地震予知と対策
(2015年1月1日〜      )

 




(2016/11/02) 南海トラフ 情報発信 大地震想定で政府調査部会

 南海トラフ大地震の予測可能性を検討する政府の調査部会は1日、正確な地震予測は困難としたうえで、大地震につながる想定を4通りに分けて情報発信する報告書案をおおむね了承した。

 想定では@南海トラフの東側で大地震が発生A前震と考えられる大地震が発生B東日本大震災前に観測されたような現象を複数観測Cプレート(岩板)間で異常な溜りが見られるの4通りに分類。@、Aのように想定震源域で先行し大きな地震が発生した場合、連動して西側やその他の地域で大規模な地震が起こる可能性を「3日間の地震発生頻度は約400倍」などと、過去の事例から倍率を示して警戒を呼びかけることを検討。B、Cのように異常データを観測しただけの場合は、倍率を示すことが困難なため、「危険性が普段より高まっていると考えられる」といった表現にとどめる。

 報告書案は、月内にも政府の作業部会に諮った上で、東海地震の予知を前提に被害軽減を目指す大規模地震対策特別措置法(大震法)の見直し議論に生かされるという。



(ra)


(2016/11/01) 満月や新月が大地震に影響?

 巨大地震は満月や新月の前後に起きやすいという説を、東京大学の井出哲教授(地震物理学)らの研究チームが英科学誌「ネイチャー・ジオサイェンス」で発表した。月や太陽の引力が地下の岩盤に影響すると考えられるという。

 チームは、1976〜2015年に起きたマグニチュード(M)5.5以上の地震11,397件を分析。発生前2週間の太陽と月、地球の位置関係や、潮位を調べ、地下にかかる力の変化を計算した。

 その結果、2011年の東日本大震災や2010年のチリ地震、2004年のスマトラ島沖地震など、M8〜9級の巨大地震は、地下にかかる力が大きい時期に起きるケースが統計的に多いことがわかった。

 満月や新月では、地球と月、太陽が一直線に並び、月や太陽から地球にかかる引力が大きくなる。井出教授は「引力は、大地震を直接引き起こすほどは欠きくないが、地下深くで起こるわずかな動きなどに影響し、大地震を起こりやすくしている可能性がある」と話している。

(as)


(2016/10/29) 鳥取地震 東日本大震災が誘発?  

 鳥取県中部で震度6弱を観測した地震の震源域では2011年の東日本大震災以降、地震を引き起こす「ひずみ」の蓄積が早まっていたことが、京都大学防災研究所の西村卓也准教授(測地学)の研究で分かった。西村准教授は「東日本大震災が、今回の地震の引き金になった可能性がある」としている。

 日本周辺では、海のプレート(巨大な岩板)と陸のプレートが押し合っており、陸のプレート内ではひずみが蓄積している。ひずみが限界に達すると断層がずれ動き、内陸型地震が起きるとされる。

 西村准教授は、国土地理院が全国約1300か所に設置する全地球測位システム(GPS)の観測データから、山陰地方が、ひずみが蓄積する領域が集まる「ひずみ集中帯」の一つであることを確認していた。

 西村准教授によると、東北地方の地盤は西に年2〜3センチ動いていたのが、東日本大震災で東に年10センチ動くようになった。それにあわせて北陸から山陰にかけての地盤も東に動く力が強まったという。鳥取中部の地震の震源域でも年に年3〜4ミリ動いていたのが、震災後に東に年5〜6ミリ動くようになり、ひずみが蓄積するスピードが以前より増していたという。

 西村准教授は「ひずみの蓄積は全て解消されていない恐れがあり、今回の震源域周辺ではいつ地震が起こっでもおかしくない。引き続き注意して観測を続けていきたい」と話した。

(wx)


(2016/06/25) 南海トラフ、M9級の恐れ 断層30〜50メートルずれる可能性

大阪大学の広野哲朗准教授(地震断層学)らの研究チームは、巨大地震が起きる恐れがある和歌山県沖の南海トラフを掘削調査し、断層が約30〜50メートルずれる可能性があるとの研究成果をまとめた。

 海底下から採取した地層の成分などをもとに断層がずれる量を推定、マグニチュード9級の地震が起きる可能性があることを改めて示した。

 南海トラフは静岡県沖から四国沖にかけて延びる海底の溝。海のプレート(岩板)が陸のプレートの下に沈み込んでひずみがたまり、耐えきれなくなるとプレート境界がすべって地震が起きる。

 チームは、海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」で、南海トラフ地震の震源域とされる和歌山県沖約10キロメートル地点の断層の一部を採取した。岩石の成分や摩擦係数などから断層が動く量を推定した結果、約30〜50メートルずれる可能性があることが分かった。

(as)


(2016/05/28) 宮城県沖地震の間隔短縮か 平均37年が次は半分以下?

 約37年おきに繰り返し発生してきた宮城県沖地震が次に起こるまでの間隔が、2011年の東日本大震災の影響で短くなる可能性があるとの解析結果を、海洋研究開発機構の研究チームが発表した。

 宮城県沖地震は、プレート境界で岩盤が動いて発生するマグニチュード(M)7級の地震。最近では1978年に起き、2011年には宮城県沖地震の震源域を含む形で東日本大震災が起きた。政府の地震調査委員会は震災以前、平均発生間隔は37.1年で、30年以内に発生する確率を99%としていた。しかし震災以降は、「地震で岩盤が動いた影響を把握しきれない」とLて発生間隔や発生確率は、「不明」となっている。

 研究チームの中田令子特任技術研究員(地震学)らは、過去の宮城県沖地震の震源域や周辺のプレートの滑りやすざなどを基に、次に地震が起こるまでの様々なケースをスーパーコンピューターで計算。その結果、多くのケースで、次の地震までの間隔が震災前の半分以下に短縮されたという。

 震災の際に大きく動いた岩盤は動かなくなる一方、あまり動かなかった場所はゆっくり動き続けている。宮城県沖地震の震源域は、その境目付近に位置しており、こうした動きの差によるひずみが以前よりたまりやすくなったとみられる。

 東北大の松沢犠教授(地震学)の話
 「シミュレーション(模擬実験)なので不確定要素はあるが、M7級の地震の発生確率は決して低くないことを示す研究成果と言える」

(fk)


(2015/06/03) 兵庫県の津波防災インフラ整備計画 浸水面積を8割縮減

 兵庫県は、マグニチュード(M)9.1の南海トラフ巨大地震による津波を想定した「津波防災インフラ整備計画」を公表した。平成40年度までに約620億円を投じて防潮堤の沈下対策などを行う計画で、津波の浸水面積を従来の想定から約8割縮減する効果があるとしている。

 県は平成26年2月までに、県全域の津波浸水想定図を公表。同年3月には「津波防災インフラ整備5箇年計画」(暫定版II)をつくり、水門の整備などを進めるとしたが、地震による液状化で防潮堤などが沈下する被害への対策は盛り込まれていなかった。

 整備計画には新たに沈下対策と防潮水門の耐震対策を盛り込み、事業費も従来の約520億円から約100億円増額した。

 計画によると、沈下被害が大きい恐れのある尼崎、西宮、洲本、姫路4市の防潮堤や河川堤防の計5.3キロで、約240億円を計上し、セメントで地盤を固める対策を実施。また、西宮、芦屋、赤穂市などの防潮水門18基では、津波発生時の機能維持のため約30億円で耐震対策を進める。

 津波対策後は阪神、播磨、淡路の各地域の防潮堤より内陸側への浸水面積を4019ヘクタールから639ヘクタールに縮減。南あわじ市の一部などを除き、津波の深さを避難が可能な30センチ未満に低減できるとしている。

 県技術企画課は「実際の災害では浸水域や津波の深さが拡大する場合がある。対策工事終了には時間がかかるので、避難には従来の津波の想定図を見てほしい」としている。

 なお、阪神地区の対策前と対策後の被害状況は こちら をご覧下さい。

MAT : この対策工事が完成すれば芦屋地区は一部を除いて津波被害は一応大幅に減少することになるが、東日本大震災のように想定外の自然の猛威に襲われた場合はどうなるかは予測し難い。

(jf)


(2015/05/31) 「噴火発生せず」も火山活動高まり続く 地震計増設で観測強化

 鹿児島県の口永良部島・新岳(626メートル)の爆発的噴火で、気象庁は31日、火山活動は高まった状態が続いていると発表した。連続噴火は収まったままだが、規模の大きな噴火が発生する恐れがあり、6月1日からは地震計を新たに増設するという。

 この日は、山頂付近は雲に覆われ、噴煙などは確認できなかったという。爆発的噴火に伴う連続噴火は30日に止まったが、気象庁は「(31日も)震動データなどから噴火は発生していないと考えられる」とした。

 一方、新設する地震計は島の北部の火口から直線で約4キロ離れたヘリポートに設置する。火口からは遠いが、今後の噴火で破損する恐れがある上に、設置作業も危険が伴うことから万一の場合はすぐに避難できるヘリポートを選定したという。

 この増設で、気象庁の観測地点は4地点になる。



(2015/05/31) 噴火の停止状態継続か 引き続き警戒

 気象庁は31日、噴火警戒レベルが最高の5(避難)となっている鹿児島県の口永良部島(くちのえらぶじま)・新岳(しんだけ)で、噴火が停止した状態が続いているとみられると発表した。

 火山性地震は、マグマ水蒸気噴火が発生した29日は198回で、午後1時ごろから減少傾向となった。30日は5回、31日は午前9時までに4回となっている。

 ただ、火山噴火予知連絡会は30日の記者会見で、火山活動が長期化する恐れがあるとした上で「次の噴火に向けて異常現象がいつ起こるか分からない」と指摘。

 気象庁も、爆発力が強く、規模が大きい29日と同程度の噴火が今後も起きる可能性があるとして、引き続き厳重な警戒を呼び掛けている。雨が降った場合は、土石流が発生する恐れもあるとしている。

(pl)


(2015/05/31) 気象庁、「マグマ水蒸気噴火」と断定、新しい溶岩片含まれる

 鹿児島県屋久島町の口永良部(くちのえらぶ)島・新岳(しんだけ、626メートル)の爆発的噴火について、気象庁は30日、マグマが直接地下水に接触して爆発する「マグマ水蒸気噴火」と考えられると発表した。今後も同程度の爆発が起きる恐れもあるとし、厳重警戒を呼びかけている。

 気象庁によると、今回の噴火では火口から噴煙が9000メートル以上まで上り、大きな噴石も火口周辺に飛散。火砕流の一部が海岸まで達し、昨年8月の噴火を超える規模だった。

 火山灰には、新しいマグマと考えられる溶岩片が含まれ、マグマ水蒸気噴火だったと断定した。

(rt)


(2015/04/26) 政府調査委、活断層地震 30年以内発生確率の評価結果を公表

 政府の地震調査委員会は24日、関東などの活断層で「マグニチユード(M)6.8以上の地震が起きる確率を地域別にまとめた新たな評価結果を公表した。30年以内の地震発生確率は長野県の一部で30〜40%、神奈川県など関東南部で15〜20%と高い。長野などを含む関東全域のどこかで活断層地震が起きる確率は50〜60%と算出し、自治体の防災対策への活用を求めた。

 長野、山梨、静岡各県の一部を含む関東の活断層について、地震の規模や発生間隔などを最新の調査結果に基づき改めて評価。追加した9断層を含む計24断層の地震発生確率を個別に計算した。その上で関東を地質構造に基づき6地域に分け、区域ごとにM6.8以上の活断層地震が30年以内に起きる確率を求めた。

 長野から山梨にかけて南北に延びる活断層「糸魚川ー静岡構造線断層帯」の確率は従来の最大14%から、全国の活断層で最高の同30%に上昇。このため同断層帯を含む帯状の区域の確率は、関東で最も高い30〜40%になった。

 次いで確率が高いのは、活断層が多い神奈川のほか静岡、山梨、房総半島南部を含む区域で15〜20%。栃木、茨城など関東北部は4〜5%、長野県北部、伊豆半島はいずれも2〜3%、埼玉、東京、千葉などの首都圏は1〜3%だった。

 関東全域の確率は九州全域の30〜40%を上回った。本蔵義守委員長は「50%という確率は非常に高く、大きな注意を払う必要がある。活断層を見落としている可能性もあり、確率が低い地域も安全というわけではない」としている。

 調査委は阪神・淡路大震災を教訓に、M7以上の地震を起こす長さ20キロ以上の全国の主な活断層について確率を個別に計算してきたが、想定外の場所で直下型地震が近年、相次いでいる。

 このため評価対象を長さ十数キロの活断層や、活動度が低い断層にも拡大。沿岸部や地下に隠れている断層も考慮した上で、地域単位で確率を計算する手法を導入した。関東の地域評価は平成25年の九州に続く第2弾で、今後は中国地方など全国で順次進める。

(ue)


(2015/04/10) 南海トラフに備え発生1週間後まで時系列で兵庫県職員行動シナリオ策定

 兵庫県は、将来の発生が想定される南海トラフ巨大地震に備え、地震発生から1週間後までの県職員の行動シナリオを策定した。「平日の昼間」と「休日の夜間」の2パターンに分け、10業務ごとに、時系列で達成すべき目標を記載。昨年6月に公表した津波被害想定に基づき、「いつ、何をすべきか」を職員が判断する指針とした。シナリオは主に知事部局職員約7千人に配布する。時系列で行動シナリオを策定するのは、都道府県では珍しいという。

 行動シナリオは、津波の到達段階に応じ、「津波対応」「救出・捜索」「医療」などの10業務のそれぞれで行うことを記載。淡路島に県内最初の津波が到達する地震の44分後までに避難指示などの発令を徹底、90分後には第1回災害対策本部会議を開き、それまでに医療施設や緊急輸送路の被害調査を進める、4時間後には自衛隊が活動を開始し、病院への患者搬送を始める−などとしている。

 また、平日昼間と休日夜間では県庁などへの職員の参集状況が違うことを考慮し、2種類のシナリオをつくった。

 今後、訓練などにシナリオを活用して職員の習熟を図るとともに、実践的なものに見直していく。井戸敏三知事は「災害対応に詳しい職員の経験と勘に頼っていては、その職員がいないときに組織が機能しなくなる。シナリオがあれば、いざというときに各職員が的確に行動し、力を発揮できる」と話す。

(ue)


(2015/03/10) 地震発生頻度100倍 東日本大震災後、東北・関東の一部 

 東北や関東地方で、最近2年間の地震活動が東日本大震災の発生前と比べて約100倍と活発になっている地域があることが、東北大災害科学国際研究所の遠田晋次教授(地震地質学)の解析で分かった。遠田教授は「大震災から4年を迎えても影響が長引いている地域がある。活動活発化による巨大地震の発生にも一層の警戒が必要」と話す。

 遠田教授は、大震災2年後の2013年3月11日から今年2月18日までに東日本の地下20キロまでで起きたマグニチュード(M)1以上の地震の発生頻度を、大震災前の10年間と比べた。余震が著しく多かった大震災直後の2年間は除いた。

 発生頻度が約100倍となっているのは、福島県・浜通り、千葉県・銚子、岩手県・久慈などの一帯。いずれも以前は地震が比較的少なかった地域だが、大震災に伴う地殻変動の影響が残っているとみられる。青森県沖から千葉県沖までの大震災の余震域以外の内陸部にも、活動が活発な地域がみられた。

 また、首都圏を震源とする「首都直下地震」が懸念される地域は、対象を広げて地下100キロまでで起きた地震を分析。その結果、最近2年間のM3を超える地震の発生頻度は、大震災前の10年間と比べ約2倍と高くなっていた。

 新潟県・中越地方などは、大震災前に比べて地震活動が低調だったが、大震災前に発生した内陸地震の余震の減少が原因とみられる。

 一方、気象庁は9日、東日本大震災の余震活動状況を発表した。最近1年間(昨年3月11日〜今月7日)に余震域で観測した震度1以上の有感地震は737回と、大震災前10年間の年平均306回を大きく上回り、「依然活発な状態」と分析した。

(rq)


(2015/02/23) 火山噴火予知連「噴火速報」創設へ

 御嶽山(長野、岐阜県)の噴火を教訓に、登山者らへの火山情報提供の在り方を議論する火山噴火予知連絡会の検討会(座長・藤井敏嗣予知連会長)は、噴火発生から数分以内に事実だけを簡潔に伝える情報をr噴火速報」の名称で新たに創設する方針を決めた。

 気象庁は今後、検討会の議論を踏まえて携帯電話の活用といったシステムなどを構築、今年の登山シーズンに向けて導入を進める。気象庁によると、噴火速報は基本的に、噴火を監視カメラなどで確認できる常時観測対象の火山で実施。噴火警戒レベルが5段階で最も低い1.(平常)で新たに噴火した場合のほか、活動が続く2(火口周辺規制)の火山で、さらに上回る規模の噴火が起きた場合などの発表を想定している。

(qz)


(2015/02/08) 巨大地震死者900人まで減らせる 大阪府試算

 大阪府は南海トラフ巨大地震の被害想定で最大約13万4000人に上るとした府内の死者数が、10年間かけて防潮堤の強化などを行うことで約900人まで減らせるとする試算をまとめた。必要な費用は計2100億円で、府は新年度以降、大阪市と連携しながら重点事業として対策工事を進める。

 マグニチュード8〜9級の南海トラフ地震は、30年以内に70%程度の確率で発生するとされる。府が2013年10月に公表した被害想定では、最悪の場合、海抜ゼロメートル地帯が広がる大阪市沿岸部を中心に、死者は13万3891人に上ると推定。このうち99%は津波や、液状化に伴う防潮堤・河川堤防の決壊など浸水被害によるものとした。

 今回は、新年度から10年かけ、防潮堤の液状化対策や水門の耐震化などを完了させた場合について想定。住民が迅速に避難することを前提に、津波・浸水被害による死者はゼロにできるという結果になった。費用負担は国の補助金を含め、府が1250億円、市が850億円と見込まれる。

 ただ、対策工事を終えても、建物の倒壊や火災による死者は約900人出る。府はそのため、夏頃をめどに今後10年で民間住宅などの耐震化を進めた場合、どの程度被害が軽減できるかについても推計する。

 今回の試算は、2015〜2024年度に取り組むべき防災施策をまとめた「新・府地震防災アクションプラン(行動計画)」に盛り込み、近く発表する。

(sd)


(2015/02/05) 太平洋プレート:巨大地震の力、回復か…否定的な見方も

 東日本大震災で解放された東北沖の地震のエネルギーが再び蓄積されている可能性があると、筑波大などのチームが発表した。同大学のボグダン・エネスク准教授は「これまで10年ぐらいかかると思われていたエネルギー状態の回復が、2〜3年で元に戻った。注意深くモニターし続ける必要がある」と話した。研究成果は3日付の英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版に掲載された。

1998年以降の、太平洋プレート上の地震の規模と発生頻度の関係を示す指標を分析した。この値が低いほど大きな地震が発生しやすいと言われており、2011年3月の震災直後に大きく跳ね上がった数値が、現時点では震災の5〜6年前のレベルに戻っているという。

 エネスク准教授は「回復が早いことから、海溝型地震は規則的に繰り返されるのでなく、規模も発生間隔も不規則だと考えられる」としている。

 一方、研究チームには入っていない同大学の八木勇治准教授(地震学)は「これだけ短期間に数値が元に戻るのは想定外だが、この数値とエネルギーの蓄積は必ずしもイコールの関係でない。私は現時点で震災前の状態に戻ったとは考えていない」と、慎重な考えを示した。

(MAT) あの東日本大震災が再びいつ起こっても不思議ではないという理論。このような大変な問題はもっと日本全体で議論を尽くし、対策を構築すべきことと思われるが如何なものであろう。

(qz)


(2015/01/23) 現行建築基準は「阪神・淡路大震災の1.4倍」に耐える 三木で検証実験

 防災科学技術研究所や大林組などは22日、実際に揺れを発生させて建物の破壊実験ができる施設「E−ディフェンス」(三木市)で、建築基準法の耐震基準にのっとって建てた鉄筋コンクリート造りのビルが、想定を上回る地震動にどれほど耐えられるかを検証する実験を行った。その結果、現行の耐震基準で阪神・淡路大震災の1.4倍の地震動に耐えることができることが分かった。

 南海トラフ巨大地震の発生に備え、現在の建築基準を検証することが目的。実験では、震動台の上に実際の30%の大きさの鉄筋コンクリート造り6階建てビル(高さ約6.5メートル、重さ約320トン)を建設。震災で、神戸市中央区などで計測された地震動の100〜140%の規模の揺れを、4回に分けて発生させた。

 ビルは、120%の揺れで1、2階部分の壁や柱にひびが入った。140%の揺れでは、壁が大きく崩れたが、甚大な人的被害が生じるような倒壊はしなかった。また、ビルは設計上の想定の約2倍の強度があることも分かった。

 実験に携わった大林組技術研究所の勝俣英雄副所長は「建物がどれほど強度があるかを正確に把握することで、大きな地震が発生した際、不要な避難などによる二次災害を防ぐことができる」と話している。

(pl)


(2015/01/18) 南海トラフ巨大地震 津波火災、22都府県270件 静岡県が最多

 東海から九州沖を震源域とする南海トラフ巨大地震が発生すると、千葉から鹿児島までの22都府県で計約270件の津波火災が起きる可能性があるとの予測を、名古屋大学減災連携研究センターの広井悠准教授(都市防災)がまとめた。東日本大震災でも発生した津波火災は予測が難しく、具体的な被害想定が示されるのは初めてとみられる。

 広井准教授ら日本火災学会のチームは東日本大震災後、消防本部への聞き取りや現地調査を実施し、岩手、宮城、福島など6県で159件の津波火災が発生したと発表している。市街地の焼失面積(敷地面積)は74万平方メートルに上り、阪神・淡路大震災の63万平方メートルを上回った。

 広井准教授はこの調査結果を基に南海トラフ巨大地震での発生予測に取り組んだ。浸水する建物の数、世帯ごとの自動車所有台数、プロパンガスの使用率などを考慮し、内閣府による南海トラフ巨大地震の被害想定で死者数が最多の32万3000人と想定されるケースでは約270件発生すると算出した。

 都府県別では多い順に、静岡54件、三重43件、宮崎37件、高知35件、和歌山28件、大分20件、愛媛16件 などだった。大規模な津波が押し寄せる可能性が高い地域ほど、津波火災の発生件数も多いとみられる。

 ただ、港湾施設のタンクなどからの多量の油の流出などがなければ津波火災の発生は93件にとどまるという。焼失面積などは予測できなかった。

 津波火災は消火活動が難しく、周囲のがれきに燃え移って広範囲に広がる恐れがある。また、津波避難ビルなどへの避難活動に支障が生じる可能性がある。

 広井准教授は「東日本大震災の発生件数を上回る津波火災が起きる予測が出た。南海トラフ巨大地震は東北3県より人口密度が高い都市部が被災するため、より大きな被害が出る可能性がある。沿岸部の自治体や企業などは危機感を持って対策を講じるべきだ」と話している。

 ◇津波火災

 津波で流された車などの流出物が衝突して火花が生じ、ガスボンベや車のガソリンタンク、石油タンクなどの流出した燃料に引火して起きる。1933年の昭和三陸地震に伴う津波によって岩手県で起きたという記録がある。東日本大震災でも東北3県の沿岸部で大きな被害をもたらした。浸水域で起き、消防隊が近づけないなど消火活動が困難となる。

(rq)


(2015/01/15) 淡路市で国際シンポ 活断層研究で危険訴え

 阪神・淡路大震災20年を前に、活断層による地震を主題にした「北淡国際活断層シンポジウム2015」が13日、淡路市夢舞台の淡路夢舞台国際会議揚で始まった。国内を含む米英など18カ国・地域から約40人の研究者が参加し、15日まで研究成果を発表する。

 市や県などで作る実行委員会が、最先端の地震研究を発信することで、南海卜ラフ巨大地震をはじめとする地震対策などに役立ててもらおうと企画。平成12年から5ごとに行われ今回で4回目を迎えた。

 米・オレゴン州立大のロバート・イェーツ名誉教授は「迫り来る地震の危険」をテーマに発表した。30万人以上の犠牲を出したハイチ地震や1万7千人以上が亡くなったトルコ北西部地震などの惨状を紹介。さらに、人口の多い大阪府には上町断層が存在する点などを挙げた。

 被害軽減のためには「どの場所に活断層が、史料などから、いつ地震が起こったかを明らかにして地図化することが必要」と強調。活断層という"時限爆弾"を抱えながら、十分な対策が取られていない都市もあるなどと指摘した。

 14、15日には上町断層や、南海トラフ巨大地震と内陸地震などを扱った研究発表が行われる。

 同実行委委員長の中田高・広島大名誉教授(地形学)は「日本に住む以上、活断層からは逃げられない。6千人以上の方が亡くなった『阪神』のことを忘れてはならない」と話した。

(qz)