8.被災者公的支援法関連その後の動き

(2006年)






(2006/12/31) 震災被災者貸し付け 滞納46億9000万円に

 兵庫県社会福祉協議会が、阪神・淡路大震災の被災者向けに実施した3種類の震災関連貸付の滞納額が、46億9千万円(6月末現在)にのぼることが今月29日、分かった。震災から約12年が過ぎ、滞納分の9割の回収が難しい見通しという。

 貸付総額は103億2千万円で、返済されたのは54.6%。借り主と保証人がともに死亡や破産、所在不明の場合は、「ほぼ回収不能」に分類され、10億6千万円。借り主だけが死亡や破産、所在不明の「徴収困難」は32億8千万円。少額ずつ返済している「分割償還」が3億5千万円となっている。

 3種類の貸し付けのうち、小口資金の滞納は、全体の76.8%にあたる36億円にのぼる。昨年9月に比べ6700万円の減で、回収は進んでいない。貸し付けが震災直後の混乱期で、必ずしも保証人を求めなかったことなどが原因とみられる。

 県社協は、担当の職員1人と嘱託の指導員8人を置き、回収を進めている。徴収困難なケースは、所在地調査を進め、保証人への働き掛けを継続する。債権を免除する「免除要件」の設定について県や国と協議し、債権放棄も検討する。県社協は「もともと善意の貸し付け。まじめに返している人もおり、回収を続ける」としている。

「震災関連貸付」には当面の生活資金の「小口資金貸付」、仮設住宅から復興住宅への移転世帯を対象にした「転宅費特例貸付」、生活再建を図る「災害援護資金貸付」の3種類がある。限度額はそれぞれ20万円、50万円、150万円。原資は、県が全額を県社協に無利子で貸し付け、4分の3を国が県に補助した。

(br)


(2006/08/27) 耐震補助 全市町完備は兵庫と静岡のみ 7道県で制度なし

 1戸建て住宅の耐震改修と耐震診断こ対する補助制度を全市町村で利用可能なのは兵庫、静岡2県にとどまり、逆に両方の補助制度が全市町村にないのは北海道、青森、秋田、香川、佐賀、鹿児島、沖縄の7道県に上ることが国土交通省の調査で25日、分かった。

 耐震強度偽装問題や地震災害に対する関心の高まりを背景に、地方自治体に新たな対応が求められているが、取り組みにばらつきがあり、全国的に整備が遅れている実態が明らかになった。

 自治体に制度がないと国の補助も受けられず、国交省は「耐震改修、診断は地震対策の要」として、自治体へ早急な制度づくりを求めている。

 調査結果は7月1日現在で対象は1,843の市区町村。このうち、1戸建て住宅の耐震改修の補助制度があるのは24.3%(448)で、診断への補助は50.9%(938)。昨年4月の調査に比べるとそれぞれ9.9ポイント、18.0ポイント増えた。

 一方、マンションは1戸建て住宅より整備が遅れ、市区町村のうち、改修の補助があるのは3.7%(69)、耐震診断は9.4%(174)。

 全市町村でマンションの耐震改修と診断両方の補助が整備されているのは兵庫県だけ。耐震改修の補助のある市町村は、埼玉、岐阜など9都府県。診断への補助は宮城、大阪、岡山など17都府県だった。

 また事務所や学校、病院などの住宅以外の建築物では、改修1.4%(25)、診断6.5%(120)だった。

 耐震改修、診断については、都道府県や市町村に補助制度があると、国から自治体に補助金が出る。補助率は地震の危険度に応じて改修で15.2%か66.6%、診断の場合は全額か66.6%で、国と地方で折半する。

 兵庫県は、本年度から1戸建て住宅の耐震改修費補助の限度額を、都道府県では最高レベルの80万円まで引き上げた。神戸市は今年1月から、この県の制度に最大30万円の上乗せをする市独自の補助簡度をスタートさせた。本格的な耐震改修のほかに、全国で初めて、建物の倒壊を防ぐなど小規模な改修も対象にした。

(uq)


(2006/08/19) 兵庫県が住宅再建共済制度加入目標を下方修正

兵庫県は、自然災害で全半壊した住宅の再建に最高600万円を支払う「住宅再建共済制度」について、開始2年になる来年8月末の加入率の目標を20%から15%に下方修正することを決めました。井戸敏三知事が31日の定例会見で明らかにしたものです。

 県は、昨年9月の制度スタート時には、初年度の目標として15%を掲げていましたが、都心部のマンションなどで加入率が伸び悩んだため、3月末に、目標の達成時期を「初年度」から5カ月間延長して「開始1年」と変更。「開始2年」の目標を20%と定めていました。

 だが、6月末の加入率は4.7%にとどまっており、井戸知事は「開始1年の目標の15%が達成できていないのに、開始2年の目標を20%のままにしておくことは出来ない」と下方修正を決断。「最終的な目標は開始10年で50%。周知徹底を図り、まずは15%を達成したい」と述べています。

MAT : この制度は本当に優れた制度であり、年額わずか5千円で地震だけでなくすべての自然災害による被害の大半が補填される。南海地震が近いと言われているこの時期、これに加入しない手はない。小生は制度発足と同時に早々と加入した。しかし、この優れた制度もまだまだPR不足のようで知らない人が多いようだ。県ももっと工夫をするなどして県民に周知させるべきだと思う。なお、兵庫県は下記のホームページでこの制度の詳しい解説をしています。

  http://web.pref.hyogo.jp/jutakukyosai/



(2006/04/22) 阪神間6市の「災害援護資金」滞納97億円余に

 阪神・淡路大震災の被災者に国と自治体が貸し付けた「災害援護資金」の滞納額が、阪神間6市(尼崎、西宮、芦屋、伊丹、宝塚、川西市)で計約97億4千万円に上ることが20日、分かった。うち西宮市が約53億2千万円、55%を占めた。滞納者の中には市職員14人も含まれていた。滞納者の8割近くが毎月、少額を返してはいるが、回収に必要な費用とのバランスを問う声もあり、融資による被災者支援の課題があらためて浮かび上がった。

 同資金は、全半壊世帯に350万円を上限に貸し付ける制度。原資の3分の2を国が自治体に貸し、残りを自治体が負担する。震災後、兵庫県内で約1309億円、阪神間6市で計約448億円が貸し付けられた。

 このうち償還期限後も滞納している人数と額は、西宮市が3,400人で53億2千万円、尼崎市は1,500人で19億3千万円。芦屋市が600人、8億6千万円など。6市合計で6,900人、97億4300万円に上る。

 これまでまったく返済していない人は、尼崎市の303人をはじめ、西宮市272人、伊丹市58人などで、6市で約740人。借り手に対する督促などの法的措置は6市で計71件に上った。

 一方、滞納中の市職員は西宮市14人、尼崎市3人、伊丹市1人。宝塚市は調べていないという。神戸市は昨年、滞納職員2人を「信用失墜行為にあたる」として文書訓戒としている。

 本来は今春、自治体から国への償還が始まる規定だったが、政府は昨年末、制度を定める災害弔慰金法の政令改正を閣議決定。償還期限を一部で5年間延長した。

 返済相談などに応じてきた市民団体「阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議」(神戸市)は「滞納の背景には、震災に対する公的支援の乏しさがある。自治体はこうした点を踏まえ、国に免除を求めていくべきだ」と指摘している。

(la)



(2006/02/26) 兵庫県の耐震改修費補助限度額上積み80万円に 

 兵庫県は2006年度、耐震改修工事と改修計画策定(設計)の費用補助制度で、戸建ての場合で計50万円だった限度額を計80万円まで引き上げる。補助額は都道府県の制度としては最高レベル。兵庫県の推計(2003年時点)では、震度6強以上の地震が起きた場合、倒壊の恐れがある県内の住宅は約42万戸に上るとされ、費用負担の軽減でこうした住宅の改修を促す。

 県の補助制度を利用して工事を行った住宅は2005年度、122戸(今月14日現在)で、前年度の74戸からすでに2倍近く伸びた。しかし、年間計画の300戸の半数程度にとどまる見通しという。補助額を含めた平均工事費は約191万円だった。

 今回の制度拡充では、戸建ての場合、工事費の4分の1を最高60万円、耐震診断や設計など計画策定費はその3分の2を最高20万円それぞれ補助する。マンションなどの共同住宅は1戸当たり工事費は20万円、計画策定費は12万円まで補助する。

 対象は1981年5月以前の旧耐震基準で建てられた住宅。従来の屋根や壁、基礎など住宅全体で耐震性を保つ改修工事に加え、寝室など一部屋だけを強固にする「シェルター方式」の工事も補助対象にする。

 また、共同住宅では、効率的な耐震改修の新工法を業者に提案してもらうコンペを行い、推奨工法を選んで公表する。

 県はこうした拡充で制度利用者が増えると見込み、年間計画戸数を400戸に増やした。当初予算案には簡易耐震診断への助成分も含め、前年度比約8千万円増の約2億3千万円を盛り込んだ。

 県によると、神戸、姫路、赤穂の各市は県の制度に上乗せして工事費に補助。神戸市の場合、戸建ての限度額は30万円で、県と合わせた補助額は最高で90万円となる。

(tr)


(2006/02/16) 震災復興基金、財団存続へ 兵庫知事が表明

 阪神大震災の被災者支援や産業復興を支えてきた財団法人「阪神・淡路大震災復興基金」について、井戸敏三知事は13日の定例記者会見で、「高齢者見守り支援」など一部事業が続いていることなどを理由に存続させる考えを示した。

 兵庫県はこれまで、基金事業の大半が終了したため、残った基金の運用益で継続している事業はほかの類似団体に引き継ぎ、財団自体は解散させる方向で検討を進めてきたが、事業の専門性を維持するためには存続が必要と判断した。

 財団は、県と神戸市が拠出した基本財産200億円と、県、市を通じて金融機関から借り入れた運用財産8800億円の計9千億円の基金で、113事業を展開してきた。設立から10年となる2004年度末に大半の事業を終了し、借入金は3月末までに県と神戸市に返済することになっている。

 一方で、運用益の残高約115億円(3月末見込み)を生かして5年間延長している被災高齢者の自立支援や市街地再生など14事業のほか、被災者が組んだローンに対する利子補給の支払いが最長で約15年先まで続く19事業の事務処理が今後も続くため、財団の扱いが懸案になっていた。

(xr)


(2006/01/15) 兵庫県の住宅再建共済制度でマンション1棟ごと加入

 自宅再建に困難を極めた阪神・淡路大震災の教訓から、兵庫県が昨年9月に全国に先駆けてスタートさせた災害で倒壊した住宅に対して再建資金を給付する住宅再建共済制度で、分譲マンション開発の和田興産(神戸市)や近畿菱重興産(同)など中堅デベロッパー3社が、集合住宅1棟ごと一括で複数年加入することで兵庫県と基本合意したことがこのほど、わかった。

 適用第1号は近畿菱重興産が西宮市弓場町で2月から販売予定の「ディアエスタ ミオ 夙川レジダンス」(総戸数49戸)になる見込み。

 合意したのは2社のほか昭和住宅(加古川市)。3社は共済制度に加入することで新築分譲マンションに「万が一の場合も安心」という付加価値をプラスして売り出す。

 同制度は兵庫県内に住宅を所有する個人や団体が任意で加入できる。掛け金は年間5千円(加入初年度は月額500円)で、地震のほか風水害などあらゆる自然災害で家屋が全半壊した場合、再建・購入に600万円、補修では200万円〜50万円が給付される全国初の「自宅再建保証共済」だ。

 兵庫県は初年度の加入目標を対象世帯(186万戸)の15%(27万9千戸)としているが、昨年12月末時点の加入者は3.0%の55,706戸にとどまっている。

 このため、兵庫県は事業者や管理組合が団体で加入した場合に報奨金を支払うなど制度運用上の緩和策を講じる一方、建設・不動産業界などにマンションぐるみでの加入を呼びかけていた。

MAT:年額わずか5千円で地震だけでなくすべての自然災害による被害の大半が補填される。これに加入しない手はない。勿論、小生もいの一番に申し込みました。いえ、私は兵庫県の回し者ではありません。念のため。

(tr)


(2006/01/08) 住宅耐震診断 費用補助25府県どまり

 住宅の耐震化促進に向けた都道府県による補助制度で、耐震診断を希望する住宅の所有者に費用補助などの支援策を実施しているのは半数余りの25府県で、耐震改修をする際、費用補助や低利融資を実施しているのはほぼ3分の1の18府県にとどまることがこのほど、共同通信のアンケートで分かった。兵庫県は診断、改修ともに補助を実施している。

 耐震化支援策に対する国の助成について、18都府県が「不十分」と回答。国は今後10年で住宅の耐震化率90%を目標にしているが、限定的な国の助成に対する不満も浮かび上がった。

 耐震診断では岐阜など21府県が費用を補助し、福岡など12府県は技術者を派遣。いずれも実施しているのは兵庫や富山など8府県だった。

 島根県は2003年度まで費用を補助。実施を検討中なのは広島など8都県で、うち6都県は2006年度から実施を予定し、検討していないのは香川など4県だった。

 耐震改修では、長野など15県が費用を補助。低利融資をしているのは京都など5府県で、兵庫県と富山県は補助、低利融資とも実施している。また、長崎など15都県が検討中で、うち3都県が2006年度の実施を予定。愛媛など8県は「検討していない」と回答した。北海道は2002年度まで低利融資を実施していた。

 現時点で診断、改修いずれの補助策も「検討していない」としたのは大分など3県だった。地域別でみると、東海、東南海・南海地震が想定されている太平洋沿岸地域で補助策導入が進んでいる一方、九州地域での遅れが目立った。

 国の助成を「不十分」と回答した18都府県は「補助率が低い」「適要件が厳しい」など理由を挙げ、「十分」としたのは17府県だった。

 耐震化の進ちょく状況について「進んでいる」と答えたのは兵庫、愛知の2県だけで、28府県が「進んでいない」と回答。「住民の防災意識が不足」(11府県)、「補助策の周知徹底不足」(9県)、「国・自治体の補助が不足」(2県)などと理由を答えた。

 兵庫県は2000年度からの3年間、旧耐震基準の1981年5月以前に建てられた住宅を対象に、無料の簡易耐震診断を実施。約13,000棟が診断を受け、木造住宅の8割以上が「危険」「やや危険」とされた。

 2003年度からは、安全性の低い住宅を耐震改修する場合、工事費に応じて最大50万円(当初は36万円)まで補助。住宅金融公庫のリフォームローンに上乗せする形で低利融資も実施している。

 簡易耐震診断の補助についても、県と各市町が昨年秋から順次復活させ、一般の木造住宅なら3,000円の自己負担で診断を受けられる。

(la)

   戻る
ymat