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MATの言いたい放題(98/2月〜3月)

(98/03/17) 日露平和条約交渉は慎重に (98/03/24) Vチップ導入への反応 (98/03/28) 「視察」と「観光」は別ですよ
(98/03/01) イラクは勝利したのか?          (98/03/07) ハッカーによる被害を考える    (98/03/08) JR芦屋駅のエレベーターについて
(98/02/11) 日韓漁業問題について (98/02/17) 国旗について (98/02/20) 高齢化社会に加担するNTT
(98/02/04) スキャタンダルと対イラク武力行使 (98/02/5) 声が小さいと損をする (98/02/08) NTT 地域差別を強行
(98/02/01) NTTが地域差別 (98/02/2) 自らの行為にもっと責任を (98/02/03) 日本の常任理事国入りについて

(98/03/28) 「視察」と「観光」は別ですよ

このところ、「観光旅行」と批判の強い地方議員の海外視察旅行を見直す動きが広がっているようだ。埼玉県北本市は議員の海外視察を廃止し、神奈川県葉山町は宿泊を伴う国内視察も全廃することを決めたそうである。国際化の中で地方議員も場合によっては海外の事情を学ぶ必要があるときもあるだろうが、日本全国の地方議員が年中行事のように大挙して海外視察に出かけるのは、世界でも例を見ない異様な光景といわれている。しかも、なぜか行き先はそろって著名な観光地であり、大半は視察に名を借りた「大名観光旅行」というのが実態らしい。

 山梨県では、情報公開条例に基づく住民の請求で県会議員の海外視察に関する公文書を初めて公開したが、「観光客誘致策と自然環境への配慮」と、もっともらしい名目で終日の「エーゲ海クルーズ」を、また「フランス式庭園にみる自然環境保護」という名分でベルサイユ宮殿の見学と、誰がどう見ても「観光」目的としか思えない日程が明らかにされた。当然のことながら「観光旅行」なら自費で行くべきだろう。

 千葉県の或る市では、市会議員の欧州視察に随行した市職員が旅先で自殺する事件が起き、議員の振る舞いが自殺の原因として公務災害に認定された。その採決書になどによると、職員は議員の世話に忙殺され、自由行動に出かけた議員を雨に濡れながら捜し回った。そのあげくに、ホテルでの夕食が30分遅れたことや、出発時間の遅れを議員に叱責され、各議員に土下座して回るなど精神的、肉体的に追い込まれていたという。職員を「下僕」のように扱う地方議員の特権意識が招いた悲劇だ。これなどは視察旅行の目的如何を離れて、大きな憤りを覚える。議員というのはそんな暴君であっていいのか。いったい何サマだと思っているのか。

 議員の視察旅行に対する批判の高まりに財政難が重なり、ようやく各自治体で議員視察旅行の見直しが始まっている。昨年まで2年連続で海外視察を中止した東京都議会は、今年度2班計20人の海外視察を予定しているが、目的、視察場所の選定について外部の専門家も交えて事前研究し、企画書を議会運営委員長に提出、その上で派遣を正式決定する手順を踏むという。また、大阪府議会も「議会運営検討委員会」で従来の「視察団」結成を改め、必要に応じて一人でも派遣する方法にすることを決めた。いずれも改革と言うより当然の措置であり、このような手法は他の自治体でも今からでも大いに採り入れるべきだ。

 議員が視察に行っても、視察に関する情報を市民に適正に公開されていると言うことをあまり聞いたことがないが、議員が視察で何を学び、まちづくりにどういかすかという事後評価をきちんと提示することが是非必要だ。自治体によっては、視察報告を随行職員に書かせるお粗末な議員も居るそうであるが、もってのほかである。要は、地方議員が特権意識を捨て、住民代表としての自覚と責務に立ち戻るべきだ。

 なお、これに関して或ることを思い出した。このホームページの「街の新情報」のコーナーで昨年11月16日付の「自費で海外視察?」と題して大略次のように述べた。

「模範的な海外視察を示そうと大阪府箕面市、寝屋川市、兵庫県宝塚市、西宮市、伊丹市などの市議8人と「お目付役」として市民三人の計11人が11月17日から8日間の日程で環境対策の先進地であるドイツ・フライブルク市へ視察に行くが、旅費は一人あたり39万6千円ですべて自己負担。帰国後は市民に見せても「恥ずかしくない報告書」を作成する。」と、いうものであったが、これもまたおかしい。そのときは、「どうしても勉強が必要で、しかもお目付役の市民まで帯同し、何ら批判されることのない視察旅行であれば、なぜ全額自己負担で行くのか? 堂々と公費で行けばいいではないか。」と書いた。私の友人のT氏は「それも公私混同である」と切り捨てていた。やはり公私は明確に区分してきちっと筋を通すべきである。

 平成9年4月現在、この狭い日本に全国で3,233もの市町村がある。これらの多くが毎年大挙して外国へ「視察」の名の下に飛び立っていく。仮にその大部分が真面目な目的であったとしても、なんとまあ非効率なことではないか。勿論、その自治体特有の問題もあるだろうが、共通の目的もまた多い筈。

 このように考えると、如何に歴史的な流れがあったとしても、3,233もの市町村はチト多過ぎはしないだろうか。寄ってたかっての壮大なる税金の無駄遣いに見えて仕方がない。こんなところから地方行政改革、すなわち自治体の統合が叫ばれるのだろう。

 ここ芦屋市では震災後は財政難のため海外視察を取りやめているそうだが当然だろう。なお、芦屋市の平成10年度予算案は本日可決された。その中で議員旅費として565万円が計上されているが、すべて国内旅費とのこと。

 思い出したが、その昔、出張と称して友人たちと二泊三日の温泉旅行でドンチャン騒ぎをして帰ってきたら、何かドジを踏んだか、カミさんにチョンバレ。 コテンパンに怒られたことがあったが、なぜバレたか原因は未だに不明。


(98/03/24) Vチップ導入への反応

 このところ、ごく一部ではあるが、健全であるべき青少年の不祥事が社会を揺るがす大きな事件となっている。

 先般、文部省の中央教育審議会の「幼児期からの心の教育の在り方に関する小委員会」は、過激な暴力シーンなど青少年に有害なテレビ番組を親の判断でカットできる「Vチップ」の導入を検討するよう関係機関に求めることを決め、3月末の中央教育審議会中間報告に盛り込むこととなった。

 Vチップとは、暴力場面や性描写などが登場する番組の過激度をテレビ局側がランク付けして公表し、親はこれを目安にして子供に見せたくない番組を受像機にセットした装置で制限する仕組みだ。暴力を意味するバイオレンス(VIOLENCE)の頭文字を取ってVチップと呼ぶが、アメリカでは1996年に13インチ以上のすべてのテレビに内蔵するよう法律で義務づけ、来年7月にはVチップを内蔵したテレビ受像機が登場する。日本でも郵政省の有識者懇談会で検討されたが、96年末に「導入は時期尚早」との結論を出していた。

 いうまでもなく、小委員会の決定は、刃物を使った少年少女の殺傷事件が多発していることを踏まえたものであるが、私はこの小委員会の方針には賛意を表したい。とにかく何か手を打たなければならないだろう。しかし、これは当然のことながら表現の自由にかかわる問題を提起することになる。果たせるかな、早速マスコミ各方面から異議の声があがっている。いわく、

(1) Vチップでどのレベルの番組を見えないようにするかを親が決めても、子供は見ようと思えば自宅以外でも機会はいくらでもある。
(2) どこまでが有害番組かを規定すること自体、非常に難しい。テレビ番組は現代社会を色濃く投影しており、そうした社会現象から完全に逃避した番組などあり得ない。

更に、NHKの海老沢会長は「NHKとしてはVチップ導入を考えていない。われわれも民放各局も独自の番組基準と良識に即して行動していく。ムードに乗って何でもテレビのせいにするのはおかしい」と導入に反対の姿勢を示した。
 
 先ず、(1)については、確かに子供は自宅で禁じられても、見ようと思えば他所で見る機会はあるだろう。完全な措置にはならない。しかし、それを言えば世の中の規制や法律などはどういう意味があるのだろう。大人だって「泥棒をしてはいけません」という法律があって規制されても、その気になれば機会はいくらでもある。だからと言って法律は無意味だとはならない筈。まして、今回のVチップは将来ある青少年を完全ではないにしても、少しでも悪影響を受けないようにする予防措置であることを考えれば、大いに促進すべきだろう。

次に(2)であるが、これはもう詭弁以外の何ものでもない。テレビ局は放送倫理基本綱領を設けており、番組内容をチェックできる筈なのだが、それが出来ていないからこうなったのである。マスコミ側は「どこまでが有害番組かを規定すること自体、非常に難しいことだ。」と言っているが、それほど難しいことだろうか? 一般社会の常識から考えれば、判断出来ないと言うことが理解できない。判断できないのは「常識」の範囲がマスコミ業界と一般社会との間で大きな乖離があるからではないか。

 そもそもVチップ導入論が出てきたこと自体、業界の自浄機能に不信を突きつけられたということだから、子供を持つ親も大いに参加してもらって、チェック体制と機能を再点検すべきであろう。


 また、「テレビ番組は現代社会を色濃く投影しており、そうした社会現象から完全に逃避した番組などあり得ない。」という言い分には唖然とせざるを得ない。社会現象を番組に反映させるのは局の自由であろうが、それが様々な年代の見る側に与える影響を何も考えずに、まさに「色濃く」流すならば、そこには編集能力も業界の社会的責任も不在ということだ。

さらにNHK会長の発言に至っては、尻をまくったとはこのことを言うのだろう。私個人としては、他の民放各局に比べてNHKは良識的に番組を制作しており、Vチップのご厄介になるようなものはないだろうと考えていた。従って、会長ともあろう御仁がこんなことを言う必要はなかったのだ。それを一体何故? おそらくマスコミ界を代表して発言したつもりなのだろうが、これでは、他の各社は「NHKがその方針なら我々も今まで通りで」ということになるのは目に見えている。バカなことを言ったものだ。一説ではNHK内部でも、この発言にはかなり批判があったようだ。郵政省もボケッとしてないでお灸くらいすえたらどうか。

要するにマスコミ、特に放送業界は、この会長の言うように「何でもテレビのせいにするな」と言いたいのだろうが、ならば聞く。現在、青少年の間で生じている様々な歪みは業界として全く責任が無いというのか? 敢えてすべてがテレビのせいとは言わないが、A級戦犯であることは間違いない。現代社会においてテレビの影響力が絶大であることは誰の目にも明らかである。であるならば、大いに社会的責任を感じて放送内容に配慮するのが当然であると考えるが如何?

 一方、Vチップが導入された場合、今度は家庭での親の責任が大きくなることは当然のことである。どうもこのところ気になるが、少年達が問題を起こしたとき、報道界の尻馬に乗って世の親ごさん達は「学校でちゃんと教育してくれないから」とか「先生の目が行き届いていない」と批判する風潮があるようだが、それはおかしいのではないか。子供を教育するのは基本的に親である。躾であればなおさらである。考えてもみられたい。或る親ごさんにいっぺんに子供が40人も50人も産まれたらどうします? とても面倒見られたものではないでしょう。しかし、先生方はそれでもそれに近いことを必死になって毎日努力しているのです。それを「目が届いていない」と非難できるでしょうか。言っておくが私は教育界とは全く関係がない。

 ところで、うちのカミさんはテレビを見ていて宝石のCFが流れるとウットリと見とれている。我が家にとってはこれが最も危険な映像である。VチップならぬJチップはないものか。


(98/03/17) 日露平和条約交渉は慎重に

  ロシアのエリツイン大統領の4月11日からの来日日程の大筋が固まっていたところが、ここに来て急性呼吸器疾患とやらで、橋本首相との非公式会談日程が怪しくなってきた。

橋本首相とエリツイン大統領が昨年の秋、クラスノヤスクで、「西暦2000年までに平和条約を締結する」ことで合意したことにより、日露関係は大きく前進したかに見える。従って4月に大統領が来日することにより、それを機に条約交渉に弾みをつけ、秋に橋本首相がロシアを訪問して条約締結にある程度の目途をつけたいというのが、両国の描いているシナリオであろう。それが大統領の病気次第で来日できないとなれば、その後のシーンが大きく後退し、見通しがつかなくなる可能性が出てくるおそれがある。まあ、それはそれとして、仮に日程が順調に進んだとしても難しい局面が大きく立ちはだかっていることには変わりはない。

第一に、首脳合意を巡る日露両国間の解釈が微妙にずれていることだ。首脳合意が領土の帰属問題を解決して上で平和条約を結ぶことを明記した「東京宣言」に基づいている以上、領土問題と条約は一体であるというのが日本側の立場であり、橋本首相も「国境線を定めない平和条約はあり得ない」と、言っている。

 ところが、ロシア側は、経済協力を軸に領土と条約は別問題と考えているようだ。ロシア政府自体は「四島の帰属問題を解決して平和条約を締結する」と、領土問題の解決が条約締結の前提との解釈を明言しているものの、保守系の強い下院議員や外交専門家の多くは領土と平和条約を切り離し、領土問題は棚上げできると理解している。平和条約交渉を前に下院は去る2月20日、領土保全の法案を可決し、一片の領土も他国に譲らないこととした。たとえ、それが歴史的に理不尽な手段で手に入れた領土であっても返さないと言う意思表明だ。如何にもロシアらしい。

 とんでもないことだ。昨年秋に両国政府が積極姿勢を打ち出したことでロシア側は日本企業がすぐにでも進出してくると受け止めている関係者が多いようだが、日本側からすれば法律、税制、雇用、など、あらゆる面で主権が確立しない限り整備し、解決できないことばかりである。それらの条件が整ってこそはじめて日本企業も投資をして進出が可能になる。

 ロシアは、北方領土における日露両国の共同経済活動を先行することを重ねて提案しているが、これはちょっと虫が良すぎる。 日本側は継続協議とする考えを示しているが、そんなことは協議の対象にする必要すらない。平和条約の核心は、あくまでも領土問題であり、これが原点である。日本の半世紀以上にわたる悲願である。

 思うに、エリツイン大統領にしても自国における自分の立場を弱くしてでも日本に北方領土を返す気は無いのではないか。あくまでそれはエサであって、本音は日本の資本と技術が欲しいのだ。それも喉から手が出るほど。そして自分たちが欲しいものを手に入れるだけ手に入れれば、領土返還なんて「そんなこと言ったかなあ」と来るのだろう。

 また、仮に条約で何年か後に返還すると取り決めても、決して油断は出来ない。第一、ロシアは「条約なんて破るためにある」くらいの認識しかない。そういう国なのである。話は古くなるが、明治34年、時の外務大臣小村寿太郎は日露同盟か日英同盟かを決めるに際し、ロシアと英国の国際信用度で判断するべく、両国がそれぞれ他国と結んだ外交史を調べたところ、ロシアは他国との同盟を一方的に、かつ平然と破棄するという点で殆ど常習であったが、英国は一度もそういう例が無く、常に同盟を誠実に履行してきていたのが判明した。これは随分昔の話ではあるが、所詮、民族的体質というものはそう簡単に変わらないものだ。

 我々の年代でもそれを嫌と言うほど思い知らされたではないか。1945年8月5日、日露不可侵条約を踏みにじって満州へ大軍を殺到させ、満州在住邦人に耐え難い苦渋をのませたことは決して忘れることが出来ないものだ。それが半世紀以上経た今でも中国残留孤児問題として未だに尾を引いている。しかも、国際法を無視して、直前まで同盟国であった日本人の多数の捕虜をシベリアに強制的に連行し、酷寒の中で強制労働をさせ、数万といわれる(正確な人数は不明)犠牲者を出させた。話は脱線するが、日本政府は、大東亜戦争のときに他国から強制連行したことを今頃になって補償要求され、その話し合いに応じるなら、シベリアへの強制連行もロシアに対して断固、補償要求すべきである。

 要するにロシアは条約を守れない国である。そのような国と「何年か後に北方領土を返すから、先ず経済協力を」と言われて、「ハイ、そうしましょう」なんてことをしていたら、暴力バーのようにやらずぶったくりの目に遭うのは明らかであろう。

 ロシアはあれだけ広大な領土を保有しながら不凍港を持っていない。ロシアにとってこれは帝政ロシア時代以来の大きな泣きどころだ。ロシアで緯度的に最も南に位置する港はウラジオストクである。北方四島はそのウラジオストクとあまり変わらない緯度にある。それだけにロシアにとっては虎の子とも言える領土になる。そうだからこそ終戦のどさくさ紛れに泥棒猫のように四島を侵略したのである。この辺のところを日本政府はよくわきまえて、あくまで「返還と経済協力は同時」を大原則に交渉すべきであろう。「まず、経済協力を進めて、ロシア国内に返還の土壌が出来るのを待つ」てなことはお人好しにもほどがあり、ロシアの体質をよく知っている世界各国の笑いものになる。


(98/03/08) JR芦屋駅のエレベーターについて

 芦屋市は去る3月2日、JR芦屋駅構内のプラットフォームに二基のエレベーターを設置するため、助成金として6,417万円を計上し、この日、市会に上程された1998年度予算案に盛り込んだ。これは既存駅の大幅な改築に二の足を踏むJRをバックアップするのが目的で、芦屋市は「JRに協力しながらぜひ実現させたい」と意気込んでいる。

 JR芦屋駅は一日の平均乗降客は約58,000人。 橋上駅で北側の駅ビルにエレベーターとエスカレーターはある(といっても芦屋大丸やモンテメールの施設であるため、店が休みの日は停止)が、それ以外のアクセスは階段を利用しなければならない。このため芦屋市はJR側に対し、車椅子の障害者や高齢者向けのエレベーターの設置を要望してきた。

 芦屋市では市の負担で来月中に駅の南側に屋外エレベーターを完成させるが、JRの事業であるプラットフォーム内は全く手がついていない。市は設置費約1億3千万円のうち、半分近くを助成することで、既存駅である芦屋駅の大規模な改築工事に難色を示すJR側の重い腰を上げさせようとしている。

 芦屋市健康福祉部は 「私鉄に対する寄付は補助要項で総額の4分の1と定められているが、将来の要項改正も考えて補助金を盛り込んだ。JRにも協力してほしい。」 としている。一方、JR西日本神戸支社は 「芦屋市の努力を無駄にしないためにも協議を重ねていきたい」としている。

 さて、駅南側のエレベーター設置費用はJRが負担しないため、やむを得ず市が全額負担している。 前にもこのコーナーで話したが、小生はこれだっていまだに腑に落ちない。橋上駅構内を利用している人の一部には単に南北に通行している市民もいるが、殆どはJR利用者である。JRを利用しようとする障害者や高齢者のためにJRが一銭も負担しないのはあまりにも思いやりが無さ過ぎはしないか。その思想は「乗せてやっている」という明治以来の官営鉄道時代を一歩も出ていない。

 そもそも市民が南北に通行するにしても、エッチラオッチラと階段を登り降りしなければならないのはJRが市の南北方向の交通を遮断しているからだ。人のみならず踏切箇所の車の通行にも、どれほど不便をかこっていることか。これを高架にしておけば市民は不便を覚えずに済むものを。従って駅南側のエレベーターだってJRが全額負担しても当然ではないか。  

 それを今度はプラットフォーム内のエレベーターも市が半分負担するという。確かにハンデイのある市民への配慮は必要だが、これこそJRが全額負担か私鉄並に4分の3負担で早急に設置すべきもの。芦屋市も今の財政状態から考えて余りにもJRに対して弱気過ぎるのではないか。市は人間で言えば緊急輸血を要する状態ではなかったか。設置費 6,417万円といえば大金である。一般企業であれば、これだけのカネを稼ぐにはどれほど苦労しなければならないか。我々の個人所得税のみならず企業の血税も市の歳入に含まれているのだから。

 これと同じ問題が尼崎市の立花駅でも起こっている。阪神間の都市はどこも被災地で台所は火の車の筈。個々の市ではなく、連帯してJRと交渉すべきではないだろうか。


(98/03/07) ハッカーによる被害を考える

 プロバイダのR社は昨年2月から、インターネット接続のための長距離電話料金を立て替え払いするサービスを実施しているが、これを悪用して、会員を装ってネットに入り込んだうえ、「ただ乗り」した電話料金を正規の会員に払わせるハッカー(コンピューター侵入者)による被害が相次いでいる。

 このサービスはプロバイダのR社(本社東京、会員約6万人)の電話料金後払い制度で、会員が出張先からインターネットを利用した場合でも長距離電話料金は着信側のR社が立て替え、会員から後で徴収するサービスだが、昨年夏頃から「長距離電話料金が数万円も請求された」という苦情が約10件あった。同社は既に利用を登録制にして被害拡大を防いでいるが、新サービスの盲点などにつけ込んだ悪用に頭を悩ませている。

 R社の調査で、会員の身元確認コード(IDとパスワード)がハッカーに盗用されたことが判明した。或る会員の場合は、昨年11月、自分の身元確認コードを6日間で約55時間も不正使用され、約44,000円もの長距離電話料金の請求を受けたという。

 同社は登録制にして会員にパスワードなどの管理徹底を呼びかけているが、被害については、「パスワードを盗まれたのは利用者の責任」として徴収する姿勢を示している。
 
 さて、世の中には頭はいいが行儀は悪い奴が居るもんだねえ。一体どうやってそんなことが出来るのかなあ。先日もアメリカの国防総省のコンピューターに潜り込んで、こっそりとデータをかっぱらった奴が居たが、これなんかは10代の若者だったというではないか。こうなると天才だね。尊敬しちゃう。 いや、これはギャグ。

 ところで、R社は 「パスワードを盗まれたのは利用者の責任」 として、被害額はすべて正規の利用者の責任としている。これに関してはR社のみならず、どこのプロバイダでも規約で概ね 「会員はログイン名、パスワードを自己の責任で管理するものとし、万が一、第三者が会員のログイン名またはパスワードを不正に使用したことにより損害が生じた場合は弊社は一切責任を負わない」 という意味のことがうたわれている。また、同じパスワードは長期間使わず、しばしば変更するよう奨励している。

 たしかに、会員の不注意でパスワードを誰かに知らせたとか、盗み見された結果、被害を被ったのであれば、これはあくまで「自己責任」の範疇であるからして会員が責任をとって被害額の全額を負担するのはやむを得ない。

 しかし、ここでちょっと疑問がある。会員本人に全く関係のない高度な頭脳?を持ったハッカーがプロバイダのホスト・コンピューターに潜り込んで会員のパスワードを探知して悪用した場合は果たしてすべて会員の責任に帰すべきものだろうか? 腕のいいハッカーはホスト・コンピューターに侵入したときにその場でログイン名とパスワードを盗み出すことが出来ると言われている。これでは、いくら毎日パスワードを変更しても意味がないのではないか。なにせ彼らはアメリカ国防総省のコンピューターにさえ侵入できるハイテク・アウトローである。その辺のプロバイダに潜り込んでパスワードを探り出すなんて屁のカッパではないか。 問題は、そのような場合でも規約によれば、会員の責任になる、と読みとれることである。

 だが、そのように会員の手の届かないところで生じた被害は、責任はむしろプロバイダにあるのではないか。プロバイダは先ず、ハッカーがホスト・コンピューターの中枢部に侵入するのを、業界をあげてでも何としても防ぐ努力をするべきだ。それでもなお、会員に被害が生じたときは、それはプロバイダ側で責任を持つべきだろう。被害をその都度、安易に会員の責任にすると、いつまで経ってもプロバイダが犯罪防止の努力をする気がしないのではないか。会員が入会したときに支払っている入会金なるものは、そのような防御を含めた設備費だと理解すべきだと思う。それでこそ会員が本当に安心して利用できるプロバイダというものだ。

 「当社のコンピュー亭にハッカー様がお見えになって、あなたの勘定でしゃぶしゃぶをお召し上がりになりました。」と言って会員に請求書をつけ回しにするなんて、大蔵省に特許侵害で訴えられますよ。


(98/03/01) イラクは勝利したのか?

 先週末までは一触即発だった湾岸危機も、アナン国連事務総長のイラク訪問でなんとか一応回避したようだ。しかし、これはあくまで「一応」の段階ではある。それが証拠にアメリカは湾岸での戦力を殆ど引き揚げずに臨戦態勢のまま、いつでも攻撃に移れる体勢にある。

 問題は、国連査察受け入れについてイラク政府がアナン事務総長との合意内容をどこまで完全に守れるかと言うことだが、イラク政府(=フセイン大統領)の今までの経緯から考えて、素直に守ると考えている人はまず居ないだろう。

 我々がこのところ目にする新聞、テレビなどマスコミは「イラクの外交的勝利」 とか 「屈辱を跳ね返したフセイン」 というような論調を展開しているが、果たしてそうだろうか?  小生はそうは思わない。 この合意内容は、従来からイラクは拒否していたもので、それをのんだと言うことはイラクにとっては屈辱的なものであった筈。アナン事務総長がバグダッドを訪問したからと言って、やむなく合意したのは何故か? 勿論、ペルシャ湾に展開している米軍の脅威に耐えられず、屈服したと見るべきだろう。

 その意味では、事務総長がイラク入りしたことはフセインにとって渡りに船であった。そうでなければ、振り上げたこぶしを下ろしたくても下ろせなかったのだから。いかに現代でも外交が軍事的圧力の裏付けがあってこそ効を奏すのは変わらない。これが現実だ。それに反して「あくまで話し合いで」とか「外交的努力で」とか言っている国は空論か空念仏を唱えているようなもの。それで成功するなら世界中丸腰でいい筈だ。第一、地域紛争が起こったとき、国連自体が国連軍を編成する必要はないだろう。

 以前にもここで書いたが、今回の危機に際して武力行使に反対したフランスやロシアはイラクの石油権益に絡んで自分たちの手は汚したくない。かと言ってイラクの核開発は自分たちの核独占体制が崩れるので反対である。また、中国も武力行使に反対することによって世界に「平和を愛する中国」というイメージを植え付けることができるという思惑がある。

 彼らは自分たちが反対しても、どうせアメリカはミサイルをイラクにぶっ放すだろうから、アメリカに任せておけば自分たちはカネも使わずに済むし、手を出していないので後でイラクにいい顔ができる、それならアメリカよ早くやってくれ、というのが本音ではなかったか。

 片やアメリカはイラクの経済封鎖を解くのはとにかく反対だ。 というのはイラクの石油が国際市場に大量に出回って来ると市場価格が崩れ、アメリカのメジャー(国際石油資本)が大きな打撃を被ることになる。いわばアメリカにすれば国益の巨大な損失である。これはひとりアメリカにとどまらず、中東の産油国にしても同じ事情だ。しかし、それは同じアラブのイスラム教国として声を大にすることは出来ない。 

 従ってアメリカは、イラクが宮殿などの査察に難癖を付けるなどしたとき、大義名分さえ立てば一気に襲いかかるように満を持している。湾岸危機は全く消えていない。また、アメリカにすれば、この3週間ほどペルシャ湾に艦隊をプカプカ浮かべて空爆の訓練をしているだけで数億ドルの経費がかかっている。だから、早くケリをつけたいという台所の事情もある。

それに、アメリカの軍事力を湾岸に多く派遣しているために極東が手薄になっている。そこを北朝鮮が狙っている。北朝鮮にすれば国内の閉塞状態をうち破るには韓国を攻撃するという選択肢をもっている。丁度、韓国は今、極度の経済不振でIMF管理国家になって国力が大きく落ちており、また米軍もお留守となれば絶好のチャンスとみているのではないか。それだけにアメリカは余計に早くイラクの査察問題にケリ、すなわちこの際イラクを叩いておいて早く極東に軍事力を戻したいところであろう。いわばどの国も本音は武力行使を望んでいるのではないか。

 では、武力行使を中止して得をしたのは誰か? 日本だ。 前回の湾岸戦争の時は日本は90億ドルもの戦費を負担させられた。今回、もし、また戦争がおっ始まれば100億ドル(約1兆2,500億円)くらいの請求書が回ってくるだろう。そうなると我々国民は老いも若きも一人当たり1万円を持ち出さなければならない。我々は米軍とアナン事務総長に座布団を3枚ぐらいプレゼントしようではないか。なにせ1兆円を上回る減税と同じ効果があったのだから。

 我が家は5人家族だから5万円が浮いたことになる。さあ、それで何を買うか。そうだな、新しいデジカメでも・・・と考えた途端、横からカミさんが 「私の分を使っちゃダメっ」。


(98/02/20) 高齢化社会に加担するNTT

 最近ではインターネット利用者が急増し、世界中では既に1億人以上の人々がマウスを走らせているようだ。ところが、我が国ではインターネット接続率が非常に低く、世界レベルから見るとまだまだインターネット途上国の域を出ていないようである。

 先日の新聞報道によれば、野村総合研究所がこのたび日本、アメリカ、シンガポール、韓国の4カ国を比較した「情報通信利用者動向の調査」をまとめた。それによると、パソコン所有者のネットワーク接続率は次のようになっている。  

アメリカ 28.3%
シンガポール 24.2%
韓  国 11.4%
日  本  5.9%

 こと、モノ作りにかけては世界一の日本もインターネット接続率に関しては途上国である。「なんでや?」と言いたいところだ。上記の調査ではその理由に言及していないが、やはり家庭からインターネット接続をするための市内電話料金が、各国に比べて日本は圧倒的に高いことに原因しているのは間違いない。これを各国別に見てみると、  

アメリカ 市内料金は定額で1ヶ月20ドル(約2,500円)
シンガポール 0.7シンガポール・セント(56銭)で平日の昼間(午前8時〜午後6時)は30秒、それ以外の時間及び土日曜日と祝日は1分かけられる。 基本料は年間8,000円。
韓  国 45ウオン(3.6円)で平日午前8時〜午後9時までは3分、それ以外の時間は4分16秒まで使える。 基本料は月間2,500ウオン(200円)。
日  本 ご存じの通り10円で、曜日に関係なく午前8時〜午後11時は3分、午後11時〜翌午前8時は4分かけられる。(なお、今月から関東地区に限り地区差別的優遇料金が設けられるが、腹が立つのでここでは無視する。) 基本料は月間1,750円。

 こう並べても、各国を比較するのにピントと来ない。そこで、毎日午後9時から1時間すなわち月に30時間接続した場合の月間市内料金の比較をしてみよう。

アメリカ 2,500円(他の通話料金も含めての定額だから実質タダ)
シンガポール 1,008円
韓  国 1,519円
日  本 6,000円

 上記にはいずれも基本料金は含まず(インターネットをしなくても基本料金はかかるため)
 
 なんと、我が国はぶっちぎりで高いではないか。しかも、最も効率のいい1時間つなぎっ放しの計算でこれだから、それを意識しないでチョコマカやっていると日本の場合は1万円を超えるのではないだろうか。

 でも、なぜNTTの料金はこんなに高いのだろう? シンガポールや韓国が利用者に安く提供できて、なぜNTTが出来ないのだろう? やはり永年の親方日の丸式独占企業の典型的過保護高コスト企業のなせる技だろうか。NTTも早く全国的に細かく分割し、市内電話も民間企業の参入を図って競争原理を導入しなければ日本の高度情報化なんて夢のまた夢に終わり、世界から取り残されてしまうだろう。

 更にもう一つ大きな問題がある。多くの人はテレホーダイなるものに加入して、ひたすら午後11時になるのを待ってつないでいる。しかし、人間の当然の心理として、翌朝8時までは使わにゃ損とばかり、翌日の仕事を忘れて午前1時、2時までキーを叩くようになる。従って若い人は子供をつくる時間が無くなる。なんのことはないNTTの高料金が日本の少子化、ひいては高齢化社会に拍車をかけているようなものである。 NTTよ、この二つの重大なる責任をどうとる? せめてテレホーダイ・タイムを24時間対応にするべきだ。


(98/02/17) 国旗について

 このところ、長野オリンピックでの日本選手の活躍にはめざましいものがある。昨日現在で既に金メダルが三つ。その中で、いままではあまり馴染みのある種目ではなかったが、フリースタイルスキー女子モーグルでは、里谷多英選手が見事に優勝して小生も本当に嬉しかった。ところが、そのあとの表彰式で日の丸掲揚のときに帽子をとらなかったことで長野市の日本選手団本部や東京のオリンピック委員会(JOC)には各方面から抗議が殺到したそうだ。当然のことだ。

 最近は国民の祝日であっても国旗を揚げるのは官公庁ぐらいなもので、各家庭では殆ど見かけられなくなった。かく言う小生も住まいがマンションであるという理由から国旗を掲揚していない。しかし、考えてみれば寂しいことだ。

 この芦屋市でも阪神大震災で多くの方たちが仮設住宅に今でも住んで居られる。先日の建国記念日に、市内の或る仮設住宅のそばを通りかかったとき、フト気が付くと、そのうちの1軒に日の丸の旗が掲げられているのを見かけた。近づいてよく見ると、まだ、ま新しい旗のようで畳んでいた折り目が残っている。

 そこへ家の中から上品そうな老婦人が引き戸を開けて出てきた。思わず「お早うございます」と声をかけると、「あ、お早うございます」という声が笑顔とともに帰ってきた。それから二、三言葉のやりとりをしたが、その方は震災時にご主人を亡くされ、今は一人で生活をしておられるそうで、震災まではご主人が祝日には必ず国旗を玄関に掲げておられたそうである。

 その老婦人は最近になってやっと気持ちも落ち着いたので、亡きご主人の遺志を偲んで今年から祝日には国旗を掲げることにしたそうだ。 「でも、旗を出すのは自分とこだけで恥ずかしゅうてな」 と笑ってましたが、私は自分が笑われているような気がして恥ずかしかった。

 戦後、我々は国旗というものをどのように考えているのだろうか? 今は街の中では本当に見かけることは少なくなった。たまに見かけると右翼の街宣車だったりして。商店街などではアメリカの国旗の方があちこちで目に付く方が多いような気がする。星条旗はカッコよくて日の丸はダサイというイメージや風潮でもあるのだろうか。もし、そうであれば情けないことだ。

 しかし、オリンピックやサッカーのW杯予選などでは盛んに日の丸の旗が振られ、優勝したり勝ったりして日本の国旗が掲揚され、君が代が流れると、若い人たちもそれなりに感動しているのはどういうことなのだろうか?

 どの民族にも、その民族特有の感情としてナショナリズムというものがある。ときによってこの言葉は国家主義とか民族主義とか、ひいてはファシズムにつながるものと拡大した意味で使われたりする。 しかし、ナショナリズムというのは、民族が持っているごく自然な感情のことではないか。オリンピックやサッカーで日の丸が揚がり、国家が演奏されると感動するのはナショナリズムが自然と発露されているからではないだろうか。ただ、多くの人はそれに気が付いていない。

 過去の歴史から学ぶまでもなく、ナショナリズムのない民族は、如何に文明や経済の能力に秀でたものを持っていても、他民族から軽侮されバカにされる。19世紀末から20世紀初頭にかけてアジアの諸地域が、欧米やロシアなどの列強国により、征服され、植民地化されたのはそれを如実に物語っている。当時、それらに危機感を覚え、敢然と当時の清国やロシアと戦った日本のみが植民地となるのを免れたのだ。列強諸国はこのとき、日本のとった行動の一部を指して、侵略者として非難した。しかし、彼らこそアジアに対し侵略をほしいままにしたのではなかったのか。イギリスなどは阿片を使ってまで香港を150年以上も支配した。日本は彼らの侵略を防ぐためにやむにやまれず戦いを交えたのであった。

 しかし、戦後はマッカーサーに、わずか2週間でインスタントにつくられたアメリカ製憲法を押しつけられ、それ以来、時代錯誤的に半世紀以上も金科玉条として持ち続けた政府と国民は、情けないことに日本人としての誇りと、その象徴である国旗を忘れてしまったのだろうか。

 世に言う文化人たちは 「日の丸は日清戦争以後、アジア諸国を侵略した日本の象徴だから国旗は改めるべきだ」 と,のたまう。それを言うなら「日本」という国名も変えなければならなくなる。 まして日の丸はそれ以前の明治維新の初期からあったもの。そもそも日本がアジア諸国を侵略したと言うが、あの当時、あれを 「日本だけが犯した一方的な侵略」 といえるだろうか? 

 かつて、アメリカがフィリピンを、イギリスがインドを、フランスがベトナムを、オランダがインドネシアを、それぞれ支配していたのは侵略ではなかったのか? そう、それがその時代の流れだったのだ。それを未だに特定の国が 「日本は反省が足らない」 とワンパターンのように叫ぶ。その国だって、かつて文永・弘安の時代に蒙古の軍と一緒になって日本を侵略しようとしたではないか。しかし、我々は今はもうそのことで恨みは持っていない。なぜか。世の中には時効というものがある。前にも言ったが、反省ぐらいはサルでもするが、賢いサルなら半世紀も反省したりしない。

 何だか途中で脱線してしまったな。まあ、国歌の「君が代」については小生もいささか小生なりの考えがあるが、我々はもっと日本人の民族の誇りとして祝日くらいは国旗を掲揚しようではないか。  しかし、マンションの場合はどうすりゃあいいかなあ・・・。 言っておくが小生は右翼ではない。


(98/02/11) 日韓漁業問題について

 今日は建国記念日。 しかし、いったいどれほど多くの日本人が今日の日の意義と国家というものに対して関心と考えを持っているのだろうか? 例えば領土問題。 北方四島、竹島、尖閣諸島などの問題は、たまに新聞でチラホラ出ていることはあるが、国民の多くはそれらの見出しを横目で見ているだけではないのか。特に若年層に至ってはこの傾向が強いように思う。 この点ではまだロシア、韓国、中国の国民の方がしっかりした認識を持っているような気がしてならない。 これに関して、今日はいま問題になっている日韓漁業問題について考えてみたい。

 日本政府は去る1月23日、遂に日韓漁業協定を破棄した。日韓漁業交渉は、国連海洋法条約批准を機に、1996年5月から新協定締結に向け実務者協議を開始したが、両国の領有権が絡む竹島の扱いを巡り、交渉が難航していた。韓国は竹島周辺の暫定漁業水域を東経136度以西に、日本は東経135以西を主張。これが最もネックになったようだ。

 日本側の漁業協定破棄に対抗して韓国側は既に北海道周辺の自主規制区域で大型漁船による操業が行われており、日本漁民の漁網を破ったり、乱獲を繰り返している。

 日本側も韓国側も、水産関係者とそれに後押しされた国会議員らの強硬姿勢を押さえきれずに協定終了に至ったことで、両国の一時的な関係悪化は避けられそうにない。

 日本政府としては日韓両国民の感情悪化を避けるため、双方が同時に終了通告する「相打ち案」も模索されたが、結局は不調に終わった。しかし、この相打ち不調は韓国の「日本を悪者に」とする策略と思われる。これは経済政策の失敗で国民の支持を失っている韓国の現政権が、国民のいらだちの目を日本に向けさせるための幼稚かつ卑劣な手段だ。

 とにかく現在の韓国政権は経済混乱から国内外の信頼を失っており、当事者能力が殆どなきに等しいため、日本政府は2月下旬に発足する金大中政権との交渉再開を目指す。しかし、韓国側はすでに日本に対し、マスコミ論調は勿論、各党、各反日団体なども一世に非難の声上げているので、見通しは全く立たない情勢である。

 韓国のマスコミが反日を煽るのは常套手段で、そのように書けば売れるからという理由に他ならない。いわば「反日=販売部数拡大」の方程式によるカネ儲けのために程度の低い論調しか書けないマスコミばかりだ。

 これは前もって十分予想されたことだが、大事なことは日本政府も漁民も一般国民もここで決して弱腰にならないことだ。村岡官房長官は 「韓国近海での日本の自主規制を中断するかどうかは慎重に検討する」 と、現時点で日本側が対抗的な措置をとることはないとの考えを示した。そんな気取ったバカなことを言っているから日本は弱気だと受け取られるのだ。日本の漁民を苦しめ、韓国を利するのみだ。

 これからは各漁業区域でトラブルなどが起こるだろうが、日本としては絶対に毅然とした強気の態度で接するべきである。海上保安庁の手が足りないのであれば、海上自衛艦を派遣すればよい。それでこそ海上自衛隊の存在価値があるというもの。

 韓国は国際通貨基金(IMF)管理国に成り下がるほど経済状態が悪化し、国民が経済危機を克服しようと努力中だけに 「こんな時に一方的に協定を破棄しようとする日本のやり方はあんまりだ」 というのが一般的な雰囲気。しかし、これは 「日本のやり方はひどい」 と、世界に印象づける策略だ。

 韓国の政治状況は、2月25日の新政権発足に向けて多忙な日程になっている。IMF支援計画には日本からの百億ドルも含まれている。日本の対韓融資は諸外国に比べても最大規模であり、いや応なしに「日本の影」を感じさせられている。それがまた彼らにすれば「国辱」と写っているようだ。そう思うなら日本からの融資を断ればいい。

 あまりゴタゴタ言うようなら、IMF経由の資金援助もストップすればよい。貿易上ストップしても朝鮮人参が入ってこなくなるくらいで日本は何も困らない。困るのは韓国側だ。日本政府にあくまで言いたい。弱気になるな。譲歩するな。毅然とした国家たれ。

 ここでもうひとつ言いたいことがある。竹島や尖閣諸島の領有の問題で韓国や中国が日本に強気になるのは「どうせ日本は憲法に縛られて武力行使なんかできっこない」という考えがあるからだ。いわば戦後にアメリカに押しつけられた現行憲法が日本を弱体化しているのだ。こんなことで平和ボケ日本国民は悔しくないのだろうか? しかし、これについては機会を改めて話したい。


(98/02/08) NTT 地域差別を強行

 小生は去る2月1日、日本電信電話株式会社(NTT)が東京通信ネットワーク(TTNet)との競争上、関東圏だけ市内通話料金を割安にするとについて異議を唱えるべく、この欄で駄文を書いたが、郵政省から諮問されていた電気通信審議会・電気通信事業部会は4日、「1998年内のできるだけ早期に全国展開する」 ことを条件に 「認可が適当」 と答申した。これにより、郵政省は同日のうちに認可してしまった。

 ここで小生が言いたいのは、関東圏の利用者だけが利益を享受できるのに対して文句を言っているのではない。関東圏以外の利用者が同時にメリットを受けられないのに対して異議を唱えているのだ。 え? 同じではないかですって? 違う。 全く違う。 法的に全国同一料金を定められておきながら、目前に消費者利益の不平等があり、そこで差別されている側のいわれなき不満といらだちである。

 これが、テレビ、カゼ薬、パンツなどであれば、同じ企業の製品でも、販売されている地域の競合度により、市場原理で格差があるのはやむを得ない。しかし、NTTの電話料金は国内すべて同一でなければならないと法律で明確に定められているのだ。

 日本電信電話株式会社法の第2条では、「・・・国民生活に不可欠な電話の役務を適切な条件で公平に提供することにより、当該役務のあまねく日本全国における安定的な供給の確保に寄与する・・・」と、定めている。これをどう曲解すれば関東圏以外が後回しに出来るのだろう。

 新聞によっては「・・あまねく日本全国に・・」というのが具体的にどこまでを指すのか明確でなかったことが今回の問題の原因と言っている。しかし、簡単な国語辞典を引いてもわかるように、「あまねく」というのは 「及ばぬところがなく」という意味を現している。言うなればエトロフ,クナシリまでも含むということだ。 天下の大新聞でもそんなことが分からないのだろうか。

 電気通信事業部会では、「今は多様なサービスが展開していく過渡期であり、割引サービスが始まるのは意義がある」と判断しているようだが、それを言えばまさにザル法になってしまう。また、某大新聞では、「NTTは、いずれ新サービスを全国に拡げるつもりだから新サービスは早ければ早いほどよい」と、まるでNTTご用達新聞のようにお先棒を担いでいるではないか。それなら法律を変えてNTTを細かくバラバラに解体して別会社にすればよい。それなら文句は言わない。

 先日は疑問を呈していた公取委までもが「いずれ他地域でも実施するのであれば、差別的な取り扱いではないし、通常料金と新サービス料金の差もそれほど大きくない」 として黙認することになった。 公取委よ、お前もか! この人たちはこの差が大きくないと思っているのだろうか? 私から見れば華厳の滝ほどの落差である。

 NTTの意図は言わずと知れた東京通信ネットワーク(TTNet)つぶしである。こんなことを許せば競争相手が倒れたら、またぞろ元の料金に戻ることだって考えられる。しかし、全国同時に割安にすればそんなことは出来ない。
 
 突き詰めれば、法的に明確に「全国同一サービス・同一料金」をうたっているにもかかわらず、NTTのみならず、郵政省も公取委も新聞も、規制緩和どころか、こぞってNTTによる新規参入者つぶしに加担していることになるのだ。
 
 それに、郵政省は 「全国展開時の条件は全国一律」 との見解を示す一方、「次回は、今回の条件を変更することはあり得る」 としている。これは全国展開しても、今回のサービスより割引率が小さくなる可能性が高いことを意味しているのだ。

 さらに見落としてはならないのは、郵政省は規制緩和措置で今年の夏にも、電話料金を現在の認可制から原則届け出制に自由化する方針である。従って全国展開の再申請がその後にずれ込めば、今回の認可条件が事実上ホゴにされることも十分に予想されるのである。

 NTT料金のみならず、中央(東京)による地方との差別と無関心は、阪神・淡路大震災でもそれが如実に現れている。

 と、ここまで書いたときに、関東在住の先輩から「まあまあそう言うな」と、肩たたきに遭った。 それでも敢えて言う。  先輩殿許されたし。


(98/02/05) 声が小さいと損をする

 立春だというのに再び寒波襲来。久しぶりに散髪をして出てきたときの寒かったこと。慌てて近くのスーパーに飛び込んで帽子を買い求め、被ってみると、まんざらでもない。しかし、家に帰るとカミさんが「似合ってないなあ〜」

 そこへどこからかFAXが入ってきた。見ると量販店のA店からだ。先日、デジカメが故障して修理に出したが、そのとき、修理にかかる前に修理費の見積書を送って欲しいと依頼していたので、その見積書が送られてきたようだ。

 見積もりを依頼したときは、保証期間の1年をわずか2週間ほど過ぎたところであったし、大した修理ではないと思っていたので、修理費はせいぜい1万円くらいかな、と予想していた。ところが、見積書の金額は3万円! しかも、別項に修理キャンセル料として 7,000円 となっている。修理費の方は自分の思惑と違っていたが、仕方がない。しかし、修理キャンセル料とは何だろう?

そこでA店に電話した。

「保証期間ギリギリで故障して3万円もとるのか?」
「ハイ、メーカーがそう言っておりますので」
「それなら新品を買った方がましだ。それに修理キャンセル料とは何だ」
「ハイ、修理せずに現品を戻すときは故障チェック手数料をとられます」
「修理を依頼したときは、あんたの方からそんな話は聞いていない。」
「異存があるならメーカーに直接言って下さい」
「バカ言うな。俺はA店から買ったのだ。言うなれば俺とA店との取り引きだ。メーカーと直接取り引きしたわけではない。A店から  メーカーに話をすべきだろう」(段々声が大きくなってきた)
「?????」
「わからないのなら、店長を出せ」
「店長は出張中で・・・」
「そうか。では社長と話をする」
「ちょっと待って下さい。当店から話してみます」

ということで電話を切ったが、どうも頼りない。それに腹の虫もおさまらないので、ちょっと筋が違うと思ったがメーカーに電話して、同じ疑問をぶつけた。

「・・・というわけだ。本来なら無償で修理して欲しいくらいだ」
「う〜ん そうですねえ、1年と2週間なら、何とかその方向で・・・」
「それなら至急検討して、色よい返事を聞かせてくれ」

それから30分ほどして、A店から電話があり、

「メーカーは今回は無償で修理すると回答してきました」
「そうか。では大至急修理して送ってくれ」

ということで一件落着した。しかし、どうもおかしい。これがおとなしい人なら3万円も負担させられ、声の大きい人間には無償で修理するとはA店もメーカーも無節操ではないか。皆さん、声が小さいと損をしますよ。大きな声で叫びましょう。そのほうが体にもいい。


(98/02/04) スキャンダルと対イラク武力行使

 このところ海の向こうのアメリカではクリントン大統領の艶聞というか醜聞というか、それにまつわる偽証容疑と相俟って、とにかくC級映画より低俗な話題で大騒ぎのようだ。遙か太平洋を渡って我々の耳に入ってくるだけでも相当な情報量だからお膝元のアメリカではさぞやピーチクパーチクと五月蝿いことだろう。

 しかし、騒いでるのはマスコミだけで、一般国民はもううんざりして今では醒めているようだ。特に先日のクリントン大統領の一般教書演説以来、国民の大統領支持率はうなぎ登りで、今や史上最高を示している。さすがに向こうの大統領は打たれ強い。日本では、かつて不倫をしてマスコミの攻撃とそれに乗った野党や国民の矢面に立たされて辞めていった首相が居たなあ。

 やはり、米国経済を現在の絶好調な状況に持ってきた同大統領に対して国民はこぞって支持したと言うことだろう。政治というのは国民の暮らしをよくするかどうかということだけに、米国民は大統領の偽証容疑は別として、その政治手腕を高く評価したと言うことだろう。

 彼らにすれば、とにかく生活が楽になればいいわけだ。そりゃあそうだろう、いくら潔癖でも無能な親玉よりも、少々不純なところがあっても世の中の景気を奮い立たせてくれる政治家の方がいいに決まっている。昔の日本の誰とは言わないが。国民もそのくらいの度量がなければ損をする。

 さて、クリントン大統領は、この追い風に乗って、問題のイラクへの対抗措置を一気に強めてくるのは必至だろう。既にペルシャ湾にはアメリカの空母3隻と英国の空母が1隻が配備された。サウジアラビアなどは同じイスラム教国のよしみで武力行使に消極的だが、ペルシャ湾奥深くまで空母が4隻も入れば攻撃態勢は十分だという。

 中国、フランス、ロシアなどはイラクへの武力行使に反対しているが、いずれも将来のイラクでの石油利権がらみで言っているだけで、本心ではない。いわばゼスチュア。本心は自分たちだけで独占しておきたい核兵器をイラクが開発することには反対である。アメリカもそれを見透かしているから一向に気にしていない。だからこそ安保理で否決されても単独で武力攻撃をするつもりだ。前記3カ国も腹の中では「自分たちが反対しても、どうせアメリカは武力行使をする。それなら自分たちは手をこまねいておれば、戦費は負担しなくて済むし、核の独占は維持でき、石油利権は残る。アメリカよ、早くやれ」と、思っているだろう。早ければ今月の10日までに、遅くとも今月中には火ぶたを切るのではないか。

 そうなると日本はどうするか? いつもの「日本は現行憲法では・・・」てなことで逃げ回り、やはりカネを出すしか能がないのだろう。アメリカもそのような日本の足下を見て、またしこたま吹っかけてくるだろう。前回の湾岸戦争の時は90億ドルも持って行かれたうえに、負担を決めるまでにモタモタしていたためにアメリカからもクエートからも感謝すらされなかった。今度も下手をすれば100億ドル以上も負担させられるかも知れない。そうなると国民一人当たり1万円の負担になる。 さあ皆さんいまから積み立てておきましょう。


(98/02/03) 日本の常任理事国入りについて

 国際連合の安全保障理事会は第二次大戦の先勝五大国(米・英・中・ロ・仏)が常任理事国として絶大な力を持っている。これを世界の現状にあった機構に変えるための国連改革論議は今年で五年目に入った。

 改革をめぐっては、現在の常任理事国に、日本とドイツ、発展途上三地域代表(アジア、アフリカ、中南米より各1国)を加えて新しい常任理事国を10カ国とする構想にまとまりつつある。

 しかし、伏兵が居た。ドイツが常任理事国入りすれば、ヨーロッパの主要先進国の中で1国だけ取り残されることをおそれたイタリアが急遽、改革阻止の決議案提出に出たため、改革決議案の採択は先送りになった。

 日本はかねてから「常任理事国入り」を国連外交の最重要課題としていたが、これにより出鼻をくじかれた格好。しかし、日本にしても、このところその課題に真剣に取り組んでいたとは言えないような気がする。また、それを他の主要国にも敏感に感づかれていたようだ。

昨年、アナン事務総長は新設の副事務総長に緒方貞子国連難民高等弁務官を起用しようとしたが、緒方氏は現職を全うしたいということで断った。これなども各国からは、日本はいざとなれば消極的だと思われたのだろう。

 第一、もし、日本が常任理事国になれば国際平和にどのように役立つのかという明確なビジョンが描かれず、従ってそれを世界にアピールできないため、他国からは「貢献度を示さずポストだけを追い求めている」と見られているようだ。

 小生は昨年の12月29日にも 「カネは出しても口は出せぬ」 と題してここに掲載したが、国連予算での日本の分担金はアメリカに次いで第二位である。しかし、アメリカが分担金を13億ドルも滞納しているため、事実上、最大の財政負担をしている。日本の分担率は現在ところは 15.65% であるが、2000年には 20.573% にもなる。それなのに日本が国連で何を言おうと「お呼びでない」のである。

 世界の各国、とりわけ現在の常任理事国の本音は、「日本はカネは出すが、いざとなっても紛争地域に軍隊も派遣しない。そんな国に常任理事国の資格はない。せめてカネだけでもタップリ出せ」ということだろう。

 小生も日本の国連分担率については不満がある。しかし、現在の常任理事国もダテに常任理事国の看板を背負っていないと言うことは分かる。湾岸戦争でも、旧ユーゴの紛争地域でも米、英、仏などは軍隊を出動させ、若者の命を差し出している。そのとき、日本はどうしたか? ゼニを出しただけだ。突き詰めればカネで、カネより遙かに尊い彼ら若者の命を買ったようなものだ。これで憲法の前文にある「・・・国際社会において名誉ある地位を占めたいと思ふ」なんてことが出来るだろうか?

 日本国内では、「イタリアは余計なことを言ってくれた」と受け取られているようだが、小生はむしろ「よく言ってくれた」と思っている。今のままの日本であれば常任理事国になる資格どころか、受験資格すらない。大きな分担金を負担するだけでも国際貢献になるではないか、という考えもあるが、それは違う。第二次大戦後も世界のどこかで常に紛争が起こってきたし、またこれからも起こるだろう。これが現実だ。そのときに肝腎の役に立つことが出来ないなら常任理事国なんてオコガマシイ。どうしても仲間入りしたいのなら、我々は憲法を改正(第九条だけではない)して、その体勢を整えるべきだ。また、国家百年の計を考えれば、そうあるべきだ。勇気をもって。


(98/02/02) 自らの行為にもっと責任を

 金の現物まがい商法で全国の約29,000人から2,000億円以上を集め、1985年に破産した豊田商事事件で、被害に遭った20都道府県の高齢者867人が、国の無策で被害を拡大したとして約10億7,000万円の国家賠償を求めた「豊田商事国賠訴訟」の控訴審判決が1月29日、大阪高等裁判所であった。

 判決では、豊田商法が高齢者らを組織的に狙い撃ちした詐欺商法とはしたが、規制や強制捜査をしなかった関係省庁の責任について 「著しく不合理だったとは言えず、違法な職務行為は認められない」 とし、訴えを退けた一審・大阪地裁判決(93年10月)を支持し、被害者側の控訴を棄却した。被害者側は上告する方針とのこと。

 一方、これとは全く別のことであるが、成人後に事故などで傷害を負いながら、当時、大学生で国民年金に加入しなかったため、傷害基礎年金を受けられなかった大阪市在住の男性(43歳)が30日に「当時は任意加入で行政も積極的なPRをしなかった」として同市福島区役所に年金支給を申請した。また、このほかにも兵庫県尼崎市の学習塾経営の女性(52歳)も尼崎市役所に同じ理由で申請した。この日は4府県で計8人が集団申請した。

 申請者側は「当時は行政から年金の加入を知らせる通知はなく、制度の仕組みも知らなかった。高額の医療費の負担を強いられるなど、法の下の平等を定めた憲法に違反する」と主張している。

 さて、この二つの事柄の間には何ら関係はないようだが、或る一点で見事に共通している。それは「国が事前に何かをしてくれなかったから、責任をとれ」 と言うことになる。このことを世間ではどのように考えるだろうか?

 確かに両方とも心情的には気の毒に思う。しかし、インチキ商法に引っかかった本人や、年金を支給されなかった人たちは、自分自身には何の落ち度も責任もなかったのだろうか? 

 まず、前者の場合、悪徳商法とは言え、その甘言にのってカネを出したのは幼児ではない。高齢者とはいえ、立派な大人がそれぞれ自分の判断でやったことではなかったか。言うなれば豊田商事と自己責任で取引をしたのではないか。冷たいことを言うようだが、自分の判断で行ったからにはあくまで自身で責任を持つべきであろう。被害者側が言う「豊田商法が詐欺商法ではないかという疑惑がありながら、規制や強制捜査をしなかった関係省庁の責任」という主張には同意できない。それが通るなら、「自宅に泥棒が入ったのは警察の責任」ということになってしまう。

 片や年金を受けられなかった人たちも自己責任を否定してはいないか。「当時、行政から何も通知はなかった」と言っているが、社会保険庁からは年金加入年齢に達したときには必ず通知が来ている筈だ。仮に当時学生で下宿をしていて住民登録を変更していなくても、親元には来ている筈。勿論、現在でも学生であっても通知が来ているが、保険料も安くなく、多くの学生は年金といってもピンと来ず、大部分の学生は加入していないようだが、彼らもそのような憶えはなかったのか?

 また、仮に通知が何らかの事情で本人に届かず、そのために本人が年金制度たるものを知らなかったとしても、それは不勉強というものであり、それを理由に当時から20年も30年も経った今頃になって支給請求をするのは理解できない。

 法律では未成年者の飲酒を禁じている。しかし、国が成人に達したひとり一人に「あなたはもうお酒を飲んでもいいですよ」と通知を出すだろうか。世の中は「そんな法律があるのを知らなかった」は通用しないのは分かり切ったこと。

 要は法律行為が出来る年齢に達したときから、何をするにも本人には当事者責任が伴うことを社会人であればもっと自覚すべきだろう。金融・証券のビッグバンを初め、これから世の中は大きく、かつ激しく変わっていき、例えば金融・証券界からはハイリスク・ハイリターンの商品が多く売り出されることだろうが、何か事があればすぐに国のせい、自治体のせい、相手のせい にするような甘えた根性では自分自身を弱体化するだけだ。未曽有の震災に遭って、自分自身に何の責任もないのに未だに生活に困窮している人たちだって、それを「国のせい」だとは言ってないのだ。

 個人と銀行との最も単純な取引は銀行預金であるが、破綻した銀行の預金全額保護だって制度化されたものではなく、単なる政府方針だ。今後もそれがいつまでも継続して行われる保証はない。預金だってこれからはリスクがつきまとうのだ。これらのリスクを預金者がどうとらえるか。世の中、規制緩和が声高に叫ばれているが、規制緩和が進めば進むほど個人個人は自らの行為に責任が大きくなってくることを肝に銘じるべきだと思う。

 話は一転するようだが、いつも思うことながら、これらを報道するマスコミは、必ずと言っていいほど訴え出た側に立った論調を展開している。常に、訴えた側が「善」、訴えられた側が「悪」という位置づけである。告訴を棄却する判決が出た後、「判決は間違っている」という識者や学者の論評ばかりを報じて、逆に判決を支持する側のそれは一切報道しない。「新聞は弱者の味方」とばかり正義ぶった偽善者の仮面をしたマスコミは、単に多数の側に立った煽動者ではないか。多数が必ずしも正しいとは限らない。マスコミのこのような論調こそが、世間一般の「甘え」の風潮を助長していると思うのは小生だけだろうか。


(追記)
 上記のコメントを掲載したあとで某新聞の朝刊を開くと、社説で豊田商法被害判決について論説していたが、相変わらずの政府攻撃・被害者寄りの一辺倒。そして最後に「今後はあらゆる分野で規制緩和が進み、ますます消費者の自己責任が問われるようになる。その前に消費者保護ルールの確立こそ急ぐべきだ」としている。

 思わず「アホか」とつぶやいた。順序がまるで逆だ。消費者保護ルールなんて待っていたらいつになるか分からない。その間にも次々と騙される被害者が続出するではないか。それよりも自己責任の自覚こそが急がれるのであり、それを啓蒙するのがマスコミの任務ではないか。こんなことも分からない新聞を毎日読まされている小生も情けない。ああ、熱が出てきそうだ。


(98/02/01) NTTが地域差別

 これは特に我々インターネット利用者にとっては聞き捨てならない問題だ。

 NTTは東京通信ネットワーク(TTNet)が今年1月から関東圏で3分9円の市内電話サービスを開始したのに対抗して、同じ関東圏で、毎月200円支払えば3分10円の市内料金が5分10円になる割引制度を郵政省に申請した。 TTNetの10%ダウンに比べてNTTは200円を別にすれば、40%のダウンである。巨艦NTTにすればかなり思い切った対抗策だろう。

 しかし、ちょっと待て。その対象地域が関東地区だけというではないか。「なんでや?」と言いたいところ。NTTに言わせると「ライバルとの競争上、関東地区だけは2月からでも実施し、他の対象地域は追々今年中に全国に拡げていく。」とのこと。

 これはおかしい。NTTは現在は株式会社で民間会社ではあるが、立派な公共機関である。いくら競争相手が現れたからと行って、その地域だけ他の地区より早期に特別な料金を設定するのは公共機関として不公平きわまりない。あくまで全国同時に引き下げるべきだ。

 JR(ここも少々問題があるが)だって距離に応じた普通運賃は全国統一されている。私鉄と競合しているから安くしているとか、過疎地で競争相手が居ないから高いということはしていない。しかもJR東日本、JR東海、JR西日本 などと会社が分かれているにもかかわらず。
 
 ところが、申請を受けた郵政省は、何を思ったか、すんなりと認可が適当として23日に電気通信審議会電気通信事業部会に諮問した。しかし、同部会では、「全国同時に実施すべきだ」との反対意見が出たため、結論を持ち越し、2月4日に再度審議することとなった。やはりどこにでも常識派は居るものだね。

 また、公正取引委員会の矢部丈太郎事務総長は28日の記者会見で、「そのようなことは、競争政策上好ましくない。割引するなら国内全体で実施するのが妥当」との見解を示した。その根拠として、独占禁止法が取引の地域や相手によって不当に差別的価格を設定することを禁止していることを挙げた。 さ〜すが言うことが違うね。頑張ってくれーっ。