2018年2月号

ここでは、芦屋市民の生活圏ともいえる阪神間の地域情報及び一般社会生活に於ける
各種情報もを盛り込んでいます。
    

 更新日  あしや瓦版
2018/02/2 無補給単独で南極点踏破「植村直己冒険賞」の荻田さん、命がけで一歩一歩
2018/02/21  兵庫県内の高校2年生に企業ガイドブック配布
2018/02/20  芦屋市予算案 4年ぶりに縮小
2018/02/19  がん治療と検診 兵庫医科大学病院で市民講座 
2018/02/19  春の訪れ 香りから 神戸市立須摩離宮公園
2018/02/18  「昼寝」を誘う遺伝子 京大などが発表
2018/02/18  年金繰り下げ定着課題 政府、70歳超も選択肢
2018/02/18  介護施設選び方を考えて 24日、大阪でセミナー 
2018/02/18  「神戸ビーフ」発信拠点 兵庫県が整備へ 
2018/02/17  介護手前のフレイル状態(虚弱状態)を解消 
2018/02/16  「健康志向」でチョコレートが人気
2018/02/15  芦屋の稲坂莫大小製造 足包む職人のぬくもり
2018/02/14  スケート逸材、なぜ兵庫から続々? 
2018/02/13 軽乗用車の事故による致死率 普通車の1.6倍
2018/02/12  能楽の魅力を気軽に 芦屋で親子向けイベント 
2018/02/11  村尾育英会学術奨励賞に京大iPS研の池谷准教授
2018/02/10  津波体験装置導入へ 人と防災未来センターに今春
2018/02/09  きぼうの像 芦屋で保存
2018/02/08  六甲山の自然観察講座 参加者を募集 4月から
2018/02/08  歴代「Zシリーズ」ずらり 神戸でカワサキフェア 
2018/02/07  キリンビール工場見学 神戸市北区 根強い人気
2018/02/06  銭湯、家族利用がお得 神戸市・新年度から
2018/02/05  幹細胞がんの抑制期間を2倍に 近大チーム発表
2018/02/04  ヨドコウ迎賓館保存修理工事見学会 22,23日
2018/02/03  血液でアルツハイマー判別、原因物質を簡単に検査 国立長寿研など発表
2018/02/02  浜風の家 存続に光 建物付きで土地売却へ
2018/02/02 神戸地下鉄・三宮駅に来月から可動式ホームドア設置
2018/02/01  県内の就職内定率68・5% 5年連続増加








(2018/02/22) 無補給単独で南極点踏破「植村直己冒険賞」の荻田さん、命がけで一歩一歩 

 豊岡市の「2017植村直己冒険賞」を受賞した冒険家の荻田泰永さん(40歳・北海道在住)。今年1月、無補給単独で歩いて南極点に到達した初の日本人として、その偉業がたたえられた。しかし、南極特有の強風に立ち向かいながら進むのは簡単ではない。体力消耗の危険を乗り越えた命がけの挑戦だった。

 荻田さんは2001(平成13)年から15回の北極行に臨み、北極圏を9千キロ以上移動した経験を持つ自称「北極冒険家」。このため、南極点を目指したのは初めてだった。

 昨年11月17日(現地時間)、南極大陸のヘラクレス入り江から厚い氷に覆われた標高2800メートルの南極点を目指して出発。外部からの物資補給を受けないため、100キロ超の荷物を積んだソリを自力で引き、出発から50日目の今年1月5日、1126キロを踏破、南極点に立った。

 11月の南極は夏だが、最低気温はマイナス23度を記録。また、南極特有の内陸からの強風「カタバ風」が吹き荒れ、凍えるほどの向かい風が襲い来る。一面平らに見える氷の世界は実際は凸凹が激しく、ソリの前進を阻んだという。自然の猛威の中、一歩一歩進む過酷な道程だった。

 荻田さんは同じ無補給単独の条件で、過去、北極点に2度挑戦したが、途中で断念している。それだけに荻田さんは、東京で行われた受賞会見で「次は南極点よりも難しい北極点へ行く。3度目の挑戦をしたい」と、新たな冒険に向けて固い決意を述べた。



(2018/02/21) 兵庫県内の高校2年生に企業ガイドブック配布

 若い人材を求める地元企業を高校生に知ってもらおうと、兵庫県は高校生向け企業ガイドブック「知ってる?兵庫の企業」を県内の高校2年生全員に配布する。総務省のまとめによると、平成29年の都道府県別の人口転出超過幅は兵庫が全国2位。県では若い人材の確保に苦しむ中小企業を支援するとともに、転出超過に歯止めをかける狙いもある。

 ガイドブックは神戸▽阪神▽東播磨・北播磨▽中播磨・西播磨▽但馬▽丹波▽淡路 の7地域版を作成。私立を含む県内すべての高校、高専の2年生約4万8千人に配布する。

 中小企業を中心に食品や産業用機械メーカー、建設業、旅館まで幅広い業種の計340社を掲載。高校生にとって認知度が低くても、国内有数の技術を持っていたり、高い業界シェアを誇ったりする企業を県側で選んだ。売上高や従業員数といった情報のほか、企業の特色や採用担当者からのメッセージなどが紹介されている。近くウェブでも公開し、大学生向けのガイドブック作成も予定している。

 高校生向けのガイドブックの作成は昨年に続いて2回目。背景には県内企業にとって高卒者の採用確保が難しくなっている状況がある。平成28年度の高校新卒者の有効求人倍率は2.02倍。26年度は1.55倍、27年度は1.75倍で増加傾向にある。神戸市長田区の食品メーカーの経営者は「ここ最近は、採用予定人数まで募集が集まらない。数年前の就職難とはすっかり逆転した」と話す。

 また、県内人口の転出超過も問題化している。総務省が1月29日に発表した平成29年の人口移動報告によると、兵庫の転出超過は6657人で、都道府県別では福島県(8395人)に続く全国2位。特に20代が5991人と大半を占めており、県は県内企業への就職を促し、人口流出に歯止めをかけることを目指す。



(2018/02/20) 芦屋市予算案 4年ぶりに縮小

 
芦屋市は、461億4000万円の2018年度一般会計当初予算案を発表した。市税収入が6年ぶりに減少に転じたことなどを受け、予算規模は前年度比0.4%%減と4年ぶりの縮小。今回、初めて重点事業に1億円の予算枠を設け、人口減少や子育て対策などに配分した。

 歳入は、他自治体へのふるさと納税が増えた影響で、市税収入が同1.6%減の218億1000万円となる見通し。市債発行は同7.2%減の41億8000万円となった。

 歳出は、JR芦屋駅南地区の再開発に伴う用地取得などのため、投資的経費が同7.5%増の91億5000万円。返済延長が認められ、災害援護資金貸付金償還金が減少したことで、公債費は同6.5%減の47億8000万円となった。

 主な新規事業は、市立図書館本館の改修工事(5億1000万円)▽市立幼稚園の空き教室を利用した留守家庭児童会の開設(1900万円)▽阪神電気鉄道の立体交差化などの検討費用(580万円)など。




(2018/02/19) がん治療と検診 兵庫医科大学病院で市民講座

 兵庫医科大学病院(西宮市武庫川町)の市民健康講座が今月21日と3月7日、同大学10号館3階の第3会議室で開かれる。

 21日は放射線科の冨士原将之助教授が「がんの放射線治療〜放射線を正しく理解して、正しく使おう〜」をテーマに、3月7日は炎症性腸疾患内科の樋田信幸准教授が「大腸がん検診を受けよう」と題して話す。いずれも午後3〜4時で、質疑応答が午後4時から30分間。

 定員60人で無料。予約不要。詳しい問い合わせは同病院医療支援センター(TEL 0798-45-6035)まで。




(2018/02/19) 春の訪れ 香りから 神戸市立須摩離宮公園

 神戸市須磨区の市立須磨離宮公園で、早咲きの梅が今月下旬にかけて見頃を迎えそうだ。

 園内には約25種類160本の梅が植えられている。このうち「玉牡丹」は先月中旬から咲き始めた。厳しい寒さが続いたため、昨年より10日〜2週間程度開花が遅れているという。紅色の「大盃」や白色の「月影」などもつぼみをふくらませている。

 25日まで梅見会が開催されており、職員による解説「梅見ガイド」が18、25の両日午後1時半から、「梅見茶会」が25日午前11時から(先着200人、1人400円)ある。青木ひろみ園長は「春の訪れを感じてもらえたら」と語している。

 山陽電鉄須磨寺駅から徒歩10分。午前9時〜午後5時、木曜休園だが22日は開園。梅見ガイドは雨天中止。詳しい問い合わせは同園(TEL 078-732-6688)まで。






(2018/02/18) 「昼寝」を誘う遺伝子 京大などが発表

 「昼寝」に関連する遺伝子を哺乳類や昆虫が持っていると、京都大や米シンシナティ小児病院の研究チームが発表した。活動時間帯の途中で体温を下げ、活動量を低下させる役割があるという。哺乳類や昆虫の祖先は、少なくとも6億年前にはこの仕組みを獲得したとみられる。論文が米専門誌「ジーンズ・アンド・デベロツプメント電子版に掲載された。

 生物は、昼夜のリズムに合わせて約24時間の周期で活動が変化する「体内時計」を持っているが、チームは、人は昼過ぎになると体温が一時的に下がって眠くなることに着目。

 この生命現象に関わる遺伝子を調べるためにショウジョウバエやマウスを使って実験したところ、体内時計をつかさどる脳内に、活動時間帯の途中に体温を下げるように働く遺伝子を見つけた。この遺伝子を働かせなくすると、「昼寝」の時間になっても体温が下がらなかった。人にも同じ遺伝子があり、昼寝に関係している可能性があるという。チームの土居雅夫・京大准教授(神経生理学)は「生物は進化の過程で昼寝を促す仕組みを手に入れたのだろう」と話した。

本間さと・北海道大客員教授(時間生物学)の話
 「変温動物の昆虫と恒温動物の哺乳類は体温調節の方法が異なる が、体温変化のリズムを作る仕組みが共通することは興味深い。 ずっと活動していると体への負担が大きく「昼寝には体を休める 重要な役割があると考えられる」





(2018/02/18) 年金繰り下げ定着課題 政府、70歳超も選択肢

 政府は16日、中長期的な高齢者対策の指針となる「高齢杜会対策大綱を決定した。高齢者の就労を促すため、公的年金の受給開始時期を70歳超からも選べる制度の検討を盛り込んだ。厚生労働省2020年までの法整備を目指すが、受給開始繰り下げが定着するめどは立っていない。

 今の制度では、公的年金の受け取りは原則65歳からで、希望すれば60〜70歳の間から選べる。65歳から遅くするほど毎月の支給額は0.7%ずつ増え、65歳より早く受け取るほど0.5%ずつ減る。85歳まで老齢基礎年金を満額でもらう例では、70歳で受け取りを始めると15年間の合計で約1660万円となる。65歳から受け取るより約100万円多い。

 新制度では、70歳超とする選択肢を設け、支給の上乗せ率もより大きくする。厚労省は公的年金の財政を点検する2019年の財政検証を踏まえて制度を設計する方針だ。

 高齢化で働き手が減るため、政府は高齢者の就業を促そうとしている。年金の受給開始年齢の幅を広げることで、働けるうちはなるべく長く働こうとする人を増やしたい考えだ。

 ただ、2016年度に受け取りを始めた人のうち、開始年齢を繰り下げたのは2.7%にとどまる。政府の狙い通りに高齢者の働き手を掘り起こせるかどうかは未知数だ。

 大綱では、65歳以上を高齢者とする年齢区分の見直しを打ち出した。「60〜64歳の就業率を2020年に67%(2016年は63.6%)に引き上げる」「健康寿命を2020年に1歳以上、2025年に2歳以上延ぱす」などの数値目標も掲げた。

高齢社会対策大綱のポイント
 ▽年金受給開始を70歳超からも選べる制度の検討。
 ▽65歳以上を高齢者とする年齢区分の見直し。(つまり、65歳はも  はや高齢者とみなさないという考え方)
 ▽健康寿命を2020年に1歳以上、2025年に2歳以上延ばす。





(2018/02/18) 介護施設選び方を考えて 24日、大阪でセミナー

 介護施設や高齢者住宅に実際に入居した人らの経験などを聞き、選び方について考えるセミナー「介護施設選び私の場合」が24日午後1時半〜4時半、大阪市中央区のドーンセンターで開かれる。

 介謹施設で暮らす高齢者の生活の質の向上に取り組むNPO法人「介護保険市民オンブズマン機構大阪」(大阪市)が主催。高齢者向けの住まいは種類が増え、関心も高いことから、満足できるところを探すために必要な知識を学んでもらおうと企画した。

 消費生活アドバイザーが、施設の種類やサービス内容などを解説。また、サービス付き高齢者向け住宅に入居している女性や、義母が特別養護老人ホームで暮らす女性ら計3人が、入居を決めるまでの経緯や施設選びのポイント、入居後の感想などを話す。

 参加費1000円。先着70人。申し込みは同法人(TEL 06-6975-5221、FAX 06-6975-5223)まで。





(2018/02/18) 「神戸ビーフ」発信拠点 兵庫県が整備へ

 兵庫県は神戸ビーフの情報発信施設「神戸ビーフ館(仮称)」を整備することを決め、新年度予算案に暫定施設の整備費約2700万円を計上した。国内外で人気の神戸ビーフの知名度を生かして、外国人観光客らを呼び込むのが狙い。暫定施設は今秋ごろに神戸市内で開業し、2023年ごろの本格オープンを目指す。

 県によると、暫定施設は約150平方メートルで、同市中央区の建物内に整備。約30席のレストランのほか、県内で食べられる店舗や神戸ビーフの特徴を映像などで紹介する。事業主体は県や業界団体などでつくる協議会で、本格的な施設の場所や規模、名称は今後検討する。

 県政150周年記念事業の一環で、同事業では、県内のスイーツの歴史や文化を紹介する「ひょうごスイーツ博物館(仮称)」構想も掲げられており、この検討費50万円も予算案に盛り込まれた。




(2018/02/16) 介護手前のフレイル状態(虚弱状態)を解消

 介護が必要になる手前の段階「フレイル」への関心が高まっている。放つておくと要介護につながりやすいが、早期に対処すれま健康な状態に戻ることもあるからだ。介護予防のため、フレイルの兆候をチェックできる仕組みを導入する自治体も出てきた。

「きれいな色です。よくかめてますね」神戸市兵庫区の薬局で、管理薬剤師の安田理恵子さん(49歳)は、近くに住むSさん(68歳)のかんだ赤色のガムを見て、声をかけた。フレイルチェックの検査の一つで、食べ物をかみ砕く力があれぱ色が緑から赤に変わる。

 他にも、認知や運動機能に関する質問に答えたり、握力や足腰の筋力を測定したりする検査がある。

 健康寿命を延ばす取り組みとして、同市は2017年度から65歳の市民を対象に、集団検診会場や薬局で無料チェックを実施。結果を基に、今後の生活上の注意点を伝える。啓発のため、対象年齢以外の人も検査する薬局もあり、そこで参加したSさんは「簡単に受けられていいですね」と笑顔を見せた。

 フレイルチェックは、千葉県柏市や神奈川県茅ヶ崎市、福岡県飯塚市など様々な自治体が取り入れている。
多くの高齢者は、健康な状態からいきなり要介護状態に移行するのではなく筋力や気力が低下する中間的な段階を経ると考えられている。それを目本老年医学会は、英語の「frailty(虚弱)」から「フレイル」と名付けた。

 一般的なチェック項目として、
@握力が落ちたA活動量が低下したB歩行遠度が遅くなったC疲れやすくなったD体重が減った などがある。3項目以上該当すれぼフレイル、1〜2項目だと予傭軍のプレフレイルとされる。

 
内科医で大阪大学講師の杉本研さん(老年・総合内科学)は、「フレイルの状態で放置しておくと、要介護状態になる可能性が高まる」とし、該当した項目の改善を促す。プレフレイルの人も同様だ。

 例えば、歩行速度の低下に当てはまったら、運動習慣をつける。体重減少なら食生活を見直し、口腔の健康状態を歯科で診てもらう。

 運動では、スクワットや片足立ち、つま先立ちなどを繰り返すことが有効だ。スクワツトなら3秒ほどかけてゆっくり腰を落とし、また3秒ほどかけて戻す。出来る範囲から始め、少しずつ回数や時間を増やして筋力をつける。

 
食事では、筋肉を作るたんぱく質を積極的に取るよう心がける。鶏の胸肉や豚ヒレ肉、マグロ、豆類などがお勧めという。ビタミンやカルシゥムもバランス良くとりたい。

 
社会や他人との関わりも大事だ。友達や趣味のある人はフレイルになりにくいという。「町内会やボランティア活動など家の外に出る用事を作って」と杉本さん。配偶者を亡くしたり、定年退職で環境が変わったりした人は意識的に取り組もう。

 家族など周囲の人も、フレイルヘの理解を深める必要がある。「健康な体に戻すには運動や活動的な生活が必要だと認識し、『けがをしたらどうするんだ』などと言って高齢者の行動する機会を減らさないようにしたい」と杉本さんは指摘する。



(2018/02/16) 「健康志向」でチョコレートが人気

 このところチョコレートの需要が増えている。中でも乳酸菌を配合するなど、健康への配慮を前面に打ち出した商品の人気が高い。摂取カロリーを気にして、食べる量を抑えていた中高年層の健康志向を満たすチョコの登場が、市場拡大に貢献している。

 江崎グリコは、大阪市内で開いたチョコレート事業の説明会で、機能性表示食品「リベラ」などの健康志向チョコの好調な売れ行きをPRした。おいしさはそのままに、「脂肪や糖の吸収を抑える食物繊維を加えた」などとうたい、消費者に支持されている。

 全日本菓子協会によると、2016年の国内のチョコ生産額は2010年から25%増えた。伸びが大きいのが健康志向の商品で、50歳代前後を中心に需要が増えているという。カカオの含有量が多く、抗酸化作用があるとされるポリフェノールが豊富な「ハイカカオタイプ」、糖分の吸収を抑える「食物繊維配合タイブ」などの売れ行きが好調だ。

 中堅スーパーのイズミヤでは、健康志向チョコの売上高(2016年)が過去2年間で5.5倍に拡大、店舗の売り場面積を広げている。江崎グリコの担当者は「チョコはかつて、カロリーなどを気にする消費者から敬遠されていたが、健康志向の商品が出たことで罪悪感が相殺された」と分析する。

 健康志向チョコのブームを追い風に、メーカー各社はチョコの生産能力増強を計画している。

 ロッテホールディングスは約320億円をかけて埼玉県内の工場を増強し、チョコの生産量を約4割増やす方針だ。明治は大阪府高槻市と埼玉県坂戸市の工場に計約270億円を投じて、増産体制を整える。ネスレ日本も主力商品「キットカット」の国内工場を26年ぶりに兵庫県姫路市に新設し、2017年8月に稼働させた。




(2018/02/15) 芦屋の稲坂莫大小製造 足包む職人のぬくもり

 人々の足元を支え続ける会社が、芦屋市業平町にある。靴下づくり一筋90年の「稲坂莫大小製造(株)」。景気より天気に左右されるともいわれる厳しい繊維業界にあって、確かな技術が愛され、地元のふるさと納税の返礼品にも選ばれた。寒さ厳しい今冬は、人気が一層ホットだ。

 年季の入った45台の編み機がうなりを上げる芦屋市の本杜工場。経験50年の大ベテランをはじめ35人の職人らが忙しく働く。編み機が故障する原因ともなる綿ぼこりを、絶えず手作業で取り除く。

 冬将軍が猛威を振るう今季は注文が殺到。気候が消費動向に影響するのは事実だが、こうした「ものづくり魂」こそが信頼を支えている。

 編み上げや縫製など完成まで10工程で、「その全てに人の手が入ります。職人のぬくもりを感じてもらえれば」と3代目の稲坂剛杜長(62歳)は誇らしげだ。

 祖父が大阪で「稲坂理一商店」を創業したのは1928(昭和3)年。戦火を避け、1941年に芦屋市に本杜を移し,1947年から工場も併設した。今やレディース、メンズ、子ども用で2000〜3000アイテムを取り扱い、国内外の協力工場も含め年1000万足をつくる。

 「足熱シリーズ」など16の自杜ブランドも展開する。卸売りが主だが、試行的にインターネット通販にも出店し、幅広く消費者の反応を探る。

 2011年からは、自然素材と手仕事にこだわる衣料品店「mokono」(芦屋市)が手掛けるオーガニックコットンの靴下ブランド「日々のクネクネくつ下」の製造を担う。編み上がったままの風合いと締め付けないやさしさが特徴で、はくほどに足になじむ人気商品。冷え取りのほか、「はきやすく、はかせやすい」と高齢者や入院患者にも重宝され、芦屋市のふるさと納税の返礼品にも連なった。

 課題は、会社の一番の財産といえる技術の継承だ。「職人育成には手間暇かかるが、丁寧なものづくりを続けていきたい」と稲坂社長。4月には職人の卵として2人の新入社員を迎えるという。

 1本の糸から靴下が出来上がる工程を知ってほしくて、市内8小学校の社会科見学も受け入れている。アンケートからは、児童が蛍光色を好む傾向も分かった。「男の子はブルー、女の子はピンクが好きという思い込みで靴下を作ったらいけない」。そんな新たな気付きもあった。

 大きくもなく、小さくもないという意味が「莫大小」にはあるという。技術と「メイド・イン・ジャパン」の誇りを、縦糸に。そして、消費者の声を横糸に。伸縮自在のメリヤスそのままに、老舗が新たな伝統を織りなしていく。



(2018/02/13) スケート逸材、なぜ兵庫から続々?

 平昌(ピョンチャン)冬季五輪が9日開幕したが、兵庫県ゆかりのスケート勢では、神戸のクラブで育った坂本花織選手や村元哉中(かな)選手、横山大希選手、数年前から西宮が拠点の田中刑事選手が出場する。毎年のようにハイレベルの選手が輩出する兵庫。

 神戸市立ポートアイランドスポーツセンター(中央区)。一般営業が終わった午後7時すぎ、子どもたちがリンクに集まり、大人の選手に交じって滑り始めた。横山選手が育った新神戸スピードゼミの後輩の姿もある。県スケート連盟の宮永芳明・スピード副部長は「年の離れたトップレベルの選手と練習できるのは、子どもたちに大きな刺激になっている」と話す。

 別の日にはフィギュアやアイスホッケーなどの練習もあり、日々、子どもたちが汗を流す。坂本選手や村元選手もここを拠点の一つとして実力を高めてきた。

 毎年のように、国体など全国レベルの大会で活躍できる選手が育つ。同連盟の土橋徹・フィギュア部長は「おのおのの実力はもちろん、リンクがあって、そこにコーチや周囲の協力がうまくかみ合って。この流れが連綿と続いているのでは」と好素材が生まれる理由を語る。

 兵庫は古くから、スケートをめぐる環境に比較的恵まれてきた。源流は明治時代、六甲山上に点在する凍った池に、愛好家らが集まったところからとされる。1923(大正12)年には現在の関西学院大学スケート部が創部。小さなリンクも徐々につくられ、競技人口が増えていった。

 90年代後半以降の主な練習拠点は、通年型の姫路アリーナやポートアイランドスポーツセンターなどに。姫路アリーナは2006年に閉鎖されたが、13年に西宮に通年型リンクが完成し、選手育成を後押ししている。

 坂本選手が育った神戸フィギュアスケーティングクラブは創立から60年が過ぎ、新神戸スピードゼミは活動開始から30年を超えた。大舞台を経験した選手が後進育成に力を注ぐ。保護者ら周囲の継続的な協力も欠かせない。そんなサイクルがうまくできているようだ。同クラブからは、平昌五輪のフィギュア日本代表監督を担う小林芳子・日本スケート連盟フィギュア強化部長ら、第一線で活躍する人材も出ている。

 行政もバックアップする。兵庫県体育協会は14年度から「未来のスーパーアスリート支援事業」を導入した。平昌五輪や2020年東京五輪を見据えた選手育成のサポートとして、遠征費用などを補助。坂本選手も強化指定を受けている。

 五輪の年は郷土ゆかりの選手の活躍などに影響を受け、競技を始めようとする子どもが増える傾向にある。同協会の関係者は「好循環が好循環を生んで、より強い兵庫へとつながれば」と、さらに期待している。




(2018/02/13) 軽乗用車の事故による致死率 普通車の1.6倍

 75歳以上の高齢ドライバーの乗車中の事故の致死率は、軽乗用車が普通乗用車に比べて1.6倍に上ることが、警察庁の調査でわかった。車種別の致死率が明らかになるのは初めて。衝撃が伝わりやすい軽乗用車の場合、身体の弱い高齢者が肋骨などを骨折するケースが多いことが原因とみられる。専門家は、軽乗用車の安金機能の強化が必要だと指摘している。

 同庁によると、1〜11月末の75歳以上の軽乗用車の致死率は1.22%。普通乗用車は0.77%だった。75歳未満の場合、軽乗用車の致死率は0.59%で、半分以下の水準。普通乗用車は0.47%だった。75歳以上の軽乗用車が突出して、致命傷を受ける割合が高いことになる。

 交通事故総合分析センターによると、75歳以上のドライバーが2007〜2016年、軽乗用車で起こした死亡事故は924件。普通車より特に割合が高かったのが正面衝突で、大半は対向車線へのはみ出しが原因だった。同センターは「車線を逸脱すると警報が鳴る装置の普及など、軽乗用車の正面衝突事故対策を強化すべきだ」と指摘する。日本自動車工業会は「致死率の差は把握していなかった。安全装置を搭載したサポート車の普及など対策に努めている」とコメントした。



(2018/02/12) 能楽の魅力を気軽に 芦屋で親子向けイベント

 能楽を身近に感じてもらおうと、芦屋市の能楽教室「芦屋能楽塾」は10日、同市業平町の市民センターで親子向けの体験イベント「能楽種まき大作戦!」を実施した。家族連れら250人以上が参加し、子供が能面を付けたり、舞台を鑑賞したりして、一流の能楽の魅力に触れていた。

 能楽教室は能楽師、長山耕三さんの妻、恭子さんが設立。芦屋神社(東芦屋町)で約5年前から「能楽こども教室」を開き、これまで約160人が能楽の練習体験を受講。子供連れでは舞台鑑賞が難しいなどの声を受けて今回、気軽に参加できるイベントを企画した。

 この日、子供らは舞台に上がり、能楽師らの指導を受けながら太鼓をたたいたり、能面を付けてすり足をしたりしていた。大人の参加者も狂言の発声を学び、「太郎冠者(かじゃ)」と呼ばれると客席から「はーっ」と応じていた。




(2018/02/11) 村尾育英会学術奨励賞に京大iPS研の池谷准教授 

 村尾育英会(神戸市中央区、村尾憲一郎代表理事)は、県内にゆかりのある優れた学術研究を顕彰する今年度の「村尾育英会学術賞」として、京都大iPS細胞研究所准教授、池谷真(いけや・まこと)氏(45歳)の研究を学術奨励賞に選んだと発表した。贈呈式は3月10日に神戸市内のホテルで行われる。

 池谷氏の研究は「進行性骨化性線維異形成症(FOP)に対する創薬研究」。FOPは筋肉の中に骨ができる希少な難病で、同研究所では明石市の山本育海(いくみ)さん(20歳)らFOP患者が提供した体細胞を使い、治験薬開発に向けた研究を続けている。池谷氏らはすでに発症のメカニズムを解明し、病態の進行を阻害する薬の候補を選び出すことにも成功した。

 村尾育英会は昭和47年から兵庫県内出身の大学生らを対象に奨学金給付事業を展開。58年に新たな事業として学術賞を創設した。県にゆかりがある研究や県内の機関に所属する研究者が対象で、今回が35回目。これまでに学術賞24件、それに次ぐ学術奨励賞48件を表彰している。



(2018/02/10) 津波体験装置導入へ 人と防災未来センターに今春

 阪神・淡路大震災の教訓を伝える施設「人と防災未来センター」(神戸市中央区)の東館に今春、津波からの避難を疑似体験できる装置が導入される。南海トラフ巨大地震に備えて、兵庫県が津波の怖さを知ってもらおうと計画した。似たような装置は三重県伊勢市にもあるが、全国的に珍しいという。

 県防災企画課によると、体験装置は半円形で、事業費は約3千万円。直径約7メートル、高さ約3メートルの大型スクリーンに、津波で徐々に浸水していく街の様子が映し出される。体験者の足元はランニングマシンのようになっていて、「浸水」に伴って歩いている足元に圧力が加わり、足が動かしづらくなっていくという。音声による演出もあり、1度に5人まで体験できる。

 同課の担当者は「津波は水深が30センチ程度でも動けなくなってしまう。津波の恐ろしさと、早めの避難の重要性を知ってもらいたい」と話す。県は3月に装置を設置し、4月からの運用開始を目指している。

 県は装置を導入する東館について、2002年のセンター開設から15年が経過したことを受け、展示内容のリニューアルを検討している。井戸敏三知事は「近年は地震だけでなく、全国的に豪雨災害も多い。どのようなテーマの展示がよいかよく考えたい」と話している。




(2018/02/09) きぼうの像 芦屋で保存

 阪神・淡路大震災の遺児や被災児童の心のケアの場となり、先月全ての活動を終えた児童館(芦屋市)を運営してきた杜会福祉法人「のぞみ会」は7日、同館の少女像「きぼうの像」などについて施設の存廃にかかわらず芦屋市内に残されると発表した。

 発表によると、敷地内には少女像や震災復興と命の尊さを伝えるリンゴの木などがあるが、施設のある県有地が売却された後、購入者が不要とした場合・廃棄される可能性があった。

 このため、同法人が県に少女像などの保存を求めたところ、不要とされても県と芦屋市が同市内の他の場所に移すことになった。同法人理事長を努めた作家の藤本義一氏(2012年死去)の記念プレートも一緒に設置するという。

 一方、県はこの日、建物付きの県有地売却について、今月8日から23日まで公募し、3月9日に一般競争入札を行うと発表。同法人も県出身の若手実業家の支援を受けて参加するという。



(2018/02/08) 六甲山の自然観察講座 参加者を募集 4月から 

 「六甲山自然案内人の会」は、4月から開く「六甲山のエキスパート養成自然観察講座」の参加者を募集している。

 講座は自然観察を通じて六甲山の素晴らしさを知ろうと、2002年から毎年開催。今年は4月28日、六甲山上・六甲山自然保護センターで開講。12月まで毎月1回(原則第4土曜)「六甲山地ゆかりの生き物たちを知る」「六甲山地をめぐる外国人の活動の歴史と背景を知る」「季節の変化“きざし”をみる」などをテーマに開く。各回午前9時半(8月25日は午前9時)から。来年1、2月には冬の野鳥、樹木観察のオプション講座(参加自由)もある。

 参加申し込みは3月31日まで、定員30人。受講料は年間1万5000円。申し込み、問い合わせは同会ホームページ(http://rokkosan.gotohp.jp/)から。



(2018/02/08) 歴代「Zシリーズ」ずらり 神戸でカワサキフェア

 川崎重工業を代表するバイク「Zシリーズ」の歴代モデルを一堂に集めた「カワサキモーターサイクルZフェア2018」が6日、神戸市中央区の神戸海洋博物館で始まった。18日まで。

 展示会は、現在でも人気の高い初代モデル「Z1」の誕生から45年となるのを記念して開催。Z1はアルファベット最後の文字として究極を意味する「Z」と、世界最速を表現する「1」を組み合わせて名付けられた。オレンジのカラーやシンプルな車体が特徴で、いまなお人気が高い。

 会場にはZ1のほか、Z1のデザインを継承した最新モデルまで約20台のバイクを展示しており、Zシリーズの歴史をたどることができる。あこがれのバイクを一目見ようと、多くのバイク愛好家が会場を訪れていた。また、川崎重工業の別の人気モデル「Ninja」などは実際にまたがることもできる。

 午前10時〜午後5時。13日は休館。一般600円、小中学生250円。詳しい問い合わせはカワサキワールド(TEL 078-327-5401。




(2018/02/07) キリンビール工場見学 神戸市北区 根強い人気

 キリンビール神戸工場(神戸市北区赤松台2)の工場見学ツアーが根強い人気だ。看板商品が新しくなったのに合わせて昨年9月、ツアーもリニューアル。製造ラインを臨場感のある映像で紹介し、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で映えることを意識した記念写真スポットもあり、楽しめる。

 1997年の同工場稼働以来、昨年末までに約523万人の見学客が訪れた。近年も年間約18万人が来場し、全国9カ所にある同社のビール工場で最も多いという。

 ホップの香りやほんのり甘い麦芽を試食して見学スタート。仕込み釜を見学する部屋の外観は、缶ビールの箱のデザインをあしらい、わくわく感も倍増する。タイミングが合えばコマーシャルのように麦汁の飲み比べもでき、1分間で350ミリリットル缶2000本にビールを詰めていく映像は迫力がある。

 ビールづくりを学んだ後は、お楽しみの試飲。「一番搾り」や季節ごとの商品など、同工場でつくった新鮮なビールが3杯まで味わえる。

 ツアーは試飲も含め60分。無料。午前9時20分〜午後3時40分で予約制。月曜休み。神戸工場のホームページか電話(078−986−8001)で申し込む。




(2018/02/06) 銭湯、家族利用がお得 神戸市・新年度から

 神戸市内の銭湯(一般公衆浴場)を家族で利用した場合、週1回、入浴料金は大人1人が半額、高校生までの子が無料になる補助制度が新年度から始まる。

 銭湯に対する市の支援策の一つ。対象になるのは、市浴場組合連合会加盟の39銭湯。入浴料金は大人420円、小学生160円が上限になっている。補助制度の利用者は番台などで名前や住所を記入。市はこの利用数をもとに、各銭湯に補助金を支給する。5月ごろから実施するとしている。

 市内の銭湯は阪神・淡路大震災前には約190カ所あったが、震災翌年の1996年にほぼ半減。現在も利用客の減少などに悩む。市の担当者は「人と人をつなげるなど、様々な役割のある銭湯の減少に歯止めをかけたい」と話している。



(2018/02/05) 幹細胞がんの抑制期間を2倍に 近大チーム発表

 肝細胞がんの治療で、がんに栄養分を届ける血管を塞ぐ「塞栓療法」と、がんの増殖を抑える薬を併用すると、がんの進行を抑えられる期間が約2倍に延びることがわかったと、近畿大の工藤正俊・主任教授(消化器内科)らのチームが発表した。

 全国33か所の医療機関で実施した臨床試験の結栗で、肝細胞がんの再発や転移を抑える新たな治療法として注目されそうだ。

 肝細胞がんは、進行すると手術で完全に切除することが難しいため、塞栓療法を行う。切除後に再発したケースを含めると9割以上の患者がこの治療を受けるが、新たな血管ができるなどして再発、転移するケースが多かった。

 そこで、塞栓療法に併せて血管の新生を抑える薬「ソラフェニブ」を投与し、塞栓療法だけの場合と比較する臨床試験を、計156人の患者を対象に実施した。

 その結栗、がんの進行が止まった期間は、塞栓療法だけの場合は平均13.5か月だったのに対し、併用した場合は同25.2か月と、2倍近くに延びた。肝臓の状態もよく、他の臓器への転移を抑える効果もみられたという。




(2018/02/04) ヨドコウ迎賓館保存修理工事見学会 22,23日

 淀川製鋼所(大阪市申央区)は22,23日に、芦屋市の国指定重要文化財「ヨドコウ迎賓館」(旧山邑家住宅)の保存修理工事見学会を開く。

 昨年11月に続いて2回目。建物はフランク・ロイド・ライト設計で、今年11月まで約2年かけ、.外壁の飾り石の補修など、大規模な保存修理工事が行われる。

 見学会では、スタッフが同行して工事内容を解説するほか、普段は非公開のバルコニーなども見られる。

 参加無料。両日とも午前10時と午後1時半からの2回。各回20人(応募者多数の場合は抽選)。小学生以下は参加不可。申L込みは、名前や住所などを記し、メール(prgroup@yodoko.co.jp)又は
FAX(06-6282-9176)で申し込む。締め切りは2月12日午後5時。詳しい問い合わせは同杜IR室PRグループ
(TEL 06-6245-9103)まで。




(2018/02/03) 血液でアルツハイマー判別、原因物質を簡単に検査 国立長寿研など発表

 認知症で最も多いアルツハイマー病の原因物質の脳内への蓄積を、わずかな血液で調べることができる検査法を開発したと、国立長寿医療研究センター(愛知県 大府おおぶ 市)と島津製作所(京都市)の研究チームが発表した。

 調べるのは「アミロイドベータ(Aβ)」というたんぱく質で、発症の20年ほど前から脳に徐々に蓄積するとされる。簡便な検査法ができたことで、発症前の人を対象にした根本的な治療薬の開発を促進するものと期待される。

 研究論文が、1月31日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に掲載された。

 Aβの検査は現在、1人あたり十数万〜数十万円かかる特殊な脳画像検査や、背骨の間に針を入れて脳脊髄液を採取する検査法が用いられている。費用や体への負担が大きく、大規模な研究が難しい原因にもなっている。

 Aβは血中にわずかな量しか含まれておらず、血液検査で調べるのは難しいとされてきた。研究チームは、Aβの蓄積によって変動する複数の関連物質の比率から脳内の蓄積の度合いを推定する技術を開発し、わずか0.5ccの血液で測定できる方法を確立した。

 アルツハイマー病は、無症状だがAβが徐々に蓄積する段階を経て、軽度認知障害(MCI)、発症へと進む。研究チームは、オーストラリアにある世界有数の認知症研究組織と連携。健康な人を含む60〜90歳の日本人121人とオーストラリア人111人を対象に、血液検査と脳画像検査を行い、結果を比較した。両国とも約9割で一致し、Aβの有無を正しく判定できた。

 同センターの柳沢勝彦・研究所長によると、アルツハイマー病の根治薬の研究は近年、発症前段階を対象としている。簡単な血液検査で対象者を選び出せることで、研究の加速が期待できるという。さらに、「治療法が開発されて社会の合意が得られれば、発症前の高齢者検診に生かせる可能性もある」としている。

 研究チームの一員で2002年にノーベル化学賞を受賞した島津製作所シニアフェローの田中耕一さんは「医療・創薬に役立つものを作りたいと研究を続けてきたが、私たちの開発した分析技術が、認知症薬研究への活用が見通せるところまで来たことは感慨深い。もうひと踏ん張りしなくてはと思う」と話す。

 岩坪 威たけし ・東京大教授(神経病理学)の話「Aβの蓄積を血液検査で調べるのは難しいと考えられていたが、日本だけでなく海外のサンプルでも正確さが再現できており、信頼性が高いとみられる。発症前段階を対象にした治療薬の開発研究にとって大きな前進だ」

 アルツハイマー病は認知症全体の6〜7割を占めるとされる。神経細胞が傷ついて脳が萎縮し、記憶が欠落したり、時間や場所がわからなくなったり、身の回りのことが出来なくなったりする。進行を抑える目的の薬はあるが、根本的に治す薬は現時点ではない。


健診活用にはまだ時間が必要

 国の推計では、2025年に700万人を超えると見込まれる認知症。その中心を占めるアルツハイマー病の原因物質の蓄積を血液険査で判定する方法を開発した、との研究結果が発表された。

 近年の新薬研究のターゲットは「発症前だが、原因物質が蓄積している人」だ。脳細胞が死滅した後で原因物質を取り除くなどしても効果がないと考えられるからだ。

 これまでは、研究対象になる発症前の人を素早く的確に集めるのは非常に難しかった。安価で安全で簡便な検査が、世界的に開発研究を加速させることが期侍される。研究チームの一員で2002年にノーベル化学賞を受賞した島津製作所シニアフェローの田中耕一さんは「私たちの開発した分析技術が、認知症薬研究への活用が見通せるところまで来たことは感慨深い。もうひと踏ん張りしなくて
はと思う」と話す。

 一方、「すぐ検査を受けてみたい」と思う人もいるかもしれないが、研究チームは「高齢者検診などで利用される可能性が出てくるのは将来の話」と考えている。

 根本的な治療薬がない現状では、原因物質の蓄積というリスクだけわかっても
「早期診断、早期絶望」につながりかねない。遺伝子診断などと同様に、新たな悩みや差別の原因になる恐れもある。優先すべきは有効な治療薬や予防法の確立だ。検診での活用は、その先に見えてくる。



(2018/02/02) 浜風の家 存続に光 建物付きで土地売却へ

 阪神・淡路大震災の遺児や被災児童の心のケアの場となり、先月全ての活動を終えた児童館「浜風の家」(芦屋市)を運営してきた社会福祉法人「のぞみ会」は1日、建物付きで土地の売却先を公募するという県の提案を了承したと発表した。同法人も公募に応じる見通しで、3月末で解体される予定だった建物が存続する可能性が出てきた。

 土地は県有地。発表によると、同法人ば浜風の家が立つ土地を3月末に更地にして県へ返すことになっていたが、県から、建物を残したまま売却し、建物の使用を続けるかどうかは購入者に委ねる、との提案があったという。

 同法人には昨夏以降、福祉や教育関係の起業家が施設存続への支援を申し出ており、今月にも開始予定の公募への参加に向け、調整を進めるという。浜風の家は作家の藤本義一さん(2012年死去)らが1億円の寄付を集めて1999年1月17日に開館。ログハウス風の2階建てで、のべ約20万人が利用した。






(2018/02/02) 神戸地下鉄・三宮駅に来月から可動式ホームドア設置

 神戸市は3月から、市営地下鉄西神・山手線三宮駅に転落防止用の可動式ホームドアを設置する。全国で相次ぐ視覚障害者らの転落事故を防止することが狙いで、市営地下鉄では初めて。県内ではJR六甲道駅(同市灘区)で導入されているほか、明石市が平成31年度にJR明石駅に設置を予定している。

 神戸市によると、三宮駅の乗降客数は1日平均12万人で、市営地下鉄西神・山手線の全16駅で最多となっている。28年度の西神・山手線全体の転落事故は年間13件だった。繁華街に近い三宮駅は酔客が多く利用するほか、国土交通省が28年12月に発表した設置目安「1日10万人以上」にも該当することから、市がホームドアの導入を検討していた。

 電車が停止したタイミングで可動式の柵(高さ1.2メートル、幅1.4メートル)が左右にスライドして開く方式で、三宮駅のホーム両側約120メートルにわたって設置される。手動で開閉する必要があり、乗務員らが名谷車両基地(同市須磨区)で操作の練習を重ねている。

 市は35年度までに西神・山手線全駅でホームドア導入を目指しており、ダイヤへの影響などを勘案しながら他駅での導入時期を検討する。

 市の担当者は「視覚障害者を含む駅利用者にホームドア導入の周知活動を続ける。安心安全に使ってもらえるよう環境整備を進めたい」と話した。




(2018/02/01) 県内の就職内定率68.5% 5年連続増加

 兵庫労働局は先月29日、兵庫県内の今春卒業予定の大学生と短大生の就職内定率が昨年12月1日時点で68.5%(前年同期比1.6ポイント増)だったと発表した。同時点での内定率調査は、2013年3月の卒業予定者から始まり、今回で5年連続の増加。労働局は「人口減少による人手不足と景気回復で企業の新卒採用の意欲が上がり、就職しやすい環境になっている」としている。

 労働局によると、県内の大学(全35校)と短大(全18校)を合わせた就職希望者は2万4219人(前年同期2万4448人)で、うち1万6581人(同1万6346人)が昨年12月1日時点で内定を得ていた。

 大学生と短大生の内定率をそれぞれ見ると、大学生は68.8%(前年同期比1.1ポイント増)、短大生は65.8%(同6.3ポイント増)。特に短大生の内定率が伸びた。