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地震予知と対策
(2017年1月1日〜       日)

 



(2018/04/24) 南海トラフ東海地震 連動地震警戒で西側7県援助隊出さず 

 南海トラフ沿いの巨大地震について、総務省消防庁は、想定震源域の東側の東海地震が起きた場合、西側にあたる和歌山や高知など7県からは、救助などを応援する緊急消防援助隊を原則として出動させないことを決めた。過去に東側で巨大地震が起きた直後、西側でも発生した例があり、西側での地元の救助態勢が手薄になる司能性を考慮した。

 援助隊は普段、市町村などの消防隊員として活動している。大災害が発生すると、消防庁長官の要請や指示により、特殊な機材や機器を持って被災地に駆けつける。2011年の東日本大震災では、発生から約3か月間で延べ11万人が出動、約5000人を救助した。2017年の九州北部豪雨などでも出動している。

 静岡県から九州の太平洋側に延びる南海トラフ沿いの巨大地震は100〜150年間隔で繰り返し起こってきた。震源域全体で起こるほかに、東側で東海地震などが発生した後、時間をおいて西側が連動した例が知られている。160年前に起きたケースでは、時間差は32時間だった。

 消防庁が2005年に作成した援助隊の行動計画では、東海地震の被災地に、7県を含む最大40都道府県から援助隊を派遣する計画だった。だが四国など南海トラフ西側の地域は、援助隊を派遣した後、地元が巨大地震に見舞われる司能性があり、救助や消火活動が手薄になる恐れがあるため、昨年秋以降、行動計画の全面的な見直しを進めてきた。

 新たな行動計画では、和歌山、高知、徳島、愛媛、香川、大分、宮崎の7県からは援助隊の出動はせず、東海地震で被災が予想される山梨、静岡、愛知、三重の4県には最大36都道府県から援助隊を出動することにした。震源域の西側で先に地震が起きた場合は、被害状況をみて東側から出動するかどうかを検討する。

 また、各都道府県の援助隊は、主に被災地からの距離で第1次から第3次までに区分。被害の大きさに応じ、段階的に出動する。今回の見直しにより、最も出動が遅いグループだった北海道や東北地方の出動を早め、第2次グルーブとした。




(2018/04/17) 「南海トラフ」前兆に対応指針 国、策定へ作業部会

 南海トラフ巨大地震の前兆となり得る現象が起きた場合に、自治体や企業がどう対応すべきかを検討する政府の作業部会の初会合がこのほど、内閣府で開かれた。気象庁は昨年11月から、同地震の可能性が高まった場合に臨時情報を出すことにしており、その場合の対応が主な論点になる。12月をめどに最終報告をまとめ、それを受けて国が指針を策定する見通し。

 静岡県から九州の太平洋側に延びる南海トラフでは、マグニチュード(M)8〜9級の巨大地震が今後30年以内に70〜80%の確率で起きると想定されている。

 気象庁は昨年11月1日から、想定震源域で地震につながる恐れのある異常現象を観測した場合に「3日以内の(大規模地震発生の)可能性がより高い」などの臨時情報を発表する運用を始めた。しかし、情報が出た後に自治体や住民、企業などが具体的にどう行動するかの指針がないため、自治体などから戸惑いの声が上がっていた。

 委員は大学教授や経済団体関係者、静岡、高知両県知事ら19人。今後、地域ごとの被害の程度を考慮した上で、臨時情報が出た際の避難勧告の基準や高齢者らの支援方法、企業の対応などを議論する。

 初会合では、@想定震源域の東西どちらか片方で大規模地震が発生A前震の可能性がある比較的大きな地震が発生B前兆となり得る地盤の伸縮などの三つのケースを中心に対応することが決まった。

 主査を務める福和伸夫・名古屋大教授(地震工学)は終了後、「被害が最も減る形を作るため、知恵を集めたい」と述べた。

臨時情報
南海トラフ巨大地震の想定震源域で、@M7以上の地震が発生AM6か震度5弱以上の地震と地盤の伸縮を両方観測などの場合に、気象庁が発表する「南海トラフ地震に関達する情報(臨時)」。観測から約30分後に第1報、約2時間後に第2報を出すことを想定している。




(2018/04/14) 津波警報 観測網を拡充

 2011年の東日本大震災(マグニチュード=M9.0)では、気象庁が地震発生3分後に出した津波警報(第1報)が過小評価だったことが、避難の遅れにつながったと指摘されている。気象庁は当初、宮城県の津波の高さは6メートル、岩手・福島両県は3メートルと予想したが、実際に沿岸を襲った津波は10メートル以上に達した所もあった。

 現状では、M8を超える巨大地震の場合、津波の高さを短時間で正確に予想するのは難しい。このため気象庁は2013年3月、津波警報の発表方法を改善した。M8超の巨大地震の場合、第1報では津波の高さの数値は示さず、大津波警報なら「巨大」、津波警報なら「高い」という言葉で表現する方法に変更した。

 精度の高い津波警報を発表するために、観測網の整備も進んでいる。東日本大震災の震源域を含む北海道〜千葉県沖には、大震災後、総延長5700キロメートルの地震津波観測網「S-net」が整備された。南海トラフ地震に備えて整備された紀伊半島沖や四国沖の観測網「DONET」とあわせて、津波警報の発表に活用されている。こうした観測網の充実により、沖合での津波の検知は最大約25分早まっ.たという。




(2018/04/04) 南海トラフの前兆 気象庁、近畿・四国に監視拡大

 南海トラフ地震の発生に備え、気象庁は前兆となる地下プレート(岩板)境界の異常な「滑り」の観測を強化することになった。想定震源域の東側だけで実施している常時監視の対象を、西側の近畿や四国まで拡大するための調査を今年度から始める。

 南海トラフでは、海側のプレートが陸側のプレートの下に年間数センチずつ沈み込み、その境界では、現在、ひずみがたまっている。ひずみが限界に達して一気に解放される際に地震が発生するが、その前に、プレート境界が徐々に滑り始める可能性が指摘されている。

 政府の作業部会は昨年9月に南海トラフ地震の防災対応に関する報告書を公表。これまでにない滑りが確認された場合、地震発生の可能性が通常より高まっていると評価できるとした。

 南海トラフ付近では、東海地震や東南海地震、南海地震が繰り返し発生。このうち発生が近いと指摘されてきた東海地震について
は、気象庁と静岡県が1970年代から静岡、愛知県などの27か所にひずみ計を設置してきた。

 ひずみ計は、地下数百メートルに設置し、周囲の岩盤のわずかな伸び縮みを感知することで、プレート境界の滑りを検出する。データは気象庁が24時間態勢で監視しているが、近畿や四国ではこうした態勢はなかった。

 近畿や四国には、産業技術総合研究所が設置したひずみ計が15個あるが、どのようなデータが観測されれば異常な滑りが起きたかを判断する基準などはない。そこで気象庁は、1個1個のひずみ計についてデータを細かく分析し、常時監視に活用することを目指す。





(2018/03/27) 中央防災会議 富士山降灰対策検討へ

 富士山(静岡・山梨県境、3776メートル)が噴火し、大量の火山灰が首都圏に降る事態に備え、政府の中央防災会議が住民避難などに関する本格的な検討に初めて乗り出す。降灰の範囲や量を予測し発表する方法や、避難の目安となる降灰量の基準作りなどを今夏から議論する。

 富士山は現在の姿になった約3200年前以降、計7回、大規模な噴火を起こしたとされる。うち1707年に南東側の山腹で起きた「宝永噴火」では、噴煙の高さが約2万メートルに達し、周辺での降灰が3メートルを超えた。現在の横浜市や相模原市など神奈川県東部で10センチ超、都心付近でも約センチ積もったとの記録が残る。

 現代の都市に大量の火山灰が降ると、送電設備に付着して雨でショートし、大規模停電となるおそれがある。鉄道や航空機、車両の運行も因難になるため、.都市機能がマヒする可能性が高い。灰の重みによる家屋倒壊も発生し、上下水道も長期間使えなくなるため、
住民の避難が必要となる。

 気象庁は現在、桜島(鹿児島県)や新燃岳(宮崎、鹿児島県)などで降灰予報を出しているが、予測が1ミリ以上の場合に外出や車の運転を控えるよう促す程度で、宝永噴火のような避難が必要となる大量降灰は想定していない。内閣府や周辺の4都県などの自治体でつくる協議会が作成した、「富士山火山防災マップ」は、噴石や溶岩流、火砕流などの影響を受ける範囲を図示し、噴火時の避難を呼びかけているが、降灰時の避難は盛り込んでいない。

 今夏に始まる検討では、火山学者や首都圏の自治体関係者らに参加を呼びかけ、降灰予測の方法や予測情報の運用、国の各機関が行う対策などを議論し、避難の目安となる噴火規模や降灰予測をまとめる。政府が2018年度予算案に計上した「火山災告対策推進費」約1億8300万円の一部を充てる。結果は他の火山の対策にも活用する。

 火山噴火予知連絡会前会長の藤井敏嗣・東大名誉教授は「100年以上静穏だった火山が活動を再開すると、数年で大規模な噴火に至る例が目立つ。富士山はすでに300年以上眠っている。早く対策を具体化すべきだ」と話している。





(2018/03/22) 緊急地震速報、広範囲に…震源遠くても精度高く

 東日本大震災の際に関東などで速報を出せなかった反省を踏まえ、震源からの距離に関係なく各地の震度計などがとらえた実際の揺れを基に、さらに遠くへ揺れが到達する前に速報を出す。南海トラフ地震のような巨大地震の際に従来より広範囲で速報を出せるという。

 同庁によると、これまでは地震発生の際、小刻みに高速で伝わる「初期微動(P波)」の観測値からまず震源と規模を推定。その後に遅れて届く大きな「主要動(S波)」の震度を予測し、震度4以上の揺れが予想される地域に速報を出してきた。しかし、巨大地震では、震源の地下の岩盤の割れが広がり、震源域そのものが拡大していく。そのため、最初に推定した震源から揺れを予測する従来の手法では、距離が遠くなるほど震度が過小評価されてしまう欠点があった。

 東日本大震災の場合、揺れが始まった三陸沖を震源と判断し、東北地方の5県に限定して速報を発表した。しかし、実際は震源域が茨城県沖まで南北約500キロにわたって広がっており、速報が出なかった関東甲信や北海道など15都道県でも震度4以上(最大震度6強)を観測していた。

 この反省を踏まえ同庁が開発した手法は「PLUMプラム法」と呼ばれ、従来のようにまず初期微動から震源と規模を推定して各地の震度を予測するのではなく、全国で約1500か所にある地震計や震度計で観測した実際の揺れそのものを基にして、周辺地域に揺れが到達する前に震度を予測する。最初に推定した震源からの距離とは関係なく予測できるため、震源域が拡大するような大規模な地震でも遠方の予測精度が高まる。気象庁が東日本大震災をモデルにシミュレーションしたところ、関東などでも強い揺れを予測できたという。

 PLUM法は22日正午から運用を開始しており、従来の手法と併用する。P波を観測して震源近くに最初の速報を発表した後、PLUM法による予測震度に基づいて第2報、第3報の速報を震源から離れた地域に出すケースもあり得るという。

 同庁の束田進也・地震津波防災対策室長は「特にマグニチュード8以上の巨大地震で予測精度が高まるはず」としている。

◆緊急地震速報

 地震の震源と大きさを推定し、各地の震度を予測するシステム。最大震度5弱以上が予測される地震の場合、震度4以上が見込まれる地域の携帯電話などに自動的に発信される。2007年10月1日に運用を開始し、2017年12月末までに震度5弱以上を観測した177回の地震のうち、101回で速報が出た。





(2018/03/17) 津波被害「丁目」で想定 兵庫県立大学が災害弱者割合を分析

 兵庫県立大の研究チームが、南海トラフ巨大地震の津波被害を受ける地域について、「1丁目」や「小字」といった単位で地区内の人口や、その中に占める災害弱者の割合を分析し、公表した。身近な被害想定を知り、危険を「わがこと」と感じてもらうのが狙いだ。同チームは「日頃からの備えを考える一助にしてほしい」としている。

 チームは県立大大学院応用情報科学研究科の有馬昌宏教授(社会工学)と、研究室の院生ら。有馬教授によると、様々な地震による津波浸水想定区域は20府県が公表しているが、地区単位で詳細な分析を行った事例は多くないという。

 また、自治体のデータは、検索が煩雑だったり、見方がわかりにくかったりと、広く利用されているとは言えず、「もったいない状態」(有馬教授)になっていた。

 そこで研究チームは、南海トラフ巨大地震の津波による浸水想定区域の地図と2015年国勢調査を基に、被害の想定される近畿、四国の四国の1府5県、118市区町村の浸水深度を「丁目」「小字」単位で分析。区域内の人口や、災害弱者になりうる9歳以下と65歳以上の人の割合を算出した。

 公表データによると、県内で、歩行が難しく、大きな被害も予想される浸水30センチ以上の人口は18万8345人。神戸市から尼崎市にかけての沿岸4市で、浸水想定区域に1000人以上が居住しているのは35地区となっている。


 例えば「西宮市上田中町」では、浸水1メートル以上2メートル未満に住民の9割(2705人)が居住しており、うち3割超が災害弱者になりうると推計されている。

 データは今後、2016年度に研究室で開発した自分の居場所などの災害情報や避難場所が分かるアプリ「ハザードチェッカ一」と連動させる予定。有馬教授は「普段生活している場所で、どんな避難が可能かを考えてほしい」と話す。

 浸水想定区域の人ロデータやアプリの利用は無料。ハザードチェッカーにつながるQRコードは下記の通り。





(2018/03/16) 南海トラフ地震の備え講演

 関西プレスクラブの定例会が14日、大阪市内で開かれ、愛知工業大学地域防災研究センター長の横田崇教授が「どう備える南海トラフ地震〜新惰報と社会対応」と題して講演した。

 近い将来の発生が懸念される南海トラフ地震。被災後にどのように生活していくかあらかじめ家族や地域で計画を作っておくことが効果的と紹介した。「地震が起きたときの身の守り方や、ばらばらになった時の連絡方法などは、家族で共有しておく必要がある」と話した。

 また、南海トラフ沿いで巨大地震の可能性が高まったと判断される場合、気象庁が注意を促す情報を出すという新制度が昨年11月に始まったことを受け、「あいまいな情報になるかもしれないが、その情報をうまく使い、被害軽減につなげることが重要だ」と語った。



(2018/02/24) 南海トラフの巨大地震 被害を減らす対策が必要

 内閣府の予測によると、南海トラフの巨大地震で大阪府と兵庫県の平野部にある超高層オフィスビルやマンションの最上階は1〜2メートルほど揺れるという。「ダンパー」の導入も進むが完全ではなく、被害を滅らす対策が不可欠だ。

 まず必要なのは、家具や、キヤスターの付いた事務機器の固定だ。ビルの傾きが設計上の想定より大きくなれば、霞気や水道などの配管が破損する恐れがあるため、自家発電設傭や飲料水の備蓄なども求められる。

 エレベーターが長期間止まる事態に傭え、点検・復旧ができる技術者を養成しておけば、被害が小さい時には早く使えるようになる。階段の上を滑らせて階下に移動できる特殊な椅子「イーバックチェア」はけが人の搬送に役立つ。

 名古屋大学減災連携研究センター長の福和教授は「下層階はほとんど揺れないので、マンションの住民同士で助け合える関係作りも大切です」と指摘する。

 「イーバックチェア」は耳慣れない用語ですが、下記のURLをご覧下さい。動画で詳しく説明されています。
 
 http://www.kohkenmed.co.jp/seihin/syousai.php?id=138




(2018/02/10) 南海トラフ確率上昇 30年内に70〜80%に

 政府の地震調査委員会(委員長=平田直・東京大教授)は9日、静岡県から九州の太平洋側に延びる南海トラフで今後30年以内にマグニチュード(M)8〜9級の巨大地震が発生する確率を「70〜80%」に引き上げたと発表した。

 調査委は、毎年1月1日現在の発生確率を計算して公表している。時間の経過に伴い、2014年に発表した「70%程度」から確率が高まった。2013年までは「60〜70%」だった。


 今後10年以内の発生確率もこれまでの「20〜30%」から「30%程度」に引き上げた。50年以内の確率は「90%程度、もしくはそれ以上」に据え置いた。

 南海トラフでは、おおむね100〜150年おきにM8級の海溝型地震が発生してきた。地震は様々なパターンで起きることなどを考慮し、調査委は平均発生間隔を88.22年と仮定している。今のところ最後の南海トラフ地震は1944年の「昭和東南海地震(M7.9)」、1946年の「昭和南海地震(M8.00)」で、既に70年以上が経過した。

 北海道太平洋側の千島海溝沿いのうち、根室沖でM7.8〜8.5程度の地震が30年以内に起きる確率も「70%程度」から「80%程度」に引き上げた。

 平田委員長は記者会見で
30年以内というのは、30年後という意昧ではなく、あす起きる可能性もある次の地震が迫っていることを忘れないでほしい」と述べた。