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地震予知と対策
(2006年)





(2006/12/09) 中央防災会議が39断層分析 神戸沿岸などで最大震度7

 政府の中央防災会議専門調査会は7日、近畿、中部圏の大都市周辺にある活断層が直下型の大地震を引き起こした場合の震度予測を初めてまとめた。また、これら直下型に、今世紀前半に発生する恐れが強い海溝型の「東南海・南海地震」「東海地震」を加え、各地の最大震度を重ね合わせた震度分布図も公表。兵庫県内で震度7の恐れがある地域は、西播、北播から神戸市の沿岸部、淡路島にかけた広範囲に及んでいる。

 調査会座長の土岐憲三・立命館大教授は会見で、「近畿、中部には活断層が集中している。東南海・南海地震よりも早く地震を引き起こす恐れもある」と、自治体などに注意を呼び掛けた。

 調査対象は、過去500年以内に活動した六甲・淡路島断層帯主部など七つを除外し、今後100年以内にマグニチュード(M)7.0以上の大地震を起こす可能性のある39の活断層。さらに、活断層は未発見でもM6.9の地震はどこでも起こり得るとされているため、人口が密集する阪神地域と名古屋市での直下型地震を想定した二つのケースも加えた。それぞれ1キロ四方の最大震度を予測した。

 兵庫県内では、山崎断層帯主部のM8.0の地震で、姫路など7市1町で震度7となる。これまで詳しく分析されていなかった御所谷断層帯(篠山市-加東市)のほか、上町断層帯(大阪府岸和田市〜豊中市)や上林川断層帯(京都府綾部市)など周辺府県を震源とする地震でも、断層帯に近い市町で最大震度6強が予測されている。

 また、大阪湾断層帯(神戸市灘区〜洲本市沖)の地震では、ポートアイランドや神戸空港で2〜3メートルの津波が考えられるという。

 名古屋市、阪神地域直下でM6.9の地震が起きた場合、名古屋、大阪両市のほぼ全域が震度6強となる恐れがある。

 中部の猿投〜高浜断層(愛知)で起こる地震は最大でM7.6と見込まれ、名古屋市東部や豊田市など愛知県内の10市3町に震度7の区域が分布した。

 政府は今回の結果をもとに、来年度中をめどに被害想定をまとめる。京都、奈良の文化財保護の観点も含め、広域的防災計画を策定する方針。

震度7
 気象庁が設置した計測震度計の計測値が「6.5以上」と定義され、震度階級10段階で最大。気象庁によると、人は自分の意志で行動できず、耐震性の高い鉄筋コンクリート製の建物でも傾いたり壊れたりする恐れがある。過去に明確に震度7以上と判定されたのは、1995年阪神・淡路大震災と2004年新潟県中越地震だけ。

(tn)


(2006/11/02) 大阪直下型地震 被害予想 「帰宅困難142万人、経済損失19兆円」

 大阪府は30日、上町断層地震など府域に大きな被害が出るとみられる地震の被害予測の最終報告をまとめた。このうち活断層が都心部を通る直下型の上町断層地震では、新たに公共交通機関の不通による帰宅困難者は府内だけで約142万人、経済被害は19兆6000億円に上ることが明らかになった。府はこの結果をもとに来春までに府地域防災計画を改定する方針。有識者らでつくる「府自然災害総合防災対策検討委員会」(委員長、土岐憲三・立命館大教授)に報告した。

 報告によると最大の被害が予想されるのは、豊中市〜岸和田市を南北に走る上町断層(約58キロ)の北・中部を震源とした直下型地震。府は10年前にも阪神大震災を機に被害予測をまとめたが、断層の長さが伸びたことなど最新の地下調査結果を反映させた結果、今回はこれまで想定していた地震規模のマグニチュード(M)が7.3より大きい7.8とした。

 震度6弱以上のエリアは府域の63%に及び、死者は夕刻に発生した場合が最大で、平成8年の想定(約1万9000人)よりは減るが、約1万2700人と阪神大震災の2倍になり、大阪市内が約7600人を占めた。

 建物被害は全壊が約36万2500棟、半壊は約32万9500棟で計約69万2000棟で被害があり、阪神大震災の3倍近くになる。大阪市内に集中し、市内の建物総数約50万6000棟のうち、約27万7000棟で全半壊と予測された。また被災者は最大で266万3000人に上り、避難所生活者は地震から数日後に81万4000人でピークを迎える。

 今回、初めて経済被害を算出。建物の被害のほか電力、水道などのライフラインを合わせた直接被害は約11兆4000億円。仮設住宅設置費などの間接被害は8兆2000億円で、合わせて19兆6000億円に上った。

 また鉄道などの公共交通機関が不通になることで帰宅困難者は約142万人で、このうち大阪市内で90万人に上るとみられる。

 政府は首都直下型地震の被害想定をすでに公表。東京湾北部でマグニチュード7.3の地震が発生した場合、約85万棟の建物が全壊・焼失。死者は約1万1000人、負傷者は約21万人に達し、帰宅困難者は約650万人(うち都内390万人)。経済被害は直接被害66兆円を含む約112兆円とされている。

 首都直下地震について、政府は今後10年で死者数の半減を目標に、建物の耐震化率を90%にまで高めて経済被害額を70兆円まで減少させる方針を出している。

(jf)


(2006/10/08) 東大と京大の研究所が琵琶湖西岸断層含む100キロ探査 

 京大防災研究所と東大地震研究所は6日、京都府〜岐阜県の東西約100キロのルートで、地震が起きた際の揺れを予測するための地殻構造探査を開始した。探査区間には、今後30年以内にマグニチュード(M)7.8程度の地震が最大9%の確率で発生するとされる琵琶湖西岸断層帯などが含まれ、両研究所は「将来的に危惧(きぐ)される大地震に備える意味でも重要な調査」としている。

 両研究所は平成14年度から首都圏や近畿圏での大規模な探査を開始。近畿ではすでに、大阪市〜三重県鈴鹿市(約140キロ)や京都府舞鶴市〜和歌山県新宮市(約240キロ)など3ルートで実施した。

 今回は、京都府南丹市から比良山系を越えて琵琶湖南部を横断し、濃尾平野西端部の岐阜県海津市までの区間を調べる。4台の大型起震車を使って人工振動を起こし、反射してくる波動を地震計で記録。結果の分析から各地の地震の伝わり方を予測し、防災対策に生かしていく。

 地震計は約2100カ所に設置。琵琶湖では、水中で音波を発生させて湖底に配置した地震計で記録する手法を初めて用いる。

 探査区間は琵琶湖西岸断層帯をはじめ、花折断層帯、養老断層帯などM7〜8の地震を発生させる可能性がある主要な断層帯を横断。過去の地殻構造調査では深さ1キロ程度までしか調べられなかったが、両研究所は「深さ15〜20キロ程度までを調べ、より正確なデータを取りたい」としている。

(bd)


(2006/09/27) 地震調査研究推進本部、「地震動予測地図」更新版を発表

 政府の地震調査研究推進本部は25日、全国各地で地震による強い揺れがどの程度の確率で起きるかを示した「地震動予測地図」の更新版を発表した。昨年3月の初公表版に比べ、今後30年以内に震度6弱以上の揺れが起きる確率は、高知市が最大1.9ポイント増の50.1%となるなど、南海・東南海両地震の影響が想定される四国から近畿、東海で上昇した。

 予測地図は昨年3月に初めて発表された。前回の予測地図では確率3%未満の地域を黄緑〜緑で示したが、「この地域が安全だという誤解を招きかねない」として、暖色系の色に変更。発生確率の算定基準日を昨年1月1日から今年1月1日に変更したほか、全国の主要断層帯などの長期評価を一部改訂した。

 同本部は、国や自治体、企業の防災対策や建物の耐震設計、地震保険などへの活用を期待している。全国61地点のうち、更新に伴う確率上昇が最も大きかったのは高知市で、続いて徳島市の1.6ポイント増(43.4%)、津市の1.4ポイント増(59.9%)、和歌山市の1.0ポイントの順。

 一方、確率の低下は秋田市の0.5ポイント減(1.6%)が目立つ程度。これは北由利断層帯の長期評価の一部改訂などによる。更新後の確率上位は、静岡市の86.3%、甲府市の81.8%、津市の59.9%で、初公表版と順位は同じだった。

 地図を含む報告書は同本部のホームヘ一ジで公開されている。

(rt)


(2006/08/28) 国の拠点393施設のうち45%が耐震基準不足

 大規模地震時に国の対策の拠点となる中央官庁や出先機関など393施設のうち45%の176施設が、一般の建物以上に求められている耐震基準を満たしていないことが25日、国土交通省が公表したリストで分かった。

 このうち114施設は一般の耐震基準すら満たさず、震度6強〜7程度の大規模地震で倒壊の危険性があるとされており、政府の防災担当者が日常的に詰める内閣府や、地方気象台、警察機動隊も含まれていた。

 国交省は「今後10年間で少なくとも9割で基準を達成する」としているが、対応の遅れには批判が集まりそうだ。

 リストは、国交省官庁営繕部所管の建物で、災害時に情報の収集や指令、被災者支援の拠点となる施設や、日ごろから危険物を貯蔵、使用する施設のうち一定規模以上のものについて、これまでの耐震診断結果を集約した。防衛庁と自衛隊の施設などは含まれない。
いずれも、震度5強程度の地震では、損傷の危険性はないという。

 地方整備局別では、近畿管内で大規模地震で倒壊の危険性がある施設が26施設と最も多く、次いで関東管内が23施設だった。

 国は、これらの施設について、災害時にも機能を維持するため、建築基準法の基準より1.25〜1.5倍高い耐震基準を設定している。

 兵庫県内では、神戸東労働基準監督署が入居する神戸第二地方合同庁舎別館(神戸市中央区)が大規模地震で倒壊や崩壊の危険性が高いことが判明。神戸地方合同庁舎(同)と県警察学校本館(芦屋市)は、倒壊の危険性があるとされた。

(tn)


(2006/08/23) 渥美/志摩のプレート境界 緩やかな地殻変動

 愛知県の渥美半島から三重県の志摩半島にかけての地下で今年に入り、海側と陸側のプレート(岩板)の境界で地震動を伴わないゆっくりした滑り(スロースリップ)が始まった可能性があることが、国土地理院(茨城県つくば市)の衛星利用測位システム(GPS)による観測で21日までに分かった。地理院が同日の地震予知連絡会で報告した。

 地理院は「観測データには季節変動や誤差も含まれており、現時点で詳細は分からない」(熊木洋太・地理地殻活動研究センター長)とし、東海地震の発生に影響するかどうかも不明だという。

 スロースリップは、東海地震の想定震源域から約キロ西側の地下20〜30キロ程度で、長さ約70〜80キロ、幅約20〜30キロの範囲で起きているとみられる。渥美、知多(愛知県)、志摩の各半島が含まれ、今年に入り、スロースリップに特徴的な地殻の隆起や南東方向への変動が観測されている。

 想定震源域西端の浜名湖付近の地下では、2001年から2005年までスロースリップが起きていたが、今回はこの場所よりさらに西側になる。

(uq)


(2006/08/20) 東大地震研究所が近畿地方の地殻構造を探査

 地震の際の強い揺れを予測するため、東大地震研究所は18日、近畿地方で20日から29日まで地殻構造探査を行うと発表した。文部科学省の「大都市大震災軽減化特別プロジェクト」の一環。

 今回の対象は、西日本を横切る「中央構造線活断層系」のうち、和歌山県・紀ノ川沿いの区間。同県紀の川市から大阪府泉佐野市にかけて約20キロ間の千カ所近くに地震計を設置し、人工的に振動を起こし、地下深部からの反射波を計測する。

 この付近の断層は、地下1キロより浅い部分は約30度の角度で傾斜していることが明らかになっている。地震研の佐藤比呂志教授は「地震被害の予測には、最初の破壊が始まる深部の形状や構造を明らかにする必要がある」としている。

(br)


(2006/07/28) 「地震予告」をCATVや光ファイバーで安く家庭に 

気象庁の緊急地震速報データを利用して、大きな揺れが始まる数秒から十数秒前に地震を予告するシステムが、一般家庭への普及段階を迎えようとしている。

電子情報技術産業協会(JEITA)は26日、CATV(ケーブルテレビ)網を活用して予告を配信する安価なシステムを完成させたと発表。NTT東日本も光ファイバー網を利用した予告システムの実証実験を来年3月までの予定で実施中だ。気象庁は18年度末までに地震速報データの商業利用を認める時期を決める方針で、来年度中には世界初となる家庭用の地震予告システムが利用できそうだ。

 地震の揺れには、「P波」と呼ばれ地中を秒速6〜8キロで伝わる初期微動と、同3〜4キロの本震「S波」がある。このP波をキャッチして、S波の到来を予告するのが緊急地震速報システムだ。

 JEITAによれば、相模湾を震源とした「関東大震災」の場合で、東京・千代田区にP波が到達してS波が来るまでに10秒の猶予があった。

 JEITAが発表したCATV網を使うシステムは、予測震度、猶予時間、到達までのカウントダウンを音声で告知する。目玉は各家庭に設置する専用端末だ。

 JEITAが17年4月から実証実験を行ってきたインターネットを使ったシステムは端末価格が8万円。これに対して、3Softジャパン(兵庫県西宮市)が開発したCATV用端末は1万5000円と大幅に安くなった。「到達までの時間はCATV局に設置するサーバーで計算するため端末側は演算装置が不要で、その分、コストを抑えられた」(3Soft技術顧問の加茂田圭一氏)といい、月額数百円でのレンタルが可能になる。

 現在のインターネットを使った予告システムは、サーバー1台当たり一度に250世帯に配信するのが限界で、1000世帯に配信すると計算上、最初と最後で1秒の遅れが出る。しかし、CATVは端末数の制限がなく、遅延もないという。CATV全社が採用すれば、日本中の全世帯の38%が利用できる。

 一方、NTT東日本は光ファイバー網とIPテレビ電話を使った実証実験を今年3月に開始した。不特定多数に同時に情報配信できる「IPマルチキャスト」方式の予告を配信し、遅延問題も解決済み。演算機能を備えたIPテレビ電話を使うため端末価格は6万円弱と高いが、専用機開発やレンタルなどでコストダウンは可能だ。

 地震速報データには精度や運用方法の課題があるため、実際の商用化は気象庁の判断を待ってからとなるが、CATV網と光ファイバー網を使ったシステムは実用段階こある。地震予告だけでなく津波、暴風雨などの緊急警報へのニーズは高い。

(ue)


(2006/05/04) 1944年発生東南海地震の長周期の揺れ復元 貴重な対策資料に

 1944年(昭和19年)に発生した東南海地震の長周期地震動を、地震発生時に現在の千葉県東金市に置かれていた地震計の記録から読み取ることに、東京大学地震研究所の古村孝志助教授と早稲田大学理工学総合研究センターの中村操・客員研究員らの研究グルーブが1日までに成功した。

 長周期地震動は、大地震の際に発生する周期の長い揺れで、高層ビルや石油タンクなど大きな構造物が共振して大きく揺れる。発生が予想されている東海地震や東南海地震の長周期地震動対策を進める上で、貴重な資料となりそうだ。14日から千葉市で開く日本地球惑星科学連合大会で発表する。

 古村助教授らは、東京都内と東金にそれぞれ設置されていた地震計による東南海地震の記録を詳細に解析。都内の記録は振り切れて復元できなかったが、東金の記録には、周期12秒程度の長い周期の揺れが10分以上記録されていた。

 その際の地表の揺れは最大14センチに達し、この場所に120階建ての超高層ビルや大型石油タンクが立っていたとすると、その建物が最大100センチ揺れる計算になるという。

 古村助教授は「東南海地震の長周期地震動の解析はこれまでも複数のグルーブが行っていたが、今回の復元で、その全容が見えてきたといえる」と話している。

 長周期地震動
 揺れの周期がゆっくりと長い地震動で、人間は感じにくい。超高層ビルや石油タンクのように長い周期で揺れやすい建物の場合、揺れの周期が一致して共振を起こして大きく揺れる。距離による減衰が少なく、震源から遠くても影響が出るのが特徴で、2003年の十勝沖地震では、長周期の揺れで、苫小牧市の石油タンク内で液面が波立つスロッシング現象が起き火災が発生。2004年の紀伊半島南東沖の地震でも、震源から約400キロ離れた千葉県北西部の石油タンクでスロッシングが確認された。

(jo)


(2006/04/04) 上町断層震源の場合、大阪府内71万棟全半壊

 大阪府周辺の活断層による直下型地震を想定した地震被害想定の見直しを進めている大阪府はこのほど、大阪都心部の直下を走る「上町断層」を震源とした場合、府内で全半壊する建物は10年前の想定より約10万棟多い最大で計約71万棟となり、阪神大震災の約3倍に上るとの新たな被害想定の中間報告を明らかにした。

 府は従来の想定死者数約19,000人の修正を含め今年夏に人的、ライフライン被害などを盛り込んだ最終報告をまとめる方針。

 府の被害想定では、直下型地震を起こす可能性のある断層として、府内外の4断層系を設定。阪神大震災を機に平成8年にも想定をまとめたが、16年度までの3カ年で断層の位置や岩盤の深さを改めて調査し、現在の住宅状況を加味するなどして見直し作業を進めている。

 このうち、最大の被害が予測されるのは、同府豊中市から大阪市を貫き、府南部の岸和田市付近に至る「上町断層」(長さ約58キロ)を震源とした直下型地震が起きた場合で、一部地域で震度7を記録し、平成8年の想定より震度6弱のエリアが拡大した。

 豊中から大阪市内にかけた断層の北・中部が主に動いた場合、建物の全壊は368,500棟(平成8年時想定280,000棟)、半壊は342,500棟(同339,000棟)に上ると見込んでいる。

 断層南部が活動した場合でも全壊236,500棟、半壊225,000棟と予測した。

 また、奈良県境の山脈に沿って走る「生駒断層」(約54キロ)による地震では建物の全半壊を計545,000棟(同484,000棟)と修正。「有馬高槻構造線」(神戸市北区〜大阪府島本町付近、約56キロ)では全半壊179,000棟(同153,000棟)とし、「中央構造線」(淡路島東南沖〜奈良県香芝市付近、約90キロ)では全半壊66,000棟(同33,000棟)と予測している。

(jf)


(2006/04/03) 津波に備えて尼崎市とコーナンが避難協定

 尼崎市はこのほど、将来発生が予想される東南海・南海地震で津波が発生した際、市民が店舗の屋上を避難場所として使用できる協定を大手量販店「コーナン商事」(本社・大阪府堺市)と締結した。

 尼崎市によると、県内の自治体と民間業者がこうした内容の協定を結ぶのは初めて。兵庫県によると、同市へは地震発生から約110分後に、高さ約2.9メートルの津波が押し寄せると予想されている。

 協定では、地震後、津波警報が発令された場合、市の依頼を受け、同社側が店舗屋上などを避難場所として開放。対象店舗は、同市道意町の「コーナン尼崎道意町店」と、同市梶ケ島の「コーナン杭瀬店」で、約12,550人収容が可能。2店舗は臨海部に立地することから選ばれた。

 この日、市長室で行われた締結式では、白井文市長と同社の疋田直太郎副社長が協定書を交換。白井市長は「市民を代表してお礼を言います」と述べた。

(uq)


(2006/03/23) 地震で窓ガラス落花恐れ 全国で772棟まだ未改修

 国内の中心市街地にある3階建て以上のビル約36,000棟のうち、地震などで窓ガラスが落下する恐れがあるのに改修されていないビルが44都道府県で計772棟あることが、国土交通省の調査で20日分かった。うち兵庫県内の未改修は16棟になる。

 昨年3月の福岡県西方沖地震で福岡市中央区天神のビルの窓ガラスが割れて大量に歩道などに落下したのを受け、国交省が地方自治体を通じ調査。自治体がビル所有者らに、ガラスが割れないよう改修を指導している。

 772棟のうち107棟が改修を予定しているが、665棟の改修は未定。このほか、ビルの所有者に連絡が取れないなどの問題から、約5,500棟はまだ調査できていない。

 都道府県別にみると、未改修のビルは北海道が一番多く84棟、次いで福岡、岐阜47棟、千葉42棟などの順。調査を始めた昨年4月時点で石川、鳥取、佐賀を除く44都道府県の1,283棟で落下の可能性があったが、この1年間で511棟が対策を終えた計算になる。

 国交省は今後、毎年2回、改修状況をまとめ公表する予定だ。窓ガラスが割れて落下したビルは、耐震基準を強化した1978年の建築基準法告示の前に建築された。ガラスを窓枠に硬いパテで固定しており、地震の揺れで割れて落下したと国交省は分析。落下防止のため、窓ガラスを同様に固定しているビルの改修が必要としている。

 国交省は「所有者に地震に対する切迫性を感じてもらう必要がある」と話している。

(dr)


(2006/02/17) 東京湾北部地震、M6.9でも23区東部は推定震度6強

 東京都防災会議地震部会(部会長・溝上恵東京大名誉教授)は16日、首都直下地震の被害想定の中間とりまとめを公表した。東京湾北部を震源とする地震では、阪神・淡路大震災級のマグニチュード(M)7.3だけでなく、M6.9の地震でも23区東部を中心に広い範囲で震度6強となることが示された。M6以上の地震は南関東で過去30年に16回発生しているが、溝上部会長は「現実性の高いM6級でも侮れない被害が出る」と警告している。

 首都直下地震の被害想定は昨年、政府の中央防災会議がまとめている。都は今回、地域ごとの防災対策に役立てるため、よりきめ細かく分析。東京湾北部と多摩地区を震源とする二つの地震で、国が想定したM7.3だけでなく、M6.9についても検討した。

 建物や道路状況などのデータを基に250メートル四方単位で分析した結果、隅田川以東の地盤が弱い地区で揺れが目立ち、M6.9でも区部の4分の1弱が震度6強となると推定。墨田区の95%、江東区の82%が含まれるとしている。

 冬の午後6時、M7.3を想定した東京湾北部地震では、国は風速15メートルとしていたが、都は冬の平均風速の約2倍の6メートルで検討。その結果、都内の死者は4662人、火災焼失を含む建物全壊は43万6539棟と、国の想定(死者7800人、建物全壊53万棟)より少なくなった。

(xr)


(2006/02/09) 東南海・南海地震 津波死者は想定の倍以上? 内閣府見直し

今世紀前半に発生が予想される東南海・南海地震について、内閣府は、死者数を約1万2千人と推計した平成15年の津波の被害想定を見直す方針を固めた。津波に対する希薄な防災意識などが大きな被害を招いたインド洋大津波を考慮すると、新たな想定では死者数がさらに大きくなる可能性が高い。自治体レベルでは15年の想定の倍以上という予測もあり、専門家のなかには死者10万人とする見方もあるなど、見直しに伴い津波対策のいっそうの強化が求められそうだ。

 内閣府の中央防災会議が15年にまとめた東南海・南海地震の被害想定では、地震による揺れや津波による犠牲者は最大2万7千人。このうち津波に限定すると約12,000人で、内訳は和歌山県3,700百人、三重県2,100人、高知県4,200人などと算出している。

 その後、研究者や自治体から「避難住民の行動のあり方が被害に及ぼす影響を単純化しすぎている」といった声があがったほか、一昨年12月に発生したインド洋大津波では、船舶や流木、車両など津波による漂流物の破壊力の大きさが注目された。

 このため、中央防災会議は、先月25日に公表した日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の被害想定の算定で、16年9月の紀州沖東海道沖地震などでの住民の避難行動を分析し、津波警報など情報の入手のタイミングが避難行動に及ぼす影響についても勘案した。

 和歌山県では、中央防災会議が今回見直した津波想定の手法を導入。今春をめどに独自に被害の算出を進めているが、「内閣府想定の倍以上の感触をもっている」としている。

 東南海・南海地震は、インド洋大津波の研究から国の想定を大きく上回るM9規模の津波が発生する可能性も指摘され始めている。河田恵昭・京大防災研究所長は「M9となると死者が10万人に達する可能性がある。各自治体は、被害を想定する過程でどのような危険性があるのかに注目し、対策に取り組むべきだ」と話している。

(qz)


(2006/01/27) 10年で耐震化率90%に 国交省が基本方針

 国土交通省は25日、改正耐震改修促進法の26日施行に向け、今後10年間で、@住宅は150万〜200万戸を耐震診断し100万戸を耐震改修する、A学校や病院など多数が利用する建物は5万棟を診断し3万棟改修する、とした数値目標を盛リ込んだ基本方針を決定した。

 政府は、2015年までに「震度6強または7の大規模地震でも倒壊しない」とする建築物の耐震化率を、現状の約75%から90%に引き上げる目標を掲げている。達成には耐震改修のほか建て替えによって住宅は約650万戸、学校や病院などは約5万棟を耐震化する必要がある。

 基本方針は都道府県には1年以内に公共建築物の耐震化について数値目標などを盛り込んだ耐震改修促進計画の策定を義務付け、市町村にも同様の計画をつくるよう要請している。

 政府は、改修への補助費を2006年度予算案で大幅に増やしたほか、税制面でも支援する。

(tr)


(2006/01/23) 北海道、東北の大地震被害想定 死者数、最悪で2,700人

 北海道から東北沖の太平洋を震源とする8種類の大規模地震を対象にした政府の中央防災会議による被害想定の結果(速報値)が21日、明らかになった。最悪は明治三陸地震と同様の地震が起きたケースで、北海道から福島県の沿岸を最大で22メートルの津波が襲い岩手県を中心に9,400棟の建物が全壊、死者は2,700人に上る。

 経済被害は四つの地震で想定、最大は宮城県沖の地震で1兆3千億円に上った。中央防災会議の「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の専門調査会」で最終確認し、25日に発表する予定だ。

 最悪で死者9,200人を想定する東海地震や1万1千人の首都直下地震と比べ、死者数に占める津波被害者の割合が高いのが特徴。地震発生から津波到達まで30分以上かかる地域が多いだけに、被害を減らすための避難体制の整備や漁村などの孤立対策が急務だ。

 ほかの地震に比べて発生の可能性が高いと同調査会がみているのは、宮城県沖の地震と根室沖・釧路沖の地震で、冬の積雪時の午後6時に発生し、15メートルの風が吹いている場合の被害が最も大きかった。

 宮城県沖の地震は、宮城県を中心に火災で13,700棟、津波で2,900棟、液状化で3,600棟など合計で20,200棟の建物が全壊して300人が死亡、1日後には最大33万人の避難者が出る。経済被害は住宅2700億円など直接影響が1兆円、産業影響が3千億円。

 根室沖・釧路沖の地震は、北海道を中心に火災で3,200棟、津波で1,200棟など合計5千棟が被害を受け100人が死亡、避難者は75,000人、経済被害は2700億円。

 このほか、十勝沖・釧路沖の地震は19,000棟が全壊し300人が死亡、避難者は27万人、経済被害は1兆2千億円。三陸沖北部の地震は、8900棟が倒壊し400人が死亡、避難者は15万人、経済被害は7千億円との想定結果だった。

(dr)


(2006/01/21) 東南海・南海地震同時発生で神戸の揺れ「10分超」

 東南海・南海地震が同時に発生した場合、最大震度5弱〜5強と想定される神戸市沿岸地域の揺れが、最長で10分以上に及ぶとみられることが18日、産官学の研究者らによる「神戸の地盤・減災研究会」(会長=鶴来紘一・神戸市都市整備公社理事長)の分析で分かった。同地域の揺れの継続時間は従来、2分半程度とみられていたが、その4倍以上の長さとなり、液状化対策の拡充などが迫られそうだ。

 同日、神戸市内で開かれた「震災対策技術展」で報告された。内閣府は東南海・南海地震の同時発生で、神戸市沿岸地域の揺れが「2分半程度」となる地震波のシミュレーションを公表。ただ、基になった地盤データの精度が粗く、地域レベルでの分析の必要性を指摘していた。

 同研究会では、市のボーリング調査を基にした沿岸地域の膨大な地盤データを活用。軟弱地盤が多い同地域の特徴をより反映させた。さらに、2004年9月に同地域で震度3を観測した地震が、東南海地震の想定震源域の近くで発生。その際の地震波のデータも取リ入れ、伝わリ方の参考にした。

 その結果、東南海・南海地震の同時発生で、同地域の揺れの継続は最大で10分以上となり、一回の揺れの周期も5〜6秒と内閣府のシミュレーションよリ長くなった。

 メンバーで、報告した建設コンサルタント「応用地質関西支社」(大阪市)の長谷川信介・スタッフリーダーは「揺れの継続時間の長さは、護岸や防潮堤の液状化被害を拡大させ、津波被害も大きくなる恐れがある。周期の長さは高層建物や石油タンクの揺れに影響する。今後、被害との関係も精査したい」と話す。

(dr)


(2006/01/19) 東海地震想定し初の図上訓練 静岡、国と9都県市

東海地震の発生を想定して被災対策をシミュレーションする大規模な図上訓練が17日、国と静岡県など9都県市、関係機関の約8,800人が参加して静岡県庁などで行われた。

 東海地震の発生時に政府の現地本部が設置される静岡県で、国が図上訓練を実施するのは初めて。県庁内の現地本部には14省庁から約110人が派遣され、応急対策活動要領などに沿って、首相官邸や自治体との連携を確認した。

 訓練は、駿河湾から遠州灘を震源域とするマグニチュード8の地震が発生したとの想定。警戒宣言発令後と、地震発生後の2部構成で行われた。

(dr)


(2006/01/16) 活断層シンポジウム 高い地震発生確率に備えを訴え

 「北淡活断層シンポジウム2006 淡路島と世界の地震・活断層」が14日、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)を引き起こした野島断層が保存されている淡路市小倉、北淡震災記念公園で始まりました。一般向けの普及講演会「淡路島をとりまく活断層と地震」には県内外から約170人が参加しました。県立人と自然の博物館(三田市)などの実行委員会が2000年からこの時期に開いています。

 講演会で、産業技術総合研究所活断層研究センター(茨城県つくば市)の粟田泰夫研究チーム長は、南海地震など一連の海溝型巨大地震による震度6以上の揺れの発生確率は今後30年間に淡路島南部で最大30%、北部でも10〜20%とし、「建築物の耐震強化や命を守る備えを」と説きました。

 淡路島北部から神戸市街を経て京都市南西部に達する有馬ー高槻・六甲・淡路断層帯(約70キロ)などの活断層についての最新の調査結果も報告されました。

 続いて、スマトラ沖地震(2004年)などをテーマに学術シンポジウムも開催。15日には、新潟県中越地震(2000年)、パキスタン北部地震(2005年)に関する発表がありました。詳しい問い合わせは北淡震災記念公園セミナーハウス(TEL 0799−82−3400)まで。

(la)


(2006/01/13) 海溝型地震発生確率高まる 国の調査委員会が公表

国の地震調査委員会(津村建四朗委員長)は11日、今年1月1日を基準日として再計算した海溝型地震の発生確率を公表した。これまでは昨年1月1日の発表値が最新だった。今後は、毎年1月1日時点の発生確率を公表する。

 再計算の結果、今後の発生確率が高くなった海溝型地震は、▽大正型関東▽南海▽東南海▽三陸沖北部▽三陸沖南部▽十勝沖▽根室沖▽色丹島沖▽択捉島沖▽想定東海 の10地震。このうち、三陸沖南部の30年以内発生確率は「70〜80%」から「80〜90%」へと10ポイント高くなったが、10%未満を四捨五入して表示するためで、実際の算定値は1ポイントの上昇だという。

 活断層型地震の発生確率も再計算したが、最大でも0.1ポイント以下の変化にとどまった。


◆見直された主な発生確率(数字は%、かっこ内は2005年評価)◆
 
【大正型関東】 30年以内 ほぼ0〜1  (ほぼ0〜0.9)
【南海】      50年以内 80〜90   (80程度)
【東南海】    40年以内 80程度   (70〜80)
【三陸沖北部】  30年以内 0.06〜8 (0.04〜7)
【三陸沖南部】 30年以内 80〜90   (70〜80)
【十勝沖】    40年以内 2〜6     (1〜5)
          50年以内 10〜20   (9〜20)
【根室沖】    10年以内 2〜6     (1〜5)
          40年以内 60程度   (50程度)
          50年以内 70〜80   (70程度)
【色丹島沖】  10年以内 4〜9     (3〜8)
          20年以内 20〜30   (20程度)
【択捉島沖】  10年以内 9〜10    (8〜10)
【想定東海】  30年以内 87       (86)

(uh)


  
ymat