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地震予知と対策
(2005年)






(2005/10/22) 東南海・南海地震起こすプレート 定説より10キロ浅く判明

 京都大や東京大などの研究グループは、東南海・南海地震を引き起こすプレート(岩板)の状態や構造を初めて正確にとらえることに成功した。ユーラシアプレートの下に沈み込んでいるフィリピン海プレートは定説より約10キロも浅く、近畿北部まで延びていることが判明。近畿各地で予測を上回る揺れに襲われる可能性もあり、防災計画見直しなどの影響も出そうだ。内陸の直下型地震のメカニズムを解明する手がかりにもなり、札幌市で19日に始まった日本地震学会で発表する。

 調査は昨年11月に実施した。和歌山県新宮市から京都府舞鶴市までの南北約240キロのほぼ直線上に、約2,300台の地震計を設置。18カ所で爆薬を使って爆破するなどして地震波を作り出し、地下からはね返ってくる波を解析して地下構造を探った。

 その結果、新宮市の海岸沿いでは、フィリピン海プレートが約20キロの深さにあり、大阪平野付近では深さ約60キロだった。新宮市から大阪平野の手前までは従来の想定より約10キロ浅かった。また、このプレートは、これまで大阪平野付近までしかないと考えられていたが、近畿北部の丹波山地まで延びていたことも新たに分かった。

 丹波山地付近では直下型地震が多発しており、研究グループは、フィリピン海プレートに含まれている水分やガスが上昇し、地震を発生させるきっかけになっていると推定。直下型地震の発生メカニズムを考えるモデルになるとしている。ユーラシアプレート内には、断層の可能性もある不連続面が多数見つかった。

 調査した伊藤潔・京都大防災研究所教授(地震学)は「これまで地震などから推定するしかなかった地下構造の実態を解明できた。今回の結果から東南海・南海地震では、大阪平野がより大きな揺れに襲われる可能性が出てきた。地震時の揺れをさらに正確に予測し、被害の軽減策を早急に取る必要がある」と話している。

フィリピン海プレートとユーラシアプレート
 地球表面を覆う十数枚の巨大な硬い岩石層をプレートと呼ぶ。西日本では、大陸側のユーラシアプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込んでいる。フィリピン海プレートの厚さは30〜40キロ。地球内部のマントルの熱対流で北西方向に年間約4センチの速度で進むため、ユーラシアプレートが下に引っ張られ、限界に達するとユーラシアプレートがはね上がる。この時、東南海地震や南海地震などの巨大地震が発生する。

(uh)


(2005/10/04) 石油基地などの地震被害予測システムを東大と鹿島が共同開発

 石油など液体燃料の貯蔵基地が大地震に見舞われた際、大きな揺れが到達する前に被害を予測するシステムを、東京大学の目黒公郎教授(都市震災軽減工学)らのグルーブがゼネコン大手の鹿島と共同開発し、このほど発表した。

 2003年の十勝沖地震では、北海道苫小牧市の製油所で、長い周期の揺れにタンク内の燃料が共振して大きく波立つ「スロッシング現象」が発生し、火災につながった。

 開発したシステムは、気象庁の緊急地震速報と、事前に入力した地盤や基地内の構造物のデータなどを基に、揺れの程度やタンクから燃料がこぼれる危険性、液状化や津波による被害を素早く予測して表示。

 タンク内の燃料を調節してスロッシング現象を避けたり、従業員の安全を確保したりして、被害を最小化することを目指す。

 地震の条件を設定して被害をシミュレーションし、あらかじめ対策を取ることも可能という。目黒教授は「液体燃料基地の地震対策はあまリ連んでいない。このシステムで事前に取るべき対策が分かりやすくなり、防災につながることを期待したい」としている。

(mv)


(2005/10/03) 倒壊の危険性ある建物 耐震改修命令可能に

 政府が特別国会に提出する建築物耐震改修促進法の改正案がこのほど、明らかになった。病院や百貨店、ホテルなど多くの人が利用する建築物について、大地震で倒壊する危険性が高く所有者が改修指示に従わなければ、自治体が施設名を公表したリ改修命令を出せるようにするのが柱だ。

 改修命令が出せる対象には新たに学校、老人ホーム、危険物を扱う工場なども追加。立ち入り検査に応じない所有者などには、50万円以下の罰金を科することができる罰則も導入する。

 さらに耐震改修を促進するため、全国の自治体などに支援センターを設置、@建築物の耐震改修に必要な費用を所有者が借り入れる際の債務保証、A耐震工事に関する情報提供 などを行う。

 倒壊によリ道路を閉鎖する危険がある1戸建て住宅なども、改修するよう自治体が指導できるようにする。

 改正案は耐震改修を国民の責務と位置付け、国が基本方針を作成、地方自治体が具体的な耐震改修促進計画を作成する。

 耐震改修促進法は、1995年の阪神大震災を受け公共性の高い建築物の耐震化を進めるために制定された。地震発生直後の犠牲者の80%以上は建築物の倒壊が原因。このため国交省は今後10年間で建築物の耐震化率を90%に引き上げることを目標としている。

(mv)


(2005/10/01) 日向灘地震で宮崎、高知は震度6弱も 政府調査委員会発表

 政府の地震調査委員会はこのほど、宮崎県沖の日向灘で地震が発生した場合、宮崎市や高知県宿毛市などが震度6弱の強い揺れに見舞われるとする強震動評価結果を発表した。

 評価では、日向灘で1662年と1968年に起こったマグニチュード(M)7.5〜7.6の地震を基に、二つのケースを想定。それぞれの震源断層の位置などを決め、地下構造データを考慮して各地の震度を推定した。

 1968年のケースでは、想定される震源断層が高知県の足摺岬南西沖に位置し、高知県宿毛市や土佐清水市、宮崎県日向市などが震度6弱。宮崎市や延岡市、大分県佐伯市、愛媛県宇和島市では5強となる。

 一方、震源断層が宮崎県の東方沖に想定される1662年のタイプでは、宮崎市や日向市などで震度6弱、延岡市、鹿児島県国分市などで5強となる。いずれのケースも震度6強以上の地域はない。

 この地域では、フィリピン海プレート(岩板)が陸側プレートの下に沈み込んでおり、プレート境界面で大きな地震が発生する。同調査委が昨年2月に公表した長期評価では、日向灘でM7.6前後の地震が30年以内に発生する確率は10%程度とされている。

(dr)


(2005/09/28) 兵庫県の旧基準住宅の耐震診断 本年度38市町、来月開始

 兵庫県と各市町は10月から、1981年以前の旧耐震基準で建てられた住宅を対象とした簡易耐震診断事業をスタートさせる。木造住宅は1戸3,000円の自己負担で診断が受けられる。本年度は38市町で実施し、2006年度以降、全市町に拡大する。5年で25,500戸の診断を目指し、住宅の耐震化推進を図る。

 簡易診断は、国の補助制度を活用し、費用の9割を国、県、市町が負担するため、自己負担は1割で済む。一般の木造住宅は3,000円、共同住宅なら構造によって6,000〜30,000円。ツーバイフォー住宅や丸太組工法住宅は対象外となる。

 県は民間の実務5年以上の建築士を対象に講習会を開き、205人を診断員として登録。事務所名簿の中から、希望者が診断員を選び市町に申し込む。

 現在ある60市町のうち、22市町が市町合併を待って実施する。それ以外は、10月中に受け付けを開始する。

 約39,000戸を対象に県が実施した無料診断で、約8割の木造住宅が危険性を指摘された。県は震度6強以上の地震が起きた際、倒壊の危険性がある住宅を約42万戸と試算。今世紀前半には東南海・南海地震の発生が懸念され、老朽化で建て替える住宅もあることなどから、5年で「危険住宅」の半減を目標としている。県は耐震改修時に最大50万円の助成制度を実施している。

 詳しい問い合わせは兵庫県住宅防災課(TEL 078ー362ー4340)まで。

(la)


(2005/09/25) 公共建築物に耐震目標 政府初の緊急方針

 建築物の耐震化を急ぐための課題と対策を盛リ込んだ政府の初の緊急対策方針案が23日、明らかになった。防災拠点となる学校や病院、自治体の庁舎など公共建築物を対象に、大規模地震に耐えられる建物の割合を示す数値目標を設定するよう求めたのが特徴。

 さらに、耐震化は「所有者らが自らの問題、地域の問題として意識を持つことが必要」と指摘している。今月27日に開く中央防災会議(会長・小泉純一郎首相)で決定する。

 住宅には「今後10年間で耐震化率を90%に引き上げる」とする目標があるが、公共建築物などは国の予算制約のため「数値目標は示せない」などの意見が政府内で強く、課題となっていた。

 このため方針案は、公共建築物などに対し、@耐震診断を実施し結果をリストにして住民に知らせる A数値目標を設定し緊急性の高い施設から耐震改修を実施する ことなどを自治体や病院などの管理者に要請した。

 また、自治体が目標や方針を定め計画的に耐震化に敢リ組むように、国が耐震改修促進法の改正を急ぐ。専門家や事業者は、簡易で低コストな耐震診断や耐震改修法を開発する。建物の所有者には、家真の転倒防止などの対策実施も求めた。
 
政府の耐震化対策
 東海、東南海・南海地震を対象にした地震防災戦略では、住宅の耐震化率の目標を今後10年間で75%から90%に引き上げるよう設定。学校や病院、マンションなどの耐震化率は、10年間で75%から90%にする目標を国土交通省が掲げている。耐震性が不十分な建物を自治体が検査、公表できるようにする耐震改修促進法改正案は、開会中の特別国会に提出する。

(kf)


(2005/09/01) 東南海・南海大地震に備え、海底に監視システム

 最悪で約1万8000人の死者が出ると想定されている東南海・南海地震の被害を最小限に食い止めるため、文部科学省は来年度から4年計画で、紀伊半島沖に地震計や津波計を設置して海底監視システムを作ることを決めた。発生直前の地殻異変をキャッチできないか研究するほか、気象庁とも連携して、津波、地震の緊急警報にも役立てる方針。

 計画では、紀伊半島沖で約15キロ間隔、計20地点に地震計と津波計を設置する。日本周辺には、気象庁などの海底観測網が7海域で設置されているが、文科省は最も高密度の観測網を目指す。

 地震発生の直前に起きる地殻の変化や活動をとらえ、地震の短期予測に使えないか研究するのが目的。さらに、震源域の活動を継続的に観測することで、より正確な長期予測モデルの開発を目指す。また、実際に地震が起きた場合、観測データを気象庁に即座に提供し、地震・津波警報に生かしてもらう。 文科省は2006年度予算に約21億円を概算要求する。

 政府は、東南海地震の今後30年間の発生確率は60%、南海地震は50%と予測。過去に二つが同時に発生したこともあり、同時の場合の経済的被害は最悪で57兆円と想定している。

(xr)


(2005/08/24) 地震予知連、16日のM7.2地震は宮城県地震を促進と表明

地震予知連絡会(大竹政和会長)は22日、東京都内で会合を開いた。大竹会長は、会合後の記者会見で宮城県沖で16日に発生した地震(マグニチュード(M)7.2)が、過去に30〜40年周期で発生しているM7.5前後の大地震「宮城県沖地震」の発生を促進するとの見解を表明した。大竹会長は「今回は宮城県沖地震の(想定震源域の)一部が地震を起こしただけで終わった。地下にはまだ破壊されていない場所がある」としている。

 会合には、専門家と気象庁など国の関連機関が参加した宮城県沖地震の発生時期や規模に関す
る共通見解は示されなかったが、想定される「宮城県沖地震」と今回の地震との関連を指摘する報
告が相次いだ。

 東北大の長谷川昭教授は、1936年の宮城県沖地震(M7.5)と、1年後にその震源近くで起きた地震(M7.1)の余震域を、過去のデータから再計算した。二つの地震の余震域を合わせると、1978年の宮城県沖地震(M7.4)の余震域とほぼ一致した。

 1930年代の宮城県沖地震は2回に分かれて起きた可能性を示すデータだという。1933年にも近くでM7.1の地震もあり、3回に分かれていた可能性もある。今回の地震の震源は1936年の地震の震源に近く、長谷川教授は「宮城県沖地震が分かれて起きるかどうかよく調べる必要がある」と話した。

 気象庁は、1897年の宮城県沖地震(M7.4)以来、想定震源域付近で起きたM7以上の地震は、宮城県沖地震そのものと1936年前後にしかないとの特徴を指摘した。

 国の地震調査委員会は「宮城県沖地震」の今後30年以内の発生確率を99%と予想している。同委は17日、今回の地震は宮城県沖地震そのものではないと結論付けていた。

(rq)


(2005/08/19) 宮城県沖地震 M7.5級切迫性高まる

 16日の宮城県沖を震源とする地震について、政府の地震調査委員会の津村建四朗委員長は17日記者会見し「今回の地震は委員会が想定している宮城県沖地震ではないと考えられる」との見解を発表した。

 委員会はこの日、臨時会を開き、調査委が近い将来に発生すると想定している宮城県沖地震と、今回の地震との関連や今後の見通しを討議した。

 津村委員長は会見で「今後30年以内にマグニチュード(M)7.5前後の地震が起こる確率は99%」との宮城県沖地震の長期評価について「今のところ変更の必要はない」と述べた。

 委員会には、今回の地震によって地下のプレート(岩板)への力の加わり方が変化したとの推定結果が報告され、津村委員長は「想定している宮城県沖地震発生を促進する方向に働く。防災上、今後も注意が必要であることに変わりはない」と警告した。

 調査委によると、余震分布や地震波から推定した断層の動きなどのデータからは、今回の地震では想定される宮城県沖地震の震源域の一部が動いただけで、想定震源域のかなりの部分は破壊されずに残っている。

 委員の一人で東北大の海野徳仁教授は、会議後に「1978年に発生した宮城県沖地震で最も大きくすべった部分が、すべらずに残っていると考えられ、警戒が必要だ」と話した。

 また委員会は、17日午後2時から3日以内にM6以上の余震が発生する確率は、約10%と推定されるとした。

 地震調査委員会委員の阿部勝征東大教授は「今後、宮城県沖地震がいつ起こるかなどは分からないが、今後30年間で99%という発生確率は重く考えるべきだ」と話した。

(dr)


(2005/08/18) 宮城県沖地震の余震で気象庁 最大震度5強の恐れ

 宮城県南部で震度6弱を記録した16日の地震について、気象庁地震火山部の関田康雄地震情報企画官は記者会見し「余震は今後1カ月程度は注意が必要で、特にここ数日間に最大で震度5強の可能性がある」と注意を呼び掛けた。

 地震のタイプは「陸のプレートと太平洋プレートの境界付近で起きた西北西と東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型」との見方を示した。

 気象庁によると、余震は午後9時現在、震度2が2回と震度1が8回の計10回。1978年の宮城県沖地震と比べると、余震の回数はほぼ同程度だが、余震の規模は小さいという。

 想定されていたマグニチュード(M)7クラスの宮城県沖地震との関連について、関田企画官は「地震発生のメカニズムは同じだが、規模が小さめ。震源は1978年の宮城県沖地震の震源域の南東端に位置するが、双方の震源域が重なるかどうかはさらに調査が必要。いずれにしろ何らかの関連はある」と話している。

 政府の地震調査委員会は17日に臨時会を開き、想定宮城県沖地震との関連について検討する。

 宮城県沖では1933年以降、今回を含めてM6.4以上の地震が9回発生している。

(br)


(2005/07/21) 中央構造線断層帯地震で大阪湾岸震度6強

 政府の地震調査委員会は19日、近畿、四国にまたがる「中央構造線断層帯」のうち大阪・和歌山府県境付近を走る金剛山地東縁〜和泉山地南縁区間(長さ約70キロ)でマグニチュード(M)8級の地震が起こった場合、関西国際空港を含む大阪湾沿岸部の広い地域で、震度6強の強い揺れに見舞われる、とする強震動評価を発表した。

 地震調査委では、関西空港西方沖の大阪湾(深さ約12キロ)で断層の破壊が始まると想定。大阪平野は湾岸部ほど地震の揺れが増幅されやすい地下構造となってしるため、関西空港や和泉市、泉南市など大阪府南部の沿岸で震度6強以上の激しい揺れが予想される。さらに、大阪平野の南半分で震度6弱、大阪市のほぼ全域で震度5強以上の強い揺れに襲われる、と推定。また、和歌山市も中心部が震度6強で、ほぼ全域で震度6弱の揺れがある、と評価されている。

 地震調査委は一昨年2月、同区間で今後30年間にM8程度の地震が発生する確率は最大5%と発表しており、全国の主な活断層の中では地震発生確率が高いグループに属している。調査委の入倉孝次郎強震動部会長(京都大副学長)は「断層帯の最後の活動から約2千年が経過している上、アスペリティ(断層内で地震時に大きな揺れを起こす場所)が人口密集地の直下にあたっている。要注意の断層だ」と話している。

震度6強以上の揺れに見舞われる可能性のある自治体は次の通り。

断層の破壊開始点を関西国際空港の西に想定した場合:
(13市町) 大阪府泉大津市、和泉市、岸和田市、貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市、堺市、河内長野市、高石市、忠岡町、田尻町、和歌山市

断層の破壊関始点を堺市南部に想定した場合:
(14市町) 大阪府泉大津市、和泉市、岸和田市、貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市、堺市、河内長野市、富田林市、熊取町、田尻町、和歌山市、兵庫県洲本市

(rt)


(2005/07/03) 地震調査研究推進本部が6活断層重点調査へ 

 国の地震調査研究推進本部の政策委員会は1日、これまでの調査で地震の発生確率が高いとされた糸魚川〜静岡構造線断層帯(長野、山梨両県)など6カ所の活断層を重点調査の候補とする方針を決めた。また、警固断層帯(福岡県)や六日町断層体(新潟県)など12断層を主要活断層として新たに調査する。東海地震など、近い将来の発生が予測される7カ所の海溝型地震についても、重点観測して予測精度の向上を目指すことにした。8月に正式決定し、数年かけて調べる。


 同本部は、国内の主要な98活断層や海溝付近で発生する地震について、発生時期や規模の予測調査をしてきた。これを踏まえ、活断層については、地震の発生確率が高く、規模がマグニチュード(M)8以上か首都圏に近い6カ所を重点調査候補に選んだ。発生確率が不明とされるなど調査の信頼度が低い48断層も、補完的に調べ直す候補とした。


 海溝型地震については、南海トラフ(東海沖〜四国沖)を震源とする東海地震や東南海地震など7カ所が重点調査候補になった。いずれも、今後30年以内の発生確率が少なくとも30%以上で、陸域に強い揺れをもたらすと予測された。

 重点調査では、地震の発生時期や規模、各地の揺れの強さなどの予測精度の向上を目指す。このため、ボーリングによる地下構造の精密調査や全地球測位システム(GPS)を利用した地殻変動観測、海底地震計による観測などを強化する。

 警固断層帯や六日町断層帯など12断層は、従来の推定より距離が長いことなどが判明したため、掘削調査などをして、過去の活動や地震の規模、発生間隔を調べる。

○重点調査対象候補の活断層
糸魚川一静岡構造線断層帯(長野、山梨)
富士川河口断層帯(静岡)
中央構造線断層帯(奈良、和歌山)
沖縄・国府津〜松田断層帯(神奈川)
三浦半島断層群(神奈川)
琵琶湖西岸断層帯(滋賀)

○新規調査対象となった断層
サロベツ断層帯(北海道)
幌延断層帯(北海道)
花輪東断層帯(秋田)
高田平野断層帯(新潟)
六日町断層帯(新潟)
曽根丘陵断層帯(山梨)
魚津断層帯(富山)
宇部沖断層群(山口)
安芸灘断層群(広島、山口)
警固断層帯(福岡)
人吉盆地断層帯(熊本)
宮古島断層帯(沖縄)

○重点調査対象候補の海溝型地震と対象地点
東海地震(南海トラフ)
東南海地震(同上)
南海地震(同上)
宮城県沖地震(日本海溝)
根室沖地震(千島海溝)
三陸沖北部地震(日本海溝)
南関東で発生するM7程度の地震

(uh)


(2005/07/01) 東南海・南海地震に備え16都府県が防災計画80%作成

 東南海・南海地慶が発生した際に津波の被害が予想される兵庫など16都府県で、施設や事業所の80.7%が客の避難誘導などの防災計画を作成していることが29日、総務省消防庁の調査で分かった。

 2004年6月の前回調査(57.4%)より約23ポイント増加し、取り組みが進んでいるが、都府県別にはばらつきが見られる。

 調査は今年4月、16都府県の計200市町村に立地し、計画作成が義務付けられている百貨店や工場など22,484の施設を対象に実施。うち18,149施設が計画を作成して各道府県に届け出ていた。

 都府県別にみると、地域内の対象施設数に差があるが、東京(対象数20)と山口(同21)が100%だったのをはじめ、静岡(同263)や高知(同2,053)など8都県が90%を上回った。

 一方、最低は宮崎(同676〕の52.4%。兵庫(同1,309)は81.1%だった。施設の種類別では、石油コンヒナートや鉄道事業などが100%だったほか、学校、福祉加設などが90%を超えた。全体の44.1%を占める百貨店やホテルなどは77.1%だった。

 同庁は「地域的な取リ組みのばらつきは、津波被害に対する意識の差が表れているのかもしれない。今後も関係都府県や消防本部を通じて働き掛けていく」としている。

(dr)


(2005/06/26) 中央防災会議が海溝型地震の規模を推計

 政府の中央防災会議(会長・小泉純一郎首相)の専門調査会は22日、北海道から東北地方にかけての太平洋沖で繰り返し発生する海溝型地震について、各地域で予想される震度と津波の高さを公表した。
 
 北海道南東岸に約500年間隔で大津波を発生させる地震や、死者2万2千人の大被警を出した明治三陸地震(1896年)と同じタイプの地震が発生した場合、インド洋大津波に匹敵する高さ20メートル前後の津波が、三陸海岸や北海道の沿岸を襲う可能性があるとしている。

 北海道・東北の太平洋沖は、千島海溝・日本海溝を境に海側の太平洋プレート(岩板)と陸側の北米プレートが接する地震多発地域。今秋には、これらの地震を対象とする地震防災特別措置法が施行される。

 専門調査会では、択捉島沖から宮城県沖までの6パターンの地震について、地震による各地の揺れと津波の高さを推計。十勝・根室沖で過去6500年の間にほぼ500年間隔で大津波を起こしたとされる「500年間隔地震」と、揺れは小さかったのに大津波が発生した「明治三陸型地震」については、津波の高さのみを推計した。

 明治三陸型の津波地震では、岩手県宮古市、大船渡市付近で津波の高さが20メートルを超え、青森県南部から宮城県にかけての広範囲に高さ5メートル以上の津波が襲来すると予測。一方、「500年間隔地震」では北海道えりも町、広尾町、釧路町付近で津波の高さが15メートル以上になると推計された。推計値は平均潮位時の海岸線での津波の高さで、斜面を駆け上がるなどした場合には、30メートルを超える高さまで津波が到達することもある。

 また、30年以内の発生確率が99%(地震調査委員会)と非常に切迫性が高い宮城県沖地震については、前回(昭和53年)と同じ金華山沖の震源域が単独で動いた場合と、その沖の震源域が運動して動いた場合の二つのケースを想定。連動型の場合は岩手県釜石市から仙台市にかけての沿岸で、津波の高さが5〜10メートルとなる所がある。

 専門調査会は今後、満潮時の津波の高さや、津波によって浸水する範囲も推計する予定。中央防災会議は、これらの地震・津波による被害想定を実施した上で年内にも地震防災対策をまとめる方針だ。また、秋に施行予定の特別措置法に基づき、防災対策推進地域の指定や基本計画の策定が進められる。

(ue)


(2005/05/31) 政府の地震調査委員会が「地震動予測地図」を公表

 平成7年の阪神大震災をきっかけに、政府の地震調査委員会は全国の主要な活断層と海溝型地震の長期評価に取り組んできた。今春までに、98の断層帯と主な海溝型地震の調査を終え、その結果をもとに、どの地域でどの程度の規模の地震が起こるかを確率で示した「地震動予測地図」の全国版を公表した。

 今後30年以内に、人や建造物に大きな被害が出る恐れがある震度6弱以上の揺れ(地震動)に襲われる確率を示したもので、マグニチュード(M)8級の海溝型地震の震源域が連なる関東から四国にかけての太平洋側に、危険度が高い地域が広がっている。

 ただし、地図上の赤やオレンジの地域以外が「当面は大地震の危険がない」というわけではない。今年3月の福岡県西方沖地震は、「日本列島のどこでも大地震が起こる可能性がある」という重い現実を突きつけた。

 一般に、活断層の活動周期は1000年から1万年以上と非常に長いため、長くても数百年間隔で発生する海溝型地震に比べると同じ期間(30年以内)の発生確率は低く算出される。活断層の中で最も危険度が高い神奈川県の「神縄・国府津〜松田断層帯」でも30年以内の発生確率は最大16%で、数十%から99%(宮城県沖)までの海溝型に比べて数値が小さいのはこのためだ。

 また、地震調査委が長期評価を終えたのは、知られているだけでも全国に約2000ある活断層のごく一部に過ぎない。新潟県中越地震や福岡県西方沖地震は、当面の調査対象には入ってない断層が起こした。地震動予測地図や長期評価をもとに、自分が住む街で起こりうる地震に備えることは、想定外の地震への対策にもなる。
 
 地震動予測地図の詳細な情報は、防災科学技術研究所のホームページ「地震ハザードステーション」(http://www.j-shis.bosai.go.jp/)で公開されている。

(rt)


(2005/05/20) 減災システム確立を 津波対策委で神大教授

 津波による船舶や港湾施設の被害を研究している神戸大学海事科学部の久保雅義教授が18日、神戸市中央区の神戸海洋博物館で港湾・海運関係者ら約50人を前に講演した。今世紀前半の発生が懸念される東南海・南海地震などの津波による被害予測が急務だと呼びかけた。

 「神戸港及び尼崎西宮芦屋港船舶津波対策委員会」(委員長=谷一成・日本郵船関西支店長代理)の初総会で、久保教授が基調講演。同委員会は、港や船舶の安全対策を管轄する港湾の関係者で協議する組織で、神戸海上保安部や県警など公的機関と海運会社など42団体で3月に結成された。

 久保教授は「港内係留船の津波対策」と題した講演で、タンカーや沿岸部の石油タンクなどが破壊されて燃料が漏れ、大規模火災につながる可能性を指摘。エネルギー船の入港情報収集や長期的には危険物バースの再配置も検討すべきとした。

 また「防災から減災への意識改革が重要だ」と強調し、東南海・南海地震などでは到達まで時間があるが、パニックにならないよう船舶の避難に優先順位を決めるなど、さまざまなパターンの危険予測が必要だと説いた。

(tn)


(2005/05/11) 地震予測をネットで公開 防災研が新システムを開発

 将来起こる地震によって自分の住む町が強い揺れに見舞われる確率などが一目で分かる情報システムを、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)が開発し、9日、インターネット上で公開した。

 政府の地震調査委員会が3月に公表した全国レベルの「地震動予測地図」に、地図作成時に用いた震源などさまざまな情報を加えてデータベース化した。市民の防災意識を高めるとともに、研究者らに幅広く情報を共有してもらうのが狙いだ。

 新システムでは、市区町村名や最寄りの駅名などで地域を検索、震度5弱以上や6弱以上などの揺れの大きさや、30年以内か50年以内かといった条件を設定すると、こうした強い揺れが起こる確率が分かる。

 また、全国各地の断層ごとに、その断層で地震が発生した際の周辺の震度なども調べることが出来る。同研究所の担当者は「今後は地下構造に関するデータも加える予定だ。自分の住む地域で起こる揺れがどんなものか、興味本位でもいいからまずは見てもらいたい」と話している。アドレスは次の通り。

 http://www.j-shis.bosai.go.jp/

(kf)


(2005/04/16) 滋賀県が琵琶湖西岸断層帯地震で死者1300人を想定

 滋賀県は14日、琵琶湖西岸断層帯で地震が起きた場合、県内で最大死者約1,300人、負傷者約10,200人、建物の全半壊は約10万棟に上るとした被害想定を公表した。2003年に京都市は最大で死者800人、負傷者約49,100人、建物の全半壊は計52,000棟との想定をまとめており、防災対策の必要性をあらためて示す結果となった。

 同断層帯は政府の地震調査委員会が、今後30年以内の地震発生確率が最大9%と、国内の主要活断層では高いグループに入れ、最大マグニチュード(M)7.8を予測している。

 滋賀県は地盤の強さや建物の耐震性などを考慮、震源の場所と発生時刻により、被害を試算した。その結果、南北に延びる断層帯の南部が震源の場合、大津市の一部などで震度7を記録、早朝に発生の場合が被害最大となった。滋賀県総合防災課は「厳しい条件での想定だが、これを基本に防災に取リ組みたい」としている。同断層帯の地震では、京都府や大阪府の一部でも震度6強や6弱が予想されている。

(dr)


(2005/03/24) 兵庫 臨海部で「高い確率」 地震動予測地図

 政府の地震調査委員会が23日に発表した今後30年間の地震動予測地図で、兵庫県内では大阪湾から瀬戸内海沿岸にかけての臨海部一帯と淡路島南部で、震度6弱以上の可能性が3%以上の「高い確率」とされた。活断層に近く地盤が弱いなど、激しい揺れに見舞われやすい地域。危険性があらためて浮き彫りになった。

 予測地図は震度6弱以上の可能性を、26%以上、6〜26%、3〜6%、0.1〜3%、0.1%未満の5段階に色分けして示した。26%は百年に1回、6%は500年に一回、3%は千年に1回の割合に相当する。

 県内に甚大な被害を及ぼす地震としては、今後30年以内に南海地震が50%、山崎断層地震が最大5%の確率で発生するとされる。このため、南海地震と山崎断層地震の影響を受ける神戸・阪神間の一部や、同断層が近い姫路市から加古川市にかけての臨海部で、確率が6〜26%と特に高くなった。

 揺れの大きさは地盤の違いによる影響も大きく、同委員会は「確率が高かった地域は、震源が遠い地震でも揺れやすいということにも注意すべきだ」と指摘する。

 一方、大阪湾、瀬戸内海沿岸部以外の地域は大半が0.1〜3%となったが、同委員会は「やや高い」と表現。30年間に交通事故で死亡する確率(0.2%)や火災に見舞われる確率(2%)に比べて決して「低い」とは言えず、「むしろ、どこでも強い地震が起こりうることを示した地図だと思ってほしい」とした。

 震度6弱は建物被害が出る恐れがあり、防災対策を考える上で一つの目安。兵庫県防災局は「この地図に基づいて、さらなる備えを徹底したい」と話している。

(tn)


(2005/03/24) 30年以内に震度6弱 阪神で確率26%以上 政府の地震調査委員会

 政府の地震調査委員会(津村建四朗委員長)は23日、将来発生する地震で強い揺れに見舞われる確率などを、日本各地ごとにまとめた「地震動予測地図」を公表した。同委員会が続けてきた活断層や海溝型地震の評価の集大成で、住民の防災意識を高め、自治体の防災対策に役立ててもらうのが目的。

 30年以内に震度6弱以上に見舞われる確率は、発生が懸念される東海、東南海、南海地震の影響で、静岡県から四国南部までの太平洋側が26%以上と高くなった。これは約100年に1回以上起きる可能性に相当するという。

 兵庫県内でも南海地震の影響で、阪神間の大阪湾沿岸と淡路島南部の一部で26%以上となったほか、山崎断層地震で大きな被害が見込まれる姫路市なども6〜26%と高かった。

 同委員会が評価してきた国内98の主要活断層による地震や日本近海の海溝型地震に加え、未知の活断層によるものなど、国内で起きる可能性のあるすべての地震を想定し、発生確率や揺れの分布を予測。それを基に、強い揺れに見舞われる確率分布などを1キロ四方ごとに地図で表した。

 30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が最も高いのは、静岡県浜名湖周辺の95%。一定以上の面積が「26%以上」の確率に達したのは、静岡県や兵庫県、大阪府、京都府など24都道府県になる。

 福岡県西方沖地震で震度6弱を記録し大きな被害が出た福岡市周辺の確率は0.1〜3%未満。同委員会は「この確率は『やや高い』部類に入る。未知の断層で起きる地震も考慮しており、今回の地震は想定していた範囲内」としている。

 30年以内に震度5弱以上に見舞われる可能性を算出すると、北海道北部や山陰などを除き、ほぼ日本全域が26%以上に跳ね上がった。

 津村委員長は「日本はどこも強い揺れに襲われる。確率が高い地域はより高レベルの対策を取ってほしい」としている。

 地震動予測地図は地震調査研究推進本部がホームページで公開している。アドレスは次の通り。    
   http://www.jishin.go.jp/main/index.html

 同本部は「どこでも強い揺れに襲われる恐れがあり、確率が低いのを安心情報と考えないでほしい」と注意している。

 詳しい情報は、防災科学技術研究所が5月にも、地点を指定すれば市町村境や鉄道路線などの位置も入った拡大図を表示する図を公開する予定で、地域の細かい状況を知ることができる。

(la)


(2005/03/11) 30年内の大地震、確率最大16% 神縄・国府津―松田

 政府の地震調査委員会は9日、神奈川県と静岡県に分布する神縄(かんなわ)・国府津(こうづ)―松田断層帯で30年以内に大地震が発生する確率を最大16%とする長期評価をまとめた。1997年に3.6%と公表していたが、その後の調査で地震の頻度が前回の評価より多いことが判明したため修正した。全国の主要断層帯で最も高い確率となった。同時に、群馬県と埼玉県に分布する関東平野北西縁断層帯では、将来、マグニチュード(M)8.0程度の地震の恐れがあるとする評価も公表した。

 神縄・国府津―松田断層帯は長さが25キロ以上あり、静岡県小山町から神奈川県松田町などを経て小田原市に延びている。最後の地震は約3000年前と推定していたが、掘削調査などで12世紀から14世紀前半の間にも地震があったことなどがわかった。このため、3000年程度と推測されていた平均活動間隔を約800年から1300年に修正。30年以内の発生確率を0.2〜16%に、M8程度としていた想定していた地震の規模はM7.5程度に改めた。

 関東平野北西縁断層帯は群馬県榛名町から高崎市、埼玉県熊谷市などを経て伊奈町に至る長さ約82キロの主部、群馬県吉井町から埼玉県寄居町に至る長さ約23キロの平井―櫛挽(くしびき)断層帯からなる。

 主部の平均活動間隔は1万3000年〜3万年程度で、約6200年前から約2500年前の間に最後の地震があったと考えられる。30年以内の地震の発生確率は、ほぼ0〜0.008%。平井―櫛挽断層帯はM7.1程度の地震の恐れがあるが、過去の活動が十分にわかっておらず、発生確率は算出できなかった。

(tn)


(2005/02/12) 耐震補強工法18件 兵庫県が独自助成に追加 応募28件審査

 兵庫県はこのほど、阪神大震災を教訓に住宅の耐震補強工事を普及させるため、安価で簡単な新工法の提案を募った「ひょうご住宅耐震改修技術コンペ」の結果を発表した。全国の事業者から28件の応募があり、平均的な工事費用(200万円)の半額以下で、天井などを壊さずに施工できる工法など18件を「一定の安全基準に達している」として、県独自の補助制度(最高50万円)の対象に加えることを決めた。

 1970年ごろに建築した木造2階建て(延べ床面積約90平方メートル)の住宅を耐震補強する想定で、昨年9〜11月に公募。学識経験者などでつくる審査委員会が、補強効果や価格、簡便さなどを審査した。

 最優秀の知事賞を受賞したのは、住宅構造研究所(東京都足立区)が提案した「GUARDIAN WALL(ガーディアン ウオール)工法」。室内側から天井や床を壊さず、壁に合板をはり付けるほか、基礎まで達するボルトと金物で土台と柱を固定する工法で、概算の工事費は90万円。

 鴻池組(大阪市中央区)は、ゴムのような粘弾性の物質をはさんだ二枚の鋼板を柱とはりに取り付け、揺れのエネルギーを吸収する「仕口(しぐち)ダンパー」を提案。工事費は80万円で、県議会議長賞に選ばれた。

 数寄屋工務店(東京都八王子市)の「ハードロック工法」は、壁に鋼製の筋交いを取り付けるもので、工事費は50万円で済むという。

 県独自の耐震補強工事の補助制度は、建築基準法で耐震基準が強化された1981年以前の木造住宅を対象に2003年度から開始。しかし、高額な工事費に加え、天井や床をはがすなど一時的な転居が必要な工事が多いことなどから、同年度の申請は17件、今年度も66件(1月末現在)にとどまっている。

 県建築指導課は「東南海・南海地震などに備え、それぞれの住宅に見合う工法を選択し、工事を実施してもらえれば」としている。問い合わせは同課防災係(TEL 078−362−3610)。

(br)


(2005/02/11) 京都西山断層帯 地震発生確率30年で0.8%

 政府の地震調査委員会は9日、京都府と大阪府にまたがる三峠・京都西山断層帯の一部が活動すると、地震の規模はマグニチュード(M)7.5程度となり、今後30年以内の地震発生確率は最大0.8%との長期評価をまとめた。

 同断層帯は、京都府綾部市の長さ約26キロの上林川断層、同府福知山市から丹波町まで同約26キロの三峠断層、瑞穂町から大阪府島本町まで同約42キロの京都西山断層帯で構成される。

 断層が活動した場合の地震の規模は、京都西山断層帯がM7.5程度、三峠断層はM7.2程度となり、30年以内の発生確率はそれぞれ最大0.8%、同0.6%と、全国の主な活断層の中ではやや高いグループに属する。

 上林川断層はM7.5程度になるが、過去の活動履歴が明らかでないため、発生確率を求めることはできなかった。

(uq)


(2005/02/11) 長井盆地西縁断層帯 活動すればM7.7程度に

 政府の地震調査委員会は9日、山形県南部の長井盆地西縁断層帯が活動すると、地震の規模はマグニチュード(M)7.7程度となり、今後30年以内の発生確率は0.02%以下との長期評価をまとめた。この断層帯は、同県の朝日町から長井市を経て米沢市まで長さ約51キロ。平均活動間隔は5000〜6300年程度の可能性がある。

(dr)


(2005/02/02) 山崎断層 加古川、神戸で震度6以上も

 政府の地震調査委員会は1月31日、山崎断層帯が地震を起こした場合の震度分布の予測地図を発表した。震源となる断層を五つのモデルに分類し、地盤データを使って細かく地域の震度を算定した。国による震度の予測は兵庫県内の断層では初めて。最も広範囲で強い揺れが予想されるのは、三木市から岡山県勝田町に及ぶ同断層帯の主部(約80キロメートル)が活動した場合で、加古川市や神戸市で震度6強以上となる可能性があるとしている。

 山崎断層帯を(1)主部全体(2)主部北西部(姫路市から勝田町、51キロメートル)(3)主部南東部(三木市から神崎郡福崎町、30キロメートル)(4)主部南東部と草谷断層(三木市から加古川市、14キロメートル)が同時(5)那岐山断層帯(岡山県奈義町から鏡野町、32キロメートル)が単独 の五つのモデルに分類。

 震源となる活断層の動きや地下構造を踏まえ、それぞれが活動した場合に強い揺れが及ぶ範囲を予測した。

 最も発生確率が高く30年以内に最大5%とされる主部南東部の場合、加古川市、高砂市で「震度6強以上と予測」された。

 断層帯の延長上で、地盤のずれが伝わる方向では地震波が重なり合い、結果的に振幅が大きくなる。瀬戸内海や河川の沿岸部など地盤の緩い地域でも激しい揺れが予想される。神戸市兵庫区、小野市、加西市などでも「6強以上の可能性がある」との結果が出た。

 主部全体の場合、6強以上の可能性があるのは、神戸市長田区、兵庫区、中央区、高砂市、加古川市、加西市、佐用郡佐用町。

 主部北西部の場合は、震源が北西と南東の2つのケースを想定。北西では6強以上の可能性があるのは加古川市と高砂市。南東では宍粟郡山崎町から岡山県勝北町まで及ぶ。

 同調査委は「6強以上と予測された地域は震度7になる可能性もある」としている。

 各自治体は地震動の“地域差”を踏まえ、避難施設の耐震化など防災対策の工夫が求められる。 予測では、コンピューターの中で地震を発生させ、各地に到達する地震波形に、地形に応じた揺れの増幅率を乗じて震度を算出する。

 今回はこれまでの活動パターンなどから五つのモデルを想定した。震源断層が長い場合、震源や、大きなずれを起こし強い地震波を出すとされる「アスペリティ」の位置を、複数の地点に設定。ケースごとに揺れ方の違いをシミュレーションした。

 その上で、1キロメートル四方の区画で震度計算し、震度6強以上となる面積が広い市区町を「震度6強以上が予測される」、一部にある市区町を「可能性があると予測される」と分類した。

 兵庫県防災企画課は、今回の評価について「あくまで想定の範囲内」と冷静に受け止める。兵庫県が1998年、マグニチュード7.7の設定でまとめた被害想定では、35市町で震度6強以上になると予想。県内の半数以上の自治体で建物の倒壊が発生、死者は最悪で3千人を上回る。

 政府の調査にかかわっている岩田知孝京都大防災研究所教授は「今回示された揺れの激しい地域では、より細かく地盤情報を調べ、詳しく揺れを予測し直すことも大切だ」と話している。

 山崎断層帯
 兵庫県西部を中心に岡山県北東部に分布する活断層帯。西から那岐山断層帯、山崎断層帯主部、草谷断層で構成。地震調査委員会がまとめた今後30年以内の発生確率は、主部南東部が最も高く5%。同北西部が1%、那岐山断層帯が0.1%、草谷断層はほぼ0%。南東部の発生確率は日本の主な活断層の中で「高い」グループに属する。

(la)


(2005/01/27) 気象庁、「火山活動レベル」公表 新たに7火山

 気象庁は、刻々と変化する火山の活動の程度を6段階で分かりやすく示す「火山活動度レベル」の制度を、新たに九州や関東、東北の七つの火山にも導入する方針を固めた。火山活動が現在どの程度の状態にあるかが直感的に分かるため、防災関係者や登山客らが注意、警戒するのに有効。既に指定済みの5火山に加え、最近の観測データがあり、防災上の要望が強い7火山にも指定を拡充することにした。

 「火山活動度レベル」は2003年、観測体制が充実している浅間山(群馬・長野県〕、伊豆大島(東京都)、阿蘇山(熊本県)、雲仙岳(長崎県)、桜島(鹿児島県〕の5火山にまず導入された。火山の活動度は「0」(長期間火山の活動の兆候がない)から「5」(極めて大規模な噴火活動で、広域の警戒が必要)の6段階で公表される。

 地震は発生した時ごとに震度で表すのに対し、火山はいったん活動を始めると長期的に持続して警戒することが必要。海外では活動度を色で示しているケースもある。

 新たに導入が検討されている火山は、九州の九重山(大分県)、霧島山(鹿児島・宮崎県)、薩摩硫黄島(鹿児島県)、口永良部島(同)、諏訪之瀬島(同)の5火山と、草津白根山(群馬県)、吾妻山(福島・山形県〕の計7火山。

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(2005/01/26) 兵庫県内の災害拠点病院 約半分が未耐震

 災害時の地域の医療拠点として、阪神大震災後に指定された兵庫県の「災害拠点病院」の約半分が、耐震構造になっていないことがわかった。赤字経営が続く公立病院が大半を占め、耐震化に向けた予算確保が難しいことなどが理由だが、隣の大阪府などに比べて整備の遅れが目立つ。新潟中越地震を経て、拠点病院の重要性が指摘される中、阪神・淡路大震災から10年がすぎた地元行政や病院関係者の防災意識の低さが浮き彫りになった。

  県が震災復興の進捗度を検証するために設けた「復興10年委員会」(座長、新野幸次郎・神戸都市問題研究所理事長)の調査でわかった。昨年9〜10月、同委員会の委員を務める鵜飼卓・県災害医療センター顧問らが、県内の災害拠点病院15カ所を対象にアンケートと面接による聞き取りを行い、耐震性や災害対応訓練の有無、ヘリポートの整備、備蓄態勢など10項目について調べた。

  この結果、8病院が「耐震化を済ませた」と回答したが、4病院は「耐震構造ではなく、当分、強化する予定がない」とし、3病院が「計画中」と答えた。さらに、5病院が災害を想定した訓練をこれまでしておらず、ヘリポートが遠くて利用しにくい、と回答した病院も2カ所あった。

  県医療課の担当者は「被災地として耐震化の重要性は理解しているが、予算上の制約もあり、一朝一夕にはいかない」と打ち明ける。15カ所のうち11カ所が公立病院で、慢性的な赤字経営から経費削減に取り組んでいる現状では、耐震化まで手が回らないという。

  一方、大阪府は「17の拠点病院のうち15カ所で耐震化を完了した」(医療対策課)と説明。東海地震への対応を進める静岡県でも「18カ所中13カ所がすでに耐震構造」(医療室)としている。府県によって耐震化の判断基準に若干の違いはあるが、被災地・兵庫の水準は高いとはいえない。

  中越地震では拠点病院の病棟が被災し、一部の患者が避難する事態が生じた。このため、厚生労働省は拠点病院の耐震化についての現状調査に乗り出している。鵜飼顧問は「災害に弱い病院は本来、拠点病院に指定すべきではない。公立病院だけではなく、私立病院も視野に入れた指定の見直しを考えるべきだ」と指摘する。

辺見弘・国立病院機構災害医療センター院長の話
 災害拠点病院は災害発生時に最も必要とされる社会インフラの一つで、経営状態によって整備が遅れるようなことがあってはならない。病院の経営努力でカバーできない部分は、政策的に進めていくことを考えるべきではないか。耐震化を含めた拠点病院の整備をどう進めていくのか、国民的課題として議論すべきだ。災害は人間の都合を待ってはくれない。

(wg)


(2005/01/25) 減災目標を数値化 兵庫行動枠組で政府方針

 神戸市で開催された国連防災世界会議が採択した国際防災指針「兵庫行動枠組」を受け、政府は22日までに、被害想定を出している国内の四つの地震について、想定死者数を半減させるなど今後10年の減災目標を掲げる方針を固めた。経済被害の減少なども数値目標化する予定で、目標に合わせて耐震化率のアップなどの具体策も含めて2004年度内に公表する。

 兵庫行動枠組では、各国が能力に応じて枠組に盛り込まれた「優先行動案」を選択し、独自の防災計画を作成する。日本は行動枠組づくりに深くかかわり、すでに実施されている施策も多いが、明確な数値目標によって会議の精神の具体化を目指す。

 現在、国の中央防災会議が発表している被害想定の対象地震は、東海、東南海、南海、首都圏直下の四地震。すべて合わせると死者数は最大で41,000人に上る。

 数値目標の策定作業は、内閣府を中心に各省庁が協力して進めており、被害想定の死者数を10年で半減させる方針。最優先課題として建物の耐震化を柱にすえる。

 また、今回の会議で日本の津波早期警報システムが注目されたが、さらに津波対策を充実させるため、防潮堤の設置などのハード面、避難ビルの指定や避難路の確保などのソフト面から対策を進める。

 内閣府幹部は「会議で防災先進国として注目された日本だが、まだまだ防災体制が整っているとはいえない。自前の取り組みも強化しなければならない」と話している。

 主な被害想定は次の通り。(いずれも最大値)

 東海地震=死者1万人、全壊46万棟、経済損失37兆円 ▽東南海・南海地震=死者1万7千人、全壊61万5千9百棟、経済損失56兆円 ▽首都圏直下型地震=死者1万3千人、全壊85万棟 ▽東海、東南海、南海の3地震同時発生=死者2万8千3百人、全壊96万棟、経済損失81兆円。

MAT : 何という恐ろしい数字!: 

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(2005/01/24) 防災文化強化を提唱 国連防災世界会議閉幕

 5日間にわたり神戸市で開かれていた国連防災世界会議は22日、「兵庫宣言」と今後10年間の国際的な防災戦路の指針となる「兵庫行動枠組」を採択して閉幕した。宣言はスマトラ沖大地震・インド洋大津波を「未曽有の災害」と表現し、犠牲者や被災地域に哀悼と連帯の意を表明、「災害予防の文化」の強化をうたった。枠組には、名地域ですべての自然災害を対象にした効果的な早期警報システムを構築し強化することが盛り込まれた。同地震を受け、インド洋地域の津波警戒システム構築策などを盛り込んだ共同声明も出した。

 宣言ではまず「阪神大震災からめざましい復興を遂げた神戸市で開催した」と表記し、インド洋大津波の甚大な被害や教訓にも言及。その上で「災害被害の軽減は、開発途上国の貧困廃絶や開発行為と密接に関係している」との考えを明記。「我々は世界中で、災害の犠牲者や経済・環境的損失の削減に決然として取り組む」と、防災面での国際的なパートナーシップや国連の役割の重要性を強く打ち出した。

 枠組は、▽災害リスクを観測し早期警報を強化する ▽防災文化構築のため知識や教育を活用する ▽潜在的なリスク要因の軽減、など五つの優先行動を挙げた。特に注目されている早期警報システムについては、住民にわかりやすい体制の整備と早期の構築、強化を目標に掲げた。

 しかし、目標実現のために開発途上国から要望の強かった新たな災害基金の設立などは原案から削られた。また、自然災害に地球の気候変動が影響している点は認めたが、具体的対策は示さなかった。

 会議には168カ国4,000人以上が参加。閉会式で、国連のイゲランド人道問題調整宮(事務次長)は「今後10年間、『枠組』を実行することで、災害による死者が半減すると思う。困難に負けず、実行すべきだ」と述べた。議長を務めた村田吉隆・防災担当相は「災害リスクの低減を社会の優先事項と位置づけることができたのは大きな成果だ。行動に結びつけよう」と締めくくった。

兵庫行動枠組みの骨子

 1 序文
【災害への課題】災害リスクは、無計画な都市化や環境悪化、気候変動などで増している。リスク管理・軽減は世界規模の課題

 2 国連防災世界会議
【戦略目標】
・持続可能な開発政策に減災の観点を取り入れ、災害予防、軽減に特に重点を置く
・コミュニティーの防災体制の整備、強化
・被災地の緊急対応や復旧・復興段階で、リスク軽減の手法を体系的に取り入れる

 3 2005〜2015年の優先事項
【概論】すべての国は自国の人々の生命と財産を守る一義的責任を負う。同時に国際協力は災害リスク軽減に必要

【優先行動】
・防災を国、地方の優先課題に位置づけ、実行のための強力な制度基盤を確保する
・災害リスクを特定、評価、観測し、早期警報を強化する
・防災文化構築のため、知識、技術、教育を活用する
・潜在的リスクの要因を軽減する
・災害への備えを強化する

 4 実施と事後点検
【国】各国は行動枠組に基づく防災プログラムヘの取り組みを公表する
【地域】津波など自然災害の早期警報体制の整備を支援する
【国際機関】被災国の復興を支援する国際的な仕組みを強化することなどに取り組む
【資金】各国、地域、国際機関は、途上国への経済援助などを通じ枠組を実行する

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(2005/01/23) 住宅の耐震補強 木造の4割不十分

 阪神・淡路大震災では多くの住宅が倒壊、5千人以上が建物の下敷きになって死亡した。これをきっかけに、多くの自治体が木造住宅の耐震診断や補強工事の費用を補助する制度をつくっている。しかし、その利用率は極めて低いのが実情だ。新潟県中越地震を機に、改めて既存木造住宅の地震対策促進を訴える声が上がっている。

 日本鍵築防災協会(東京都港区)の杉山義孝専務理事は、「阪神・淡路大震災の死者の9割は圧死。家がつぶれて助かる可能性は低いので、予防措置が大事。死を免れても、日常生活を送る家が壊れたダメージは計り知れない」と語る。

 しかし、国土交通省の推計によると、全国の木造住宅のうち耐震性が不十分な建物は、2003年現在で、全体の4割に当たる約1000万戸。そのほとんどは、新しい耐震設計法を盛り込んだ1981年の建築基準法改正以前の建物だという。

 阪神・淡路大震災後、いち早く耐震診断士の無料派遣を始め、その後、危険住宅の改修工事費の補助制度も導入したのが横浜市だ。補助金額は所得に応じ4段階。最大で費用の10分の9、450万円までと手厚い。

 それでも、補助金を利用したのは5年間で385件にすぎず、無料診断も9年間で1万2千件程度。市内に24万戸あるという1981年以前に建てられた住宅数から見ればわずかだ。

 「中越地震後問い合わせは倍増している。阪神・淡路大震災10年でもあり、こういう機会を生かして関心を高めてもらうしかない」と、民間住宅課の水田寛義係長は話す。

 これに対し、建築士や工務店向けに耐震診断技術などの普及活動を行っている既存建物耐震補強研究会(東京都世田谷区)の保坂貴司代表は、「耐震補強は予算に応じていろいろある。簡単にあきらめないで」と話す。

 例えば、階段は上り下りする目的で作られているが、構造上、階段と柱を木ねじでしっかリ結合させるだけでも、地震に対する一定の強度が得られるという。「木ねじなんて一本数十円。既にある物をいかに有効活用するかが、技術者の腕の見せどころ。リフォームを考えている家庭は、同時に耐震補強も」と勧めている。

 耐震補強の補助、融資制度の有無については、地元の市町村に問い合わせを。また、日本建築防災協会のホームページでは、制度を導入している自治体の相談窓口を掲載している。アドレスは次の通り。

 http://www.kenchiku-bosai.or.jp/

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(2005/01/21) 日本も津波の備えが急務 他人事でないインド洋惨劇

 スマトラ沖地震によるインド洋大津波は、死者16万人を超す史上最悪の津波災害となった。インド洋と比べると、日本では津波情報が頻繁に出され、対策は講じられている。しかし、死者1万人を超す津波被害が日本でも想定されており、インド洋の惨劇は決して人ごとではない。油断せず、津波への備えを強化することが急務になっている。

 日本では、30年以内の発生確率が ▽99%の宮城県沖 ▽70〜80%の三陸沖南部 ▽60%の東南海 ▽50%の南海 など、大津波を伴う巨大地震の発生が指摘されている。だが、津波対策は万全ではない。東海、東南海、南海の3地震が同時に起これば、約28,000人が死亡し、うち約13,000人は津波による死者と想定されている。

 国土交通省によると、全国の海岸堤防・護岸の18%が想定される津波の高さよリ低く、7%の海岸堤防は耐震化が必要だ。津波到達までに閉鎖が完了しない水門は18%で、完了するかどうかが不明な水門も55%に上る。

 自治体の対応も不十分だ。海岸がある市町村の37%が津波防災訓練をしておらず、90%超の市町村が、避難場所や経路を示した津波ハザードマップ(災害予測図)を公表していない。

(dr)


(2005/01/20) 地震予測しネット通じて一般家庭へ

 大地震発生時に起きる大きな揺れを予測、揺れが到達する直前にインターネットを通じて一般家庭に音声で警告を発し、避難などに役立てる大掛かりな実証実験が、4月から首都圏と近畿圏を中心に約300世帯の一般家庭で始まることになった。夜間、自動的に照明をつけたり、ドアの鍵を解除する仕組みなども検討する。実験に1年をかけ、2006年度の実用化を目指す。

 電機メーカーの業界団体である電子情報技術産業協会が12日発表した計画によると、同協会や住宅、エネルギー大手などが協力し、気象庁が試験提供している「緊急地震速報」のデータを活用して実験を進める。一般家庭を対象にこうした大規模実験は初めて。

 将来的には携帯電話へ警告配信や、地震以外の津波や豪雨などの事前情報を伝えるシステムも研究していく。

 阪神大震災や新潟県中越地震では住宅倒壊による被害が大きかったことを踏まえ、速やかに事前
情報を伝え被害軽減につなげる。

 実験には同協会のほか積水ハウス、大和ハウス工業、大阪ガスなどが参加。大阪府岬町の積水の分譲団地や東京都八王子市にある大和の分譲団地など、戸建てやマンションの各世帯に協力を依頼する。
 
 緊急地震速報は、地震発生時に最初に伝わる小さな揺れから、遅れて来る大きな揺れの規模や時
間を瞬時に予測し関係機関に伝えられる。実験では、各家庭に専用のスピーカーを設置。ネット回線を通じ、気象庁の速報を音声で「震度6の揺れが1分後に到達」「10秒後に到達」などと警告する。

 直下型地震など有効でない場合もあるが、同協会担当者は「実用化を急ぎたい」と話している。

(la)


(2005/01/19) 集落を丸飲みする津波 死を防ぐのは「恐怖」

 政府の中央防災会議は、東南海・南海地震が同時発生した場台の被害について、最悪で死者約21,000人と想定する。紀伊半島や高知県には10メートルを超える津波が押し寄せ、津波による死者は半数を占める。しかし住民が早期に避難すれば、津波の死者は5,000人以上も減らせると試算する。津波への意識が生死に直結しているのだ。

 津波への警戒心は、津波の恐怖を知ることから生まれる。最大波高38.2メートルを記録し、22,000人が犠牲になった明治三陸地震津波(1896年〕。首藤伸夫・岩手県立大教授(津波工学)は、同じ規模の津波が発生したという想定で、同県内のモデル地区で浸水被告などをシミュレーションし、パソコンで見られる動画にした。

 映像は衝撃的だ。防波堤を津波は軽々と越え、集落を丸のみする。防災講座などで披露すると会場は静まり返るという。「広域の被害想定図を示しても具体的な被害を想像しにくい。『我が家ばどうなる』など関心を高める工夫がいる」と話す。

 一方で問題もある。津波でどこが危険が、どこに逃げればいいのかを各自治体が示した「津波ハザードマップ(災害予測図)」の作製は進んでいない。国土交通省によると、津波の危険性がある全国約1,000市町村のうち作製済みは1割強に過ぎない。山や丘などの高台がない地域でほ、建物の上層階に逃げることになるが、強大な破壊力を持つ津波に対し、どの建物なら耐えるのかも明確でない。

 大阪市浪速区の木津川河畔にある安政南海地震(1854年)の供養碑にはこう記されている。「地震が発生したら津波が起きること(中略)、津波の勢いは高潮と違うということを、十分心得ておきなさい。ここに記録しておくので、心ある人は時々碑文が読みやすいように墨を入れ、伝えてほしい」(口語訳)

 強い揺れに驚いた人々は船で川に逃げたが、2時間後に到来した大津波は、船を巻き上げ、橋を壊して「水の都」をじゅうりんし、大勢が犠牲になった。海に囲まれた地震国・日本。過去から何を学び一人一人の「防災力」をどう向上させるのか。課題は多い。



(ig)


(2005/01/18) 「阪神」断層の東側 30年以内のM7.9地震「0〜0.9%」

国の地震調査委員会はこのほど、1995年の阪神大震災を引き起こした六甲・淡路島断層帯などの長期的な地震発生予測を公表した。同断層帯については、阪神大震災で動いた断層よりも東側の部分で30年以内にマグニチュード7.9の地震が発生する確率を、やや高い部類の「ほぼ0〜0.9%」と評価した。

 同断層帯は主部(大阪府箕面市〜兵庫県津名町、長さ約71キロ)と先山断層帯(兵庫県洲本市〜南あわじ市、約12キロ)に分かれる。主部はさらに六甲山地南縁〜淡路島東岸区間(約71キロ)と、これに並行して走る淡路島西岸区間(約23キロ)に分けて評価した。

 六甲山地南縁〜淡路島東岸区間で想定される地震規模はM7.9で、30年以内の発生確率は「ほぼ0〜0.9%」。阪神大震災で断層の一部が動いたが、「エネルギーは一部しか解放されていない」と判断し、計算の際に考慮しなかった。M7.9よりも一回り規模の小さな阪神大震災(M7.3)クラスの地震はより高い確率で起こりうることから、調査委員会事務局は「一回り規模の小さな地震も、将来は評価対象に加えたい」と話している。

 野島断層を含む淡路島西岸区間については、阪神大震災で全体が活動したと判断し、M7.1規模の地震の発生確率は300年以内まで「ほぼ0%」と評価した。

 また、先山断層帯の地震規模はM6.6だが、平均活動間隔が5000年以上であるのに対し、11〜17世紀に活動歴があることから、発生確率は300年以内まで「ほぽ0%」と評価した。

 このほか、大阪湾断層帯(神戸市〜大阪湾、約39キロ)の想定地震規模はM7.5で、30年以内の発生確率は「0.004%以下」と評価した。

 福井、岐阜両県にまたがる濃尾断層帯は1891年濃尾地震で主部(福井県大野市〜岐阜県美濃加茂市、約55キロ)と温見断層(福井県池田町〜岐阜県本巣市、約36キロ)の一部が活動している。主部に含まれる根尾谷断層帯(想定地震規模M7.4)、梅原断層帯(同M7.3)と、温見断層北西部(同M6.8)は濃尾地震で動いたため、発生確率は300年以内まで「ほぽ0%」と評価した。他の部分は活動歴が不明で、発生確率は求められなかった。

(xr)


(2005/01/18) 阪大が新免震装置開発 「建物を置くだけ」の設計

 近い将来の発生が懸念される巨大地震への備えとして、海溝型地震による長周期の地震動に耐え得る新しい発想の免震装置の開発に、大阪大学の研究グル−プが取り組んでいる。柱と土台を固定しない構造で、現行の建築基準法では認められないため、これまで研究が進んでいなかったが、構造がシンプルで従来の免震装置より大幅なコストダウンも可能。グループは「安価であれば、建物の免震化はもっと普及するはず。建築基準法のハードルはあるが、実用化を目指したい」としている。

 グループは、大阪大工学研究科の橘英三郎教授(建築工学)の研究室。新装置は、建物の柱の接地面と土台を、それぞれステンレスで覆うだけ。柱と土台を固定せずに、「建物を置くだけ」の設計だ。
一搬的な免震構造は、柱を支える支承部分に組み込まれた、薄いゴムシートと鋼板を交互に積層し接着した積層ゴムに代表されるような絶縁装置と、揺れのエネルギ−を吸収するダンパーの組み合わせで構成されている。

 橘教授によると、こうした免震構造は、建物が揺れ、元の位置に戻るまでに一定の周期が発生し、「地震動の周期が短い直下型地震には十分対応できるが、長周期地震動では『共振』を起こす場合があり、被害が出る可能性はゼロではない」という。

 共振とは、揺れの周期が同じ物体同士が影響しあい、揺れが増大する現象で、建物を固定せずに置くだけの構造にすることで、共振の危険性を防ぐほか、ダンパーが不要なため、従来の半分程度のコストでも設置可能になるという。


免震と耐震
 建造物が揺れに耐えられる構造にすることを耐震化といい、建築基準法で耐震基準が定められている。近年、地震被災の報告から、建物の重要構造は壊れなくても、それ以外の構造や内部の機器類が破損ずれば建物が使用できなくなる現状が指摘され、揺れのエネルギーを吸収、建物に伝わる揺れを少なくするシステムが開発された。これを免震化といい、建築の地震対策の主流となりつつある。

(jf)


(2005/01/17) 阪神・淡路大震災の「地震の帯」完全に再現 予測に効果発揮

 阪神・淡路大震災で特に強い揺れに襲われ、「震災の帯」と呼ばれた特異な震度分布を、最新の精密な地下構造データと、地震記録から推定した断層破壊の様子を基に、コンピューターでほぼ完ぺきに再現することに古村孝志東京大地震研究所助教授らが15日までに成功しました。

 海洋研究開発機構のスーパーコンピューター「地球シミュレーター」を駆使、原因が謎に包まれていた震災の帯の「飛び地」の存在も見事に再現された。古村さんは「地下構造が詳しく分かれば揺れは予測できる」と、地下構造探査の重要性を指摘。地震災害が危惧(きぐ)される地域の防災対策にも大きく役立ちそうだ。

 震災の帯は木造家屋の全壊率を基に震度7と気象庁が判定した地域で、神戸市須磨区から西宮市や宝塚市にかけ、幅1〜2キロ、長さ約25キロで延びています。地下深くの地盤や地形の影響で地震波が増幅されたと考えられている。

 古村助教授らは、産業技術総合研究所が昨年まとめた被災地を含む「大阪堆積(たいせき)盆地」の100メートル刻みの地下構造データを利用。震度に関係する短い波長から、ゆったりした長い波までの地震波が伝わる様子を再構築した。

 従来の1,500倍という膨大な量の計算を実行。過去の研究ではぼんやりとしか現れなかった、強く揺れた場所がくっきり浮かび上がり、震度別に表示することに初めて成功しました。

 帯の主要部から離れ、西宮市東部と宝塚市にある「飛び地」ができることも実証。再現できなかったため「古い家屋が多かったせいでは」との説も出ていた地震学の難問はようやく解決しました。

(dr)


(2005/01/16) 長野境峠・神谷断層帯 発生確率は最大で13% 

 政府の地震調査委員会は12日、長野県中西部の境峠・神谷断層帯の一部が活動した場合、マグニチュード(M)7.6程度の地震となり、今後30年以内の発生確率は最大で13%とする長期評価をまとめた。確率は国内の主な活断層の中で高いグル−プに入る。

 同断層帯は、長野県の安曇村から伊那市までの長さ約47キロの主部と、塩尻市と岡谷市から木祖村までの約28キロの霧訪山〜奈良井断層帯で構成される。

 主部が活動した場合、30年以内の確率はほば0〜13%。最新活動時期と平均活動間隔が十分絞り込めないため大きな幅を持たせた評価になった。

(la)


(2005/01/16) 濃尾断層帯 活動すればM7.7程度 発生確率はほぼ0%

 政府の地震調査委員会は12日、1891年に濃尾地震を引き起こした断層を含む濃尾断層帯の一部が活動した場合、地震の規模はマグニチュード(M)7.7程度となるが、30年以内の地震発生確率はほぼ0%との長期評価をまとめた。ただ、過去の活動が分からず、発生確率を求められない場所もあった。

 濃尾断層帯は福井県と岐阜県にまたがる活断層帯で、主部のほか温見断層、揖斐川断層帯、武儀川断層で構成される。主部は根尾谷、梅原、三田洞の各断層帯に分かれ、根尾谷が動くとM7.3程度、梅原はM7.4程度で、30年以内の発生確率はともにほぼ0%。三田洞はM7.0程度だが確率は不明。三断層帯のうち、二つ以上が同時に活動するとM7.7程度になるが、確率は根尾谷や梅原の発生確率を超えないという。

(tn)


(2005/01/15) 六甲・淡路島断層帯 長期評価あり方に疑問

政府の地震調査委員会が12日に発表した六甲・淡路島断層帯の長期評価。阪神・淡路大震災を起こした断層帯だけに注目が集まった。結果は、「震源の野島断層は動いたが、神戸側の断層は動いたことにならない」。地震の危険性は解消されておらず、あらためて防災体制の強化が迫られる一方、あれほどの被害が出た断層の動きを「最大規模より一回り小さい」として、評価対象にできない長期評価のあり方にも疑問の声が出ている。

 地震発生の30年確率などを出す長期評価は、活断層が数千年ごとに活動を繰り返す平均活動間隔と、最新活動時期の二つで割り出している。

 六甲山は、この断層帯が数十万年の活動によって隆起したもので、900〜2800百年に1回の活動で3メートル程度隆起してきた。兵庫県南部地震では野島断層を除くと五助橋断層で数センチの隆起が確認されただけ。調査委は「地震の痕跡は10年後には地表から消えてしまう」として最新活動に数えなかった。

 これに対し、調査委メンバーの伊藤潔・京大教授(地震学)は「地表に変位が現れなかっただけで、地下で断層が動いたという意見もあった」とし、内部で見解の違いがあったことを明かす。

 また、兵庫県南部地震では、六甲山地南縁〜淡路島東岸区間の長さ71キロのうち明石海峡付近から30キロほどの地中部分だけが割れた、との研究結果は採用されたが、このような「一回り小さい地震」については「従来の手法では評価できない」とする異例の文章も今後の課題として付記された。伊藤教授も「地表に表れる活断層の評価だけでは限界がある」と指摘する。

 一方、地元自治体の受け止めは冷静だ。兵庫県防災企画課は「『関西に地震はない』という予断が被害を拡大させた経験を忘れず、耐震化や防災力向上に努めたい」とする。また、最大規模の地震が兵庫県南部地震の8倍となることについて、神戸市危機管理室は「阪神・淡路を想定した地域防災計画を立てており、これを確実にするのが当面の目標」と話した。

(kf)


(2005/01/15) 地震発生確率再計算 南海地震は30年以内50%

政府の地震調査委員会は12日、主な活断層と海溝型の地震発生確率について、今月1日を起点に再計算した結果を公表した。発生確率などを基にした地震動予測地図を近くまとめるため、算出の起点をそろえた。

 30年以内に地震が起きる確率で主なものをみると、南海地震は50%程度(2001年時点で40%程度)、東南海地震は60%程度(同50%程度)、相模トラフ沿いで起きる関東大震災型地震は最大0.9%(2004年時点で最大0.8%)などとなった。既に公表した73の断層帯で、評価の際に算出したマグニチュード(M)の表記方法を統一した。

(mv)


(2005/01/15) 防災センターと内閣府が「大震災教訓集」配布へ 

 「人と防災未来センター」(河田恵昭センター長)と内閣府が編集作業を進めている「阪神・淡路大震災教訓集」の内容がこのほど、分かった。阪神・淡路大震災を、「自助」「共助」の重要性が再認識された契機とし、「公助」とともに防災対策の柱に位置付ける37の提言をまとめた。専門知識のない人や災害リスクの高い発展途上国に役立ててもらい、阪神・淡路の体験を世界で共有する。

 日本語と英語で計4千部を作成し、18日から神戸市で開かれる国連防災世界会議で配る。

 提言は、例えば震災で倒壊した建物の95%が旧耐震基準で建てられ、犠牲者の8割以上が倒壊による圧死とされることを取り上げ、「住宅は命を守るシェルター」として安全確保の自助努力を促している。さらに被災者の応急住宅の確保が生活の再建への第一歩とし、「住まいの確保が復興施策の要」としている。

 また、消防の人手や資機材が不足し、地域住民による救助が多くの命を救った例を挙げ、コミュニティーや助け合いの効果を初動から日常までの各段階で提言している。

 教訓集は、10年の経験で得た教訓を防災への取り組みとして利用することを前提に、提言ごとに項目を細分化した。「自助」「共助」「公助」で市民や行政などそれぞれの役割を明確化し、それを目的ごとに「いのち」「くらし」「まち」の9項目にまとめ、さらに時系列で「初動」「応急―復旧」「復興・予防」に区分している。

 震災前までは防災対策が公助を柱としたことから、自助、共助の必要性を強調。加えて、復興を「今後の災害に備えるための段階」とし、防災文化を育てるための提言も盛り込んだ。

(uq)


(2005/01/14) 「阪神・淡路」断層帯 大地震の危険続く 政府調査委

政府の地震調査委員会は12日、阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)を起こした活断層を含む六甲・淡路島断層帯の今後30年以内の地震発生確率などの長期評価を発表した。同断層帯の六甲山地南縁〜淡路島東岸区間では、活断層の長さや過去の地震活動から求められる最大規模の地震に対し、兵庫県南部地震を「一回り小さく、活断層が持つエネルギーの数%しか解放していない」と評価。30年以内にマグニチュード(M)7.9程度の地震の発生確率は「最大0.9%」とし、国内の主な活断層の中で「やや高い」確率となった。一方、「兵庫県南部地震級(M7.3)はこれ以上の確率で起こりうる」とした。

 同断層帯は、六甲山地南縁〜淡路島東岸区間(長さ約71キロ)と淡路島西岸区間(同約23キロ)の主部と、洲本市から南あわじ市にある先山断層帯(同約12キロ)で構成する。

 調査委はこれまで、兵庫県南部地震の発生直前の同断層帯・淡路島西岸区間(野島断層を含む)の30年確率を8%としてきたが、震源となった野島断層でエネルギーが解放された結果、現在では淡路島西岸区間における30年確率をほぼ0%と発表していた。

 一方、六甲山地南縁〜淡路島東岸区間が活動した場合の最大震度はM7.9程度。兵庫県南部地震はエネルギー量にして8分の1程度で、この区間でのエネルギーの解放は「数%のレベル」と分析している。

 兵庫県南部地震で六甲山地南縁〜淡路島東岸区間の一部しか動いていないと判断した結果、同区間の最新活動は16世紀までさかのぼると推測。「小さい地震ほどより多く発生する法則からいえば、M7.3の地震が起きる確率は0.9%より高い」としている。

 南側の先山断層帯については、活動した場合はM6.6程度だが、30年確率についてはほぼ0%とした。また、神戸市沿岸から大阪湾南部までの大阪湾断層帯が活動するとM7.5程度になるが、30年確率は0.004%以下とした。

 長期評価 地震調査研究推進本部(本部長・中山成彬文科相)の傘下で、専門家14人で組織する地震調査委員会(津村建四朗委員長)が国内の主要な98の断層帯について、今後30年以内の地震発生確率などを長期評価として発表している。確率の最大値が3%以上を「高い」、0.1%以上〜3%未満を「やや高い」としている。

(la)


(2005/01/11) 家庭の防災アンケート 家具固定2割、食料備蓄3割 

 大地震や自然災害に備え、タンスや棚などの家具を固定している家庭は2割、3日分以上の食料を備蓄しているのは3割にとどまることがこのほど、兵庫県が行った調査で分かりました。阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた地域の方が、そうでない地域より防災対策が進んでいることや、対策が必要だと意識しながらも行動に移せていない実態も浮き彫りになりました。

「家庭における防災意識と防災対策に関する調査」で兵庫県立生活科学研究所が昨年6〜8月、無作為で選んだ県内の1500人を対象に郵送方式で行い、804人(53.6%)から回答を得たものです。

 地震に対する現在の防災対策を尋ねたところ、最も多いのは「懐中電灯・ラジオなどの防災用品を準備・点検している」の53.2%でした。

 阪神・淡路大震災では倒れた家具の下敷きになって死亡したケースもあったが、「家具を転倒防止具で固定している」のは19.7%。また、3日分以上の食料を用意しているのは29.1%。「近くの避難場所への道順」を知る人も67.4%にとどまっています。

 防災用品の必要性については、家具の転倒防止用金具で46.・4%、非常用食料(缶詰)で55.0%が「役に立つ」と回答したが、実際に対策を取っていない理由を尋ねると、「費用がかかる」(34.2%)「しばらくは大地震がないと思う」(31.2%)などが上位を占めました。

 こうした防災対策は、震災で災害救助法が適用された10市10町では高い傾向が表れ、それ以外では低かった。「何もしていない」との回答は全体で18.3%だったが、10市10町では13.5%、それ以外では25・0%に上りました。

 同研究所は「対策の必要性は感じているが実行に移せていない。被害を最小限度に食い止めるため、より分かりやすい啓発が必要」としています。

(mv)


(2005/01/10) 東南海・南海地震同時発生なら死者21,000人

 日本で近い将来、大きな津波被害をもたらす危険性が高いのは、東南海・南海地震だ。政府の中央防災会議による想定では、両地震が同時に発生すると、最悪の場合、21都府県約640市町村で、死者数は約21,000人、全壊建物は約38万棟。このうち、津波による死者は1万人を超え、建物の全壊も5万棟を上回るとされる。

 想定によると、震源に近い紀伊半島南端では、地震発生から10分以内、大阪市の湾岸でも2時間程度で津波が到達する。高知県や和歌山県では広い範囲が5メートル以上の津波に襲われ、場所によっては10メートルにも達する。

 各自治体が予測する被害は甚大だ。和歌山県では21市町の約4000ヘクタールが1メートル以上浸水し、沿岸から1キロ以上離れた山側でも浸水する地域がある。紀伊半島最南端の串本町では、役場や消防などが集中する中心部で3メートル以上の浸水が予測される。大阪府では、臨海工業地帯を津波が襲い、船舶の漂流や陸揚げで港湾機能が停止する恐れがある。石油コンビナートが損傷を受ける懸念もあり、産業への大打撃は必至だ。

 国は、津波による浸水が1メートル以上になるとみられる16都府県約240市町村については、避難計画などの策定を義務付けている。しかし、民間事業者などへの周知は不十分で、作業は遅れている。

(ek)


(2005/01/09) 政府対応が不可欠 耐震診断、補助制度など

内閣府が六日発表した防災マップは、各地域で建物被害の続出も想定しているが、地震の発生が懸念される地域でも住宅の耐震化は進んでおらず、耐震診断や補強工事への補助制度を使いやすくするなど政府や自治体レベルの対応が求められそうだ。

 東南海・南海地震が懸念される徳島県鳴門市では、沿岸部の多くの地域で震度6強、震度7もあり得るとした。

 被害状況では、沿岸部の市街地などで全壊率が30%以上の「危険度7」となる地区が続出。神戸市でも「危険度7」の地区があった。

 また、震度6強が想定されたのは、東京都世田谷区や愛知県岡崎市のほぼ全域、福島県原町市の太平洋側、和歌山県海南市北部。

 東海や東南海・南海といった巨大地震の影響を受ける恐れがある岡崎市では、震度6強の揺れに伴い広範囲で全壊率が20%未満の「危険度5」以上となった。世田谷区でも多摩川沿いなどで最大「危険度5」だった。

 宮城県沖地震の発生可能性がある原町市では、一部で「危険度7」。静岡県長泉町でも最大で「危険度5」、神奈川県茅ケ崎市でも同10%未満の「危険度4」だった。

(ek)


(2005/01/09) 内閣府が防災マップ発表 神戸、震度6強で想定

 内閣府はこのほど、神戸市など全国9市区町をモデル地域にし、各地域内を50メートル四方ごとのブロックに区切り、想定される最大の地震が発生した場合の震度分布と建物被害の危険度を示した「防災マップ」を発表した。

 神戸市のマップは、マグニチュード(M)6.9の直下型地震を想定。それに海溝型の東南海・南海地震と、山崎断層地震、上町断層地震も重ね合わせ、最大の地震がもたらす震度を50メートル四方ごとに示した。

 その結果、ポートアイランドや六甲アイランドの一部で震度7、臨海部の広範囲で震度6強となった。さらに建物の建築年代、木造か非木造という構造のデータを重ねると、古い木造家屋が多い兵庫区の臨海部など、震度6強で市内全体の0.13%のブロックで全壊率が30%を超えた。全壊率20〜30%のブロックは全体の0.3%、同10〜20%は約10%だった。

 一方、阪神・淡路大震災で大きな被害を受け、多くの家屋が建て替えられた東灘区などでは、全壊率の低いブロックが目立った。

 モデルになったのは、ほかに東京都世田谷区、愛知県岡崎市、徳島県鳴門市など。大規模な地震が起こる可能性が高い地域など全国的バランスを考慮し、立候補した地域から選んだ。

 鳴門市の沿岸付近でも震度7があり得るとし、建物の全壊率が30%を超えるブロックもあった。

 内閣府は今後、自治体が独自にマップをつくる際の手引を作成。担当者は「住宅の耐震化を進めるには、自分の住む地域でどんな被害が出るか一目で分かるマップが有効」としている。

(jo)


(2005/01/02) 南海地震 30年以内の発生確率50%

 政府の地震調査委員会は、主要な活断層や、プレート(岩板)沈み込みに伴う「海溝型」の地震に
ついて、規模や発生確率を調査中だが、2005年3月までに主要98断層と海溝型のすべてについて全国地図を作成する。

 確率が高いのは繰り返し間隔の短い海溝型が多い。30年以内の発生確率は、@宮城県沖(M7.5)99% A三陸沖南部海溝寄り(M7・7)70〜80% B南海地震(M8・4)50%程度 C東南海地震(M8・1)60%程度 D東海地震(M8)84%など。

 また、活断層では30年以内の発生確率で3%以上が、確率の高いグループ。E糸魚川〜静岡構造線断層帯(M8)14% F阿寺断層帯主部(M6・8)が6〜11% G三浦半島断層群(M6.5)が6〜11%など22カ所。



  
ymat