8.被災者公的支援法関連その後の動き

(2005年)






(2005/12/18) 災害援護資金の震災被災者滞納 償還5年延長決定

 阪神・淡路大震災の被災者に国と自治体が貸し付けた「災害援護資金」の滞納問題で、兵庫県は16日、厚生労働省が示した対応案を受け入れることを同省に伝えた。償還期限が5年延長され、市町の職権による免除も可能となる。県は今後、抜本的な解決に向け、災害弔慰金法の改正を求めていく。

 滞納中の未償還額は約310億円。来年5月には国への償還が始まる規定だったが、同法の施行令を改正し、期限を5年延長する。借受人が死亡した場合など、市町の職権で償還を免除できることも可能となった。

 県によると、自己破産などで「徴収困難」となっている約77億円を「償還延長」に回すことで、市町が国への「立て替え」返済をなくすことも可能で、「市町に滞納整理を徹底してもらい、県としても協力していきたい」としている。

 井戸敏三知事は「5年後にも依然として課題は残る。免除規定の拡大について、法律改正を視野に要望していきたい」とコメントした。

(ek)


(2005/12/11) 阪神・淡路大震災災害援護資金滞納問題への厚労省案

 阪神・淡路大震災の被災者に国と自治体が貸し付けた「災害援護資金」の滞納問題で、厚生労働省が8日示した政令改正案について、兵庫県や関係市町は9日、本格的な検討に入った。償還期限の延長など従来の要望が受け入れられた部分は「評価できる」(県)とするが、市町が国負損分を肩代わりする「立て替え償還」の規模などが焦点となる。兵庫県は市町との協議を進め、来週にも同省に回答する。

 同資金は全半壊世帯に最大350万円を貸し付ける制度。県内で約1309億円が貸し付けられ、200億円を超える焦げ付きが予想されている。
 
 厚労省案は、償還期限の5年延長、借受人が死亡した場合など徴収不可能な場合は市町の職権で
償還を免除できる、など。償還期限は5年後の再延長もあリ得るとした。

 県などによると、現在の延滞分約310億円のうち、月干円から返済する少額償還(約219億円)は期限延長、徴収不可能なケース(約13億円)は免除か延長で対応できる見通し。

 残る約77億円については、市町が借受人に接触し、分割納付を勧めだり、法的措置を講じるなどした上で、期限延長か市町による立て替えかに整理することになる。

 厚労省の試算では市町の立て替え分が6億5千万円とされるが、県は「一層の徴収努力で立て替え額を圧縮したい。少額償還に回せるケースを市町に整理し直してもらう」とする。

 井戸敏三知事は「厚労省も工夫をしてくれたが、立て替えが生じることをどうとらえるか、市町と協議して判断したい」としている。

 神戸市保健福祉局は「市としてあらゆる回収努力をした結果なのに、立て替え償還が必要なのか。市の負担がどの程度になるのかを内部で検討し、対応を決めたい」としている。

(la)


(2005/12/08) 阪神・淡路大震災の災害援護資金返済で国が立て替え要請

 阪神・淡路大震災の被災者に国と自治体が貸し付けた「災害援護資金」の返済をめぐり、多額の滞納が発生し、自治体が国への償還免除や期限の延長を要望している問題で、国は6日までに、一部を自治体が肩代わりする「立て替え償還」を求める方針を固めた。立て替え償還は50億円近くに上る可能性もある。既に兵庫県選出などの与党国会議員らに打診しているか、関係者からは反発とともに、制度の抜本改正を望む声が上がっている。

 同資金は全半壊世帯に上限350万円を貸し付ける制度で、原資の3分の2を国が自治体に貸し、残りを自治体が負担。兵庫県内で約1309億円貸し出されたが、返済は約954億円にとどまり、200億円超の焦げ付きが予想されている。「償還免除」は規定が厳しく、適用は約15億円だけとなっている。

 厚生労働省は、月干円からの返済を認める「少額償還」219億円分と、借受人と保証人がともに破産するなどの「徴収不可能」約13億円分は、政令改正や「支払い猶予」規定の解釈などで償還期限を5年延長する方針。

 しかし、借受人が破産し、保証人が低所得か所在不明など「徴収困難」な約77億円は、「一律の延長は難しい」と判断。借受人らに明らかな経済的理由がある場合以外は期限延長しないという。その場合、来年5月から国への立て替え償還が始まる。

 兵庫県与党議員団の末松信介参議院議員(自民)は「延長されても問題が先送りされるだけ。将来の大災害でも同様の問題が繰り返される。抜本的な対策を打ち出したい」と話している。

(ek)


(2005/10/23) 災害援護資金免除枠の拡大めざし償還額圧縮へ法改正

 阪神・淡路大震災の被災者に国と自治体が貸し付けた「災害援護資金」の返済をめぐり、多額の滞納が発生している問題で、自民・公明両党の兵庫県関係国会議員による議員団は18日、自治体から国への償還額を圧縮するため償還の免除枠の拡大や期限延長など抜本的に法改正する方針を決めた。次顛通常国会への改正法案提出を目指して与党内にプロジェクトチームを設置する。

 この日の会合で、議員団の顧問に就いた公明党の冬柴鉄三幹事長は「当時は被災者生活再建支援法がなく、緊急避難的に使われた制度。厳しい被災目治体の財政をさらに困窮させるわけにいかない」とし、員体的な条文検討を始める意向を示した。償還期限を延長しても多額の肩代わりが残ることから、根本的な事態打開を目指す。

 国はこれまで「期限延長を検討する」という以外に方針を示していなかった。会合には兵庫県関係の与党国会議員15人が出席し、兵庫県や神戸市など関係自治体と意見交換した。国への償還が来年5月から始まるため、議員らはまず償還期限の10年延長が必要とした。さらに破産などの徴収不可能約13億円と徴収困難約77億円について、「償還免除の規定が厳しすぎる」と、免除枠を拡大する法改正の必要性を確認。約219億円ある少額償還にも一体的に対応するとした。

 議員団は「今後の大規模災害にも対応できる制度にしなければならない」とし、来年1月からの通常国会での法改正に向け、国会内や厚生労働省などの関係省庁への働きかけを強める。


災害援護資金
 災害弔慰金法に基づき、全半壊世帯に上限350万円を貸す制度で、原資の3分の2を国が自治体に貸し、残りを自治体が負担。県内で約1309億円貸し出されたが、償還が免除された約15億円を除き、約339億円が未返済。最終的に焦げ付く可能性がある延滞額は約310億円に上る。焦げ付き分は国への償還を含め、自治体が全額を穴埋めしなければならない。

(dr)


(2005/10/08) 災害援護資金自治体返済肩代わり分 国に償還免除要望

 阪神・淡路大震災の被災者に国と自治体が貸し付けた「災害援護資金」の返済をめくり、多額の滞納が発生している問題で、自民・公明両党の兵庫県選出の衆参国会議員がこのほど、までに、議員団を結成、焦げ付いた返済分について、自治体から国への償還を免除するよう政府に要望する方針を固めた。「被災自治体の財政に大きなダメージを与える」としており、制度改正を含めた異例の対応
を迫っている。

 同資金は全半壊世帯に上限350万円を貸す制度で、原資の3分の2を国が自治体に貸し、残りを自治体が負担。県内で約1309億円貸し出されたが、未済は約339億円に上る。

 焦げ付いた場合、国への償還を含めた全額を自治体が穴埋めしなければならない。国への償還は来年度からスタート。兵庫県と神戸市は償還期限の延長などを要望している。議員団は、約219億円ある少額償還の期限を延長するほか、回収困難とされる約77億円の償還免除などを要望する。18日には県や神戸市などと勉強会を開催し、厚労省や財務省へ申し入れをする。

 呼びかけ人の自民党の末松信介参院議員と公明党の赤羽一嘉衆院議員は、「一方的に自治体に負担を押し付けるのは問題。被災地と一体となって要望を展開したい」としている。

(br)


(2005/10/05) 兵庫県の住宅再建共済制度加入率低調

阪神・淡路大震災の教訓から兵庫県が独自に創設し、9月1日にスタートした「住宅再建共済制度」の9月未現在の加入申し込み戸数は36,276戸で加入率は2%にとどまっていることが今月3日までにわかった。

 この制度は地震や台風など自然災害で住宅が全半壊した場合、再建、購入すれば600万円が支給される全国初の制度で、掛け金は年5,000円。県は初年度の加入目標を県内に住宅を所有する対象者の15%(約27万9千戸)としている。

 地域別の加入状況を見ると、淡路地域が4.8%(2,242戸)、但馬地域が4.2%(2,401戸)と、昨年10月の台風23号の被災地で加入率が高かった反面、神戸市が1.5%(7,659戸)、芦屋、尼崎、西宮の阪神南地域が1.1%(4,017戸)と、神戸、阪神間の都市部での加入率の低さが目だった。

 県によると、「マンションは加入できるのか」「地震保険や他の共済と一緒に加入することは出来るのか」など約7,500件の問い合わせがあり、住宅防災課では同共済制度のポイントをまとめたチラシを配布し、普及啓発に努めている。

 なお、兵庫県は下記のホームページでこの制度の詳しい解説をしています。
  http://web.pref.hyogo.jp/jutakukyosai/

 その他詳しい問い合わせは財団法人兵庫県住宅再建共済基金(TEL 078−362−9400)まで。

(pl)


(2005/10/02) 住宅耐震化82%が未実施 内閣府調査 公的支援検討

 内閣府はこのほど、地震防災対策に関する世論調査結果を発表した。今後10年間に自分の住んでいる地域で大地震が起こると感じている人が64%に上るのにもかかわらず、82%が自宅について耐震改修、耐震診断のどちらも行ったことがないと答えた。

 内閣府は「大地震への意識の高まりが、必ずしも予防措置につながっていない。関係省庁と公的支援などの環境整備に努めたい」としている。
 
 調査は8月中旬、全国で20歳以上の3千人を対象に実施、1,863人から回答(回収率62%)を得た。

 大地震の可能性について、「起こる」「起こる可能性は高い」の合計が64%。1997年の同様の調査に比べ28ポイント増えた。
 
 耐震診断と耐震改修の両方もしくはどちらかを実施したのは12%にとどまり、実施したかどうか分からないが6%だった。しかし「大地震が起きたとき自宅は大丈夫だと思うか」の問いには「少し危ない」「危ない」が計59%に上り、耐震改修の条件として38%が「助成や税制優遇などの公的な支援」を求めた。

 大地震に備えて取っている対策(複数回答〕としては、「懐中電灯、医薬品などを準備している」が49%で最も高く、「避難する場所を決めている」(29%)、「食料や飲料水を準備している」(26%)と続いた。

(la)


(2005/09/02) 兵庫県住宅再建共済制度がスタート 事前加入1万件超す

 阪神・淡路大震災の教訓から、自然災害で全半壊した住宅の再建を支援するため、兵庫県が独自に創設した「住宅再建共済制度」が今月1日、スタートした。住宅を再建・購入すれば600万円が支給される全国初の制度で、掛け金は年5千円。

 スタートに先駆けて加入を募集したところ、これまでに10,526戸の申し込みがあった。一方、神戸・阪神地域の加入割合が低く、都市部での関心度を高めることが課題となっている。

 県は、震災直後から住宅再建支援の制度化を提唱。しかし、公的支援は進まず、突破口を開く意味で、「共助」の制度創設に踏み切った。

 共済はあらゆる自然災害によって損壊、焼失、流出などの被害を受けた1戸建てや集合住宅が対象。県内に住宅を所有する個人や企業が加入できる。県外での再建・購入は300万円を支給する。賃貸の入居者は対象外。

 補修する場合は、全壊=200万円、大規模半壊=100万円、半壊=50万円。再建や補修を行わない場合は10万円を支給する。県は初年度の加入目標を対象の15%(約279,000戸)と設定している。

 これまでの申し込みは、大半が1戸建てで、但馬、淡路、西播磨地域の加入が多いという。住宅再建共済基金は「神戸・阪神間は広報が十分に行き渡っていない。分譲マンション入居者にメリットを説明していくことも必要」と話している。詳しい問い合わせは、TEL  078−362−9400 まで。

(la)


(2005/07/26) 兵庫県住宅再建共済制度 29日から申込書配布

兵庫県住宅再建共済制度の開始が9月1日からと決まり、加入申込書が7月29日から、県内の公共施設や大規模店舗などで配布される。

 同制度は、自然災害で全半壊の被害を受けた住宅所有者が自力で再建・購入すると、6百万円が給付される制度。掛け金は年5千円で、補修の場合は被害程度に応じて2百万〜50万円の給付となる。

加入申込書はパンフレットや約款と一体になっっており、切リ取ってそのまま切手なしで郵送できる。掛け金は銀行や郵便局の口座振替で、9月1日以降は受付日からの適用となる。

 配布場所は、県庁や市区役所、町役場、郵便局など金融機関、コープこうべ、そごう、大丸など店舗、神戸電鉄、山陽電鉄の駅など。

 また、県民からの問い合わせに応じるため、県住宅再建共済基金事務局は、8月1日から専用電話窓口を開設する。月〜金曜日、午前9時〜午後5時。同事務局の電話番号は 078−362−9400。

(dr)



(2005/06/17) 災害生活再建支援金300万円前払い可能に

 政府は15日、地震や水害などで家が全壊するなど一定規模以上の被害を受けた地域の世帯を対象に支払う生活再建の支援金300万円(最大)について、被災世帯が全額前払いで受け取ることができるよう制度改正する方針を固めた。

 現行で前払いの上限としている185万円を引き上げ、被災直後に物品の購入など必要な資金をすぐに確保することを可能にする。

 被災者生活再建支援法の政省令改正案を17日に閣議決定、2004年度に起きた自然災害にさかのぼって適用する。
 
 支援金の内容は、家財道具の購入などに充てる生活関連経費(最大100万円〕と住宅ローンや家賃
などに充てる居住関係経費(同200万円)の2本柱。

 改正案では生活関連経費として定めているテレビ、冷蔵庫などの購入費(55万円)や引っ越し費用(15万円〕など区分ごとの上限を廃止。被災者のニーズに合わせた使い方ができるようになる。

(br)


(2005/04/27) 兵庫県住宅再建共済制度の概要

 自然災害で全壊、半壊した住宅の再建を、住宅所有者の掛け金によって支援する「兵庫県住宅再建共済制度」の条例が3月末に制定され、9月から加入の受け付けが始まる。阪神・淡路大震災で被災者の住宅再建が大きな課題となったことから、兵庫県が独自に導入した。全国で初めてとなるこの制度、どういう仕組みなのだろうか?

 だれが加入できるのか
 兵庫県内に住宅を所有する個人や会社・団体。1人が複数の住宅を所有する場合、何軒分入ってもよい。賃貸住宅の場合は家主が加入者となり(入居者は対象外)、50戸のマンションを所有していれば50戸分加入することができる。県外に住む人も、兵庫県内に所有する住宅について加入できる。

 掛け金は
 1戸あたり、加入初年度は月額500円(加入月から次の3月までの月数分を支払う)、次年度からは年額5千円。初年度が割高になっているのは、加入の手続き経費のため。住宅の構造や面積による差はない。支払い方法は、口座振り替え。

 対象となる災害は
 地震、洪水、豪雪などすべての自然災害。規模は問わない。地震に起因する火災も対象で、通電による火災、断水で消火ができず延焼した場合なども対象となる。自然災害が原因かどうか判断が難しいケースは、学識者らでつくる運営協議会で協議する。

 県外での再建・購入が半額なのはなぜか
 この制度は「被災地域の早期再生」を目的の一つに掲げており、県内の被災地にとどまって復興の担い手となる人と、県外に移転する人に差をつけている。

 制度がスターとしてすぐに災害が起こった場合は
 制度を運営する「財団法人兵庫県住宅再建共催基金」が金融機関から貸し付けを受け、県が必要な財政的援助をする。

 地震保険とどう違うのか
 地震保険は、火災保険とセットでなければ加入できない。契約額(建物が全損の場合に支払われる保険金の額)は、火災保険の契約額の30〜50%の範囲に限られる。また、各都道府県の地震の危険度により、保険料は4段階に分かれている。全損で6百万円が支払われる契約(半損は半額、一部損は5%)の場合、兵庫県内での年間保険料は木造が14,100円、非木造が8,100円。ただし、1981年6月以降の建築については保険料が1割引きとなる。
 兵庫県は共済制度について、「損害に対する補てんではなく、住宅所有者の助け合いの制度」と説明。地震保険や住宅の耐震化を「自助」、共済制度を「共助」と位置付け、国や地方自治体による「公助」と合わせて被災者の生活基盤を回復すべきとしている。共済と地震保険は併用可。

 給付金は、工事終了後でなければ支払われないのか
 業者と工事契約を結ぶなど、再建や補修が書類上明らかになった時点で、2分の1を上限に受け取ることができるようにする予定。

 給付について不満がある場合は
 不服審査委員会に申し立てることができる。

 申し込み方法は
 県内各市町の窓口や金融機関などに、7月から申込書を置く予定。申し込みは郵送で。問い合わせは、住宅再建共済基金事務局か県住宅防災課(いずれも TEL 078−341−7711)まで。

共済制度の給付金
    対象住宅の被害 金額
再建・購入 全壊・半壊 600万円
補修 全壊  200万円
大規模半壊 100万円
半壊 50万円
再建・購入、
補修をしない
全壊・半壊 10万円

 全壊=住宅の延べ床面積の70%以上が損壊、または
経済的被害でみた損害割合が50%以上
 大規模半壊=延べ床面積損壊50%〜70%未満、また
または経済的損害40%〜50%未満
 半壊=延べ床面積損壊20%〜50%未満、または経済
的損害20%〜40%未満

 兵庫県外での再建・購入は半額

(uq)


(2005/03/26) 兵庫県の住宅再建共済制度条例が成立、9月施行へ

 住宅所有者の積立金を財源にし、自然災害で住宅が全半壊した世帯に最高600万円を支給する兵庫県の住宅再建共済制度条例が25日、県議会で成立した。阪神大震災の教訓を実現させたもので、共済制度は全国で初めて。9月から施行する。

 震災で約45万戸が全半壊し、住宅再建が復興の大きな課題となった。任意加入で掛け金は1世帯あたり年5000円。自宅を再建する場合に600万円、補修は全壊で200万円、大規模半壊で100万円、半壊で50万円が支給される。再建も補修もしない世帯には10万円、県外で再建する場合は300万円。地震による火事や山火事の延焼など、自然災害と因果関係のある火災も対象とする。

 巨大災害で積立金が不足する事態に陥った際は、県が損失補償をして金融機関から融資を受ける。給付に関するトラブルに備え、不服審査機関も設置する。

 廣井脩・東京大大学院教授(災害情報)の話
 「兵庫の制度を全国に広げてもらいたい。将来的には耐震補強の助成に積立金を活用することもできる」

(tn)


(2005/03/11) 復興支援会議が19日解散 一部機能は新組織に

 阪神・淡路大震災の被災者と行政の間に立つ第三者機関「被災者復興支援会議3」(座長=室崎益輝・消防研究所理事長)が、19日に開く総合フォーラムを最後に10年間の活動を終える。これまでに兵庫県などに計26回の提言を行い、災害復興公営住宅で高齢者の見守りをする「高齢世帯生活援助員(SCS)」の設置など、多くの施策を実現させた。被災者からは「支援会議を日常的な仕組みとして残すべき」との声も多く、県は新年度に設置する「復興フォローアップ委員会」で機能の一部を引き継ぐ。

 被災者の生活実態などを把握し、復興に向けた課題をさぐろうと1995年7月、学識者やボランティア、行政の代表らをメンバーに設立。仮設住宅などを訪問し、被災者の話を聞く「移動いどばた会議」を1999年3月までに計143回開くなど、積極的に活動してきた。

 メンバーを入れ替え、支援会議2(1999年4月)、3(2001年5月)が発足。仮設住宅に自治会をつくることや、生活援助員(LSA)が常駐するシルバーハウジングの供給促進、地域の子どもたちの交流の場となる「子どもの冒険ひろば」の設置などを提案し、いずれも実現した。

 創設時のメンバーだった清原桂子・県理事は「被災者と行政の双方に提言することで互いの理解が深まり、仮設住宅の自治会づくりなど、円滑に進んだ取り組みも多い」と、震災直後の混乱期に果たした役割の大きさを振り返る。

 被災者支援に取り組む市民団体「県震災復興研究センター」の出口俊一事務局長も「県の下請けではなく、中間支援組織として行政と異なる発想で提言してきたことに意義がある。中でもSCSは、2005年度以降も継続する重要事業になった」と評価する。


 19日の総合フォーラムは「みんなの復興宣言―体験を力に、教訓を未来に―安全安心な社会の構築に向けて」と題し、午後2時半から、神戸市中央区のラッセホールで開催。室崎座長が、震災の経験と教訓を「災害文化」として定着させることなど、震災10年を総括した最終提言を発表する。

 副座長の加藤恵正・県立大経済経営研究所長や、小林郁雄・阪神大震災復興市民まちづくり支援ネットワーク代表、立木茂雄・同志社大教授ら5人によるパネル討論もある。参加無料。問い合わせは県生活復興課内の同会議3事務局(078・362・4218)まで。

(uq)


(2005/01/21) 被災者支援法、野党が改正案 住宅再建 最高500万円

 民主党の「次の内閣」は19日、自然災害で全半壊した住宅再建を容易にするための「被災者生活再建支援法改正案」を了承した。野党3党共同で通常国会冒頭にも提出する方向だ。

 昨年秋の臨時国会に野党3党で共同提案し廃案となった同改正案の支援内容を拡充。@最高300万円としていた住宅再建費用を最高500万円に引き上げ A年齢制限を撤廃し、世帯年収800万円以下を対象 などとしたのが特徴だ。台風22、23号や新潟県中越地震の被災者も対象とするため、2004年4月1日以降の自然災害にさかのぼって適用する。

 これに関し共産党の志位和夫委員長は同日の記者会見で「住宅本体の再建支援なくしては地域の再建はできない。支給額も上げて3党で再提出しぜひ実らせたい」と協力する考えを示した。

 現行法は、住宅が全壊、大規模半壊した被災者に対し、解体費用や住宅ローンの利子、登記費用などに充てる目的で最高300百万円を支援するが、被災者の大きな負担となっている住宅本体の再建費用は支援対象としていない。

(la)


(2005/01/16) 再建途上なお4件 震災で全半壊マンション

 阪神・淡路大震災で全半壊した兵庫県内のマンションのうち、被災当時のまま残り、再建に向けて協議中の建物は、10年を迎える今なお4件ある。震災9年時点の県のまとめで、復興の方針が決まっていなかった芦屋市のマンションが新たに含まれた。建て替えか補修かをめぐる被災マンション訴訟は昨年までにすべて終わり、最後に判決が確定した宝塚市のマンションは、今月から住民の意向調査を始める。こうした状況を受け、震災特例による国の再建補助制度は2005年度も1年間延長される見込み。

 県によると、全半壊の被害を受けた10戸以上の分譲マンションは計172件。うち、建て替えの方針を決めたのは109件。105件はすでに再建を終えた。

 残る4件のうち、芦屋市の「翠ケ丘マンション」(48戸)は昨年10月に建て替え方針を決めたばかりで、住民のヒアリングを進めている。現在、所有者の2割が居住。深見和男・復旧対策委員長は「今年の早い段階で正式な建て替え決議を行い、その後速やかに着工したい」と話す。

 建て替えをめぐる訴訟で最後となった宝塚市の「宝塚第三コーポラス」(131戸)は昨年4月、「建て替え決議有効」の判決が確定した。今月17日から住民のヒアリングを始める。判決後、兵庫県住宅供給公社が新たな再建案を示したが、資金面など住民合意への課題は多いという。

 山口正治理事長は「解体費もめどが立たず、更地にすらできない」と硬い表情。ほとんどの住民がすでに転居したが、裁判の原告となった女性の引っ越し先はまだ決まっていない。

 一方、2003年に最高裁判決が確定した神戸市灘区の「グランドパレス高羽」(178戸)は、2004年度中の解体着工を目指している。2001年に裁判が終わっていた同市兵庫区の「東山コーポ」(90戸)は昨年11月に建て替えを決議し、具体的な話し合いを進めている。

 それぞれの再建については、共用部分の整備費などを補助する国の「優良建築物等整備事業」が活用される予定。同事業は、震災特例で補助率がかさ上げされている。

(la)


(2005/01/16) 住宅共済制度創設へ調査会が兵庫県に最終報告提出

 自然災害で全半壊した住宅の再建支援で、兵庫県が共済制度創設を目指して設置した「被災者住宅再建支援制度調査会」(座長・室崎益輝消防研究所理事長)は13日、掛け金を年額4,800〜6,000円とし、住宅再建に6百万円を支給する最終報告を井戸敏三知事に提出した。県は2月議会の条例案提案、2005年度の導入を目指す。

 報告によると、制度は地震、洪水などあらゆる自然災害を対象とし、加入者には、住宅を再建する場合で6百万円(県外の場合は半額)、補修の場合は被災程度に応じ50万〜200万円を支給。再建、補修しない場合は10万円を支給する。

 調査会は2003年5月に設置され、作業を進めてきたが、室崎座長は「阪神・淡路大震災から丸10年の節目になんとか間に合った。一人でも多くの被災者に適用できるよう、少しでも早く導入を」と要望した。

 これを受けて井戸知事は「1日も早い制度化を目指す」とした上で「10年間で5割の加入率が目標だ。さらに全国制度の創設を働きかけていきたい」と述べた。

 県は、台風シーズンまでに加入手続きを開始できるよう準備を進めるという。

(tr)


(2005/01/12) 兵庫県内22市町で災害援護資金100億円焦げ付く 

 阪神・淡路大震災の被災者に国と自治体が貸し付けた「災害援護資金」で、今後も借受人からの返済が困難とみられる事実上の「焦げ付き」額が兵庫県内の22市町で約百億円に上ることがこのほど、分かった。うち神戸市分が約72億円を占める。借受人と連絡が取れなかったり、支払い能力がないことなどが理由だが、最終的に市町が全額を穴埋めしなければならなくなる。百億円に上る「焦げ付き」額の判明は初めて。

 同資金は全半壊世帯に上限350万円を貸し付ける制度。県内で約5万6千件、約1309億円の利用があり、利子の据え置きが終わった2000年から返済が始まった。返済期限は2005年中に迫っている。

 2004年9月末までのまとめでは、返済額と、借受人本人が死亡するなどして返済免除となった額を合わせて71%が返済されたが、未返済額約375億円のうち、借受人本人、保証人とも「ダブル破産」するなどした事実上の回収不能額が約12億3千万円。さらに借受人と接触できなかったりして回収が困難とみられる額は約88億7千万円で、現段階での「焦げ付き」額は合計約101億円に上っている。

 また、定期的に返せる分だけ返している「少額償還」を現在も続けている借受人は約12,900人。すべてが返済された場合、約225億円が償還されるが、全額返済が難しいケースも多く、さらに「焦げ付き」が増える可能性もある。

 未返済額が最も多い神戸市では、2004年から悪質な滞納者に対して法的手段による強制徴収に乗り出すなど、各市町は回収作業に懸命。しかし、資金の財源の3分の2は国のため、現状では各市町は2007年度中に国に返済しなければならず、県とともに国に償還期限の延長や免除要件の拡大を求めている。

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(2005/01/02) 全半壊の9割対象外 生活再建支援金

 阪神・淡路大震災を機に成立した「被災者生活再建支援法」が適用された自然災害で、住宅が全半壊した世帯のうち、支援金の支給対象が1割未満にとどまっていることが、このほど分かった。年収・年齢要件がある上、住宅本体の再建、補修費には使えないことが主な要因とみられる。

 同法は1998年に成立。2004年春の法改正で、被災住宅の解体撤去費などを支給する「居住安定支援制度」が盛り込まれ、支給額は最高300万円となった。施行以来、23の自然災害(改正後は10)で25都道府県に適用された。支援金支給は2003年末までに、13の災害で総額22億8千8百万円にのぼる。

 適用を受けた自然災害で全半壊したのは計約4万1800棟で、一部損壊も加えると約28万1000棟。運用に関する内閣府と被災自治体のデータを集計すると、このうち、先月24日までに支援金が支給されたり申請中の世帯は3100世帯余りで、適用災害の全半壊世帯の7.5%にとどまっている。2004年10月に発生し、今後も申請を受け付ける新潟県中越地震(約1万3000棟が全半壊)を除いても、11.0%となっている。

 同法は世帯主が45歳未満で、一家の年収が計500万円以上あると対象外。このため、幅広い被災者救済を目指し、兵庫県が2004年11月に要件を緩和したほか、福井県などが要件を設けない独自の補助制度を設けている。

 同法の拡充を訴えてきた室崎益輝・消防研究所理事長は「制度が被災者のニーズに合っていない。再建意欲が高く、地域社会を担う働き盛りの世代の活力を引き出す制度が必要」と指摘。「国は対象外となった被災者の現状を調べ、制度を検証すべき」とする。

 一方、内閣府は「現在は申請の途中で数字は流動的。水害や豪雪地域への弾力的運用も指示している」と説明。「全壊世帯の半数はカバーできるよう運用してきた。公的な支援としては機能している」と述べ、当面、制度を見直す考えはない、としている。

(la)

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