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地震予知と対策
(2004年)




(2004/12/24) 長い周期の揺れをGPS計測 断層の動きを詳細に解明

 昨年9月に起きた十勝沖地震の揺れを、カーナビにも使う衛星利用測位システム(GPS)でとらえ、そのデータから地震の際に地下で断層が滑った正確な様子を解明することに、東大地震研究所の宮崎真一助手や纐纈一起教授らのグループが20日までに成功した。

 揺れの加速度を測る地震計は、1〜2分以上の長い周期の揺れを正確にとらえられない。今回の結果はGPSで非常に長い周期の揺れまで高い精度でとらえ、断層の動きを詳細に把握できることを初めて確認。地震研究に新たな道を開く成果として注目される。

 国土地理院は全国に約1,200のGPS観測点を置き、地震の前後の地殻変動など長期にわたる計測に利用している。

 宮崎さんらはこの観測網が1秒刻みでデータを取ることに着目。昨年9月26日の十勝沖地震(マグニチュード8.0)の記録を解析した。

 その結果、地下の断層はまず深さ25キロの震源から北西に向かって壊れはじめ、約50キロ離れた場所で約9メートルと最大の滑りが発生。次いでこの影響で、震源から北東方向での破壊も起き、最大約2メートル滑ったという断層破壊の詳細が明らかになった。

 従来の地震計データの解析でも、ほぼ同規模の断層モデルが求められていたが、断層が滑って、ひずみのエネルギーが解放された場所が、その後も地震を伴わずに滑リ続けたなど、考えにくい結果が出ていた。GPSデータの解析ではそうした矛盾はなかった。


 宮崎さんは「GPSが揺れの解析にも使えることが分かった。これまで観測手段のなかった現象を解明できる可能性がある」としている。

(ek)


(2004/12/22) 愛知万博会場直下に「推定活断層」 

 来年3月から半年間開かれる日本国際博覧会(愛知万博)会場のパビリオンなどの直下に、今後の活動の可能性も懸念される「推定活断層」が、東西を横切る形で存在していることが、国土地理院の調査で19日までに分かった。

 万博協会によると、断層は主会場の長久手会場(愛知県長久手町)の北西部をかすめ、瀬戸会場.(同県瀬戸市)の中心を貫いている。最大数十メートルの誤差があるとされるが、「瀬戸日本館」などのパビリオンや瀬戸会場の警備消防センターの真下を通っており、避難計画の再検討などの対応を取るという。

 開催中の地震発生の可能性は低いが、万博協会は「会場内の建物は震度7でも人命に被害がないよう設計されているが、さらに万全を期すため専門家などの意見を聞きたい」としている。

 国土地理院は過去50年の航空写真などの分析から断層の位置を確定し、今年10月に公表したが、万博協会はそれまで、今回の断層の存在を把握していなかった。

 政府の地震調査委員会は、この断層につながる「恵那山〜猿投山北断層帯」について、今後30年間の活動確率を0〜2%、マグニ.チュード(M)は最大7.7程度と評価している。

推定活断層
 過去数十万年の間に、おおむね1000年から数万年間隔で繰り返し動いた跡が地形に現れ、今後も活動を繰り返すと考えられる断層が活断層。これに対し、地形的な特徴から活断層と推定されながらも、資料が乏しく現時点では明確に特定できないものや、今後に活動を繰り返すかどうかが不明なものを推定活断層と呼ぶ。

(tn)


(2004/12/21) 都市型地震対策 大阪でシンポ 地下街は津波対応が課題

 今世紀前半にも発生が予想される東南海・南海地震に備え、都市部で行政や市民が取り組む防災について話し合うシンポノウムがこのほど、大阪市で開かれ、専門家は「津波でで地下街に水が流れ込んだ場合の対応が決まっいない」などと課題を指摘した。

 市民ら約500人が参加。基調講演で河田恵昭京都大防災研究所教授は、津波の危険性を強調し「被害は広域にわたるので、地域で自立した防災体制が必要だ」と述べた。大阪市の防災担当者は「救助や避難で中核となる地域防災リーダーを育てている」などと取り組みを紹介した。

 パネルディスカッションで、関西電力の担当者は「関西では漏電ブレーカーの普及が進んでいない。ブレーカーがあれば、地震のときに火災が防げる」と指摘。阪神高速道路公団の担当者は、「橋脚の耐震補強は98%終えた」などと現状を報告した。

(rt)


(2004/12/19) 沖合震源の地震揺れ前に通報するシステム開発 東北大など

 沖合で大地震が発生した際、揺れが陸に到達する前に到達時刻や震度を予測して避難を促す防災システムを東北大・災害制御研究センターの源栄正人教授らが開発した。すでに仙台市丙の小学校で試験導入を開始、本年度中に東北大病院や仙台市内の工業団地でも導入予定という。

 大地震では大きな揺れ(S波)の前に初期微動(P波〕が発生する。システムはこの時間差を利用したもので、気象庁から人工衛星を通じて送られる震源地付近の情報を瞬時に解析し、地盤や立地条件から震度や到達時刻、振動時間を計算。パソコン画面や音声で「地震が発生しました」などと瞬時に知らせる。

 今年6月から試験導入した仙台市立長町小では、震度3以上の地震で警告するようセット。これまで沖合での大地震の発生はないが、訓練を2回実施した。

 源栄教授は「内陸直下型地震には対応できないが、沖合の地震なら5秒あれば緊急避難できる。システム普及に併せて防災教育も進め、被害低減につなげたい」と話している。

(dr)


(2004/12/18) 兵庫県が耐震改修助成を拡大 来年から簡易工法も対象

 兵庫県が行う住宅の耐震改修工事に対する最高50万円の助成制度で、2004年度の利用実績がまだ、目標の3割にとどまっている。助成の対象が本格的な工事に限られていることも伸び悩みの要因とみられ、兵庫県は2005年1月から「簡単な工法」にも助成を拡大することを決め、15日、神戸市内で新工法の審査会を開いた。

 耐震基準が強化された1981年以前に建てられた住宅は、県内で約78万戸。県が2000〜2002年度に行った無料診断では、診断した木造住宅約11,000棟の約8割が「倒壊の危険」「やや危険」と判定された。

 県は2002年度、耐震改修工事で借り入れた資金への利子補給制度を導入したが、利用はゼロ。現在の助成制度は2003年度に始まった。2004年度からは、計画策定費と工事費合わせて36万円だった助成額を50万円に上げ、利用拡大を図ったものの、予算目標の200件に対し、11月末現在の利用実績は計64件にとどまっている。

 県は、助成対象が建築基準法に基づく本格改修に限られたことも利用が少ない要因と分析。本格改修では床や天井をはがす必要もあるため、8月からは助成対象を拡大する目的で、研究機関や業者に「より安くて簡単な工法」の応募を呼び掛けていた。

 これまでの応募は、外壁にアルミ板を張り付ける工法や柱の継ぎ目に揺れを吸収する留め器具を装着する工法など約30件。この日の審査会では学識者らが一件ずつ審査を行い、優れた耐震性が認められる工法については、来年1月から助成対象に加える方針という。

 県は「東南海・南海地震に備え、住宅の耐震化は欠かせない。PR強化に加え、助成対象の拡大で安全な住まいを広げたい」としている。

(rk)


(2004/12/10) 兵庫北部の山田断層帯は0% 30年の地震確率

 政府の地震調査委員会は8日、1927年に北丹後地震を起こした郷村断層帯を含む京都府北部から兵庫県北部の山田断層帯について、地震が起きればM7.3程度かそれ以上になるが、今後30年以内の地震発生確率はほぼ0%とする評価をまとめた。

 この断層帯は、京都府宮津市から出石郡但東町に至る長さ約33キロの主部と、丹後半島沖の海域から京都府京丹後市までの長さ約34キロの郷村断層帯で構成される。

 郷村断層帯の平均活動間隔は1万〜1万5千年程度で、地震の規模は北丹後地震と同じM7.3程度かそれ以上になる可能性があるが、30年以内の地震発生確率はほぼ0%。主部の最新活動時期は、約3,300年前以前と推定されるが、平均活動間隔は不明。地震規模はM7.3程度だが、将来の発生確率は求められなかった。地震調査委は「過去の活動履歴などの資料を充実させる必要がある」としている。

(tn)


(2004/12/10) 岐阜・長野阿寺断層帯の地震発生確率は30年以内で11%

 政府の地震調査委員会は8日、岐阜県東部から長野県南部にまたがる阿寺断層帯について、一部が活動するとマグニチュード(M)6.8程度の地震が発生し、今後30年以内の発生確率は最大で11%とする評価をまとめた。同委員会が評価した国内の活断層では2番目に高い確率となった。

 阿寺断層帯は、岐阜県下呂市から長野県山口村などを経て岐阜県中津川市まで、北西〜南東方面に延びる長さ約66キロの主部と、同県の加子母村から七宗町に延びる長さ約25キロの佐見断層帯と同約31キロの白川断層帯で構成される。

 主部はさらに北部と南部に分かれる。北部の最新の活動時期は3,400〜3,000年前と考えられ、平均活動間隔は1,800〜2,500年と推定。M6.8程度の地震が推定され、30年以内の発生確率は最大で11%。

 南部の最新活動時期は1586年の天正地震で、平均活動間隔は約1,700年の可能性がある。地震はM7.8程度になるが、30年以内の確率はほぼO%%となった。

(la)


(2004/11/12) 岐阜〜長野 木曽山脈西縁断層帯 M6.3が最大確率4%

 政府の地震調査委員会は10日、長野県中西部から岐阜県東部に」分布する木曽山脈西縁断層帯について、今後30年以内にマグニチュード6.3程度の地震が発生する確率は最大で4%とする長期評価をまとめた。全国の活断層の中で、地震発生確率の高いグループに属する。

 木曽山脈西縁断層帯は、長野県日義村から岐阜県中津川市東部まで北北東〜南南西方面に延びる長さ46キロの主部と、長野県大桑村から平谷村に南北方向に延びる約34キロの清内路峠断層帯で構成される。

 主部は、北部と南部の二つの区間ごとに活動すると推定されるが、全体が同時に活動する可能性もある。北部の発生確率はM7.5程度が30年以内でほぼ0%だったが、南部はM6.3程度が最大で4%とした。

(tn)


(2004/10/27) 新潟県中越地震の余震確率が上昇 気象庁が算出

 新潟県中越地震で、気象庁が25日に発表したマグニチュード5以上の余震が3日以内に発生する確率は、24日に比べ大幅に上昇した。余震活動は順調に減衰しているものの、25日未明から朝にかけて、やや活発化したのを受け、修正したもの。

 発生確率の算出は「余震発生数は時間経過とともに減少する」と「大きな地震は少なく、小さな地震は多い」という二つの経験則を基準にしている。

 予想される余震回数は、日にちの逆数にほぼ比例し、本震の日に比べ2日目には2分の1、3日目には3分の1になる。計算時点までに実際に起きた余震の総数や活発さのデータを基に、地震ごとに調整した上で確率をはじき出す。

 今回は、25日未明から朝にかけて、やや大きめの地震が続いて発生したため、確率の上昇につながった。

 気象庁は「24日までの余震活動の急速な減衰はむしろ特殊で、25日の値の方が一般的な地震の基準値に近い」と話している。 

(mv)


(2004/10/23) プレート境界の地震 月の引力が引き金?

 地球を覆うプレート(岩板)の境界で起きる地震の一部は、月の引力が発生の引き金になっている可能性が高いとする論文を防災科学技術研究所の田中佐千子研究員らが22日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 将来起きるとされる東海地震なども、地殼にひずみが十分たまった後、月の引力が最後のひと押しになって発生する可能性があるという。

 田中さんらは1997〜2000年に世界のプレート境界で起きた地震のうち、規模がマグニチュード(M)5.5以上で断層が両側から圧縮されて起きる「逆断層型」2027個を解析。月の引力と潮の満ち干で変わる海水の重みを合わせた力が断層を滑らせる方向に最大となる時刻に着目した。

 その時刻をはさむ約6時間に、7割以上の地震が発生していたことが分かった。地殻が月から受ける力は、プレートの動きから受ける力の1000分の1程度。しかし月の力が大きいほど、その力が最大になる時刻と地震発生時刻との関連は強かったという。

(rt)


(2004/09/29) 岐阜県北部の断層帯評価 高山市で震度6強以上

 政府の地震調査委員会は27日、岐阜県北部の高山・大原(おっぱら)断層帯で地震が起きた場合、同県高山市、下呂市などで震度6強以上の強い揺れが起きる可能性があるとする評価をまとめた。

 同委員会は「この断層帯の付近は山間部で、堆積層が薄く短周期の揺れが大きくなるため、予想された震度が小さい地域でも、山崩れの被害が出る恐れがある」としている。

 同断層帯は高山市とその周辺市町村に分布し、北東から南西方向に並走する複数の断層から構成。このうち、今後30年以内にマグニチュード(M)7.7程度の地震が0.7%の確率で発生するとされる高山断層帯、M7.2程度が最大5%の国府断層帯、M7.2程度で発生確率が不明の猪之鼻断層帯の三つの断層帯をそれぞれ評価した。

 高山断層帯は震源が断層帯の北東の端、中央部付近、南西の端の三パターンを想定。震度6強以上の地域は、北東の震源の場合、下呂市、久々野町、清見村、宮村、荘川村、南西の場合は高山市、下呂市、久々野町、清見村、宮村となった。国府断層帯では清見村、猪之鼻断層帯では下屋市が震度6強以上。

(mv)


(2004/09/10) 滋賀、三重などの断層評価 地震確率「やや高い」

 政府の地震調査委員会は8日、中部、近畿の五つの活断層や活断層帯についての長期評価を発表。滋賀、三重両県にまたがる頓宮(とんぐう)断層は、今後30年以内にマグニチュード(M)7.3程度の地震を起こす確率は1%以下で、活断層の中では地震を起こす可能性が「やや高いグループ」に属するとした。

 頓富断層は、滋賀県水口町から三重県青山町に至る長さ約31キロ。地盤の調査などから、約1万年間隔で地震を起こしており、最も近い地震は約1万年前から7世紀の間に起きていた可能性があることが判明した。

 滋賀県米原町から土山町に至る長さ44キロの鈴鹿西縁断層帯は、M7.5程度の地震を起こす確率が最大で0.2%(30年以内)で「やや高いグループ」とした。ただ、同断層帯はデータが少なく、評価の信頼度は低いとしています。

 金沢市から富山県を経て岐阜県郡上市に至る庄川断層帯、富山県立山町から岐阜県白川村に至る跡津川断層帯、三重県伊賀町から京都府笠置町に至る木津川断層帯については、いずれも、ほぼO%(同)と評価した。

(la)


(2004/09/07) 紀伊半島沖地震は東南海地震への直接影響なし 政府調査委

 紀伊半島の南東沖で5日夜に連続した地震を受け、政府の地震調査委員会は6日、東京都内で臨時の会議を開き、「東南海地震に与える直接的な影響はない」との評価をまとめた。今回の地震は、東南海地震の想定震源域で地殻の破壊が起きたものではなく、また、地殻にかかる力の地震による変化を計算すると、むしろ東南海地震を発生させる力を減少させる方向だった、としている。

 東南海地震は、マグニチュード(M)8.1前後の地震が30年以内に60%程度の確率で起きるとされ、プレート(岩板)の境界がずれるタイプ。その想定震源域を破壊する地震が起きると、さらに破壊が進んでいく恐れもある。

 だが、今回は同震源域とは別の場所で、プレート内部が破壊されて発生。発生場所も仕組みも違っていたと評価した。

 また、最初のM6.9の地震を前震、深夜のM7.4を本震として「前震−本震−余震型」の地震だったと判断。津村建四朗委員長は「最初は大きく壊れず、破壊が拡大して本震が起きた」と説明した。

 同委員会はこれまで、東南海地震の確率を「01年1月から30年以内に50%程度」としていたが、この日、その後の時間経過を反映させて10ポイント高い確率を示した。今回の地震とは関係ない。

 一方、評価は早すぎる、との異論もある。元地震学会会長の安藤雅孝・名古屋大教授は「中長期的に全く影響がないとは言えない。あの場所では珍しい逆断層型地震だったことなど、どう解釈するか不明のことも残っている」と話している。

(xr)


(2004/08/25) 南関東のM7級地震発生確率 30年以内に70%

 政府の地震調査委員会は23日、相模湾から房総半島沖にかけた相模トラフ(海溝)で今後30年以内に、マグニチュード(M)8級の関東大震災型地震が起こる確率は「0〜0.8%」で切迫していないとする評価結果を発表した。一方、ひとまわり小さいM7級が南関東で発生する確率は「70%程度」で、近い将来起こり得ると考えた対策が必要とした。

 相模トラフに関連する地震の確率評価は初めて。.同トラフでは、陸のプレート(岩板)の下にフィリピン海ブレートが沈み込んでおり、プレート境界の破壊によって1923年の関東大震災(M7.9)や1703年の元禄地震(M8.1)など巨大地震が繰り返し発生している。

 調査委は津波の跡などから、関東大震災型の地震は200〜400年間隔で起こると判断。その中で元禄地震のように特に大きな地震は、2,300年間隔と推定した。

 いずれも前回の発生から再来期間が経過していないため、今後30年の発生確率は関東大震災級で「ほぼ0〜0.8%」、元禄地震級では「ほぼ0%」とした。

 また、南関東では沈み込むプーレート内など地下30キロより深い部分が震源となるM7級の地震が歴史的に多く発生。死者31人を出した1894年の明治東京地震(M7.0)などがある。調査委は、こうした地震が今後30年以内に起こる確率を、過去の発生頻度から70%程度とした。場所により最大で震度6の揺れになるという。同じM7級でも、浅い部分で起こる直下型は評価が難しく、今回の対象からは外した。

(uq)


(2004/08/22) 丹波山地でM4〜5地震のおそれ

 丹波山地とその周辺の近畿北部で、地震の発生数が減少する「静穏化現象」が約1年半続いていることが21日、分かった。こうした現象は平成7年の阪神犬震災直前の状況と似ているとして、国土地理院の諮問機関「地震予知連絡会」(会長、大竹政和・東北大名誉教授)が「西日本は地震の活動期に入っていることもあり、今後注意すべき」と呼び掛けている。

 これを受け、地元の京都府も同日までに、府下の自治体に情報を提供し、警戒を促した。丹波山地の地震観測は京都大学が実施、今年5月の地震予知連絡会で報告された。

 報告では「昨年3月ごろから近畿北部の地震活動が低下している。特に、琵琶湖西岸から京都府南部、大阪府北部にかけての丹波山地」と指摘した。

 地震活動の低下後に活発化し、M(マグニチュード)4クラスの地震が起きるパターンが過去30年で5、6回繰り返しており、今年4月には最も地震活動の低下していた亀岡市南部でM3.6の地震が発生している。平成7年の阪神大震災の直前も丹波山地で同様のパターンがみられたという。

 報告を受けた予知連絡会は「注意すべき地震のパターン」と評価。海津優・国土地理院地殻活動研究センター長は「阪神大震災のように都市を襲う地震につながるかどうかは不明」としながらも、「丹波山地は地震の発生パターンが比較的はっきりと観察されており、少なくともM4〜5クラスの地震が近く、丹波山地を中心とした地域で発生する可能性があるとの認識だ」と説明している。

(rt)


(2004/07/21) JR西日本が防災業務計画に「東南海地震編」を作成

 今世紀前半の発生が懸念される東南海・南海地震に備え、JR西日本はこのほど、.両地震で発生する津波への対策方針などを中心にした「防災業務計画」を作成した。同計画に基づき、被害が想定される関係自治体などが策定するハザードマツプ(災害予測地図)を参考に、本年度中をめどに具体的な対応マニュアルを整備する予定。

 同計画は東南海・南海地震防災対策特別措置法.に基づき、JRやNTT、日本銀行など指定を受けた公共機関などに作成が義務付けられている。同社では既存の防災業務計画に「東南海・南海地震編」を追加した。

 内容は、総則、防災体制、発災時の対応、災害復旧、の4章構成。津波警報が発令された場合の列車運行の原則などを盛り込んだ。同社は具体的なマニュアルについて「津波被害の影響を強く受けそうな和歌山県内の紀勢線を皮切りに、支社単位などで整備できれば」としている。

 同計画は同社ホームページ.( http://www.westjr.co.jp ) に掲載されている。

(mv)


(2004/07/18) 神戸・東部で新たに2本の潜在活断層

 阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた神戸市東部の市街地で、地表に現れていない潜在的な2本の伏在活断層が走っていることが、宮田隆夫・神戸大理学部教授(構造地質学)の8日までの調査で明らかになった。周辺のマンホール被害の解析から、震災時にこれらの断層が動いた可能性が高く、未解明とされる神戸市街地直下の断層活動を探る手掛かりになりそうだ。

 調査は、神戸市灘区に位置する六甲断層系の「渦ヶ森断層」の延長部分で実施。地中に向けて電磁波を放射する「地中レーダ法」などで解析した結果、南西方向へ約1.5キロ延びる伏在活断層を見つけ、位置を特定した。これは震災後の1996年、兵庫県の調査で伏在することが判明した「王子断層」につながっていた。

 また、約1キロ南側に並行して走る別の伏在活断層も判明。この2本の伏在活断層は、同市中央区南部から和田岬沖合に至る「和田岬断層」に収れんするとみられる。

 同教授らは今回明らかになった断層付近で、地震によって変形したマンホールを解析。円筒形のコンクリートブロックを積み上げた同じ構造のため、マンホールのずれの大きさや向きから、市街地の地盤変位の様子を探知するのに適していると着目した。

 ずれが測定できた灘区内の115個のデータを分析した結果、北西→南東方向の変形が顕著なことが分かった。

 一般に断層が横ずれを起こした場合、断層破壊の先端付近の地表では、強い地震動が断層と直交する方向に作用するとされている。同教授は「北東→南西に走る六甲活断層系の断層が右横ずれに動いた影響を裏付けるものだ」と指摘する。

 今回見つかった伏在活断層の場所と、住宅倒壊が集中した「地震の帯」と呼ばれる震度7の激震地域が重なっていることから、被害との関連性についても今後、研究を進めていく。

 淡路島の野島断層のように地表面に明りょうな断層が現れていない神戸市街地では、震災でどの断層が動いたか、いまなお特定されていない。伏在活断層の把握はその手掛かりになるうえ、「正確な位置を調べるデータ収集は、防災対策を進める上で重要」と、宮田教授は話している。

(la)


(2004/07/07) 税の優遇措置要望へ 住宅耐震化促進へ内閣府

 内閣府は6日、住宅の耐震化を進めるため税制の特例措置を整備するよう財務省などに求める方針を固めた。2005年度の導入を目指し、各省庁の同年度予算の概算要求が示される8月下旬までに、国土交通省などとともに詳細を詰める。

 また中古住宅の取引の際に不動産業者らに耐震性に関する説明を義務付ける「耐震性説明責任制度(仮称)」の導入も検討。住宅耐震化の促進へ総合的に取り組む。

 同日開かれた政府の中央防災会議の「民間と市場の力を活かした防災力向上に関する専門調査会」で明らかにした。特例措置の内容については、住宅ローン減税の拡充などが考えられ、内閣府幹部は「国税を念頭に検討する。固定資産税は市町村の収入なので対象にするのは難しいのでは」と述べた。

 全国知事会が6月、住宅耐震化促進につながる税制優遇措置を国に要望する方針を決めており、今後、知事会とも連携していくとみられる。

 阪神・淡路大震災では、犠牲になった6,433人の約8割が、住宅の倒壊が原因で死亡。だが国土交通省の調査では、国内の全住宅(約4400万戸)のうち旧耐震基準適用の1981年以前の建物が半数近くを占め、その7割近くで補強が必要とされている。

 こうした状況に危機感を持ち、住宅耐震化に対する助成制度を設ける自治体が増え、兵庫県でも2003年度に工事費などへの助成制度をつくった。しかし、耐震化工事には多額の経費が必要となるケースが多いことなどから、全般的に利用は伸び悩んでいる。

(tr)


(2004/06/26) 東南海・南海地震の避難勧告基準を明確化

 総務省消防庁は24日、今世紀前半にも発生の恐れがある東南海・南海地震の被害を最小限にするため、自治体が取リ組むべき対策をまとめた報告書を公表した。津波による深刻な被害が予想されることから、適切な避難勧告やすぐに救援できない孤立地域の対策、防災を担う部署の権限強化などを求めている。

 報告書は、過去の地震の教訓と具体的な対策を例示し、自治体の担当職員が実際の業務に利用できるようにした。自治体関係者も含めた東南海・南海地震の防災体制研究会(座長・室崎益輝元神戸大教授)で、昨年10月から検討してきた。

 同地震は最大21,000人の死者が出るほか、経済的損失は57兆円に上ると想定される。政府は昨年12月に21都府県、652市町村(合併で現在644市町村)を対策推進地域に指定したが、自治体からは「何から着手すればいいのか」などの声が出ていた。

 報告書は、津波警報が出たのに避難勧告を出さなかった自治体があったり、勧告が出たのに住民が避難しなかったケースがあった2003年の十勝沖地震の反省から、勧告基準の明確化や、住民の啓発活動が重要と指摘。体制の整備では、1995年の阪神・淡路大震災で兵庫県芦屋市の職員が2時間以内に7%しか集まれなかった点などを挙げ、「直後は自治体職員の約2割しか集まれないという想定が必要」とし、日頃から備えるべき対策を示した。

(br)



(2004/06/09) 富士山噴火政府検討委が時系列の防災対策を発表

 政府の「富士山ハザードマップ検討委員会」(委員長・荒牧重雄東大名誉教授)は7日、噴火の前兆現象が見られた時点で登山者の入山を規制するなど、臨時火山情報が出されてから復興・復旧まで周辺自治体の取るべき防災対策を時系列に示した報告書を発表した。

 荒牧委員長は記者会見で「個人レベルでの防災に役立てるため、詳しい防災マップや地域防災計画に生かしてほしい」と述べ、関係自治体による一層の取リ組みに期待感を表明した。

 防災マップは、ハザードマップ(災害予測地図)に避難所の位置や緊急時の連絡先などを盛り込んだ地図。市町村レベルでは、同検討委員会が2003年8月に公表した防災マップ案を基に静岡県御殿場市が3月に完成したほか、山梨県富士吉田市など両県の12市町村が本年度中の作成を予定している。

 報告書は、富士山噴火による被害想定を最大2兆5千億円とし、国や周辺自治体の取るべき対策を示した。具体的には、入山規制のほか、@噴火につながる断層や地割れが見つかり、緊急火山情報が出た段階で、本格的避難を始める。A噴火時には、国と自治体が合同現地対策本部をつくり、情報収集、対策に乗リ出す、などを挙げた。

(dr)


(2004/06/08) 富士山噴火「前兆」で入山規制 政府検討委報告

 富士山が噴火した場合の防災対策などを検討していた政府の「富士山ハザードマップ検討委員会」(委員長・荒牧重雄東大名誉教授)の報告案が5日、明らかになった。白煙が連続的に上がるなど前兆現象があれば登山者の入山を規制するなど、周辺自治体が状況によってとるべき対策を具体的にまとめている。

 さらに、年間2千万人の観光客が訪れる日本のシンボル的な存在だけに「火山との共生を図る」と強調、@平常時や緊急時の正しい情報の提供、A火山であることを観光や学習の場として生かす、なども必要とした。七日の検討委で決定する。

 前兆現象を受け臨時火山情報を気象庁が出して注意喚起すれば、国や神奈川、山梨、静岡の三県とその周辺市町村は入山規制する一方、住民らには「今後の防災情報に注意が必要」などと広報。噴火の可能性が高まった段階で三県とその周辺市町村は災害警戒本部を設置、自主避難の受け入れや避難者の安否情報の提供、観光客の地域外への誘導などを始める。

 断層や地割れが見つかり緊急火山情報が出された段階で、三県と周辺市町村は災害対策本部を設置。本格的に避難などを進める一方、全国に広域応援の準備を要請。国は首相官邸に緊急チームを招集し情報連絡体制を強化、関係省庁も対策本部をつくる。

 噴火時には、国が非常災害対策本部などを置き、自治体と合同現地対策本部をつくリ情報収集、対策に乗リ出す。

 富士山の直下で2000、2001年に低周波地震が多く観測され、政府は検討委を設置した。

(la)




(2004/05/20) 東南海・南海地震で尼崎市民の9割が「津波に危機感

 阪神大震災から丸10年を迎えるのを前に、海抜ゼロメートル地帯が市域の3分の1を占める兵庫県尼崎市の住民を対象に、兵庫県警が東南海・南海地震について意識調査したところ、9割近くが津波被害に危機感を持っていることが18日、わかりました。

 今回の調査は、県警災害対策課が津波対策に住民意識を反映させようと、今年2月から約1カ月間、尼崎市在住の1000人を対象にアンケート形式で実施。うち910人から回答があり、95%が阪神大震災の被災者でした。

 東南海・南海地震に「関心がある」と答えたのは91.5%。52%の住民が他の地域に比べて津波被害が大きいと思うと回答。「多少は大きいと思う」の35%を含めると、9割近くが津波に危機感を持っていることがわかりました。

 歩いて避難できる限度は500メートルが59%、「1キロ」が25%でした。大規模な津波に対処するためには、低地部分が多い尼崎地域では数キロの移動が必要とみられるが、それができると考える人は、わずかしかいないことが判明。さらに5%の住民は「1人では避難できない」と回答しています。

 また、避難の際、最も頼りにするのは「家族・親せき」とした住民が62%で、「隣人・知人」の11%を合わせた73%が身近な人をあげました。一方、住民同士の助け合いやコミュニケーションについては、52%の住民が「できていない」と答え、地域の結束力を不安視する実態も浮き彫りになりました。

 東南海・南海地震は今世紀前半に発生する可能性があるとされ、強い揺れと津波による複合的災害が懸念されています。平成14年、同地震の防災対策特別措置法が制定され、昨年末に兵庫など1都2府18県が対策推進地域に指定されました。

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(2004/05/15) 2004年版防災白書で地震対策に目標設定

 内閣府は13日、2004年版の防災白書案を自民党に示した。東海地震などの大規模地震災害で想定されている人的・.経済被害を「今後何年間.で半減する」など、具体的目標を設定して社会全体で対策を進めていく必要性を記述。政府は今月下旬に閣議決定する。

 防災対策の多くは、実際に地震が起こらなければ被害の軽減効果を確かめられないのが現実。これを改善するため、防災対策分野にも目標を設定して評価、検証していくシステムを取リ入れる狙いがある。

 白書案は、よリ効果的で実効性のある対策に向け、目標設定のほか、@住宅の耐震化や堤防の整備など対策にかかった費用と被害を軽減する効果を把握する手法を確立し、達成度合いを測定する。A特に甚大な被害が想定される地域について優先的に対策を実施する。などを提案している。

 当面は、住宅の耐震化や、津波に備えていち早く避難するための緊急地震速報の実用化などが対象となりそうだ。今後、関係省庁間で検討を始め、本年度中に結論を出す方針。

 東南海・南海地震では、津波による死者は約3,300人と想定されている。地震発生直後の避難が遅れれば最大約8,600人に増えるとされているだけに、対策は不可欠だ。

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(2004/05/13) 東南海・南海地震津波対策義務付け 兵庫で1640事業者対象

 今世紀前半にも発生が懸念される東南海・南海地震に備え、津波の対策計画作成を義務付けられている事業者が、兵庫県内の21市町で1,640に上ることが、兵庫県の12日までのまとめで分かった。該当する事業者には、県と消防本部が月内に通知。民間レベルで地域に応じた防災計画づくりが始まる。

 計画が義務付けられるのは、東南海・南海地震防災対策推進基本計画で選定された津波浸水想定地域内にあり、大勢の人が出入りする施設など。

 事業者の内訳では、劇場や百貨店などの商業施設、病院、宿泊施設などが計629で最も多かった。以下、複数の業種が入るビルなど=544、化学工場など危険物製造所=207、福祉施設=68、学校・幼稚園=48と続く。

 地域別では、鉄道やバスなどの広域事業者を除くと、神戸市が半数の約800事業者を占め、姫路市が約120、淡路島の1市8町で約480。

 対策計画は、津波からの円滑な避難を目的に、防災責任者をあらかじめ決定。従業員や施設の利用客らを避難場所へ安全に誘導するまでの対応を規定する。

 消防計画がすでにある場合、これを修正する形になる。提出期限は6月16日で、県や各消防本部では説明会を開くなど計画作成に向けた指導に当たる。  全国では、16都府県の241市町村が対象となり、事業者数は約2万に上る見込み。

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(2004/04/07) 災害情報 双方向に発信 県新防災システム稼働
 
 兵庫県は5日、パソコン通信などを利用して被災状況を知らせる「災害対応総合情報ネットワークシステム」を刷新した「新フェニックス防災システム」の運用を開始した。災害情報の提供がメーンだった旧システムに対し、新システムでは、ホームページ(HP)に関係機関が状況を書き込めるなど〈双方向性〉を持たせたのが特徴。兵庫県は「混乱する初動時に的確に対応できる」としている。

 旧システムは、阪神大震災翌年の1996年に整備。震度4以上の地震が発生した際、県内約100か所に設置した地震計の震度情報をもとに、被害予測システムが自動的に作動し、木造建物の全半壊率や死傷者数、震度分布などを推定、HPで紹介する仕組みになっていた。

 しかし、算出に少なくとも15分はかかるため、現場とのずれが生じるほか、一般電話回線を使用していたため、アクセス集中時にはつながりにくくなるなどの欠点があった。

 新システムでは、兵庫県が2年前に整備した各市町などを光ファイバー網で結ぶ「兵庫情報ハイウェイ」を活用。旧システムに比べ、情報処理能力が100倍近く向上した。ガスや電気、水道などの各ライフライン機関が、HPに被害や対応状況を随時書き込めるため、地域に密着した情報をリアルタイムで発信できるという。

 このほか、HPでは気象庁が発表する津波速報や、最新の警報など防災関連情報を提供していくといい、県防災局は「必要不可欠で正確な情報を関係機関で共有し、スムーズな連携を目指したい」としている。

 HPのアドレスは次の通り。

  http://web.bosai.pref.hyogo.jp

(fk)


(2004/04/05) 室戸岬沖13キロ GPSで津波をキャッチ

 近い将来に起きるとされる南海地震の津波をいち早くキャッチ、住民に伝えようと、カーナビなどに利用される衛星利用測位システム(GPS)で海面の変動をとらえる新しいタイプの津波計が、高知県室戸岬沖に4月に設置され、観測実験が始まる。東大地震研究所や日立造船などの研究グループが去る3月29日、発表した。観測データはインター.ネットを通じ、リアルタイムで公開され、津波防災に直結するシステムとして期待される。

 研究グループによると、現在の津波予報は、震源の位置や地震の規模をもとに予測されているが、精度がいまひとつという。これに対して、研究グループが開発したGPS津波計は、海上に浮かべたブイに観測、通信機器を取り付けて、人工衛星からの電波を受信することで、海面の変動を1〜2センチの精度で計測。津波の高さや到達時刻を計算する。津波と台風などの波浪の周期は異なり、判別できるという。

 GPS津波計は直径3.4メートル、高さ16メートル(海上面は7.5メートル)で、重量16トン。太陽光発電で動かす。津波をキャッチして、警報発令から来襲までの避難時間をかせぐためには、津波計が沖合にあるほど理想的で、南海地震震源域の室戸岬沖13キロ(水深約100メートル)にブイを設置する。

 研究グループは岩手県大船渡市沖約2キロにGPS津波計を試験設置、研究を続けてきたが、平成13年6月のペルー地震では約10センチ、同年9月の十勝沖地震でも15センチの小さな津波をとらえている。

 研究グループの加藤照之・東大地震研教授は「津波検知システムを設置して、津波が到達する前に、正確に予想して住民に知らせることができれば、津波災害を未然に防げるのではないか」と話している。

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(2004/04/03) 東南海・南海地震で対策義務事業者特定

 政府の中央防災会議がこのほど決定した東南海・南海地震防災対策推進基本計画で、民間を含む事業者が津波被害に備えた「対策計画」の策定を義務付けられる区域が、町丁目、字(あざ)の単位で選定された。

 兵庫県内では21市町にまたがる。該当する区域内にある病院や旅館、飲食店、学校や福祉施設のほか、石油、ガスといった危険物を扱う施設の事業者などが対象になる。今後、県または地元の消防本部などが速やかに事業者を特定し、通知を行う予定。

 対策計画の策定に向け、消防庁は盛リ込むべき項目などを例示した手引きをすでに作成。これをもとに県や消防本部が指導し、地域に応じた計画づくりに取リ組む。

 計画の提出は昨年12月の防災対策推進地域の指定から半年以内と定められており、6月16日がその期限となる。

 また、両地震で著しい被害が予想される防災対.策推進地域に指定された県内24市町のうち、三原郡緑町、同郡三原町と芦屋市が今回の対象区域から外れた。海と接していないことや、津波被害が少ないと予想されることなどが理由だが、自治体が策定する「推進計画」で、海岸利用者の避難対策などを盛リ込まねばならない。

 問い合わせは兵庫県防災企画課(TEL 078−362−9809)まで。


(uq)


(2004/03/31) 東南海・南海地震同時なら大阪府で2920ヘクタール浸水

 東南海・南海地震が同時に発生した際、最悪の場合、大阪府は大阪湾に面する12市町の4%に当たる最大2,920ヘクタールにわたって浸水する可能性があることが29日、分かった。両地震の津波対策を進めている大阪府と和歌山県の「東南海・南海地震津波対策検討委員会が明らかにした。同委員会は、和歌山県でも1市3町で約1,060ヘクタールにわたって浸水する、とのシミュレーション結果を出しており、同委員会では今後の防災施策づくりの基礎資料にする方針だ。

 大阪では防潮堤の門扉や水門がすべて開いたまま、和歌山では堤防などの水防施設がない状態という、それぞれ最悪のシナリオを想定した。

 大阪府内で特に浸水が激しいと予想されたのは、地盤が低い上に、木津川と尻無川の合流点にあたる大阪市大正区の一部。2メートル以上の浸水が起こる可能性が指摘された。

 また、大和川以南から和歌山県との県境となる岬町までの大阪湾沿岸11市町では、海沿いを中心にほぼ全域で浸水が起こり、特に岸和田の一部で2メートル以上になることが判明した。

 和歌山県では、太平洋沿岸21市町のうち海南市と湯浅、広川、日高、の3町について浸水地域を計算。4市町で浸水面積は約1,060ヘクタールにおよび、浸水域は総面積の約5%にのぼる。同県では来年度中に21市町全域での想定を終えたいとしている。

 津波による被害想定は昨年、国の中央防災会議によって発表されていた。しかし、地域に密着した情報ではなかったため、今回、同委員会でより細かい被害想定を実施。今回の津波シミュレーション結果に基づく浸水予測によって、「その地域の一軒一軒の家がどうなるかまで分かる」(同委員会)という。

 委員長の河田恵昭・京都大学防災研究所巨大災害研究センター長は「今回のシミュレーション結果は、今後の自治体の両地震防災対策の基本となるもの。全国に先駆けて地方自治体として想定できたことが意義深い」と話している。

 同委員会は今回の浸水予測図をもとに、来年度はより具体的なハザードマップの作製などに取り組む。

(qz)


(2004/03/27) 四国・紀伊半島は震度6弱が30年以内に26%以上
 
 政府の地震調査委員会は25日、西日本で予想される地震の強さや確率を示した「地震危険度マップ」(誠作版)を作製、公表した。南海、東南海地震など海溝型の大地震が懸念される四国と紀伊半島で震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が高く、中国・九州が低い傾向がはっきり現れた。

 危険度マップは、予想されるすべての地震の発生確率を算出した上で、震源からの距離や地盤の強弱を考慮して、1キロ四方ごとに色分け。将来、強い揺れに見舞われる確率を一目で分かるようにしている。

 東海地震が30年以内に発生する確率は、南海地震や東南海地震と連動するケースを含めて84%と初めて試算。南海、東南海の30年以内の発生確率は、現段階でそれぞれ47%、58%とした。

 震度6弱以上の揺れが30年以内に起きる確率を見ると、四国と紀伊半島の太平洋側が最も高い.「26%以上」となった。この数値は「100年に1回」の頻度を示すという。大阪府や奈良、香川、愛媛県などの大部分は500年に一度の頻度を示す「6〜26%」となった。

 海溝型地震や活断層の影響をあまり受けない中国・九州の日本海側は、ほとんどの地域で「1000年に1回」に相当する3%やそれ以下になった。

 地震危険度地図
 多くの死傷者を出した阪神大震災の教訓から設置された地震調査委員会が、推進すべき課題の一つとして作製を進めている。主要な98活断層と海溝型地震について、発生の確率などを評価。これらのデータを基に揺れの強さの危険度を示す地図が作られる。震源を特定したものと、今回公表された西日本版のように、震源を特定せず、対象地域全体の危険度を示したものの2種類がある。

 防災推進地域は652市町村
 今世紀前半にも発生することが懸念されている東南海・南海地震については昨年12月、「東南海・南海地震特別措置法」に基づき、津波対策などが必要な「防災対策推進地域」として、21都府県、.652市町村が指定された。

 「推進地域」に指定された自治体は、国の「東南海・南海地震防災対策推進基本計画」に基づき、避難路や、地震防災対策上必要な施設の整備、津波からの防護・避難対策などについて「東南海・南海地震防災対策稚蓬計画」を策定することが義務づけられる。

(qz)


(2004/03/25) 気象庁の「緊急地震速報」試験運用始まる

 震源や地震の規模、予測震度を瞬時に推定し、大きな揺れが来る前に地震発生を知らせる気象庁の「緊急地震速報」の試験運用が始まった。鉄道や学校、病院などで、この情報を用いた実証試験も進んでいる。近い将来の発生が予想される東海地震が想定震源域の南端で起こった場合、静岡市で大揺れの10秒前、東京で40秒前に情報を出せるため、被害減少や迅速な災害復旧に役立つと期待される。一方、こうした情報を一般市民にどう伝えればいいのかといった課題も多い。実用化に向け、動き出した「リアルタイム地震学」の現状を追った。

◆津波予報30秒で
 地震波には初期微動のP波(縦波)と、大きな揺れをもたらすS波(横波)がある。P波の速度は毎秒6〜8キロ。一方、S波の速度は毎秒3〜4キロと約半分のため、震源近くの地震計でP波をいち早く検出し、震源や地震の規模などを特定すると、人や建物の被害が生じる可能性のあるS波が到達する前に防災対応を取ることができる。

 気象庁と鉄道総合技術研究所は、P波検出直後に震源や地震の規模、予測震度を一観測点からでも推定できる特殊な新型地震計を開発した。関東地方から九州東岸の29都府県計80カ所にこれを設置し、陸域のマグニチュード(M)4程度以上、海域のM5程度以上の地震を対象に、P波観測の約4秒後から緊急地震速報を東京大や小田急電鉄など10機関に試験提供している。

 気象庁のシミュレーションによると、新型地震計に置き換えた場合、2003年十勝沖地震では7秒後に震源や地震の規模などを精度よく求めることができた。

 気象庁は来年度、北海道から東北地方にかけ新型地震計をさらに計43カ所設置する。同庁地震火山部管理課の山田尚幸調査官は「現在は地震発生後3分が目標である津波予報を、30秒後くらいに出すよう目指したい」と話す。

◆新幹線で応用へ
 13日開業の九州新幹線の沿線計7カ所に気象庁と同タイプの新型地震計が設置され、リアルタイムでの地震監視が始まっている。震度4相当以上の揺れを予測した場合、急ブレーキがかかるシステム。これまで規模の把握が困難だったM7以上の地震にも対応できる。

 鉄道総研は、この地震計と緊急地震速報を連係させた早期地震警報システム「EQAS」の開発を進めている。

 芦谷公稔・地震防災研究室長は「電軍制御に使える地震情報が緻密になるため、より適正な運行管理が実現できる」と期待する。

◆病院や学校は
 緊急地震速報の活用に向けた試みも始まった。NPO法人の「リアルタイム地震情報利用協議会」(東京都新宿区、有馬朗人会長)は緊急地震速報を利用したリアルタイム防災の実証試験を開始した。消防署や学校、病院、電力会社などと専用回線で結び、実用化に向けた課題を探る。

 具体的には、大揺れの前に、消防署では出入り口のシャッターを開ける、小学校では児童を机の下に避難させる、病院では職員の緊急招集や手術中の患者の安全を確保する、ビルのエレベーターを自動停止させるといった実験をする。

◆問に合わない?
 緊急地震速報の活用には課題もある。海域を震源とする大地震の場合、P波の検出後、陸域にS波が届くのに数秒〜数十秒以上の余裕がある。しかし、都市直下で起こる地震の場合、情報を出した直後にS波が到達したり、全く間に合わないケースも十分考えられる。

 不特定多数の一般市民にどう知らせるかも大きな問題だ。地震発生を知らせる突然の情報にパニックが生じる恐れがあるからだ。現在、携帯電話のメール機能を使って市民に伝える手段が考えられているが、土井助教授は「冷静に対処するためにも、事前にきちんと訓練する必要がある」と指摘している。

 緊急地震速報は予測震度やS波の到達予想時間が「○○県東部」などの地域単位でしか発表されない。土井恵治・東京大地震研究所助教授(防災情報学)・は緊急地震速報の震源情報をもとに、利用者がいる場所の詳細な情報を自動計算するソフトウエアの開発に取り組んでいる。土井助教授は「きめ細かい情報が分かれば、より効果的な防災対応に結びつけることができる」と語る。

(uh) 


(2004/03/25) 兵庫県民意識調査 今後10年で大地震「起こる」4割超える

 兵庫県が毎年度実施している県民意識調査で、「10年以内に大地震が起こる」と考えている人が回答著の4割を超え、調査を始めた1998年度以降最高となったことが24日、分かった。県は「今世紀前半の発生が懸念される東南海・南海地震への不安が影響しているのでは」と分析している。

 調査は昨年秋、5,000人を対象に郵送方式で行った。回収率は63%。「あなたの住む地域で今後10年くらいの間に大地震が起こると思うか」との質問では、「起こると思う」(8.9%)「起こる可能性は高いと思う」(31.8%)が合わせて40.7%。これまで最も高かった2001年度調査の36.8%を大幅に上回った。

 「起こる可能性は低いと思う」「絶対に起こらないと思う」は計41.3%で過去最低だった。兵庫県によると、規模の大きい地震があった年度は「起こる」とする回答が多くなるといい、今回は昨年夏に発生した宮城県連続地震のほか、防災対策推進地域が決まるなど研究が進む東南海・南海地震への懸念が影響しだとみている。

(uq)


(2004/03/25) 新型強震計の設置完了 防災科学技術研究所

 今後の南海地震などの巨大地震に備え、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)が進める新型強震計の設置が24日、明石市や洲本市など7地点で行われ、兵庫県内の27地点すべてで完了した。地表の揺れを高い精度で計測するほか、データ通信にかかる時間も短縮。被害把握など、地震発生後の対応への活用が期待される。

 同研究所が運用する「全国強震観測網(K―NET)」の更新の一環。東海、東南海、南海地震で被害が予想される地域を優先し、全国1035地点のうち、この日までに443地点で入れ替えを終えた。

 新型強震計は、南海地震など海溝型地震に特徴的な、長周期の揺れに対する精度を、10倍高めるなど性能が大幅に向上。

 また、地震を検知すると、自動的に同研究所データセンターへ通信するように改善された。その結果、地震発生後約5分でデータをホームページで公開できるようになる。

 新たに震度計の機能も加え、4月以降に気象庁と試験運用を始める。

(dr)


(2004/03/20) 地震予知センター設置を 関西の大学、財界が提言

 関西六府県と大学、経済界でつくる関西サイエンス・フォーラム(秋山喜久会長)は19日、「宏観異常現象」と呼ばれる地震の前兆を収集・分析する「地震宏観情報センター」(仮称)の設置を呼び掛ける提言をまとめた。地震の短期予知につなげる組織で、自治体や経済団体などに開設支援を働きかける。

 熊谷信昭・大阪大学名誉教授を部会長とする同フォーラム専門部会が提言した。構想によると、市民が、動物の異常行動や地震雲などの観測情報をインターネットで同センターに通報。情報は、動物学や気象学、水産学などの専門家が、他のデータと突き合わせるなどして分析、地震予知に役立てる。

 特定非営利活動法人(NPO法人)として設立・運営。提言は、関西の自治体に予算面での積極的な支援を求めた。

 国内では、宏観異常現象の研究が十分に進んでいないため、フォーラムは1996年に専門部会を設置。前兆情報の活用について検討してきた。副部会長の住友則彦・神戸学院大学教授は「情報はフィードバックし、市民が見ることができるようにしたい」としている。

(mv)


(2004/03/12) 大阪市直下の地震「上町断層」発生確率高い

 大阪市の中心部を通る活断層「上町断層帯」について、マグニチュード(M)7.5程度の地震が今後30年以内に最大3%の確率で発生するとの長期評価を10日、政府の地震調査委員会が公表した。

 調査委によると、これは日本の主な活断層の中では発生確率が高いグループに属する。上町断層帯は、大阪府豊中市から大阪市中央区を経て、岸和田市までを南北に縦断する全長約42キロの逆断層。

 同断層帯の地震は平均8千年の間隔で起きるが、ボーリング調査などから、最後の活動時期は9千〜2万8千年前と推定される。

 このため今後30年以内の発生確率は、理論的に想定される範囲のほぼ上限にあたる3%に達した。調査委は「東海地震ほどの切迫度ではないが、活断層としてはかなり高い水準」としている。

 断層の上端は地表に達しており、活動すれば震源の浅い直下型が予想される。大阪府は平成9年の調査で、地盤が軟弱ね淀川沿いを中心に最大震度7の揺れを想定している。

 また、神奈川県中部の「伊勢原断層」は、30年以内の発生確率をほぼゼロと評価した。調査委は阪神大震災を契機に、全国98の主な活断層の評価作業を進めており、今回で半数が終了した。

(bd)


(2004/03/12) 内閣府などが津波・高潮被害予測地図づくり

 内閣府などは9日、地震での津波や台風の高潮による被害を軽減するためのハサードマップ(災害予測地図)づくりの指針をまとめた。現在、予測地図を作製済みなのは、津波の場合で全国1900カ所の対象海岸の約4割にとどまっているが、指針に従って市町村の地域防災計画などに予測地図を位置付け、2007年度までに7割にまで増やしたい考えだ。

 政府は今後、市町村の担当者らを対象にした説明会を開くほか、予測地図の事例集も作成する。指針は危険度の情報を住民に提供し、地震発生後の早期避難など、住民の自衛力向上に役立てるのが狙い。浸水する範囲を予測する手法や表現方法、完成後の活用方法などを紹介している。

 浸水が予測される区域は、住民が確実に安全な地域に避難でさるよう、対策が必要。同区域の外側には、場合によっては浸水することもあリ得る浸水可能性区域(バッファゾーン)を設けるよう求めている。さらに予測地図の完成後は、住民による研究集会を開き、内容や避難方法を周知することを提案している。

 指針作成のための研究会で座長を務めた河田恵昭京大巨大災害研究センター長は「津波が来た時、目分が住む町のどこまでが危険か事前に知ってもらうことは、命を守るための前提条件だ」と強調した。

(tn)


(2004/03/10) 兵庫県が南海地震津波に備え浸水予測図作成へ

 兵庫県は、今世紀前半の発生が懸念される南海地震に備え、洲本市など淡路島の1市4町について津波の浸水予測図を作成する。2005年春に完成の予定。併せて、津波被害が想定される尼崎市と西宮市、三原郡南淡町の3カ所に拡声機能付きの緊急警報装置を設置し、防災力の底上げを図る。

 予測図の対象となるのは洲本市のほか、津名郡津名、一宮、五色、三原郡西淡町の各町。兵庫県ではすでに2000年、三原郡南淡町について作成を終えており、今回で淡路島の予測図が完成する。

 地震の規模は、江戸時代末期の安政南海地震と同じマグニチュード8.4を想定する。防潮扉の高さや地形などを確認し、コンピューターによるシミュレーションで浸水エリアと高さを調べる。

 また、地震の被害を受けて扉が閉まらなかった場合も考慮。津波到来までの時間や高さ、周期などを算出する。県防災局は「防災訓練や防潮扉の管理体制の確認に生かしてもらえれば」と話す。

 一方、緊急警報装置は、NHKがラジオで流す津波警報を自動的に受信し、拡声器を通じて住民らに伝える。音が届く範囲は半径500メートルで、沿岸部に設置する考え。拡声器を取リ付けるポールには過去の台風で発生した高潮の高さを表示、防災意識の啓発に役立てる。

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(2004/02/21) 400年前活動の有馬―高槻断層帯断層 単独で動く恐れ

 神戸市北区から六甲山系の北側を横切り、大阪・高槻市まで東西に走る「有馬-高槻断層帯」。ひとたび地震が起これば、兵庫県の想定地震のなかで最大規模の被害を生む可能性が高い。これまでの調査で、最新活動時期は1596年の「慶長伏見地震」(マグニチュード(M)7.5前後)がほぼ確実とみられている。)

 兵庫県地域活断層調査委員会(委員長・岡田篤正京都大教授)は2001年度から調査を開始。2002年度に有馬―高槻の西部に位置する「六甲断層」(神戸市北区―宝塚市)で、活断層の断面を掘削、活動履歴を調べるトレンチ調査を行った。

 その結果、50センチ以上の地層の食い違いが一帯に及んでいたほか、地層のずれが300〜700年前に発生していたことが判明。室町時代以降のものとみられる石積みの暗きょが見つかった地層に、ずれが確認された。兵庫県は「六甲断層は慶長伏見地震で活動した可能性が高い」とした。

 この地震では、伏見城天守閣が大破、約600人が犠牲になった。大阪、奈良でも被害が生じ、県内で須磨寺(神戸市須磨区)の本堂が崩壊するなど、大きな被害が出た、との記録が残っている。

 ただし、六甲断層については、慶長伏見地震に先行する活動時期が確定できず、活動間隔は不明。県はすでに判明している有馬―高槻の東部区間の平均活動間隔(1000〜2000年)を当てはめ、「東部区間と連動すると仮定した場合、将来の切迫性は低い」と結論づけた。

 岡田教授は、こうした評価を「断層帯全体の評価としてもよいと思う」と述べた上で「これらは活断層の大半ないし全体が動くような最大地震の場合の評価だけであり、一部が単独に動く場合もあり得る」と指摘。

 「兵庫県南部地震時には大きく動かなかった活断層で、ゆがみが蓄積、誘発される地震も考えられる。六甲山系の周辺部には多くの活断層が密集して発達しており、注意が必要だ」としている。


最大死者1万2千人 六甲・淡路との連動想定

 兵庫県は、六甲断層の調査と並行して、塩尾寺(えんぺいじ)断層(宝塚市)も調べた。六甲・淡路島断層帯の一部で、有馬―高槻断層帯との連結部に位置する。

 県の被害想定によると、両方の断層帯が連動した「有馬―高槻断層帯〜六甲・淡路島断層帯地震」(M7.7)が発生した場合、最悪で死者12,000人、建物の全壊数は165,000棟。避難者数は阪神間を中心に40万人に上る。

 調査では、塩尾寺断層の下にも断層が推定され、一連の総落差は100メートル以上あることが分かった。塩尾寺単独でも約45メートルあった。

 塩尾寺断層の底面は9万年前の地層であることから、千年平均で0.5メートルずれていることが明らかになった。

 県は本年度、六甲断層以西の淡河、柏尾谷、古々山の各断層でトレンチ調査などを行う。

 岡田教授は「西方に地形的に明りょうな変位地形が続くのは六甲断層まで。それ以西は別個の系統の活断層であり、調査結果を受けての評価が必要となるだろう」とする。

 将来は慶長伏見地震で連動したとされる六甲・淡路島断層帯の調査を進めていく方針だ。


有馬―高槻断層帯 将来の地震はM7.5前後

 有馬―高槻断層帯については、政府の地震調査研究推進本部が2001年、宝塚市(厳密には清荒神断層)以東の東部区間について長期評価を公表している。それによると平均活動間隔は1000〜2000年で、過去3000年に3回活動。1回のずれの量は3メートルとした。

 地震発生確率は今後30年以内がほぼ0〜0.02%、50年以内はほぼ0〜0.04%、100年以内がほぼ0〜0.2%、300年以内がほぼ0〜9%。断層帯の長さは全体で約55キロ。東部区間は33キロ、西部は22キロ。

 一般に33キロの断層で起きる地震はM7.4、五十五キロでは7.8に相当するとされる。よって、有馬―高槻の将来の地震をM7.5±0.5と推測する。

 ただし、この評価はあくまで東部区間に限定した評価であり、宝塚市以西の西部区間は「資料が少なく判断できない」としている。

(dr)


(2004/02/13) 4プレート境に津波計などを設置

 巨大地震の震源となる海底プレートの境に直接、地震計や津波計を設置してデータを収集、分析しようと、文部科学省所管の「海洋科学技術センター」(神奈川県横須賀市)が「海底地震総合観測システム」の設置を目指しています。これまで、高知県室戸岬沖(平成9年)と、北海道十勝沖(同11年)に観測システムを設置。今後数十年以内に起こるとされる南海地震などへの対応のため、日本列島の周辺に少なくともあと3カ所設置することにしており、実現すれば日本周辺の海溝型地震を網羅する観測システムが完成する。

 観測システムは、長さ数百キロの光ファイバーケーブルを海底にのばし、途中に海底地震計や津波計を設置。また、熱流量計や圧力計、ビデオカメラや水中マイクを備えた観測ステーションも備え、巨大地震の震源域となるプレート境界の動きを総合的にとらえることができる。システムが完成すれば、最終的には、北アメリカ、ユーラシア、フィリピン海、太平洋の、日本を取り巻く四つのプレートをほぼ網羅できる。

 政府は、最低限として北海道太平洋側、東北地方太平洋側、日本海東縁部、中部・近畿地方太平洋側、室戸沖の主要5海域に観測システムを整備することを計画。

 十勝沖に設置された海底地震総合観測システムは、北海道釧路・十勝沖約100〜140キロの深海底(水深約2,000〜3,400メートル)に、海底地震計3台、津波計2台などを設置。観測データは全長約240十キロの海底ケーブルによって陸上までリアルタノムに送られ、海洋科学技術センター横浜研究所のほか、防災科学技術研究所の高感度地震観測網「Hi-Net」、気象庁にも伝送されている。

 この観測システムは昨年9月26日に発生した十勝沖地震で、海溝型巨大地震の直近観測に成功。50〜10センチの海底面の上昇が観測されるなど、世界で初めて巨大地震で震源直上の地殻変動を捕らえた。

 地震の解析では、震源に近い場所のデータが重要視されるため、海底面の地殻変動を捕らえた今回の十勝沖地震のデータを世界中の科学者が分析中という。海洋科学技術センター深海研究部の三ケ田均・主幹は「断層直近で得られたデータは、プレート境界で起きた詳細な断層運動の解明に結びつく」と力説する。

 今後30年以内に40%の確率で発生するといわれる、東南海・南海地震への対応が急務となっていることから、次は中部・近畿地方太平洋側(紀伊半島沖)への整備が最優先課題とされている。三ケ国主幹は「東南海・南海地震の際に、きちんとしたデータを取っておけば、今後の海溝型地震の前兆現象の検知などにも利用できる。同観測システムはさまざまな可能性を秘めている」と話している。

(pl)


(2004/01/20) 耐震基準以下のビル 自治体に改修勧告権

 国土交通省は18日までに、建築基準法の耐震基準や防火基準などを満たしていないビル、マンションなどを対象に、地方自治体が立ち人リ検査し改修を勧告できる制度を創設する方針を固めた。2月の社会資本整備審議会の答申を受けて、通常国会に建築基準法改正案を提出する。

 勧告制度の対象になるのは、耐震、防火、避難、衛生などの基準を満たしていない延べ床面積100平方メートル以上の建築物。1戸建ての住宅や事務所は対象外とする。

 阪神・淡路大震災級の大規模地震に備えて建築物の耐震性を強化するほか、2001年9月の東京・新宿の歌舞伎町ビル火災などで社会問題となった小規模ビルの安全性を高めるのが狙い。

 例えば、現行の耐震基準が適用されない1981年以前の建築物でも、安全性の定期報告を怠るなど危険が疑われる場合は、自治体が立ち入り検査できる。実際に危険性があると判断した場合は改修を勧告し、所有着や管理者が勧告に従わなければ、自治体は強制力のある改善命令を出すことができる。

 ビルの所有者などの法人が基準に違反した場合、現在の個人と同額の罰金(50万円以下)では是正する効果が小さいことから、10倍以上に増額する方針。

 また、耐震改修工事を進めるため、建物全体の改修計画を示せば、段階的に工事を実施できるようにする。これまでは基準を満たしていない建築物を増改築する場合、建物全体を一括して改修する必要があった。

(la)


(2004/01/13) 「丁目」ごとに危険度 兵庫県が地震災害予測地図検討

 大地震が起きた際の地域の危険性を一目で分かるようにするため、兵庫県は、住宅密集地で住所表記の「丁目」ごとに、老朽家屋の密集度合いや地盤の強弱、広い道路の整備率などを示す地震ハザードマップ(災害予測地図)の作製に向けて検討を始めた。住民に危機感を持ってもらい、県内で一向に進まない住宅の耐震改修など防災対策を促すことが狙いで、2004年度にも作製したい考え。

 兵庫県は各市町の協力を得ながら、耐震基準が強化された1981年以前の建物の割合や道路整備率などを調べるほか、過去に公共施設が建設された際のボーリング調査結果を活用、地盤データの算出も検討している。

 マップは、それらに基づき危険度を丁目ごとに色分けするなどし、揺れによる被害に加え、火災が発生した際の被害も想定できるという。今後、対象地域や公表の方法を含め議論を進める。

 こうした情報は、従来なら「地価が下がる」などの反発もあったが、兵庫県は「南海地震などの発生が予想され、生命の安全が第一。社会の流れは、危険度の情報も出すべきだという方向に変わってきている」と指摘する。

 同種のマップは、横浜市が2001年に公表したところ、耐震改修の補助制度の申請件数が約2倍に増えたという。県内では、神戸市が内閣府の地震ハザードマップづくり事業のモデル地区指定を目指している。

(mv)


(2004/01/12) 政府地震調査委員会が強震動評価を順次公表

 政府の地震調査委員会は、全国の活断層のうち、マグニチュード(M)7クラス以上の地震を起こす可能性がある主要な98断層帯と海溝型地震について、地震の発生確率や規模の評価と、どれくらいの揺れがあるかを予測した強震動評価を順次公表している。

 政府は30年以内の発生確率が3%以上を「確率が高いグループ」と分類。阪神・淡路大震災(M7.3)を起こした野島断層を同じ基準で評価すると、発生前の段階で最大8%となり「高いグループ」は同レベルの切迫度があることになる。

 これまで発生確率の評価が公表されたのは44断層帯。うち今回の調査対象になった5断層帯については「高いグループ」として、先行して強震動評価が公表された。

 五断層帯の発生確率は最大で5〜14%で規模はM6.5〜8。断層近くで震度6強以上の揺れが予測されている。海溝型地震は、繰り返し期間が数十〜数百年と短い。このため宮城県沖地震の発生確率(30年以内)が99%となるなど高い結果となっている。

(jo)


(2004/01/11) 活断層評価 震度6強発生予測 自治体7割周知せず

 政府の地震調査委員会が進めている全国の活断層評価で、地震発生の際に震度6強以上の強い揺れが広範囲で予測された自治体のうち、約7割が住民にこれらの結果を周知していないなど、対策が進んでいない実態が共同通信杜の調査で10日、明らかになった。

 理由として多くが財政難を挙げ、中には「不安をあおリたくない」との理由で周知しない方針を示した自治体もあった。活断層評価は阪神・淡路大震災の教訓から、住民に地域の危険度を知ってもらい、防災対策に生かしてもらうのが目的。それだけに、肝心の自治体側の対応遅れには批判も出そうだ。

 対象は、30年以内の地震発生確率が14%と評価された糸魚川ー静岡構造線断層帯中部(長野県)など、確率が高いグループに属する五つの断層帯周辺の自治体のうち、震度6強以上の揺れが広い範囲で想定されると評価された40自治体。

 昨年11月までに、揺れの程度を示す強震動評価の結果が公表されており、避難施設の耐震化などの取リ組みを聞いた。強震動評価の結果を、広報誌や説明会で住民に周知しているのは、約3割の13自治体にとどまった。残りの27自治体は「これから検討」と回答するなど、取リ組みの遅れが目立った。

 ただ、周知の有無はそれぞれの断層帯ごとにばらつきがあった。避難場所に指定されている公民館や学校などの耐震化が完了したのは1割弱の3自治体。「老朽化した建物から進めている」などが27あったが、手を付けておらず耐震診断の計画すらない所や、防災担当者が実態を把握していないと回答した自治体が10あった。

 個人住宅の耐震化について、診断などに補助金を出している自治体は1割。住民に耐震化の必要性の周知を図っている所は約2割だった。

 対策が進まない理由として「役場の人手不足」(長野県小谷村)などのほか、「確率の数字が小さく切迫性を感じない」「何をすればいいのか分からない」などの意見や「水害対策の方が切実で地震まで手が回らない」(熊本県豊野町)などの意見もあった。調査委事務局である文部科学省地震・防災研究課は「各自治体で工夫して対策を進めてほしい」としている。

(uq)


(2004/01/09) 大津波の避難先にホテルの活用検討

 今世紀前半の発生が懸念される南海地震に備え、兵庫県三原郡南淡町が、被災者が出た場合の受け入れを町内の宿泊施設に打診していることが、7日までに分かった。

 兵庫県防災企画課によると、実現すれば県内で初めての試み。同町は地震で6メートル近い大津波が押し寄せ、市街地の福良地区では約2千世帯が浸水するとされる。住民の生命にかかわる緊急課題だけに、同町は3月末までの協定締結を目指している。

 ホテルニューアワジプラザ淡路島、南淡路ロイヤルホテル、休暇村南淡路、国立淡路青年の家、の4施設で、宿泊定員は合わせて約1,680人となる。いずれも食堂や大浴場などを備えている。

 阪神・淡路大震災では、被災地で仮設住宅の確保に手間取り、淡路では観光客が島から遠のいて宿泊客のキャンセルが相次いだ。同町はこうした教訓を踏まえて昨年末、施設の代表らを集めて会合を開催。建物が被災しなかった場合、宿泊客を送り出した後に協力する方向でおおむね合意したという。

 同町は受け入れ期間、人数など条件面を各施設と協議中。ただ、宿泊料金は災害救助法の国庫補助対象になっていないため、どのような形で同町が経費を負担するのかが課題となる。  森紘一町長は「南海地震で家屋倒壊などの被害が広範囲に及べば、避難所や仮設住宅だけでは間に合わない。地元の宿泊施設は力強い存在になるはずで、県や国に補助制度が受けられるよう働き掛けたい」と話している。

(tr)


  
ymat