレジスタンスの協力のもと、「トラップ」と言う術で、身に迫る敵を倒していきます。 これは、主人公の「レイナ」には預かり知らぬ背徳の殺戮行為に恍惚を覚えるプレイヤーのためのゲームです。 敵の「死」すら意味を持たぬ程の派手なトラップコンボは最大15回まで連鎖可能で、Ark(点数の様なもの)を稼ぐ純粋なゲームとして見ても、テクモのアイデアの勝利といえるでしょう。 格ゲーのDOA2やソウルキャリバーを想像してみてください。 蹴っても刃物で切りつけも血は流れませんよね? でも、このゲームの場合は、1つのミッションが終わるまで死んだ敵の血溜まりが残ります。 バイオと違って相手は人間、この辺に抵抗がある人も居るでしょう。 しかしながら、このゲームはサド判定ソフト等ではなく、ストーリー及びエキスパートモードをクリアするコンボ技を養成するゲームソフト。 もしもあなたが「サイレントヒル」の病院の中で、モンスター化した看護婦相手にハンマーを「死ぬのはイヤ、死ぬのはイヤ、死ぬのはイヤ!」って叫びながら20回位振り下ろした人には確かにお勧めかも。 でも、怖いゲームじゃありませんよ。 ストーリーは完全なる悲劇的展開。 これで「明るい殺戮ゲーム(矛盾してる?)」にさえなれば、もっと一般にも受け入れられるはず。(「看護婦さん」は現実社会でも重労働なんだから「ドクター」の方が良いか) 長持ちします。

総合評価 ■■■■■■■■□□
キャラの魅力 ■■■■■■□□□□
シナリオ ■■■■■□□□□□
残虐度 ■■■■■■■■■■
コミカル度 ■■■■■■■□□□
操作性 ■■■■■■□□□□
オリジナリティー ■■■■■■■■■■
一般大衆度 ■■□□□□□□□□

このレビューは伊藤さんから頂きました。


焼肉奉行(メディアエンターテイメント)

このゲームは、DC等の中古ソフトの価格リサーチとアーケードのゲーム(最近行ってない)もついでに見てこようと思って出まわった時に、某ゲームショップで店頭デモ版をプレイして、 「あ、結構面白いやん、これ!」「んー、でも直ぐ飽きるかなぁー?」とか思いつつ、「新品で\2900だと「牛角」チェーンの¥500割引券同梱?」、「焼肉食えるジャン!」「今晩、焼肉食いに行こう!」「このプチブルジョワめ!!,出てけ!!!(意味不明?)」、、、で、迷った挙句に近所の中古屋で結局\1980で購入、「チケットないやん(怒号?)」ゲーム内容は、思ったより頭脳プレーも必要で、客の好みが変わったり、ニンジン駄目です3人組とか、「カルビ駄目はダメ!」、「野菜を食べるざます!」、のお客さんとかが、1度に着たりすると、対応にまごついたりして、師匠も偵察に来るし、焼き加減にうるさいし、嫌いな物や半生状の肉とか出して怒られて、早めのゲームオーバーを迎えたりする事に。因みに、僕は「とことん奉行(お客さんが怒涛のごとく入れ替わる)」で、99人制覇して(実はカウントが99までしか無い)、4000万点のスコアまで行ったけど(得点はカウント続行)、ここまで慣れてくると、もう少しギャンブル性や、必殺アイテムとか、連鎖以外の
ボーナスがあっても良いかな、だんだんスキルアップするにつれて、単純作業の繰り返しになってしまう点は、やっぱり練りこみが甘い、淡白なゲームです。 でも、最初は忙しいですよ、ほんと。一応,「初級」「中級」「上級」とレベル設定が選べるけど,いまいち違いが分からない。 なんか、ラーメン屋とか、マックとか外食産業の現場のハードな作業をクリアして行くかのような(?)みたいな(?)点は、ある意味でリアルかも、、、なんかマゾっ毛があるのかな。取りあえずプレイする面白みはあると思います。 もう少し工夫があれば尚よろしい。因みに99人まで行くには3時間くらい掛かったりします(爆!)、ああ目が疲れたぁー。(「とことん奉行」はやっぱり「ミスタードリラー」のパクリか?、今そっちプレイ中です。) 

総合評価 ■■■■■■□□□□
パズル要素 ■■■■■□□□□□
ストラテジー ■■■■□□□□□□
淡白度 ■■■■■■■■□□
価格相応 ■■■■■■■□□□
短調さ ■■■■□□□□□□
短期息抜き ■■■■■■□□□□

このレビューは伊藤さんから頂きました。


魔剣X(アトラス)

「5分後の未来、機会仕掛けの神が降臨する」、名目的に「精神治療器具」として開発された「魔剣X(マキーナ)」が主人公のこのゲーム、イヤー面白かったです。「女神転生」とかは1度もやった事は無いけど気にはなっていた。 それにジャケットのケイちゃんのイラスト、「うーん、これってクOゲーじゃないよね?」、君子危うきに近寄らずで「NO」。 「そう、やっぱりあなたも買ってくれないのね!」って、中古ソフト屋で¥980か¥1280程度だったと思うけど、気になって探し出したら「あれ、ないじゃん?」「どうして?」、「そうか、魔剣シャオって名でPS2版の続編が出たんだぁ」、結局ヤフオクにて落札、結構競争になった。 バッドタイミングでの購入。プレイして、最初のムービーシーンがスキップできないので、「やっぱり、クOゲー?」とか思いつつ、ようやく「金沢研究所」をクリア。 「ブレインジャック」という聞きなれない?(いや映画で「フリージャック」ってのがあるが)手段で倒したボスや風剣士の体を借りステージ攻略を進めていくこのゲーム、進むにつれ奥深いその世界観に魅了された。「魔剣X」において敵対する国家は「石油を独占しようとする中国」と「軍事大国アメリカ」であり、その背景に世界を創造した「天尊流星」と云う「神」が「八卦(太極)」なる特殊能力者を利用し、「破滅の道を歩む人類」を滅ぼさんとするのである。 これを防ごうとする「封剣士」と呼ばれる「八卦」と同等の能力者達は、「石死病」なるウイルス性の伝染病でヨーロッパを汚染したナチ的信仰を背景に持つ「欧州連合」、「八卦」、最終的には「天尊流星」を倒さねばならない使命を持っている。 しかし、このゲームの主人公はプレーヤー自身であり、「魔剣」と呼ばれる「天尊流星」と同等である「イマージュ」なる別次元の精神存在を立証する機械。そして、ゲームの進行によっては、「八卦」と「封剣士」のどちらに組するのも「魔剣」の意志、つまりプレーヤの選択に委ねられている。 そこには完全なる「悪」も、完全なる「善」もない。 まさにこのゲームをプレイしている時にNATO軍のアフガン攻撃が始まった。 「愚かな人間」と「人類の創造主たる神」、「人間の尊厳」か「神(天尊流星)の意志」か、究極の二律背反だ。「生きる価値のある人を選ぶ」=「選民思想(厳密には違うが)」とハーケンクロイツが顔になっている「元欧州連合の幹部(?)」のBS改造兵や、ロンドン等の至る所で目にする「ナチ風」エンボスマーク、きわめて興味深い。 単に、どちらか一方のみが、正義、もしくは「絶対的な善」であれば話しは簡単だ。 「イラク」は「世界平和を脅かす敵」で「イスラム原理主義」や「IRA」は正義に反するただのテロ集団、、、そう言い切れるのならば、現実の世界だって簡単さ。(「エアフォースワン」と言う最悪の「勧善懲悪」映画をご存知だろうか? ハリソンフォード主演 (大統領役)、ゲーリーオールドマンがイラク人テロリストのリーダー、、、つまんない映画。)「神を滅ぼすか」、「天尊流星と組し」、新次元の秩序ある世界の創造するか、選択を迫られる。どのエンディングを迎えても、現実に暮らす我々に疑問を問い掛ける形のエンタテイメントとして成立している。 丁度アニメ「ガサラキ」のオンエア中にイラク空爆があったが、思想や宗教上、一国における軍備の偏り、「正義とは?」「我々の未来は?」、我々人類の歩む道を憂えばこそ、この終末的状況を現実味を帯びて感じざるをえない。 よく1人称の画面がコントロールしにくい、操作が難しい、と云う理由で、準「クOゲー」扱いにされてしまう面があるようだが、事実上、改良版移植作であるPS2のシャオに比べて、やはり主人公の「魔剣X」そのものが、プレイヤーに「逆ブレインジャック」をしている様な、ある種のマゾヒスティックな快感を覚えるDC版の方が個人的には正解だと思う。 もっと修正を加え、より奥深いストーリー展開が出来るのなら、さらに面白いものになったと思う。 個人的には+3して10点付けたいところだが、序盤での苦戦や、対ボス戦での対応を考えねばならないストラテジックな面と、一般ユーザーがフレンドリーと感じない可能性も考慮して総合7点。

総合評価 ■■■■■■■□□□
システム ■■■■■■□□□□
操作性 ■■■■■□□□□□
シナリオ ■■■■■■■■□□
哲学性 ■■■■■■■■■□
感情移入 ■■■■■■■□□□
ストラテジー ■■■■■■■□□□

このレビューは伊藤さんから頂きました。


実況パワフルプロ野球2001(コナミ)

毎作、操作性が微妙に変わってくるパワプロ。ファンを毎回納得させるのは難しい。しかし、今作は初めてパワプロを買う人でも「?」と思ってしまう点がいくつかある。これから批判ばかり書くが、それは私が前作までのパワプロを大好きなプレーヤーだからである。
2001版にはストライクゾーンのなかに絶対に打てないエリアがある。それは高め一杯。そこに投げられると、(流し打ち〇を除く)バッターは打球がすべてポップフライになる。だから、私の場合、買ってすぐそのことに気づき、スローボールだけで完全試合を何回もできてしまった。だから、守備の時は「打たれるかも」という緊張感もなければバッターは、高めの球をみただけで「お手上げ」とわかってしまう。これは「野球ゲーム」の内容がどうのという問題ではなく、明らかな欠陥だと私は思う。私はすぐにプレイをやめてしまった。99年決定版の場合、今でもプレイするぐらいいい作品だと思うが、今作はひどすぎる。
反対に「ホームラン競争」は、やりやすくなっている。今作は、「弾道3か4」あれば、真芯に当てただけでホームラン性の打球になってくれる。そのためぺタジーニや中村紀などの「パワーヒッター+広角打法」の打者は振り遅れても真芯に当てさえすればホームランになってくれる。
サクセスロードについて。一回の選手育成にかかる時間が短縮され気軽にできる。が、ギャグや変幻自在なシナリオがなくなっており魅力は半減しているといえる。順調にいけば「なぎさ超人伝」という一定の能力アイテムを最終週にもらうことになり、これによってサクセス選手がみな同じような選手になってしまい、次回のやりがいがなくなってしまう。個性あふれる選手が作れなくなっている。
実在選手の能力査定についても文句がある。単純に、低すぎる。これはOB選手との差をつけているためだと思われる。だが、プレイヤーからすればたまらない。現役のプロ選手がダメ選手だらけで、使おうという気になれないのである。例をあげるまでもなく、すべての選手が能力ダウンしている。
BGMは、他年の作品と比べて、うるさすぎる感がある。試合以外は絶えずアップテンポの曲がかかっており、ファーストインプレッションはいいけど、だんだんプレイする日数が重なると邪魔だなと感じるようになる。以前はこういうことはなかった。
ドラマティックペナントについて。ふつうのペナントがない。シーズン中に「ファームロード」で選手を鍛えることができる。

総合評価 ■■□□□□□□□□
操作性 ■■■■■□□□□□
熱中度 ■□□□□□□□□□
斬新さ ■■□□□□□□□□

このレビューは中村博史さんから頂きました。