うるとらまんしょん
 
りたーん
 

 
ウルトラマンション
今を溯ること10年前。
高校卒業を真直に控え、俺は「あんにゅい」な気持ちになっていた。
「このままでよひのだらうか?」

卒業後は札幌のこんぴ〜た〜の専門学校に入学が決まっていた。
札幌は地元の小樽から電車で1時間の距離。
今の東京圏なら十分通勤圏内である。
だが俺はその1時間がめんどくさかった。
1時間もかけて学校なんていってられっかよう!!
・・・てな感じである。

当時、俺と同様の悩みを持つ友人がいた。
卒業後は札幌の福祉系専門学校に通うのだが、
やはり1時間がたるかったらしい。
通勤で2時間かけている人には殺されても文句言えない理由だな。(笑)

ある時、ふと二人でこんな会話をした。
 俺「家出たいね〜」
 友「出たいね〜」
 俺「でも、一人じゃ出してくれないよね〜」
 友「電車で1時間だもんね〜」
 俺「二人で一緒に札幌に住むか〜」
 友「いいねぇ。」
他愛の無い会話である。
俺もけして本気じゃなかった。
ただ、願望を口にしただけだった。

そして、翌日・・・
友「いいって。」
俺「へ?」
友「親に相談したら
    二人一緒なら札幌に住んでいいって。」
俺「まぢ?
友「まぢ。」
俺は自分の親を説得することになった・・・(笑)

教訓:願望は行動に移してこそ叶えられる。

こうして俺達二人は札幌に住むことになった。
その為には部屋を探さなければならない。
北海道では大手の不動産屋でアパートを捜した。
物件を数件見せてもらい、その中で良さそうな部屋を見つけた。
札幌中島公園のすぐ裏にあり、2LDKで4.5万。
二人で住むには十分過ぎる条件だった。
俺達はここに決めた。
 
俺達「で、このアパートの名前は?」
不動「うるとらまんしょんです。」
俺達「は?」
不動「このアパートの名前はうるとらまんしょんです。」
 
18年間慣れ親しんだ小樽を捨て、札幌を選んだ俺達。
その新たな生活はうるとらまんしょんという
2階建ての安アパートから始まった・・・
 



 
 りたーん