8.被災者公的支援法関連その後の動き

(2007年)

  



(2007/12/07) 改正被災者再建支援法、14日に施行

 内閣府は6日、「改正被災者生活再建支援法」を14日に施行する政令案を発表した。7日に閣議決定する。能登半島地震、新潟県中越沖地震など「特定4災害」の被災者は、特例として14日から新制度で申請できる。

 与野党合意の結果、11月9日に成立した改正法は、全壊世帯に100万円、大規模半壊世帯に50万円を支給した上で、住宅再建の方法に応じて200万〜50万円を定額支給する。

 支援金は使途を限定せず、年齢年収要件も撤廃するため、これまで政令で細かく定めていた支援金の対象経費や算定基準などは削除した。また、同法が適用された都道府県内では、全壊5世帯以上の市町村(人口10万人未満)すべてが同法の対象となる。

 申請手続きも大幅に簡素化され、住民票とり災証明書、住宅の建築や補修、貸借の契約書などがあれば支給申請ができる施行規則を別に定める。

(uq)


(2007/11/14) 被災者再建支援法改正 兵庫県の補完制度廃止へ

 自然災害による被災住宅の再建・補修費への支給が可能になった改正被災者生活再建支援法の成立を受け、井戸敏三兵庫県知事は12日の会見で、「ねじれ国会の中、与野党が最大公約数を生み出そうと努力した結果。敬意を表したい」と歓迎した。

 井戸知事は旧法の問題点を「住宅の建築費に支出できないうえ、被災直
後の混乱期に領収書を必要とされるなど手続きも煩雑。現実に支給額も(支給限度額の)30%前後しかなかった」と指摘。「ぜひ制度改正をと訴えてきた。われわれの要望の100%に近い内容で見直された」と評価した。

 旧法の問題点を緩和する兵庫県独自の補完制度は「改正法施行と同時に目的を達した」として廃止する方針を示した。また、今後の課題として「全壊や大規模半壊、半壊などの認定に厳密さが要求されることになる。スピーディーな制度の運用や、実態とかけ離れた認定を調査する第三者機関設置などの仕掛けが必要になるのでは」とした。

(la)


(2007/11/12) 被災者支援法改正で首都直下地震なら支給額2.8兆円

 与党と民主党が共同提案した被災者生活再建支援法改正案が8日、参院災害対策特別委員会で全会一致で可決され、9日に衆参本会議で成立した。地震など大規模災害の被災者に現金支給する制度が拡充され、住宅本体の再建にも使えるようになった。だが最大で全壊85万棟の被害が想定される「首都直下地震」では、改正案に基づく支援額は2兆8000億円超に膨れあがることが8日、内閣府の試算で分かった。支給に対する財政的裏付けの本格的な論議が必要なようだ。

 内閣府試算によると、政府の中央防災会議が切迫性を指摘する首都直下地震で、東京湾北部を震源とするマグニチュード7.3の大地震が発生した場合、現行法では1兆2000億円の支給額に達することが分かった。

 現行法は、全壊や大規模半壊世帯に家屋撤去費などに限り最大300万円を支給。財源は都道府県が拠出した基金の運用益や取り崩しで賄い、国が折半する。基金残高は565億円(今年3月)で、現行法下ですら、都道府県分の基金は想定支給額6000億円の10分の1以下しかない。

 さらに内閣府は与党と民主党の両案をもとにした支給額を試算した。両案とも住宅の再建に充てることを新たに認め、上限は与党案が300万円、民主党案が500万円(国庫負担を3分の2に引き上げ)。この案では、支給額は与党案が2兆8000億円、民主党案は4兆9000億円と膨大な金額になる。

 与党と民主党が9日に成立させた共同提案の改正案も住宅の再建を認めた上で、現行法にあった年齢や年収の制限を撤廃、上限300万円とした。与党案よりも要件が緩和され、首都直下地震時の支給額は2兆8000億円を上回る計算だ。

 大規模災害時の支援法の限界は以前から指摘されていた。平成16年3月の衆院災害対策特別委員会で、当時の井上喜一防災担当相は「阪神大震災のような災害に対応するには支援法に限界があり、その時点で別途対策を検討していくことになる」と答弁していた。


(jf)


(2007/11/11) 改正被災者支援法成立 救済の網 拡大を評価 

 阪神大震災被災者の訴えがようやく国を動かした。9日午後成立した改正被災者生活再建支援法は、全壊世帯に支給する支援金(上限300万円)を住宅建て替えに使うことを認め、年齢や年収の支給要件も撤廃するなど、被災者救済の網を広げる内容となった。ただ、今回も半壊世帯への支給は見送られるなど十分とは言えない点もあり、長年、法改正を訴えてきた人々は「大きな前進だが、これで終わりにしてはならない」と、さらなる制度の充実を求めた。

 震災後、新潟県中越沖地震などで支援活動を続ける市民団体「被災地NGO恊働センター」(神戸市)の村井雅清代表も「中越沖地震の被災者にも改正法がさかのぼって適用されることになり、ほっとした。神戸だけでなく、全国の被災者や災害ボランティアが熱心に活動してきた結果だ」と喜んだが、「これで終わりでない。災害関連の法律、制度を一度全体で新しく見直すべきだ」と話した。

 作家の故・小田実さんらと被災者支援に取り組んだ市民団体「市民=議員立法実現推進本部」事務局長の山村雅治さん(芦屋市)は「個人財産の補償はできないとしてきた財務省の従来の立場からすると、大きな前進。『政治の力』で『官僚の壁』を突き破ったことは評価したい」。対象が「大規模半壊」の世帯にとどまったことについては「通常の半壊でも取り壊しを余儀なくされることが多い。積み残しとなった課題だ」と語った。

 一方、関西学院大の宮原浩二郎・災害復興制度研究所長は、煩雑だった申請手続きが改められ、定額を支給する「渡し切り方式」が導入されたことを評価しつつも「支給額の上限が300万円というのはまだ不十分」と指摘。

MAT:「大規模半壊世帯」と「半壊世帯」との線引きにあいまいさが残っている。一刻も早くこの問題を明確化しないと実際に災害が起こったときに政府、自治体、被災者とも大変な問題を抱え込むことになる。

(fk)


(2007/11/10) 被災者生活再建支援法改正案 衆参本会議で可決

 大規模自然災害の被災者に対する支援金を住宅の建設や購入にも使えるようにする被災者生活再建支援法改正案が9日、衆院本会議で全会一致で可決、成立した。自民、公明、民主三党の共同提出で同日午前の参院本会議を通過し、衆院本会議に緊急上程された。参院で与野党勢力が逆転した「ねじれ国会」は召集から2カ月を経過し、初めて法を成立させた。

 施行日は公布から1カ月以内に政令で指定する。ただし、今年発生した能登半島地震、新潟県中越沖地震など4災害の被災者に限って改正法施行後に申請した場合、新制度を利用できる特例措置を付則に盛り込んだ。

 改正法は、全壊世帯に100万円、大規模半壊世帯に50万円を支給したうえで、住宅再建の方法に応じて、建て替え・購入に200万円、補修に100万円、賃貸入居に50万円を支給する。支給限度額は現行の300万円に据え置くが、使途を制限しない定額渡しきり方式にすることで、これまで対象外だった住宅本体の建設費用に使えるようになる。また、年齢・年収要件を撤廃するなど受給手続きを大幅に簡素化し、使いやすさが格段に増す。

 同法をめぐっては、民主党が参院に、与党が衆院にそれぞれの改正案を提出したが、被災者の早急な救済を優先し、与野党協議で一本化された。民主党が主張していた支給限度額や国の補助割合の引き上げなどは、付帯決議で4年後をめどに総合的に検討するとした。

 泉信也防災担当相は9日午前の閣議後会見で「このような政治状況の中、与野党が被災者の立場を考えて結論を出したことに大変感謝している。被災者に元気を出してもらい、地域の復興が一日も早く進むように、制度をきちんと実行していく」と述べた。

(jo)



(2007/11/09) 被災者支援法改正案成立へ 与野党調整が結実

 災害が起きるたび、被災地から「使い勝手が悪い」と指摘されてきた被災者生活再建支援制度の見直しが6日、与野党の歩み寄りで大きなヤマを越えた。住宅本体の建設費用への適用、複雑な支給要件の撤廃など、被災者と制度の間に立ちはだかっていた最大の壁が一気に取り払われる。

 制度は、阪神・淡路大震災を契機に成立した被災者生活再建支援法にもとづき1998年に創設された。2004年に住宅の解体撤去やローン利子などに適用される居住安定支援制度が追加されたが、住宅本体の建設や全壊世帯の補修に使えないなど被災実態との隔たりが大きく、支給実績は限度額の3割弱にとどまる。

 見直しの最大のポイントは住宅再建の方法に着目した「定額渡しきり方式」。使途を限定しないことで「住宅本体」への支給を可能にし、全壊または大規模半壊の証明があれば領収書や申請書がなくても最大300万円が一括で受け取れる。賃貸住宅で仮住まいするための一時金にもなり、仮設住宅の建設戸数を抑える効果もあるとする。

 合意には、いくつかの「巡り合わせ」が重なった。民主党が参院第一党となった国会情勢。生活重視の政策を掲げる民主党が参院に改正案を提出、自民・公明の与党も衆院に改正案を出し、動きが加速した。自民党幹部は「この政治情勢がなかったら、特に住宅本体の壁は簡単に乗り越えられなかった」と明かす。

 会期が迫る中、与野党協議の最終調整を任されたのは、被災地の実態を知る兵庫県関係の公明の赤羽一嘉、民主の松本剛明両衆院議員だった。赤羽氏は内閣府と連携して与党原案を作成、財務省の説得に動いた。松本氏は迅速で簡素な制度として与党の「定額支給」案を客観的に評価し、民主案にこだわる党内議員を説得した。

 両氏は「与野党の役割分担が正常に機能した」(赤羽氏)「課題は残るが、立法府としてあるぺき姿が示せた」「(松本氏)、と振り返る。

 「ねじれ国会」では、修正協議が決裂すればいずれの改正案も成立しない。最悪の事態を懸念する全国の被災者たちは、「政争の具にするな」と成立を切望する要請行動を国会周辺で展開、与野党合意を後押しした。

(dr)


(2007/11/08) 被災者支援法改正成立へ 上限300万円定額支給  住宅再建対象 年収要件撤廃

 与党と民主党は6日、それぞれが提出している被災者生活再建支援法改正案を一本化し、自民、公明、民主3党の共同提案で今国会中に成立させることで合意した。被災世帯に支給する支援金は使途を限定しない定額渡しきり方式とし、現行法で認めていない住宅本体の建設費用にも使えるようにするほか、年齢・年収要件を撤廃、受給手続きを大幅に簡素化する。ほほ与党案に沿った合意内容だが、民主党が強く求めていた今年1月以降に起きた災害にさかのぼる遡及適用を能登半島地震、新潟県中越沖地震など4災害に限って実質的に認めており、被災地の実態に配慮して与野党が歩み寄った。

 衆参で審議中の双方の改正案を取り下げ、3党が参院災害対策特別委員会に共同提案。実質審議を省略して衆院に送付する。9日の衆参本会議で成立する見通し。衆参の与野党勢力が逆転したねじれ国会で、与野党の共同提案は初めて。

 民主党は、支給限度額を現行の300万円から500万円に引き上げ、新たに半壊世帯も対象とする改正案を参院に提出していたが、与党案の定額方式でも住宅本体への支給が可能になることを「大きな前進」と評価。さらに、遡及の要望が強い今年の4災害で新制度での申請が認められたため、与党案を大筋で受け入れた。

 年収要件については双方とも800万円以下(現行500万円以下)に緩和するとしていたが、協議の中で、被災後の収入激減や所得証明に時間がかかるなどの課題が浮上、撤廃に踏み込んだ。

 合意を受けて自民、公明、民主3党の政策責任者らが会見した。公明党の赤羽一嘉衆院議員(兵庫2区)は「阪神・淡路大震災を契機に生まれ、多くの課題を積み残してきた制度だが、ようやく画期的な改善が実現する」と話し、民主党の松本剛明衆院議員(兵庫11区)ほ「被災者が使いやすい法改正を速やかに成立させることを優先した。対象世帯の拡大や支援金額の引き上げなどは今後の課題」と述べた。

被災者生活再建支援法
 阪神.淡路大震災をきっかけに、地震や台風など自然災害の被災者に現金支給するため1998年に議員立法で制定された。当初は年齢や年収などの要件を満たした全壊世帯こ対する生活必需品の購入費として上限100万円を支給する内容だったが、2004年に大規模な半壊世帯にも対象を拡大し、がれきの撤去費などを含め、支給限度額も最高300万円に引き上げられた。

改正案のポイント
 与党と民主党が合意した被災者生活再建支援法改正案のポイントは次の通り。
1.住宅再建の形に応じて、最大300万円を定額方式で支給し、使い道は限定しない。
2.全壊世帯には100万円、大規模半壊は50万円を支給。
3.住宅を建設・購入する場合は200万円、補修は100万円、賃貸は50万円を追加で支給。
4.支給対象の年齢や年収要件は撤廃。
5.能登半島地震、新潟県中越沖地震、台風11、12号の被災者も、改正後の制度を利用できるよう特例措  置で認める。

(la)


(2007/11/07) 被災者再建支援法 年齢、年収用件撤廃へ

 大規模自然災害の被災者への現金支給を規定している被災者生活再建支援法の改正案をめぐる与党と民主覚との協議が5日始まり、支援金の支給対象の年齢と年収の要件を撤廃することで大筋合意した。

 与党と民主党がそれぞれ提出した改正案では、住宅の再建や購入も対象
に加えることで一致しており、新たに年齢、年収要件の撤廃で合意したことで法案の一本化に向け前進した。ただ支給限度額の引き上げなど根幹部分での主張には依然として開きがあり、与党と民主党は週内の最終合意を目指す。

 与党、民主党がそれぞれ提出した改正案では、双方とも年齢要件は撤廃、年収800万円以下の全世帯を支給対象としていたが、5日の協議で、被災前の年収を基準にした制限は不合理として年収要件もなくすことでまとまった。

(rt)


(2007/11/04) 被災者生活支援法改正、衆参質疑でそ及適用めぐり論戦
 
 与党が衆院に、民主党が参院にそれぞれ提出している被災者生活再建支援法の改正案で、衆参の災害対策特別委員会は2日、異例の同時質疑を行った。週明けに予定される与野党協議を視野に、支援金の支給方法や過去の災害にさかのぼるそ及適用の是非などの争点が明らかになる一方、今国会での成立に向けて歩み寄りを模索するやりとりもあった。

 両案はともに住宅本体の再建を支給対象とし、年齢要件を撤廃、年収制限を800万円以下に緩和する。支給額は、与党案が現行の最大300万円を再建方法に応じて定額支給するのに対し、民主案は限度額を500万円に引き上げ、被害程度に応じて概算払いの後、所要額を精算する。

 両特別委は、法案提出者と質問者に阪神・淡路大震災を経験した兵庫県関係議員がそろった。

 与党案を審議した衆院特別委で、民主の松本剛明議員(比例近畿)が、与党案の定額渡しきり方式の詳細や、年収要件をさらに緩和する必要性などをただした。

 これに対し、与党案提出者の赤羽一嘉議員(兵庫2区)が「支援金は見舞金的な性格で、住宅の建設や補修、賃貸の契約書があれば使途は問わない。災害で一気に所得が減る世帯もあり、年収制限は外してもいい」と説明した。

 一方、民主案を審議する参院特別委で、自民の末松信介議員(兵庫)は「今国会で絶対にまとめなくてはならない」とした上で、民主案が能登半島地震と新潟県中越沖地震にそ及する点について「今回だけ認めたら、以前の被災地には不公平感が残る」と指摘。与党が検討している、被災自治体の復興基金による個別対応を求めた。

 民主案を提出した水岡俊一議員(同)は「手続きを大幅に簡素化し、領収書は不要とする。住宅本体が支給対象になれば(実費積み上げ方式でも)ほぼ満額支給できる」と説明した。

 半壊世帯への対象拡大などで支給総額の大幅増が伴う民主案について、与党側から財源を疑問視する指摘が相次いだ。

(jo)


(2007/11/03) 被災者生活再建支援法 衆院で与党の改正案審議入り

 衆院災害対策特別委員会は1日、与党が提出した被災者生活再建支援法の改正案について審議を始めた。同法見直しをめぐっては、参院も民主党の改正案を審議中で、異なる改正案が両院で同時審議される異例の展開になっている。

 全国の災害被災地では両案の修正協議による今国会での成立を求める声が高まっており、2日には衆参の災害対策特別委員会で両案を質疑。5日にも一本化に向けた与野党協議に入る見通し。

 衆院特別委で、公明党の赤羽一嘉議員(兵庫2区)が、全壊、大規模半壊世帯に支給される支援金について、使途を限定しない定額渡しきり方式に改めるなど改正案の概要を説明。「複雑な手続きや支給要件を大胆に緩和し、被災者の迅速な生活再建に役立つ制度にする」と述べ、「いつ起こるか分からない災害に対応できるように、党派の垣根を越え、国民の立場に立ち速やかに賛同いただきたい」と要請した。

(uq)


(2007/11/02) 被災者再建支援法改正案 衆参両委同時質疑

 与党が衆院に、民主党が参院にそれぞれ改正案を提出している被災者生活再建支援法について、参院災害対策特別委員会は10月31日、民主党の提案理由説明を受け、11月2日に質疑を行うことを決めた。一方、与党案を審議する衆院災害対策特別委員会も31日開いた理事懇談会で、1日に提案理由説明、2日に質疑することで合意。会期末が迫る中、委員会質疑の衆参同時進行という異例の対応で、今国会での成立を目指す。

 与野党案はともに住宅の建築・購入への支給対象拡大を盛り込んでいるが、民主党案は支給限度額(現行300万円)の500万円への引き上げなどが柱。

 与党案は定額支給による手続きの簡素化に主眼を置いている。提案理由説明で民主党の森ゆうこ議員は「住まいの再建は地域再生の見地からも重要」とし、住宅本体の再建に支給対象を拡大する必要性を強調した。

 民主党は31日、与党と修正協議に入る方針を決定。今後、委員会理事を中心に協議し、合意すれば両案を取り下げて法案を一本化し、委員長提案として提出し、成立を図る。ただ与党案が適用を「法律が公布した日」としているのに対し、民主党案は能登半島地震や新潟県中越沖地震も対象となるよう今年1月までさかのぼるなど隔たりも大きい。

 同法改正案について、民主党の梁瀬進参院国対委員長は会見で「法案内容に違いはあるが、結果としてどちらも成立しないことにならないよう全力を挙げる」と表明。自民党の大島理森国対委員長は「対話路線で国会全体が動き出しているのではないか。委員会でも、(政党間)協議でも接点を見いだす努力が求められている」と述べた。

(la)


(2007/10/31) 被災者再建支援法改正案 与野党国会議員が公開討論

 被災者生活再建支援法の抜本的な改善を求める全国交流集会が27日、東京都内で開かれ、衆院と参院にそれぞれの改正案を提出している自民、民主をはじめ与野党の国会議員が公開討論した。

 主導権争いが激しい「ねじれ国会」で改正案は審議入りが遅れているが、阪神・淡路大震災など全国の被災地から集まった参加者からは「党利党略を超え、今国会で成立を」と法改正への切実な期待が寄せられた。

 市民団体「災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会」(全国災対連)が企画し、自民、民主、共産、社民の国会議員、弁護士、学者らが討論した。

 与野党の改正案はいずれも、懸案だった住宅本体の再建費用を支給対象とし、年齢年収要件を大幅に緩和する内容。支給限度額や過去の災害にさかのぼって適用するかどうかなどで違いはあるが、集会の席上、各党とも「災害は待ったなし」「与野党協議でよりよい制度に」と成立への努力を約束した。

 一方、支給限度額を500万円に引き上げる民主案に対し、最大300万円を定額支給する与党案を出している自民の柴山昌彦衆院議員が「実費積算方式のままでは使いやすくならない」と批判。民主の藤本祐司参院議員が「まず満額を支給し、落ち着いてから精算する方法を検討する」と応じるなど、国会審議を先取りする応酬もあった。

 討論に参加した日弁連の永井幸寿弁護士(神戸市)は「与野党が歩み寄らないまま廃案にでもなれば、政治は信頼を失う」と指摘。会場の阪神・淡路の被災者は「震災から13年来の悲願達成を」と訴えた。

(dr)


(2007/10/28) 被災者生活再建支援法 今国会改正求め集会 

 市民団体「災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会」(全国災対運、事務局・東京)は26日、被災者生活再建支援法の今国会での改正を求め、東京・永田町の衆院議員会館で集会を開き、国会議員や関係省庁に対する要請行動をした。

 同法をめぐっては、与野党が衆参にそれぞれの改正案を提出。両案とも、現在は認められていない住宅本体の再建費用に支給対象を拡大するが、支給限度額や過去の災害にさかのぼって適用するかどうかなどで見解が分かれる。

 集会で中山益則事務局長は、与野党両案を「住宅本体への支給が可能になり大きな前進」と評価した上で「与野党が歩み寄らなければ両方とも廃案になってしまう」と厳しい情勢を報告。同運絡会は、支給限度額の引き上げ、過去にさかのぼっての適用、店舗兼住宅への適用などを要望しており、野党案を軸とした修正協議で一本化を求める方針を確認した。

 また、「阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議」は独自に厚生労働省と交渉し、災害援護資金の返済免除要件を大幅に緩和するよう求めた。

 一方、自民、民主両党は26日、与党が衆院に、民主党が参院に提出した被災者生活再建支援法改正案について、31日に参院で、11月1日に衆院でそれぞれ委員会審議に入ることで合意した。審議に並行して両案の一本化に向けた調整を行う。

(br)


(2007/10/14) 被災者支援法改正案 与党も国会提出

 自民、公明両党は12日、災害の被災世帯に最大300万円を支給する被災者生活再建支援法の改正案を衆院に共同提出した。民主党はすでに野党が過半数を占める参院に独自の改正案を提出しており、成立に向けた与野党協議が焦点になる。

 与党案は、全壊世帯こ100万円、大規模半壊世帯に50万円を一律支給した上で、住宅を建設・購入する世帯に200万円、補修する世帯に100万円、民間賃貸住宅に入居する世帯に50万円を支給する。いずれも使途を限定せず定額を渡す方式とし、年齢・年収要件の大幅な緩和と併せて、現行制度の限度額を満額支給できるようにする。

 現行制度は住宅本体の再建費用が対象外で、年齢・年収などの条件が複雑なため、支給実績が低迷。全国知事会などが改善を要望している。

 民主党案は、住宅本体の再建費用を含めて支給限度額を500万円に引き上げる内容。今年1月以降の地震にさかのぼり適用を認めるほか、限度額や支給方式の考え方で、与党案との違いがある。

 衆参の与野党勢力が逆転した国会で、両院に同じ趣旨の法案が出そろう初のケース。被災地の要望が強い制度改善の実現には与野党協議が不可欠となる。

(ek)


(2007/10/02) 被災者生活再建支援法 自・公も改正案提出へ

 自民、公明両党はこのほど、自然災害の被災世帯に支援金を支給する「被災者生活再建支援法」の改正案を、与党政策責任者会議で了承し、議員立法として提出する方針を決めた。案では、支給対象を住宅本体の再建に拡大し、最大300万円を定額支給する。民主党は住宅本体の再建費用を含め支給限度額を500万円に引き上げる改正案を参院に既に提出。阪神・淡路大震災以来、災害のたびに被災者が訴えてきた住宅本体への適用を可能にする与野党案が出そろった。

 与党案の提出時期は、参院第1党を占める民主と協議の可能性を検討した上で決める。

 与党案は、年齢要件を撤廃し年収制限を800万円以下(現行は原則500万円以下)に緩和。支援金として全壊世帯に100万円、大規模半壊世帯に50万円を一律支給した上で、住宅を建設・購入する世帯に200万円、補修する世帯に100万円、賃貸住宅に入居する世帯に50万円を支給する。

 全壊の場合、住宅を新たに建設・購入する世帯は計300万円、補修する世帯は計200万円、賃貸住宅に入居する世帯は計150万円が支給されることになる。

 現行法は、生活関係経費100万円と居住関係経費200万円を上限として、実費を積み上げて支給額を決定するが、住宅本体の再建費用は認められず、年齢年収要件や手続きが複雑なため支給実績は低迷。与党案は、定額支給方式に改め、現行の支給限度額いっぱいを使えるようにする。使い道を細かく限定せず、申請に必要な書類や手続きも簡素化する方針。

 住宅本体への適用は、個人財産への公費投入に当たるとして財務省などの慎重論が根強く、1998年の制度創設以来、認められていない。自民党は9月20日の内閣部会で「支援金だけで住宅再建ができないことは被災地の実態から明らかで、個人資産を形成する懸念はない」と総括。事実上、住宅本体への支給に道を開いた。


(tn)


(2007/09/29) 被災者再建支援法 民主案、参院に提出

 民主党は27日、自然災害の被災世帯こ最大300万円を支給する「被災者生活再建支援法」の対象を住宅本体の建築・購入・補修にも拡大し、支給限度額を500万円に引き上げるなどの改正案を参院に提出した。

 民主案はほかに、年齢要件を撤廃、年収制限を800万円以下(現行は原
則500万円以下)に緩和、半壊世帯こも住宅再建費最大100万円を支給、国の補助率を現行の2分の1から3分の2に引き上げるLなど。能登半島地震、新潟県中越沖地震にさかのぼって適用する。

 現行法は生活関係経費として全壊世帯に最大100万円、居住関係経費として全壊・大規模半壊世帯に最大200万円を支給するが、住宅本体の再建費用は対象外で、年齢・年収要件が複雑なため支給実績は低迷。全国知事会などが早期の改善を要望している。

 与党側も、支給条件を大幅に緩和し、住宅本体の再建費用などを定額支給する改正案を近く提出する予定。

 会見した民主党の直嶋正行政調会長は「生活再建に貢献できる、使い勝手のいい制度にするのが目的。与党案を見て、まとめられるならば努力を惜しまない」とし、与党との政策協議に前向きな考えを示した。

(tr)


(2007/09/23) 住宅建設に200万円 被災者再建支援法改正案 自民が了承 

 自民党は20日午前、内閣部会と災害対策特別委員会などの合同会議を開き、自然災害の被災世帯に現金を支給する「被災者生活再建支援法」の支給要件を大幅に緩和し、住宅の建設・購入に200万円を定額支給するなどの改正案を了承した。臨時国会に、与党案として公明とともに議員立法で提出する予定。

 現行制度は、生活必需品の購入などにあてる「生活関係経費」に最大100万円、住宅の解体撤去費、ローン利子などにあてる「居住関係経費」に同200万円を支給するが、住宅本体の再建費用は対象外。年齢・年収要件が複雑なため居住関係の支給実績は限度額の28%にとどまっている。

 改正案は、年齢制限を撤廃し、世帯年収を800万円以下(現行は原則500万円以下)に緩和。生活関係経費に代わるものとして全壊世帯に100万円、大規模半壊世帯に50万円を定額支給した上で、住宅を建設・購入する世帯に200万円、補修する世帯に100万円、民間賃貸に入居する場合に50万円を定額支給する。

 現在は被災者の実費請求にもとづく積み上げ方式で支給しているが、手続きが煩雑なため、相次ぐ災害の被災地からは改善の要望が強い。

 新制度では住宅再建の手法に応じた定額方式に変更し、手続きも簡素化することで現行制度の限度額いっぱいの利用を可能にする。

 ほかに、敷地の地盤が崩れ住宅の解体がやむを得ない場合も「全壊」とし、持ち家・借家の区分や居住場所の県内外の区分による支給内容の差は設けない。

 同案は与党プロジェクトチームで公明側が提案していた内容とほぼ同一。公明も午後から政調全体会議などを開いて了承する。民主党は、住宅本体の再建費用を含め最大五百万円を支給する改正案を今国会で参院に提出する方針。

(kf)


(2007/09/13) 兵庫県の住宅再建共済 複数口加入制を検討へ

 加入率が低迷する兵庫県の住宅再建共済(フェニックス共済)で、県は、住宅1戸に1口とされている加入口数を、複数口の加入も可能とする制度改正の検討を始めた。制度導入から2周年を迎え、落語家の桂文珍さんらを招いた記念講演会が11日、神戸市中央区で開かれ、その席上で斎藤富雄副知事が明らかにした。

 同共済は、年額上限5千円の掛け金で、自然災害による被災住宅の再建に最高6百万円を給付する。2005年9月に導入され、1年で加入率15%を目指したが、2年で6.3%に低迷。複数年一括契約制度や、クレジットカード決済などの導入などを進め、加入促進を図っている。

 複数口加入ができれば、口数に応じて給付金も増え、「制度の良さを理解している加入者からの要望が強い」という。一方、同共済の「共助」という理念に沿うのかが検討課題となる。

 この日は、同制度の趣旨に賛同する県内の民間団体などが集まる「推進会議」も開催。特に加入率の低いマンションなどの共同住宅で、加入率促進を目指す取り組みなどが紹介された。

 講演会では、制度設計にかかわった室崎益輝消防庁消防研究センター所長が、文珍さんと斎藤副知事と対談した。室崎所長は「共済は義援金を先に納める仕組み。助けてもらうだけでなく、助けるための仕組みでもある」と強調。斎藤副知事は能登半島地震の被災地で、高齢者が住宅再建をしようとしてもローンすら組めない現状を指摘し、「住宅を元の場所で再建するのが生活復興への近道。助け合う『共助』の共済が全国に広がる必要がある」とした。

 阪神・淡路に続いて能登半島地震でも被災した文珍さんは「2度の被災で、壊れないものの大切さに気付いた。自分にとっては落語という芸と、町内などの人とのつながり。協力し合う共済制度が全国に広がり、兵庫の誇りになれば」と呼び掛けた。

MAT:かねがねMATも望んでいたことで早く実施することを願うばかりである。

(kf)


(2007/09/12) 兵庫県住宅再建共済の利用低迷 管理組合加入可能に

 阪神・淡路大震災の教訓から生まれた兵庫県の住宅再建共済制度(フェニックス共済)の加入率が、発足から丸2年となる今年8月末時点で6.3%に低迷していることが10日、県の調べで分かった。井戸敏三知事は同日の会見で、加入促進のための制度改正を表明。特に加入率の低いマンションの管理組合が共用部分を対象に同制度に加入できるようにし、被災マンションの建て替えなどを資金面で支援する。県会の9月定例会に条例の改正案を提案する。

 同共済は、復興には住宅再建が不可欠との考えから、法による公助と地震保険などの自助のすき間を埋める「共助」を具体化した制度として2005年9月に発足。年額上限5千円の掛け金で、自然災害による被災住宅の再建に最高6百万円を給付する。

 1年で加入率15%を目指したが、2年たっても目標に遠く及ばなかった。8月末の加入戸数は112,283戸で、この1年では20,630戸しか増えておらず、加入率で1.1ポイントの上昇にとどまっている。

 今回の改正は、マンションの共用部分を対象に、管理組合が区分所有者に代わって加入できるようにする。分譲マンションは全体の2割弱(約33万戸)を占めるが、特に加入率が低く、2.4%しかない。被災時に出る給付金で、建て替えや補修に必要な資金を用意しやすくすると同時に、各戸の所有者個人の加入も促す。

 具体的には、マンション1棟単位で加入。共用部分の面積が通常、延べ床面積の半分程度のため、掛け金は通常の半額の年間2,500円程度に、住戸数を掛け合わせた額を想定し、被災時の再建で最高300万円を新築戸数分給付する方針。県会で条例が改正され次第、県は、県内に約7千棟あるマンションに加入を呼び掛けていく。

MAT : 阪神・淡路大震災の時、蒙った共用部分の被害額は住民にとって相当な負担になった。近い将来、南海地震のような巨大地震が予想される今、この制度はマンションの住人としては充分に検討する価値があるのではないか。

(ek)


(2007/09/04) 被災者生活再建支援の拡充求める 内閣府概算要求

 内閣府はこのほど、来年度予算の概算要求に、自然災害の被災者に最高300万円を支給する「被災者生活再建支援制度」の拡充を盛り込むことを決めた。支給率が限度額の28%にとどまる居住関係経費の支給要件緩和や対象世帯の拡大などを検討し、被災者に分かりやすい制度に見直す方針で、来年の通常国会での法改正を目指す。

 同制度は、阪神・淡路大震災を契機に1998年に創設。2004年の法改正で、住宅ローンの利子や解体撤去費などの居住関係経費に最高200万円を支給する居住安定支援制度が創設され、4年後をめどに見直しを検討する付帯決議が採択された。

 現行制度は居住関係経費に住宅本体の建築・補修費用は含まれず、年齢や収入による支給要件や申請手続きも複雑なため支給率が低く、全国知事会や兵庫、新潟県などから抜本的な見直しを求める要望が出ている。

 内閣府は7月末、有識者による検討会で35項目にわたる検討課題を整理。パブリックコメント(意見公募)の結果を参考に年内に最終報告を出す予定。概算要求では本年度と同額の3億円を計上し、見直しの内容が固まり次第、要求額を変更する。

(ek)


(2007/08/29) 生活再建支援法見直し議論大詰め 「住宅本体」めぐり攻防

自然災害の被災世帯に最高300万円を支給する「被災者生活再建支援法」の見直しに向けた議論が、活発になってきた。内閣府が設置した「被災者生活再建支援制度に関する検討会」(座長・伊藤滋早稲田大特命教授)は7月、現行法の問題点などを指摘する中間報告を発表した。9月2日まで、この報告に対する意見を募集。さらに、全国知事会や自治体、地方議会などが相次いで、国に法改正を要望している。民主党も、秋の臨時国会に同法改正案を提出する構えだ。

■中間報告は両論併記
 同法は、阪神・淡路大震災後の1998年、公的支援を求める被災者の声を受けて成立。2004年の改正で、住宅の解体費などを対象とする「居住関係経費」(最高200万円)が新設された。支給上限額は当初の100万円(家具購入費、引っ越し費用などの「生活関係経費」のみ)から300万円に引き上げられたが、住宅の建設・補修費に使えないなど複雑な制限がある。(表1参照)



 2004年の改正の際、衆参両院の災害対策特別委員会で「施行後4年をめどに見直しを検討」との付帯決議が行われ、本年度中に再改正の予定。今年3月、内閣府が有識者による検討会を設置し、論点整理を始めた。

 検討会の中間報告は、見直しに向けた考え方について「被災者に分かりやすく、生活再建意欲を高めるものにすることが必要」とした。「住宅の再建が進まないと、地域の復興も進まないということが、阪神・淡路大震災の教訓の一つ」と、住宅再建への支援の必要性にも触れている。

 そのうえで、改正が考えられる35の項目を挙げ、改正の利点と問題点を併記した。(表2参照)



 現在、支給対象から外れている住宅の建設・補修費を対象とする点については、「地域社会の復興には住まいの再建が不可欠で、支援を行うべき」という肯定的意見と、「住宅は個人財産で、その保全も自己責任による」との否定的見解を紹介した。

 年齢・年収要件の緩和についても、「住宅ローンや子育ての負担を抱える年代に支援を拡大する必要がある」とする賛成論と、「生活再建は自己責任で、どうしても困難な場合のみ支援する」という反対論を併記した。

 さらに、首都直下地震などの大規模災害時は同法を適用せず、特例法を定めるかどうかも、論点に挙げた。

 内閣府は、中間報告の内容をホームページで紹介しており、9月2日まで国民からの意見(パブリックコメント)を募集。集約した意見を踏まえ、検討会が12月までに最終報告を出す」としており、今年末には見直しの具体的な方向が示される見通しだ。

■政党の動きも
 7月の参院選後、政党も動き始めた。3月の能登半島地震(石川県など)、7月の新潟県中越沖地震など、災害が相次いたことも背景にある。

 民主党が秋の臨時国会に提出する方針の改正案は、支給限度額を500万円とし、住宅の建設・補修費も支給対象に含める。(表3参照) 年齢要件の撤廃、年収要件の緩和なども盛り込んでいる。2005年に共産、社民と共同提案し廃案となった内容だが、今回は「新潟県中越沖地震への遡及適用」を加える方針だ。



 支援法の改正をめぐっては、全国知事会や日本弁護士連合会も、住宅の建設・補修費を支給対象とすることなどを政府に要望。神戸市議会など全国の地方議会、自治体からも、要件緩和を求める意見書が相次いでいる。

 支援法は1999年以降、30の災害に適用されたが、厳しい要件のため、居住関係経費の支給ま限度額の28%(昨年末現在)にとどまる。

 神戸市議会が7月、首相らに提出した意見書は「現行制度は不十分な内容」と指摘し、「被災者にとって利用しやすい制度となるよう、住宅本体の補修、建設、購入経費についても支給対象とするよう要望する」と訴えている。

 中間報告の詳細は、内閣府ホームヘージで閲覧できる。アドレスは次の通り。

 http://www.bousai.go.jp/hou.nentou.tyukan.html


MAT : 「住宅は個人財産で、その保全も自己責任による」との否定的見解もあるようだが、これについてはいつも違和感を覚える。自然災害で自分の家屋を失うことは果たして自己責任であろうか? 被災者が自分で地震を起こしたわけではない。「偶々地震発生地で住んでいたので運が悪かった」、で済ませることではない。国民相互の扶助精神で支援すべきことではないだろうか? それが国家であり、国民というものであろう。

(kf)


(2007/08/14) 「住宅本体にも支給」民主党が改正案提出へ

 自然災害の被災者に最高300万円を支給する「被災者生活再建支援法」について、民主党はこのほど、改正案を秋の臨時国会に提出する方針を決めた。現行法では認められていない住宅本体の建築・補修費用も支給の対象とするなど、2005年の通常国会に共産、社民と共同提案し廃案となった改正案とほぼ同じ内容。7月に起きた新潟県中越沖地震にさかのぼっての適用を目指す。

 野党が過半数を占める参院に先に提出・可決し、衆院に送付する構え。同法は来年が見直し時期に当たり、内閣府が来年の通常国会での改正に向け検討を進めるが、相次ぐ災害と参院の与野党逆転を受け国会審議が早まる可能性が出てきた。

 民主党案は、支給対象を住宅本体の建築・購入・補修費に拡大、対象世帯を半壊にも拡大、支給限度額を最高500万円に拡大、年齢要件を撤廃し年収制限を800万円以下に緩和など。松本剛明政調会長は「災害が相次ぐ中、一刻も早い制度拡充が必要。最重要法案と位置づけ、早期に提出したい」と話している。

 同法は阪神・淡路大震災を機に1998年成立。2004年の改正で、住宅が全壊、大規模半壊した世帯に解体費用や住宅ローンの利子などを支給する居住安定支援制度が創設された。しかし、住宅本体の再建費用は対象外で、2004〜2006年に14件の災害に同法が適用されたが、実際の支給総額は限度額の28%にとどまる。

 法改正時に付帯決議として4年後の見直しが盛り込まれており、内閣府は今年3月、有識者による検討会(座長・伊藤滋早稲田大学特命教授)を設置。7月末にまとめた中間報告で「住宅本体の再建費用を支給対象とするかどうか」などの検討課題を挙げ国民の意見を募っている。

 全国知事会も今月8日、政府に住宅本体を支給対象とするなどの抜本的な見直しを緊急要望。溝手顕正防災担当相は同会に「与野党で折り合える点を見いだし適切な対応をしなければならない」との認識を示している。

(tn)


(2007/08/07) 被災者再建支援制度改正 中間報告への意見公募開始

内閣府はこのほど、被災者生活再建支援制度の改正に向け、有識者による検討会がまとめた中間報告への意見公募を始めた。

 中間報告は、現行では認められていない住宅本体の再建・補修費を支給対象に、年齢・収入などの支給要件を緩和するなどの検討課題を、問題点とともに列挙。幅広い意見を募り、年内にまとめる最終報告の参考にする。

 中間報告と関連資料は、内閣府防災情報のぺージに掲載。アドレスは
  http://www.bousai.go.jp/hou/kentou/tyukan.html

 意見提出は、9月2日までに、インターネットかファクス、郵送で、下記まで。

〒 100-8969 東京都千代田区霞が関1−2−2 内閣府政策統括官(防災担当)付参事官、被災者生活再建支援法担当(ファクスは03−3581−8933。 アドレスは下記まで。

 http://www.iijnet.or.jp/cao/bousai/opinion-fukkou.html



(2007/07/30) 新潟県が独自補助 住宅改築に最大100万円

 新潟県中越沖地震で新潟県はこのほど、住宅改築などに最大で100万円を補助する独自の支援制度を創設すると発表した。被災者生活再建支援法の適用も決めたが、新潟県は同法では補助対象にならない住宅改築を独自に財政支援する方針。

 泉田裕彦知事は支援制度について「住民が安心して住める社会を維持するための公金投入はあるべきだ」と話している。新潟県によると、柏崎市を中心に全壊約960棟、大規模半壊が約70棟。

(jo)


(2007/06/30) 被災者支援法見直し 住宅再建、補修に支給を

 自然災害で住宅が全壊した世帯に最高300万円を支給する被災者生活再建支援法の見直しに向け、大規模災害で被災した兵庫県など5府県が6月28日、現行では支給対象外になっている被災住宅本体の再建や補修費用を対象にすることなどを求める共同提案を、内閣府と内閣府が設置する検討会に提出した。

 阪神・淡路大震災を受けて1998年に成立した同法は当初、生活用品の購入など「生活関係経費」に最高100万円を支給する制度だったが、兵庫県など被災地の声を受け、2004年4月に法改正。住宅関連の「居住関係経費」に最高200万円を支給する「居住安定支援制度」を追加した。

 しかし、対象は解体・整地費やローン利子などの「周辺経費」に限られた。政府が「個人資産の形成につながる住宅再建に公費は出せない」としたためだが、「本体支給」を求める声は根強く、被災自治体は独自に補完制度をつくっている。

 住宅再建のためのローンを高齢者が組めない、全壊と認定された住宅の33%が補修で対応したため、支給対象外になった、などの事例が多いとされ、内閣府の調査でも「居住関係」の支援金給付は、限度額のわずか28%にとどまっている。

 共同提案は、兵庫、新潟、石川、福井、京都の5府県。年齢や年収による支給要件の緩和なども求め、同法を「被災地の実態に見合った支援ができるように改善する必要がある」としている。

(dr)


(2007/03/20) 防災対策推進地域の市町村 防災会議「毎年」は48%

 近い将来の発生が懸念される東南海・南海地震の「防災対策推進地域」に指定されている市町村で、地域防災計画の修正などを検討する「防災会議」を毎年度開いている自治体が半数以下の48%にとどまることが、このほど神戸大学の学生の調査で分かった。過去5年間に合併した市町のうち27%は、災害対策基本法で義務付けられている地域防災計画さえ策定していなかった。計画策定や会議の開催は災害対策の基本で、推進地域での備えの薄さが浮き彫りとなっている。

 工学部4年の宇治田結香さんが卒業論文としてまとめたもので、昨年12月、2006年4月時点で推進地域に指定されていた関東から九州の計403市町村に調査票を郵送。219市町村から有効回答を得たものです。兵庫県内では12市町が回答しました。

 地域防災計画を持っていたのは、9割の197市町村。「策定していない」「策定中」とした22市町は、2004年から2006年の間に合併しており、合併後の防災対策の遅れを示しています。

 防災計画がある自治体のうち、公共機関の職員らがメンバーとなって計画の修正などを検討する「防災会議」を毎年度開いているのは、半分以下の95市町村だけでした。阪神・淡路大震災以降、国の災害対策や法制度は大きく変わり、各地で地震や水害などの自然災害が頻発。自治体は計画を改善する必要に迫られていますが、「会議を設置していない」「10年間開いていない」も、計4市町村ありました。

 過去10年間の防災計画の修正回数は、「1〜3回」が最多で、75市町村。「毎年」は32市町村だけでした。

 兵庫県の12市町(神戸、尼崎、西宮、明石、加古川、高砂、たつの、相生、赤穂、洲本市、あわじ市、播磨町)はすべて防災計画を策定し、防災会議も設置。しかし、会議を毎年度開いているのは8市町で、4市は「不定期」か「2、3年おき」でした。

 宇治田さんは「小規模な自治体は『人も予算も少なく、防災対策ができない』という意見が多かった。推進地域でさえこの状況というのは深刻な問題」と指摘しています。

(tn)


(2007/03/20) 兵庫県の検討委員会 災害時の要援護者情報 同意なしの提供推奨

 兵庫県の地域防災体制検討委員会(委員長=松原一郎・関西大教授)はこのほど、神戸市内で会合を開き、自力で避難が困難な高齢者ら「災害時要援護者」の避難支援の市町向けの改訂指針と、モデルマニュアルを大筋でまとめた。改訂指針では、本人の同意を得なくても、要介護度などの個人情報を自主防災組織など地域に提供する方法を推奨。今月中に完成させ、来月にも市町に示す。

 同委は県が事務局を務め、学識経験者や市町の幹部らで構成。昨年7月から議論を重ねてきた。

 改訂指針では、災害時の避難支援で全ての要援護者が対象となるよう、本人の同意を得ないでも情報が外部提供できるように個人情報保護条例の「壁」を条例改正や特例規定の適用でクリアすることを提案した。

 一方で、豊岡市や西脇市のように、同意が得られた人のみの個人情報を提供する方法なども掲載。県防災計画課は「地域の実情に合わせて考えてほしい」としている。

 モデルマニュアルは改訂指針に基づいて作成。市町がマニュアルを作る際に役立ててもらう。

 会合では「過疎地では支援する側の方が少ない地域もある。要援護者は単に年齢などで区切るのでなく、本当に支援が必要か見極める必要がある」などの意見があった。

(la)


(2007/03/18) 生活再建支援法の要件見直しへ国が検討会発足

 大規模災害で家を失った被災者に最高300万円を支給する「被災者生活再建支援法」。施行から8年余りが経過し、この間、28災害で1万2198世帯に総額119億円(2006年末)が支給された。しかし、使途や年収の制限で対象外とされる被災者も多く、不満の声が根強い。2004年の法改正時の付帯決議にある「4年後(2008年)の見直し」を見据え、内閣府は今月、有識者らによる「検討会」を発足させた。

●支給はわずか
 新潟県中越地震(2004年)で支給されたのは、4375世帯に計56億6000万円。一つの災害では最大規模だった。しかし、被災地では今も500世帯が仮設住宅で暮らす。旧山古志村(現長岡市)梶金集落の区長、関幸作さんもその一人。自宅は全壊し、養殖ニシキゴイはほぼ全滅。損失は約1000万円にもなったが、受け取った支援金は解体や整地費などで約100万円。「決められた使途の範囲で使えたのがこの金額。他の住民からも『建築費に使えないので不便』という声が相次いだ」と話す。

 宮崎県延岡市は昨年9月、台風13号に伴う竜巻に襲われた。住宅被害は全壊120世帯、大規模半壊85世帯、半壊・一部損壊1414世帯に上ったが、支援金の支給(見込み含む)は全壊85世帯、大規模半壊9世帯のみ。全体のわずか6%にすぎない。

 竜巻で特急列車が脱線、横転した現場近くに住む建築業の男性の2階建て住宅は、屋根瓦がすべて飛び、割れた窓ガラス片が壁や柱に無数に突き刺さった。一部は自分の手で補修したが、出費は600万円。しかし、半壊と認定され、「大規模半壊」でないと支援対象にならないため、手にした公的支援は市の見舞金と義援金の配分の計約30万円だけだった。

●個人資産の壁
 支援が行き届かない原因の一つは、財務省が「個人の資産形成に国が直接関与(税投入)できない」と強く主張し続けていることにある。1998年11月の施行当初は、炊飯器や寝具など指定された生活用品購入に限り「最高100万円」を認めただけだった。

 2004年の改正では、住宅の解体・撤去、ローンの利子、賃貸住宅の家賃の一部など住宅再建のための「周辺経費」に、最高200万円まで認める住宅再建支援(居住安定支援)制度が追加された。各地の被災地や全国知事会などから対象拡大を求める声が強まったためで、「個人の資産形成(住宅本体)には当たらない」との解釈が成り立つ範囲で、可能な限り、直接支援を制度化するよう努力した」(内閣府)結果という。

 しかし、世帯の年収制限や、住宅を再建しない場台は解体・撤去費が対象外となるなど多くの「壁」は残された。対象者が大幅にしぽられるだけでなく、対象となっても限度額まで使え切れないケースが大半を占めており、内閣府や全国知事会の調べでは、住宅再建支援制度の限度額に対する支給額(支給率)は平均28.3%。最高額200万円を受け取ったのは対象世帯の2.6%(207世帯)にとどまる。

●拡充に慎重論も
 内閣府の検討会(座長、伊藤滋・早稲田大特命教授)は、有識者や石川嘉延・静岡県知事ら8人で構成する。

 今月1日に開かれた第1回会合。「住まいにほ公共性があり、住宅を再生しないと、都市も再生しない」などの意見も出たが、研究者の中には「事前に耐震補強をした人としない人の間で不公平感が生まれる」など公的な住宅再建支援の拡充に慎重論もある。

 一方、支援拡充を主張してきた超党派の「自然災害から国民を守る国会議員の会」(自然災害議連)は、主要メンバーの相次ぐ落選などで、事実上休止状態にある。検討会が改正論議の「本丸」ともいえる住宅本体への拡大に切り込めるかどうかは不透明だ。検討会は2008年度の国の予算編成をにらみ、今年7月頃には中間報告をまとめる方針。会合は月1回のペースで開かれる予定で、激しい論争が予想される。


●進む自治体の救済策 23都道府県で独自制度
 被災者生活再建支援法で対象外とされた被災者を救済するため、自治体の間では独自の補完策を打ち出す動きが広がっている。内閣府のまとめでは、23都道府県が独自制度を持ち、うち11都府県が国より踏み込んで対象を「住宅本体」にしている。

 兵庫県は2004年、台風23号などの風水害が多発したことを受け、「補完事業」を始めた。住宅本体を対象としたほか、年収制限を緩め、1328世帯に10億7862万円を支給した。

 兵庫県復興支援課は「個人の資産形成につながるとの議論は特に起こらなかった。被災地の実情を考えれば、当然のことではないか」と話している。

被災者生活再建支援法
 都道府県が創設した基金に国が半額補助する形で被災者に現金を給付する。適用対象は、自然災害で住宅100世帯以上が全壊した都道府県、または10世帯以上全壊の市町村(隣接市町村は5世帯以上)。生活必需品購入(最高100万円)と住宅再建関連の諸経費(最高200万円)の2種類の支援金がある。2004年改正で、大規模半壊(大がかりに補修しないと住めない)にも補修費などが認められた。年収制限は世帯主が60歳以上で800万円以下、45歳以上60歳未満で700万円以下、45歳未満で500万円以下。店舗や事業所は対象外。

(cj)


(2007/01/19) 居住安定支援制度 低い支給実績 被災者不満「使えない」

 自然災害が起こるたびに、「使い勝手の悪さ」が指摘されてきた被災者生活再建支援法の居住安定支援制度。支援金の上乗せや住宅本体への適用、要件の緩和といった独自制度を設けたのは、21都府県に上る。「小さく産んで大きく育てる」といわれた同制度。しかし市民からは「まったく育っていない」と批判の声が上がり、全国知事会や日弁連などで見直しに向けた議論が始まった。

 地震で同制度が初めて本格的に使われた新潟県中越地震。しかし、住宅は半壊にとどまったものの地盤が崩れて再建した場合は支給されない。豪雪地ゆえに頑丈な家を建てる世帯も多い。新潟県は半壊を含めた上、所得制限も設けず百万円を支給した。「法でカバーできない分は、県で何とかするしかなかった」(新潟県危機管理防災課)。

 昨年11月末現在、独自制度で支給されたのは19,059件。一方、支援法での支給は7,689件と独自制度の4割にとどまる。

 兵庫県も法の支給額が上限に達しない場合、その差額を県が被災者に支払う。法では認められない住宅の新築や購入経費にも充てることができる。藤原雅人復興局長は「被災自治体が軒並み補完していることは、制度に不備がある証拠」と強調する。

 日弁連は「災害復興支援に関する全国協議会」で検討しており、来年には提言をまとめる。

 「立法化にこぎ着けるため、最後までロビー活動もやる」と永井幸寿・同協議会座長(兵庫県弁護士会)は意気込む。「被災者が再び自由競争のスタートラインに立つための支援は国の責務。支援法や災害弔慰金法、災害救助法を見直し、一本化する考え方もある」

 また、全国知事会は、制度が適用された自治体への実態調査を始めた。七月の知事会をめどに意見を集約し、国へ働きかける。

 市民団体「公的援助法実現ネットワーク・被災者支援センター」(神戸市)の中島絢子代表は「このままでは、阪神・淡路の教訓を生かすことにならない。被災自治体は法の適用状況を公表し、国に強く訴えていくべき」と指摘している。

(tr)


(2007/01/19) 「居住安定支援制度」 支給実績は限度額の48% 

 被災者生活再建支援法に基づき、自然災害で壊れた住宅を再建する際、解体・撤去など周辺経費に最高200万円を支給する「居住安定支援制度」について、兵庫県内の全壊住宅に対する支給実績は、世帯ごとに決まる上限額の48%(平均)にとどまっていることが17日、県の調査で分かった。制度が十分に活用できないことで、住宅再建に向けた効果が機能していない実態を示している。制度創設当初から「住宅本体の再建に支給すべき」との批判が強く、調査結果は、2007年度に行われる見直し論議に大きな影響を与えそうだ。世帯ごとの上限額に対し、支給額を割り出した調査は全国で初めて。

 調査によると、同法が適用された2004年の台風21、23号の県内の被災世帯で、今年11月の申請期限までに支給が見込まれる世帯のうち、既に9割を超える1,172世帯が受給した。

 全壊663世帯のうち、居住安定支援金の受給対象は約3割の200世帯だった。受給平均額は約59万円。世帯ごとに決まる上限額に対する支給割合は平均で48%しかなかった。

 このため、県は「国の施策では不十分」として、上限額との差額を本体再建費用にも充当できる支援金として、独自に支給している。半壊509世帯では、支給割合はさらに低く18%。

 同法に基づき、家財道具などの費用として、支給される生活再建支援金(最高100万円)は、全壊でほとんどの世帯が受給対象となり、支給割合が90%だったことと比べ対照的だった。

 制度導入に伴う2004年の法改正時には、「私有財産に国費を投入しない」とする財務省に対し、「住宅再建の公共性」を主張する兵庫県をはじめとする全国知事会や、国会議員の関係議連などの意見が対立。与野党が衆参両院で「施行後4年をめどに制度の見直しを行う」との付帯決議を盛り込んだ経緯がある。

【居住安定支援制度】
 阪神・淡路大震災の被災地の声を受けて生まれた被災者生活再建支援法が改正されて盛り込まれた。改正法は2004年4月施行。同法で支給されるのは、従来の生活再建支援金と居住安定支援金の二本立てになった。居住安定支援金は、住宅が全壊または大規模半壊した世帯が再建する際、解体・撤去費やローン利子、賃貸の家賃など住宅本体の再建費用以外の周辺経費を、年収や年齢などの世帯要件に応じた上限額まで支給する。財源は国と都道府県の折半。

(tr)

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