被災者公的支援法関連

1.被災者生活再建支援金法について         
2.付帯決議による「被災者自立支援金制度」 の発足 
3.公的支援法をめぐる動き               
4.被災者生活再建支援金法全文(法律第66号) 
5.政令案要旨
6.付帯決議                       
7.衆議院災害対策特別委員会委員長発言要旨 
8.被災者公的支援関連その後の動き  (2011/01/07)


1.被災者生活再建支援法について

 被災者生活再建支援法案が98年5月15日に衆議院本会議で可決、成立し,5月22日に公布されました。 しかし、阪神・淡路大震災には適用されず、付帯決議に盛られた 「同法案に概ね相当する程度の支援措置」で何らかの救済が講じられることになっておりましたが、兵庫県と神戸市など関係市町は6月5日、新たな「被災者自立支援金制度」 を本年7月1日からスタートさせることを決めました。これについての詳しいことは次の「2.付帯決議による 「被災者自立支援金制度」 の発足」で説明します。

  被災者生活支援法の対象は、住宅が全壊した世帯に限られ、対象者の年齢、収入によって下記の表の通り支給されることになっております。

(下記は阪神・淡路大震災の被災者に対しては適用されず、後述の「被災者自立支援金制度」 が講じられます。)

被災世帯の前年の収入合計 世帯主の年齢 支給上限額
500万円以下 全年齢 100万円
500万円を超え700万円以下 45歳以上 50万円
700万円を超え800万円以下 60歳以上 50万円
500万円を超え800万円以下
の障害者世帯など
全年齢 50万円

上記を色分けしますと下記のようになります。

収入合計 0〜500万円 500〜700万円 700〜800万円
45歳未満    ー
45歳以上60歳未満      ー
60歳以上      
障害者世帯などは全年齢      

        支給額 最高100万円
    〃  最高50万円
 

2.付帯決議による 「被災者自立支援金制度」 の発足

 98年5月15日に国会で成立した「被災者生活再建支援法」 の付帯決議を受け、兵庫県と神戸市など関係市町は6月5日、同法が対象としなかった阪神・淡路大震災の被災者を救済するため、同震災復興基金による既存の「生活再建支援金」と「中高年自立支援金」を統合、拡充し、新たな「被災者自立支援金制度」本年7月1日からスタートさせることを決めました。
 
 これによって、既存の両制度も含め、約13万4千世帯が対象となり、新規の支給対象となる世帯は約2万9千世帯で、現行の支援制度との差額が支給される世帯が約6万9千世帯と見込まれています。7月下旬から申請手続きに入り、11月にも支給できる見通しです。

 参議院災害対策特別委員会の非公式協議では、自民党側から、被災地ですでに支給されている生活再建支援金、中高年自立支援金との併給はしない方針が示されておりました。
 
 すでに阪神・淡路大震災の被災者に対して給付が始まっている生活再建支援金は、非課税世帯などを対象に、複数世帯で月額最高25,000円、単身世帯で20,000円を、昨年4月1日現在で世帯主が65歳以上の場合5年間、同64歳は4年間、同63歳は3年間、62歳は2年間、支給する制度で、支給最高額は150万円(65歳の複数世帯 X 5年間)になります。

 また、中高年自立支援金は、総所得合計が507万円以下で、97年12月1日現在、世帯主が45歳以上を対象に、複数世帯は月額20,000万円、単身世帯は15,000円が2年間支給されます。支給最高額は48万円(45歳以上の複数世帯 X 2年間)となります。両支援金とも復興基金を財源とし、年2回に分けて支給されております。
 
 新制度の「被災者自立支援金制度」 には、新たに540億円の財源が必要となるため、県と神戸市が管理する阪神・淡路大震災復興基金(9千億円)のうち、3千億円の運用期間を従来の5年間から9年間に延長して新たな運用益を確保することになります。

 「被災者自立支援金制度」 の対象世帯は、住家が全壊(焼)した世帯、または半壊(焼)し解体した世帯で、次の表のいずれかに該当する世帯。なお、仮設住宅の世帯は退去することが条件となります。これは現行の二制度が恒久住宅への移転者のみを対象としており、それとの整合性を重視したためです。また、県内で被災し県外に避難したまま生活する世帯も対象となります。

(1)世帯全員の総所得金額および世帯主の年齢などが下記の区分に該当する世帯(表(2)の世帯を除く)

総所得金額の合計額 区  分 支給金額(万円)
複数世帯 単身世帯
総所得346万円以下の世帯
(年収500万円以下)
世帯主の年齢は問わない 100 75
総所得346万円超510万円
以下の世帯
(年収500万円超〜
         700万円以下)
世帯主が45歳以上の世帯
または要援護世帯
50 37.5
総所得510万円超600万円
以下の世帯
(年収700万円超〜
         800万円以下)
世帯主が60歳以上の世帯
または要援護世帯
50 37.5

(注)年齢、要援護世帯認定の基準日は平成10年7月1日
(注)対象所得は平成9年度または平成8年度分のうち低い方の額

(2)世帯主が62歳以上の世帯又は要援護世帯で、世帯員全員の住民税(所得割)又は所得税が非課税の世帯(これまでの生活再建支援金の対象世帯)

区  分 支給金額(万円)
複数世帯 単身世帯
(ア)世帯主が65歳以上の世帯または要援護世帯 120 90
(イ)世帯主が62歳から64歳までの世帯 100 75

(注)年齢、要援護世帯認定の基準日は平成10年7月1日
(注)他の市町(神戸市は5ブロックに区分)に移転した世帯には交流経費として(ア)の世帯には30万円(月額5,000円 X 60ヶ月)、(イ)の世帯には25万円(5,000円 X 50ヶ月)、から既支給額を減じた額を支給。

 仮設住宅お住まいの方も申請することができますが、支給は恒久住宅に移転されたことを確認した後になります。なお、神戸市については恒久住宅移転後に申請することになります。
○支給方法=分割支給又は一括支給の選択。分割の場合は複数世帯で月額2万円(単身世帯は1万5,000円)を基準とし、年2回(8月、2月)支給。
○詳しい問い合わせ先=各市町担当課または県生活復興推進課(TEL 078-362-4022)


 それにしても、震災後3年以上も政府がこのような制度を創設するについて積極的にリーダーシップを発揮しなかったのは理解に苦しみます。同じ額を支給するにしても、被災直後であれば、どれだけ多くの被災者が本当に助かったことか。被災地の悲痛な叫びと東京の醒めた目。認識の乖離。それは政府だけでなく、中央のマスコミですら今回の法案を個人補償と捉えて政府と同じ目線で批判している向きもあります。今回の法案が個人資産の補償ではなく、あくまで生活補償だということが分かっていないのです。破綻した金融機関の預金は公的資金を投じてでも保証する、それはそれで結構なことですが、それだって結局は個人資産の補償になり、この点において大きな矛盾があります。それもここにきて急に各党間の話し合いでまとまったのは、7月の参議院議員選挙を視野に入れた政治的配慮と考えるのは小生だけでしょうか。大震災をも政治の道具にしかねない冷酷な政治力学がそこにあるのではないでしょうか。


3.公的支援法をめぐる動き
[1995年]    
1月17日 阪神・淡路大震災発生。
[1996年]  
5月29日 作家の小田実さんらが「生活再建援助法案」を発表。
9月26日 「市民=議員立法実現推進本部」結成。
 11月29日 「市民=議員協議会」を参議院会館で開き、法案提出の具体的検討始まる。 
[1997年]  
1月20日 通常国会開会。
2月20日 全国労働者福祉・共済協会などの「自然災害に対する国民的保証制度をもとめる
国民会議」が首相あてに約2400万人分の署名を提出。
4月25日 超党派議員と推進本部が市民立法法案の骨子発表
5月15日 災害弔慰金支給法の改正案として「災害被災者等支援法案」(市民案)を発表。
20日 参議院の超党派議員が市民案を参議院に提出。
6月17日 市民案の継続審議決定。参議院災害対策特別委員会で趣旨説明。
6月18日 通常国会閉会。市民案は継続審議に。
7月17日 全国知事会が、後に自民党案の基礎となる「災害相互支援基金制度」の創設を
政府に求めることを決議。
9月29日 臨時国会開会。
10月8日 自民党が知事会構想を基に法案骨子策定、政府と調整開始。
12月4日 自民党が「被災者生活再建支援基金法案」(自民党案)をまとめる。
9日 旧新進、民主、旧太陽の野党3党が「阪神・淡路大震災被災者支援法案」(野党案)を参議院に提出。連立与党が自民党案の次期国会提出に合意。
12日 臨時国会閉会。市民案、野党案は継続審議に。
[1998年]
1月12日 通常国会開会。
2月9日 政府、自民党が自民党案内容に合意。
4月3日 参議院災害対策特別委員会で野党案の趣旨説明。
10日 市民案と野党案が参議院災害対策特別委員会で審議入り。
13日 同特別委員会の非公式の理事懇談会で、3法案の一本化を目指す方針で合意。
15日 同懇談会で自民党が阪神・淡路大震災の被災者8万世帯に最高100万円を支給する「行政措置」の試算を提示。
16日 同懇談会で市民案と野党案の発議者側が、年収700万円以下の世帯への支給額を自民党案と同額の100万円とする修正案を提示。
17日 自民党、所得制限を緩和した修正案に同意できないと回答。
20日 共産党を除く超党派で自民党案を軸に一本化した法案を共同提案することで合意。
24日 共同提案の法案を参議院にて共産党などを除く賛成多数で可決、衆議院に送られる。
5月7日 兵庫県議会の自民党議員団が再建支援法案の早期成立や、付帯決議に示された行政措置の拡充などを求め、衆参両院議長らに要望書を提出。
8日 行政措置について兵庫県の被災10市10町の首長らが「県・市町連絡調整会議」を開催。
11日 衆院災害対策特別委員会で法施行の5年後に見直す方針を決める。
14日 共同提案の「被災者生活再建支援法案」が衆議院災害対策特別委員会で可決。
15日 衆議院本会議で同法案が可決、成立した。平成11年度以降の災害から適用される。
18日 兵庫県幹部、付帯決議による阪神・淡路大震災の被災者支援は兵庫県と神戸市で設立した阪神・淡路大震災復興基金の活用を考慮中と示唆。
22日 「被災者生活再建支援法」公布(法律第66号)
29日
政府・与党の震災復興プロジェクトチームが「阪神・淡路大震災復興基金」の運用延長などで、財源措置を決め、兵庫県は支給方法を一括・分割を被災者が選択することをきめる。
6月5日 兵庫県と神戸市など関係市町が「被災者自立支援金制度」を発足。
16日 兵庫県、被災者自立支援金の支給の申請を7月21日から受け付けることを明らかにした。支援金は98年11月から支給される。
7月21日 被災者自立支援金申請始まる。
11月5日 自立支援金支給開始。
[1999年]
4月5日 「被災者生活再建支援法案」による支援基金制度がスタート。
7月1日 豪雨災害の広島県で、支援法が初適用される。
[2000年]
4月28日 超党派の国会議員でつくる「自然災害から国民を守る国会議員の会」(会長=原田昇左右・元建設相、154人)は、阪神大震災を教訓に、自然災害で住宅を失った被災者に再建費用の一部を支給する「被災者住宅再建支援制度」案の骨格を決定。次期国会にも議員提案し、立法化を目指す。


   平成10年5月15日に衆議院本会議で可決され、成立した 「被災者生活再建支援法」 は次の通りです。 なお、この法律の公布日は平成10年5月22日です。(平成10年5月22日付 官報 第2386号 より)
      

4.被災者生活再建支援法(法律第66号)

 
目次  
  第一章 総則(第一条・第二条)
  第二章 被災者生活再建支援金の支給(第三条〜第五条)
  第三章 被災者生活再建支援基金(第六条〜第十七条)
  第四章 国の補助等(第十八条・第十九条)
  第五章 雑則(第二十条・第二十一条)
  第六章 罰則(第二十二条〜第二十四条)
  附則 (第一条〜第三条)

   第一章 総則
 (目的)
第一条  この法律は、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者であって経済的理由等によって自立して生活を再建することが困難なものに対し、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者生活再建支援金を支給するための措置を定めることにより、その自立した生活の開始を支援することを目的とする。
 (定義)
第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。  
 一 自然災害 暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火、その他の異常な自然現象により生ずる被害をいう。
 二 被災世帯 政令で定める自然災害により、その居住する住宅が全壊した世帯その他これと同等の被害を受けたと認められる世帯として政令で定めるものをいう。
 
   第二章
 被災者生活再建支援金の支給
 (被災者生活再建支援金の支給)
第三条  都道府県は、当該都道府県の区域内において被災世帯となった世帯のうち次の各号に掲げるものの世帯主に対し、自立した生活を開始するために必要な経費として政令で定めるものに充てるものとして、当該各号に定める額を超えない額の被災者生活再建支援金(以下「支援金」という。)の支給を行うものとする。
 一 当該世帯に属する者の総理府令で定めるところにより算定した収入の合計額(次号において「収入合計額」という。)が500万円以下である世帯 100万円。
 二 収入合計額が500万円を超え800万円以下である世帯であって、その世帯主の年齢が60歳以上であるもの(収入合計額が500万円を超え700万円以下の世帯である世帯にあっては、その世帯主の年齢が45歳以上60歳未満である世帯を含む)または総理府令で定める要援護世帯であるもの  50万円。
 (支給事務の委託)
第四条 都道府県は、議会の議決を経て、支援金の支給に関する事務の全部を第六条第一項に規定する基金に委託することができる。
2 都道府県(当該都道府県が前項の規定により支援金の支給に関する事務の全部を第六条第一項に規定する基金に委託した場合にあっては、当該基金)は、支援金の支給に関する事務の一部を市町村に委託することができる。
 (政令への委任)  
第五条 支援金の額の算定基準その他支援金の支給に関し必要な事項は、政令で定める。 
 
   第三章
 被災者生活再建支援基金
 (指定等)
第六条 内閣総理大臣は、被災者の生活再建を支援することを目的とする民法(明治29年法律第89号)第34条の法人であって、次条に規定する業務(以下「支援業務」という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国に一を限って、被災者生活再建支援基金(以下「基金」という)として指定することができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、自治大臣に協議するものとする。
3 内閣総理大臣は、第一項の規定による指定をしたときは、基金の名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。
4 基金は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
5 内閣総理大臣は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
 (業務)
第七条 基金は、次に掲げる業務を行うものとする。
 一 第三条の規定により支援金を支給する都道府県(第四条第一項の規定により支援金の支給に関する事務の全部を基金に委託した都道府県を除く)に対し、当該都道府県が支給する支援金の額に相当する額の交付を行うこと。
 二 第四条第一項の規定により都道府県の委託を受けて支援金の支給を行うこと。
 三 前二号の業務に附帯する業務を行うこと。
 (費用の支弁)
第八条 基金は、第四条第一項の規定により都道府県の委託を受けて支援金の支給を行うときは、支援金の支給に要する費用の全額を支弁する。
 (運用資金等)
第九条 基金は、支援業務の運営に必要な経費の財源をその運用によって得るために運用資金を設けるものとする。
2 都道府県は、基金に対し、前項の運用資金に充てるために必要な資金を、相互扶助の観点を踏まえ、世帯数その他の地域の事情を考慮して、拠出するものとする。
3 都道府県は、前項の規定によるほか、基金が支援業務を運営するために必要があると認めるときは、基金に対し、必要な資金を拠出することができる。
 (運営委員会)
第十条 基金は、運営委員会を置くものとする。
2 次に掲げる事項は、運営委員会の議決を経なければならない。
 一 次条第一項に規定する業務規定の作成及び変更
 二 第十二条第一項に規定する事業計画書及び収支予算書の作成及び変更
3 運営委員会は、前項に定めるもののほか、支援業務の運営に関する重要事項について、基金の代表者の諮問に応じて審議し、又は基金の代表者に意見を述べることができる。
4 運営委員会の委員は、都道府県知事の全国的連合組織の推薦する都道府県知事をもって充てるものとする。
 (業務規定の認可)
第十一条 基金は、支援業務を行うときは、当該業務の開始前に、当該業務の実施に関する規程(以下この条において「業務規程」という。)を作成し、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 内閣総理大臣は、前項の認可をした業務規程が支援業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 業務規程に記載すべき事項は、総理府令で定める。
 (事業計画等)
第十二条
 基金は、毎事業年度、総理府令で定めるところにより、支援業務に関し事業計画書及び収支予算書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 基金は、総理府令で定めるところにより、毎事業年度終了後、支援業務に関し事業報告書及び収支決算書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
 (区分経理)
第十三条
 基金は、支援業務に係る経理とその他の経理とを区分して整理しなければならない。
 (秘密保持義務)
第十四条
 基金の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、第七条第二号の業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
 (報告)
第十五条
 内閣総理大臣は、支援業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、基金に対し、当該業務又は資産の状況に関し必要な報告をさせることができる。
 (監督命令)
第十六条
 内閣総理大臣は、支援業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、基金に対し、支援業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
 (指定の取り消し等)
第十七条
 内閣総理大臣は、基金がこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反したときは、第六条第一項の指定(以下この条において「指定」という。)を取り消すことができる。
2 第六条第二項の規定は、前項の規定により指定の取り消しをしようとするときについて準用する。
3 内閣総理大臣は、第一項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。  
  
   第四章 国の補助等
 (国の補助)
第十八条 
国は、第七条第一号の規定により基金が交付する額及び同条第二号の規定により基金が支給する支援金の額の二分の一に相当する額を補助する。
 (国の配慮)
第十九条
 国は、第九条第二項及び第三項の規定に基づく都道府県の基金に対する拠出が円滑に行われるよう適切な配慮をするものとする。

   第五章 雑則
 (公課の禁止)
第二十条
 租税その他の公課は、支援金として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。
 (政令への委任)
第二十一条
 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。

   第六章 罰則
第二十二条
 第十四条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第二十三条 第十五条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の罰金に処する。
第二十四条 基金の代表者又は基金の代理人、使用人その他の従業者が、基金の業務に関して前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、基金に対しても、同条の刑を科する。    

   附 則 
 (施行期日等)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行し、第三条(第四条第一項の規定により支援金の支給に関する事務の委託があった場合を含む。)の規定は、この法律の施行の日の属する年度の翌年度以降の年度において、都道府県の基金に対する資金の拠出があった日として内閣総理大臣が告示する日以後に生じた自然災害により被災世帯となった世帯について適用する。
 (検討)
第二条 自然災害により住宅が全半壊した世帯に対する住宅再建支援の在り方については、総合的な見地から検討を行うものとし、そのために必要な措置が講ぜられるものとする。
 (国土庁設置法の一部改正)
第三条
 国土庁設置法(昭和四十九年法律第九十八号)の一部を次のように改正する。
  第四条第二十五号中セをスとし、モをセとし、ヒをモとし、ヱをヒとし、シをヱとし、ミをシとし、メをミとし、ユをメとし、キの次に次のように加える。
   ユ 被災者生活再建支援法(平成十年法律第六十六号)
            内閣総理大臣 橋本龍太郎
               大蔵大臣 松永   光  



5.政令案要旨

 対象災害 
 災害救助法の適用基準に該当する災害、又は次のいずれかに該当し、特に支援の必要が高いと内閣総理大臣が認めた災害。
 1. 一つの市町村で十以上の世帯の住居が全壊。
 2. 一つの都道府県で百以上の世帯の住居が全壊。
 全壊と同等と認める世帯
 1. 住宅が半壊し、これを解体した世帯。
 2. 避難生活が長期にわたり、住宅が使用不能となった世帯など。
 支援金の支給経費や支給方法
 自立した生活への移行経費のうち、必ず必要となるものは経費ごとに単価を定め定額を支給する(収入合計額が5百万円を超える被災者は単価の二分の一)。単価が定めることが困難なもの、被災地の地理的特性、被災者の健康上の理由など、特殊な事情で生活再建に必要なものは、申請に基づき実費を支給する。


6.付帯決議

一、阪神・淡路大震災から三年あまりを経たが、多くの被災者は生活経済基盤が回復できず、生活自立に苦しんでいる。その実情を十分にかんがみ、一日も早く生活再建できるよう、被災地の復興基金事業として実施されている生活再建支援金などを含め、本法の生活支援金に相当する程度の支援措置が講じられるよう国は必要な措置を講ずること。

二、法施行後五年を目途に施行状況を勘案し、総合的な検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。



7.衆議院災害対策特別委員会委員長発言要旨(98/05/14)

 阪神・淡路大震災の被災者には、現在、地元県・市の阪神・淡路大震災復興基金により、生活再建支援金及び中高年自立支援金が月額方式で支給されている。本法の制定にあたり、同基金が実施する生活再建支援基金の拡充など、地元の主体性、独自性を生かした適切な措置を地元県・市で検討されるよう期待する。



  
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