地震予知と対策
(2008年)

 


(2008/12/29) 東南海・南海地震に備えて来月、神戸で講演会 そのとき海上保安官は

 大地震のとき、海上保安官は何ができるかー。間もなく発生から14年になる阪神・淡路大震災、それに今年起きた中国の四川大地震と岩手・宮城内陸地震の直後、海上保安庁が取り組んだ救助や支援活動を紹介する講演会が来年1月13日、神戸市で開かれる。実際に救助に当たった海上保安官の報告もある。

 近い将来の発生が予測される東南海・南海地震に備えてもらうのが狙い。第五管区海上保安本部が初めて企画した。

 震災直後の神戸では陸路が寸断され、神戸港の岸壁もほぼ壊滅状態だったが、海上保安庁は救援物資を積んだ船舶を使用可能な岸壁に誘導。東京などからヘリコプターも飛ばした。講演ではこうした取り組みを五管本部の岩並秀一警備救難部長が語る。

 今年5月の四川大地震については、直後に外務省や消防庁などと組織した国際緊急援助隊で、現地指揮を執った海上保安庁の元特殊救難隊隊長が、がれきからの救出活動などを報告。また、関西空港海上保安航空基地の職員は、6月の岩手・宮城内陸地震でのヘリによる孤立者救助や医療チームの搬送などを紹介する。

神戸市中央区波止場町の神戸第二地方合同庁舎で午後3〜5時。無料。電話予約で先着60人。詳しい問い合わせは五管本部環境防災課(TEL 078−391−6551)まで。

(tr)


(2008/12/22) 活断層観測点4倍に 兵庫県内は6カ所新設 京大防災研

 琵琶湖西岸断層や花折断層、有馬−高槻構造線など大地震を起こす断層の構造と断層を動かす地殻内部のひずみ(応力)を調べようと、京都大防災研究所が18日までに次世代型地震観測システムの稼働を始めた。滋賀から京都、大阪、兵庫までの「活断層密集域」で観測点を4倍に増やし、大地震の危険度を探る。

 国の「ひずみ集中帯の重点的調査観測・研究」の予算を受け、琵琶湖から比良山地、丹波山地まで東西と南北約50キロのエリアに新たに45の観測点を設け、半年間の自動観測が可能な小型軽量地震計と低消費電力記録装置(現地収録方式)を設置した。将来的に観測点を万単位にする目標から「満点(万点)計画」と名付けた。

 従来はエリア内には京大、防災科学技術研究所、気象庁による15の観測点があった。新システムを加えて4倍の計60に増えることで、正確に分からなかった断層の構造や、断層を動かす力となる地殻内部の応力の解明を期待している。

 兵庫県内では猪名川町を中心に6カ所に観測点を設けた。同町は、狭い範囲で小さな地震が続く群発地震が、阪神・淡路大震災前にも起きた。地殻内部のひずみのたまり方など、解明されていない発生過程の謎を探る。

 丹波山地は、日常的な地震活動の静穏化が2003年から続いており、「地震活動期」を迎えた近畿における今後の大地震との関連があるかどうかが注目されている。

 飯尾能久防災研地震予知研究センター教授は「断層深部の構造や破壊が始まる場所の推定、断層にかかる応力の蓄積や変化を調べることで、中長期の発生予測や被害想定に役立てたい」と話している。

(jo)


(2008/12/18) 孤立集落の対策も必要 欠かせない「自助」

 国の中央防災会議の「東南海、南海地震等に関する専門調査会」が今月、中部・近畿圏で発生が心配される内陸型地震について最終報告書を公表した。東南海・南海地震だけでなく、内陸型地震でも対策が必要と指摘されたのが、道路の寸断によって生じる孤立集落だ。

 孤立集落が問題となったのは、2004年の新潟県中越地震。旧山古志村(現長岡市)などで道路や通信が寸断される集落が相次いだ。6月の岩手・宮城内陸地震でも、宮城県栗原市などで集落が孤立し、今も避難生活を続ける住民もいる。

 関西で孤立集落が生じる危険性が指摘されたのは、次の4断層帯による地震だ。中央構造線断層帯=大阪、和歌山、奈良の3府県で47集落、約6870戸、生駒断層帯=奈良、大阪、京都の3府県で22集落、約2000戸、上町断層帯=大阪府で10集落、約2200戸、山崎断層帯=兵庫県で21集落、約1100。

 調査会は、対策として、衛星携帯電話や防災無線などのさまざまな通信設備を確保した上で、停電に備えて通信設備用の非常用電源を持つことを自治体に求めた。また、孤立しても自力で過ごせるよう、食料の備蓄、太陽光発電など集落内で供給できる電源の確保も提言した。

 既に対策を始めている自治体もある。東南海・南海地震による被害が予想される和歌山県では、京都大防災研究所と連携して「孤立集落支援プログラム」の作成を目指している。孤立する可能性のある集落を把握し、必要な道路整備や食料備蓄量、復旧用の機材などを示して、限られた予算の中で効率よく備えを進めるのが目的だ。

 調査会の座長、土岐憲三・立命館大教授(地震工学)は「例えば赤ちゃんのいる人はミルクが必要だろうし、介護が必要な人はヘルパーが来られなくなることを考えておいてほしい」と、市民による「自助」も欠かせないと指摘する。

(yi)


(2008/12/09) 中央防災会議 中部と近畿の直下型対策を提言

 政府の中央防災会議の専門調査会(座長・土岐憲三立命館大教授)はこのほど、中部、近畿圏で予想される内陸直下型地震の防災対策に関する報告書をまとめ、佐藤勉防災担当相に提出した。大阪市内の木造住宅の密集地解消や、京都・奈良の文化財の被害軽減などを重点課題に挙げ、国や自治体に具体的な対策づくりを求めた。報告書を受け中央防災会議は、総合防災対策のマスタープランとなる地震対策大綱を本年度内に策定する。

 西日本では東南海・南海地震の前後に、マグニチュード(M)7級の内陸直下型が起きやすい。最悪の場合の死者数は、住宅の倒壊や火災などによって近畿圏は首都直下地震を超える4万2000人、中部圏は1万1000人と想定されている。次の東南海・南海地震は今世紀前半にも発生する恐れがあり、報告書は「大都市での対策を検討する必要性は極めて高い」と指摘した。

 大阪市内は耐震化されていない古い木造住宅が全国で最も密集し、揺れや火災で大きな被害を受けやすいことから、報告書では「再開発や区画整理で密集地を計画的に解消すべきだ」としている。

 また、大阪・梅田などの大規模な地下街では耐震化や防火対策を促進。高層ビルではエレベーター内の閉じ込めを防ぐため、揺れを検知して近くの階に自動停止する装置の設置義務化や、気象庁の緊急地震速報によって自動停止する装置の導入を検討するよう求めた。

 中央防災会議の専門調査会は5日、どのような長周期の地震動に地盤が最も反応して揺れやすいかについて、全国的一に初めて分析した結果を発表した。地盤の揺れに高層ビルが共振して大きく揺れ、被害が出る可能性があり、内閣府は「共振を避けるよう設計してほしい」と指摘している。

 長周期の地震動は2秒程度よりも長い揺れで、人聞には感じにくく、震源から遠くても影響が出るのが特徴。地盤によって増幅しやすい周期秒数を持っている。分析の結果、地震動が増幅されやすい場所は堆積層の厚い平野部などが多い。このうち大阪市や名古屋市、東京23区などには多くの高層ビルが建っている。長周期の揺れでは、平成15年の十勝沖地震で北海道苫小牧市の石油タンクが被害を受けた。

 近畿圏の内陸地震 
 東南海、南海地震の前後約60年の間、複数回発生するとされる。中央防災会議の想定では、大阪市を中心に大阪府内を豊中市付近から岸和田市付近にかけて南北に縦断する「上町断層帯」を震源とするマグニチュード(M)7.6規模の地震が起きたケースが最悪で、死者は4万2000人。地震翌日の避難者は550万人、帰宅困難者は200万人に上る。東海道、山陽新幹線や名神高速などの基幹交通網も寸断され、経済被害は74兆円と見込まれる。

(qz)


(2008/12/03) 2030年ごろにM8級の地震が3つ エネルギーは阪神・淡路大震災の32倍

 マグニチュード(M)8クラスの巨大地震が同時発生する可能性もある東海、東南海、南海の地震対策を探るミニシンポジウム「次の南海地震の被害軽減に向けてー南海地震・津波被害に備える水の都大阪」が1日、大阪市西区の大阪科学技術センターで開かれ、市民や自治体関係者ら約100人が参加した。3つの地震の連動性を調査研究する独立行政法人海洋研究開発機構の主催。

 同機構は文部科学省の委託を受け、平成20年度から5カ年計画で、総合的な地震・津波防災を探るためのプロジェクトを開始。海底に数キロの深さのボーリングを行って、日本列島が載るユーラシアプレートの下に潜り込むフィリピン海プレートの地殻サンプルを採取して地質を調査するなど、駿河湾から四国沖に至る南海トラフを震源に発生するとされる3つの地震が、運動して起きるメカニズムなどを研究している。

 3地震は100〜150年置きに繰り返し発生。近年では1707年(宝永4年)(M8.4)にほぼ同時に、1854年(安政元年)(M8.4)には32時間の時間差で起こるなど歴史上ほとんどが運動している。一方1944年(昭和19年)(M7.9)の東南海地震と1946年(同21年)(M8.0)の南海地震の際は、静岡県沖のトラフで東海地震が起きていないことが分かっている。つまり、その部分で地震のエネルギーが蓄えられている可能性がある。

 また海底で起こるために大津波の被害が大きく、安政南海地震では大阪・道頓堀などにも津波が押し寄せて、多数の死者を出した。

 シンポでは、同機構の金田義行氏が地震は2030年前後にも発生が予測され、宮崎県の日向灘も含む超巨大運動地震の可能性もあると説明。過去の例でも、時間差があるときには復旧途中に再被災するなど被害が甚大になると述べた。また地震発生から2〜3時間後に2〜3メートルの津波が予想される大阪の港湾施設について、早急な対策の必要性を説いた。

 また東大の古村孝志教授は直下型だった阪神・淡路大震災(M7.3)と比較し、32倍もの地震エネルギーを持つと推測、「直下型よりも広範囲で被害が発生する」と指摘した。

 一方、復旧・復興について、京大の牧紀男准教授は、「復興には10年かかる」と指摘。その上で時差被災や人口減少などで、東海から四国こ至る地域で、現在と大きく人口の分布が変化することを考慮しながら対策を講じる必要性を説いた。

 同機構は同日、大阪府や大阪市、企業などと地域研究会を設立。今後、問題点を把握しながら具体的な地震対策に当たる。

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(2008/11/23) 「東南海・南海」に前ぶれ現象 地下水位変化で予知へ

 東南海・南海地震が近い将来に起きる可能性が高いと言われるのは、過去に一定の間隔で繰り返し発生しているためだ。歴史上確認されているものだけで684年の白鳳地震を最初に計9回起きており、その周期は90〜150年と考えられている。直近で起きたのは1944年と1946年の昭和東南海・南海地震で、既に60年以上経過していることから、近いうちに起きる確率が高いというわけだ。

 文部科学省の地震調査研究推進本部によると、今後30年以内に起きる確率は東南海地震が60〜70%程度、南海地震が50%程度という。

 過去の東南海・南海地震の際には、道後温泉(松山市)や、湯の峰温泉(和歌山県田辺市)で、温泉のわき出す量や地下水位が低下したことが、古文書などで確認されている。この現象は、次のような理由と推定される。

 東南海・南海地震は、日本列島の乗っている陸地のプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込んでいる海溝「南海トラフ」で、陸のプレートが海側へ跳ね上がることで発生する。地震の発生でひずみがなくなると、陸地の地盤が膨張するため地下水位が下がる。

 また近年、東南海・南海地震のような巨大地震では、発生直前に陸のプレートが海側こずるずると滑る「スロースリップ」という現象が起きる可能性が高いことが判明。そこでこの際の地下水位や地盤のわずかなひずみを観測すれば地震予知につながる可能性があるとして、産業技術総合研究所(産総研、茨城県つくば市)の大規模な調査が四国や紀伊半島などで始まった。

 今年度までに愛媛、高知、徳島、和歌山、三重、愛知の6県12カ所で、深さ約600メートル、200メートル、30メートルの縦穴3本を掘削。特定の深さを流れる地下水の変化を調べられるよう、それぞれの深さのところに穴を開けた鉄パイプを打ち込み井戸を作り、地上近くまで上がる水位を観測する。また600メートルの井戸の底には地盤の「ひずみ計」も設置した。

 シミュレーションでは、スロースリップが起きれば、これらの井戸で数十センチ〜1メートル水位が低下すると予測されている。観測ま昨年から始まっており、スロースリップに
よるとみられる地盤のひずみが一部確認された。地下水位については、変動幅が小さいため、詳細な分析が必要という。観測点は今後増やしていく予定だ。

 研究グループの梅田康弘・京都大名誉教授(地震学)は「東南海・南海地震の発生までに、スロースリップは何度も起きると考えられる。まずは水位やひずみの変化のデータを蓄積する必要がある」。小泉尚嗣・産総研地震地下水研究グループ長は「約10年後をめどにこうした方法で地震予知が可能かどうかを見極めたい」と話す。

(ig)


(2008/11/22) 周防灘断層地震発生確率4% 30年以内確率

 国の地震調査委員会はこのほど、瀬戸内海西部の周防灘断層群(宇部沖断層群)が起こす地震の長期評価結果を発表した。主要な断層帯(延長44キロ)の今後30年以内の地震発生確率は2〜4%で、規模はマグニチュード(M)7.6程度。山口県防府市や大分県豊後高田市などが最大震度6強以上の揺れに見舞われると予想している。

 同断層群は北東〜南西方向に伸びる多数の断層で構成され、延長44キロの主要断層帯と、長さ22キロと23キロの二つの断層帯からなる。

 海上保安庁の複数の探査から、主要断層帯は1万1千年〜1万年前に地震を起こしており、活動間隔は5800〜7500年と推定された。

 「最大4%」の確率は、国内の主要な活断層の中で、発生確率が高い上位25%のグループに入る。地震が起きた場合、断層に近いところでは強い揺れ、沿岸部の広い範囲では津波の恐れがある。

(cj)


(2008/10/09) 自宅の耐震診断しても補強工事が高額で5割が断念

 自宅建物の耐震診断を受けたものの、補強工事に踏み切らない人の約半分が「経済的な理由」で断念していることが、全国の建築業者でつくる日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(事務局・東京)のアンケート調査で分かった。実際に工事を行った人の7割超が50万〜200万円の費用をかけているが、同組合は「より安価で効率的な補強方法が必要」としている。

 2003年7月〜2008年6月に、同組合で耐震診断を受けた人を対象にアンケート用紙を配布。約1割の12,503人から回答を得た。

 今後の補強工事を「考えていない」としたのは51%。その理由を尋ねたところ、うち49%が「経済的な理由」と答えた。38%の人が「工事の必要がない」と回答したが、うち約4割は診断で「自宅が倒壊する可能性がある」とされた。

 補強工事費用の希望予算は「100万円未満」が76%あったのに対し、実際の工事で100万円未満に収まったのは54%にとどまった。希望予算が「100〜200万円」は18%で、実際に「100〜200万円」かかったのは37%あった。

 また、築年数が古い家ほど寝室が一階にある割合が高く、築36年以上の家では7割を超えていた。阪神・淡路大震災では住宅が倒壊し、1階で寝ていた人が多数亡くなった。同組合は「身体的な理由から高齢者の生活範囲は1階が多い。災害弱者対策としても最低限の補強を進めてほしい」と呼びかけている。

(dr)


(2008/09/22) フェニックス共済丸3年 加入率7%と低迷 県民に油断あり?

 阪神・淡路大震災の教訓から生まれた兵庫県の住宅再建共済制度(フェニックス共済)の加入率が発足から丸3年を迎えた8月末時点で、7.0%に低迷している。昨年同期から、加入戸数は約11,000戸、加入率は0.7ポイントしか増えなかった。このほど開かれた同制度の推進会議で、井戸敏三知事は「災害への備えに対する県民の油断があるのでは」とし、加入促進を訴えた。

 同共済は、住宅再建が復興には不可欠との考えから、法による公助と、地震保険などの自助のすき間を埋める「共助」を具体化した制度として2005年9月に発足。年額上限5千円の掛け金で、自然災害による被災住宅の再建に最高6百万円を給付する。

 1年で加入率15%を目指したが、2006年8月末の加入率は5.2%。長期契約やマンション管理組合による加入制度など、さまざまな加入促進策を打ち出してきたが、伸びはむしろ鈍化している。

 推進会議で井戸知事は、被災者生活再建支援法が昨年改正され、年齢や年収に関係なく、住宅の再建・補修に300万円を上限に支給されるようになったことを紹介。「共済を加えると9百万円の支給となり、通常の再建費用の半分以上が出る。助け合いの制度である共助を県民にもっとPRしなければ」と話した。

MAT:阪神・淡路大震災で未曾有得の被害を被った兵庫県でこの低調ぶりには理解に苦しむ。震災後13年も経てば「のど元過ぎれば・・・」の類かもしれないが、これでは県知事から「県民に油断がある」と指摘されても仕方がないであろう。これは地方自治体の共済制度としては極めて優れたもので、MATは制度発足と同時に加入した。しかし、未だにこの制度そのものを知らない県民が多く、県の一層のPR努力が必要であろう。次の巨大地震の南海地震は遠くない将来、確実に発生するのだから。

(tn)


(2008/09/05) 茨城沖 20年ごとのM7級地震 海山沈み込みが原因

 茨城県沖約100キロの海底の下で、プレート(岩板)の上にある高さ3千メートルという富士山級の海山が沈み込み、約20年ごとにマグニチュード(M)7級の地震が起きる原因になっているとの研究結果を、東京大学地震研究所の望月公廣助教らが29日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 望月さんによると、この海山は、陸側のプレートの下に沈み込む太平洋プレート上にあり、既に全体が陸側プレートの下に潜り込んだ状態。約70万年前から動き始め、現在も山状のまま沈み込み続けており、ふもと部分が陸側プレートに引っ掛かっている。

 望月さんは「海山前面のプレート同士が強く固くくっつく固着域として働き、ある時急激にずれて地盤を起こしているのではないか」と話している。

 望月さんらは、この海域の地殻構造を調査、分析。海面から約10キロの深さの場所で海山が沈み込んでいると突き止めた。1982年に起きたM7.0の地震では、地震は海山のふもとで最初に発生し、前面の破壊へと進んでいた。

 従来は、海山の頂上部分が陸側プレートに引っ掛かって固着域になると考えられてきたが、この海域の過去の地震は、ひずみがたまった海山のふもとに集中。震源域も、この海山から離れており、海山自体が固着域ではないと分かった。

 海山が沈み込んだ跡には固まりにくい堆積物が入り、地震を起こさなくなっているという。

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(2008/09/02) 山崎断層 大地震は1600〜2000年前 将来発生確率低下も

 兵庫県の播磨地域で繰り返し大地震を引き起こしてきた活断層「山崎断層帯主部」のうち、南東部(福崎町〜三木市、約30キロ)で前回の大地震が起きたのは約1600〜2000年前だったことが、独立行政法人産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の調査で分かった。これまでの推定より新しく、今後30年以内の発生確率を最大5%としている現在の予測も低く改められることになる。同研究所の吉岡敏和・活断層調査研究チームリーダーは「阪神・淡路大震災のように、発生直前の確率は低くても起こることがある」と注意を促している。

 南東部での大地震の発生間隔は3千年程度とされ、前回の発生時期は従来、約1400〜3600年前との推定だった。これを基に、政府の地震調査研究推進本部は、マグニチュード(M)7.3程度の地震が、今後30年以内に0.03〜5%の確率で起こると、予測に幅を持たせていた。

 発生時期を絞り込むため、文部科学省から委託を受けた同研究所が昨年10〜11月、現地を調査。南東部の一部、加西市の琵琶甲断層で掘削し、新たに断層面を見つけた。含まれていた炭質物や木片、腐植土などの堆積物を年代測定した結果、約1600〜2000年前に地震があったと推定。さらに5世紀初頭(約1600年前)に絞られる可能性もあるという。

 結果は既に文科省に報告し、今後、地震調査研究推進本部が将来の地震発生確率を計算し直す。山崎断層帯主部は、南東部と北西部の全体が連動する恐れもあり、中央防災会議はM8.0の地震で最悪の場合、死者7500人、建物の全壊・焼失18万棟の被害が出ると想定している。吉岡チームリーダーは「M6クラスの地震ならば、より頻繁に発生する。安心してはならない」と指摘する。

(tn)


(2008/08/23) 東海地震 分岐した断層の連動型も 専門家調査

 100〜150年周期で繰り返し発生してきた海溝型の東海地震には、プレート(岩板)境界から分岐した逆断層の活動を伴うタイプがあり、地表を大きく隆起させてきた可能性が高いとする研究結果を、産業技術総合研究所(茨城県)の藤原治・主任研究員らが21日までにまとめた。

 こうしたタイプの発生頻度は不明だが、隆起量は約7千年間に計約8メートルとみられる。藤原さんは「分岐断層が動かない時の東海地震よりも揺れが大きかったかは不明だが、局所的に大きな地殻変動があったと思う」として、これまで考えられていたよりも大きな被害が出る危険性を考慮すべきだとしている。

 藤原さんや北海道大の平川一臣教授らは、想定東海地震の震源域に含まれる静岡県の御前崎付近でボーリングを実施。地層に含まれる貝や微生物の死骸、火山灰を手掛かりに、過去の海面などの高さを調べ、土地の隆起量を計算した。調査場所の西数キロには中部電力の浜岡原発がある。

 御前崎付近は、海側の岩板の沈み込みこ伴い沈降している。東海地震で沈降によるひずみが解消され、地表が隆起しても、その後に沈んで隆起分は残らない。だが、約7千年前の海面を基準にして隆起や沈降を調べると、約2キロしか離れていない場所で約8メートルの高低差があるなど、地表の狭い範囲で急激な隆起の痕跡があることを確かめた。隆起の回数は分かっていない。

 藤原さんは「長さ数百キロに及ぶ海溝の震源が動いても、このような地形はできない」と指摘。岩板境界から地表に向かって分岐する高角度の逆断層が連動し隆起したとみている。こうした断層は高知県・室戸岬などでも存在が推定されている。

 藤原さんによると、宝永東海地震(1707年)や安政東海地震(1854年)による隆起の痕跡はほとんど残っておらず、分岐断層の活動はなかったと考えられるという。

東海地震
 フィリピン海プレート(岩板)が、陸側の岩板の下に沈み込んでいる南海トラフ東部から駿河トラフにかけて、蓄積したひずみが限界に達して起きる海溝型地震。100〜150年間隔で発生するとされ、マグニチュード(M)8級の発生が想定されている。1854年の安政東海地震(M8.4)から既に150年以上が経過。約1万人の死者が出るなどの大被害が想定されている。

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(2008/08/22) 海洋研究開発機構 津波観測網を高度化

 近い将来の発生可能性が高い東海、東南海、南海地震に備え、海洋研究開発機構は海底の地震・津波観測網を高度化する方針を固めた。ケーブルの長さを現行計画の4倍の1000`、付設する観測装置を2.5倍の100個とする新技術や、津波の規模の推定に役立つ電磁力計の開発などに取り組む。

 文部科学省の海洋科学技術委員会で21日、2009年度に1億円を投じる計画案を報告し、事前評価を求めた。

 海洋機構は2009年度、三重県尾鷲市を陸上基地局として、東南海地震の震源域である紀伊半島沖に全長約250キロの海底ケーブルを敷設し、海中ロボットを使って地震計と津波観測のための水圧計を20カ所に設置する予定。

 2010年度にはさらに20カ所追加設置する。その後、南海地震の震源域である南西方向へ観測網を展開する計画だ。

 海洋機構はさらに、傾斜計による海底の地殻変動観測にも取り組み、地震予測研究に役立てる。

(tr)


(2008/05/26) 東南海・南海地震の被害予測 沿岸住民の3割、津波逃げ遅れの恐れ

 東南海・南海地震が発生した場合、津波被害が予想される和歌山、三重、徳島、高知各県の沿岸住民のうち32%が「避難遅れ」となる恐れのあることが、4県共同で実施した「地震・津波県民意識調査」でわかった。避難遅れの割合は前回調査(平成17年)よりも8ポイント減少したが、和歌山は35%で3ポイントの減少にとどまった。県総合防災課は「避難意識は向上しているが、家庭での地震対策を進める必要がある」としている。

 調査は昨年11〜12月に各県沿岸部の20歳以上の住民2000人計8000人を対象に郵送によるアンケート形式で実施した。回収率は55・4%だった。

 深夜に自宅で1分以上の激しい揺れに襲われた場合、津波の危険を認識して避難すると回答した人の割合は、和歌山は24%で前回よりも9ポイント上昇した。最も高かったのは高知の31%で、徳島は22%、三重は18%で、4県平均は24%で11ポイント上昇した。

 避難の準備時間と避難場所までの移動時間を合わせた「避難完了時間」は4県平均で22分で、前回より3分短縮された。津波シミュレーションと比較した避難遅れの恐れがある人の割合は32%で、最も高いのは高知の41%だった。

 一方、自宅の耐震診断を受けたことがある人は4県平均で9%(5ポイント増)にとどまり、家具を固定している人の割合は36%(13ポイント増)だった。総合防災課は「津波への意識が高くても家屋が倒壊すると避難できない。今後は住宅の耐震化などを重点的に進める必要がある」としている。

(jf)


(2008/05/15) 上町断層帯地震では兵庫で43万人が帰宅困難

 中央防災会議の専門調査会が14日に公表した内陸直下型地震による被害想定で、上町断層帯(大阪府)の地震=マグニチュード(M)7.6による発生翌日の避難者数は、神戸・阪神間で最大約43万人に上り、交通の寸断で兵庫県内に足止めされる帰宅困難者も最大で約43万人とした。山崎断層帯主部(三木市-岡山県美作市)の地震M8.0では、播磨工業地帯の石油コンビナート約30施設で油漏れを予測した。

 家屋の倒壊や断水による避難者は、冬の正午に発生した場合が約43万人で最大。うち約28万人が避難所暮らしになるとされた。1カ月後でも約19万人が避難所に残り、阪神・淡路大震災1カ月後の約20万7千人に匹敵する。

 帰宅困難者も正午の発生だと、最大の約43万人になる。内訳は、業務中の会社員ら約24万人、学生や児童ら約12万人、買い物客ら約6万8千人とした。

 専門調査会は、帰宅する被災者が駅などに殺到する恐れがあると指摘。企業や学校での被災者の一時収容や、家族の安否を確認する災害伝言ダイヤルの普及を、対策に挙げている。

 ライフラインについては、地震発生直後の断水が阪神間を中心に約27万戸で、丹波、淡路にも広がる。約10万戸が停電、約23万戸で都市ガス供給が止まる。

 一方、山崎断層帯主部の地震では、播磨工業地帯の石油コンビナートで約300施設の破損を予測。そのうち約20施設が姫路市にある。

(mv)


(2008/04/25) 「30年以内に震度6弱」太平洋側など確率上昇

 政府の地震調査研究推進本部は24日、30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示した2008年版の「地震動予測地図」を公表した。東南海・南海地震の発生確率は66%と55%で、いずれも約2ポイント上がった。

 2007年版から1年が経過したことや活断層を再評価したことに伴い、東海から四国にかけての太平洋側や福岡県などで確率は上昇。東海地震は87%、宮城県沖はほぼ100%と前年同様に高い。一方、活断層を詳しく評価した山形盆地断層帯や魚津断層帯(富山県)、伊那谷断層帯(長野県など)で確率が下がった。

 各都道府県庁所在地でみると、津、高知、徳島、福岡など27都市で前年比0.1〜2.0ポイント上昇。最も高いのは静岡、次いで甲府だった。

 2007年に起きた能登半島地震、中越沖地震の影響は考慮されていない。

 自分の住んでいる市町村や特定の断層周辺などを拡大できる地図は、防災科学技術研究所のウェブ(http://www.j-shis.bosai.go.jp)で公開している。

(nw)


(2008/03/21) 東海地震の長周期地震動 兵庫県三木市でビル実験

 東海地震で生じるゆっくりとした揺れ「長周期地震動」が、首都圏の比較的古い超高層ビルの下層階に与える影響を調べる実験が19日、独立行政法人・防災科学技術研究所の実験施設「Eーディフェンス」(兵庫県三木市)であった。倒壊など大きな損傷はなかったが、壁のはく落やドア枠の変形などが確認された。

 大手ゼネコンから提供を受けた設計データを基に、1980年代以前の工法を用いて、高さ約80メートル(21階建て)の超高層ビルの1〜4階(横14メートル、縦10メートル、高さ16メートル)に相当する構造物を再現。5階以上は、間にゴムを挟んだ4枚のコンクリート板(約700トン)を載せて代用した。

 震度5強の揺れを約2分間与えると、19階に相当するコンクリート板は、最大71センチの振幅で揺れた。2、3階ではコンクリート床にひび割れが生じ、内壁がはく落するなどした。同研究所の長江拓也研究員は「倒壊はしなくても、補修による経済的損失は大きい」と話した。

 21日には東海・東南海地震での名古屋の揺れを想定した同種の実験をする。

(uh)


(2008/02/20) 特定観測地域、地震予知連が廃止 「意義薄れた」

 地震予知連絡会(会長=大竹政和・東北大名誉教授)は18日、30年以上にわたって地震観測の重点対象としてきた「特定観測地域」と「観測強化地域」を廃止することを決めた。1995年の阪神大震災を受けて高密度の観測態勢が全国に広がったことや、被害地震が両地域に限ったことではないことなどから、特定の地域を重点観測する意義が薄れたためとしている。

両地域は、予知連が発足した翌年の1970年に初めて指定された。まず首都圏が最重点の「観測強化地域」に、東海地震の予想震源域や関西圏などが「特定観測地域」に選ばれた。

 大地震の恐れがある地域や、社会的に重要な地域を重点観測することで、限られた予算で効率よく観測を進め、地震予知につながる前兆現象をとらえる狙いがあった。その後、東海地域が「観測強化地域」に格上げされるなどし、1978年に現在の計10カ所となった。

 しかし、地震研究者の間での予知に対する考え方は、この30年で大きく変わった。大地震を前兆現象から予知するのは現在の科学では難しく、きめ細かい観測を通じて、地震の仕組みを総合的に把握する研究に重点が移ってきている。

 さらに、1995年には阪神大震災をきっかけに政府の地震調査研究推進本部が発足。地震活動や地殻変動の評価に関し、予知連に代わり中心的な地位を占めるようになり、予知連の役割も見直しを迫られていた。予知連は将来の具体的な活動方針について、部会をつくって検討する。

 大竹会長は「観測強化地域などは歴史的な役割を終えた。今後は地域にとらわれず、全国的な視野で予知研究のテーマを取り上げ、深く議論していきたい」と話した。

(ek)


(2008/02/20) 中央防災会議:震度6強以上で重文建造物25%倒壊・焼失

 国の中央防災会議(会長・福田康夫首相)は18日、中部・近畿圏で震度6強以上の直下型地震が起きた場合、被災想定地域に国宝を含む重要文化財指定の建造物約580件があり、倒壊や焼失の恐れがあると発表した。国内にある重文建造物の25%に当たる。個々の建造物の具体的な被害予想はしていないが「特に周辺の市街化で延焼の危険性は格段に高まっており、対策は重要」と分析している。

 東南海、南海地震等に関する専門調査会(座長、土岐憲三立命館大教授)がまとめ報告した。中部・近畿圏の人口密集地にある計6断層について、被災想定地域を割り出し、重文の件数を算出した。

 京都市中心の直下を通る花折断層帯でマグニチュード(M)7.4を想定。京都、滋賀、大阪の重文255件が損壊や焼失する可能性があるとした。うち51件が国宝で、清水寺本堂、二条城二の丸御殿、平等院鳳凰堂などが含まれる。

 奈良と大阪の境界近くを走る生駒断層帯でM7.5の地震が起きた場合は、重文222件が被災する恐れがある。国宝55件には法隆寺や東大寺などが含まれる。中部圏では猿投−高浜断層帯でM7.6の地震が起きれば、名古屋城二之丸大手二之門など国宝1件を含む重文18件が被災する恐れがあると分析した。

(jo)


(2008/01/31) 「ファースト住建」設計ミス 兵庫県内368戸で強度不足

 大証2部上場の住宅メーカー「ファースト住建」(尼崎市)が建築・販売した木造2階建て住宅で地震や風に対する壁の強度不足などの設計ミスが見つかった問題で、兵庫県は29日、県内で建築・販売された3770戸のうち368戸で壁の強度不足があったと発表した。いずれも建築基準法に基づく安全率に達しておらず、強風や震度5以上の地震で倒壊する可能性があるという。

 木造2階建て住宅に関して建築基準法施行令では、地震や台風などによる横からの力に耐えられる一定基準以上の耐力壁の設置を定めている。兵庫県では、同社から提出された建築確認通知書の写しに基づき、壁の筋かいの有無などの必要壁量と、壁の配置バランスを図上で確認。その結果、風圧力に対して壁量が不足するなど設計の誤りがあったという。

 基準を満たしていなかった戸数は、建築指導主事のいる特定行政庁では、神戸市141、尼崎市61、加古川市49、伊丹市27、宝塚市25、明石市18、西宮市16、川西市5、高砂市3、芦屋市2、姫路市1、三田市1。このほか県内では19戸の不適合物件があった。

 同社は、該当物件の所有者に理解を得たうえで現地調査や無償による改修工事をすすめる一方、特定行政庁に是正計画を提出。また、いずれも同社から設計を請け負った建築士や建築設計事務所のミスが原因とみられることから、県は建築基準法に違反しているかどうかを確認し処分を検討する。

(la)


(2008/01/27) E-ディフェンスで実験 30階ビル最上階 M8.4を想定

 三木市志染町の実大三次元震動破壊実験施設(E-ディフェンス)でこのほど、南海地震の揺れが超高層ビルにもたらす影響を調べる実験があった。30階建ての最上階を再現した実験棟に揺れを与えると、固定していない棚が倒れ、マネキンが下敷きになった。

 兵庫県と独立行政法人防災科学技術研究所が実施し、関係者ら約250人が参加した。

 紀伊半島沖を震源とするマグニチュード8.4の南海地震で、神戸市内の超高層ビルが揺れたという想定。鉄骨5階建ての実験棟にはオフィス、子ども部屋、リビングルームを設け、30階周辺で予想される程度の揺れを与えた。

 部屋ごとに、家具の固定など地震対策を済ませたところと、何もしないスペースを作った。震度は6弱。揺れの1回の長さは約3秒で、幅は最大3メートル、継続時間は約200秒に及んだ。

 建物に揺れが伝わると、固定していない棚やコピー機が左右に揺れて倒れ、一部がマネキンの上にのしかかった。一方、固定された家具は、おおむね位置や形を保った。

 参加した神戸大大学院の大西一嘉准教授(都市防災計画)は、重大な被害を防ぐ方法として「室内にある物の量を把握し、コンパクトに減らしておくことが大切」と話していた。

(tr)


(2008/01/24) 東南海・南海地震 政府の総合図上訓練始まる

東南海・南海地震の発生を想定した政府の総合図上訓練が22日午前、首相官邸の危機管理センターで始まった。内閣官房と内閣府防災担当など関係省庁の職員約170人が参加し、同日午後まで地震発生後の緊急災害対策本部事務局における初動対応などを確認した。

 東南海地震と南海地震は遠州灘西部から四国の沖合の広い地域にかけて起こるとされており、同時に発生すれば被害は21都府県に広がることが懸念されている。

 訓練は、同日早朝に和歌山県南方沖を震源とするマグニチュード(M)8.6の地震が発生したと想定。参加者は、事前こ用意されたシナリオではなく、訓練中に与えられる被災状況などの情報を基に状況判断し、被害への対応や支援を確認している。

(rt)


(2008/01/23) 神戸市の一戸建て住宅耐震診断実施率低調 2.97%

 阪神大震災を機に神戸市が平成13年から無料で建築士を派遣して住宅やマンションの耐震診断を行う「耐震診断制度」を受診した一戸建て住宅の割合が2.97%(平成19年11月現在)にとどまっている。18年末に比べ約0.7ポイントしか上昇しておらず、マンションの受診率約54%に比べ受診率の低さが目立つ。

 診断の対象となるのは、耐震基準の強化などが盛り込まれた昭和56年の建築基準法の改正以前に建てられた一戸建てとマンション。市内の一戸建て約8万300戸、マンション約3万6400戸が要診断とされた。昨年11月末までに受診した一戸建て2385戸のうち、約8割の住宅は地震時に倒壊の危険性があると判断され、接続部の補強や筋交いの設置などの耐震改修を求められた。

 受診率が低いことについて神戸市は「マンションの管理組合に比べ、一戸建ての住民こ耐震診断の周知を図るのが難しい」としている。実際、平成17年度に神戸市が市民1万人に行った耐震診断に関するアンケートでは、昭和56年以前の住宅に住む市民の約72%が診断を「受けたことがない」と回答、この中で未受診の理由として「制度を知らない」が46%で最も多かった。

 一方マンションでは、平成17年以降次々と明るみに出た高層建築の耐震強度偽装問題発覚もあって、対象の約3万6400戸のうち昨年11月末までで1万9594戸(734棟)が受診。また診断後、約8割のマンションが精密診断の受診を勧められており、同市では精密診断を受けるマンションの管理組合などに対して補助金を拠出している。

(qz)