2001.09.09 しつれいな

ママがパーマ屋さんに行っていたので、パパが昼食に焼きめしをつくって3人で食べているとき、晃志の赤ちゃんの時の話になった。

晃志は大きな三角形の頭の3400グラムの赤ちゃんで顔面傷だらけで生まれてきた。産院では北の海(横綱)みたいと言われたが、かわいいとはあまり言われなかった。それでママは最近晃ちゃんかわいくなったね、というけど、かわいくなったということは、以前はかわいくなかったということやで、というと、「こうちゃんは、まえからかわいかった! しつれいやな」とおこった。

そのあともしきりに「しつれいな」を繰り返す。ママが帰宅すると、まっさきにその話をして、「な、しつれいやろ」という。

to TOP to TOP

2001.09.09 女の子のお友達

午後、晃志を連れて職場に忘れ物を取りに行った。晃志が突然、「この前、パパの女の子のお友達のところにいったねぇ」と言い出した。

「えっ? いつ?」
「パパは忘れてるけど、晃ちゃんおぼえてんねん」
「ひとりで行った?」
「晃ちゃんと亮ちゃんといっしょに行った」
「ええ? いつ行った?」
「ママにお寿司つくってもらって行ったん。クーのジュース飲んだ。」

クーのジュースでわかった。私は覚えてなかったが、子供たちがクーを初めて飲んだのは、顧問をしているクラブの合宿のときだ。学内にある合宿場に子供たちを連れて行ったことがある。街頭の自販機でクーをみつけたとき、あの合宿で初めて飲んだと亮佑が教えてくれた。お寿司はママが作ったのではなくて、途中で買っていったものだった。

「晃ちゃん、あれはおうちじゃなくて、パパの学校」
「パパの学校、いっぱいあんの?」
「畳のお部屋やったから、お家みたいやったね。おなじ学校のなかにあんねん。」
「そうか。晃ちゃん、お家やと思った」
「お好み焼きを焼いてもらって食べたね」
「え? しらん」
「覚えてないか?」
「こうちゃん、それは頭にいれてなかってん。行ったことは頭に入れててんけど」

頭の中に入れたことは覚えているけど、入れてないと覚えていない。入れたかどうかは晃志の意志による。つまり彼の記憶は、意図的に覚えておこうとしたことが記憶されているということになる。そんな屁理屈はどうでもよいが、よっぽどいんしょうてきだったのだろう。印象的といえば、祇園祭の帰りの電車のなかで、傍若無人な学生グループに対して、不思議なものをみるかのように眼をまん丸にして楽しそうに見ていた晃志の顔が印象的。

しかしまあ、女の子の友達の家とは。車の中だからよかったけど、電車とかだったら周囲に変に疑われるようなことを。

to TOP to TOP

2001.09.23 晃志の運動会

晃志の幼稚園の運動会。ママは運動会委員なので、朝からセッティングのお手伝い。パパが晃志と亮佑をつれて、会場まで連れて行く。引っ越してきてから、3度目の幼稚園運動会。前の幼稚園での運動会も入れるとこれで4回目。さすがに新鮮味はなくなってきた。でも、晃志のために両祖父母がきてくれる。こうして両祖父母が来てくれるのがいつまで続くのだろう。

それにしても、亮佑が卒園生としてか出演しないので、とても気が楽だ。9時半集合なのに、場所取りのために9時には到着。まだセッティングが終了していなかったので、陣取り合戦に参加できた。でも、周囲をはばかって遠慮気味にシートを張った。それでいいのだ。

晃志は、ぼうおどり、と言っていた「あばれ太鼓」の遊技。ママに言わせると、晃志のために考えられたような出し物。最後の決めのポーズがかっこいいらしく、晃志にぴったりというのだ。晃志はまるでウルトラマンか、仮面ライダーのようにポーズを決める(らしい)。楽しみだ。

ところが、パパが見る限り、晃志より格好良く踊っている子がたくさんいる。晃志、最後のポーズは決めろよ、と思ってみていたが、自宅で見せてくれたほうが格好よかったぜ。

親子で出演するゲームにパパが参加。フラフープのワッカを4つ直線上にヒモでくくったのを子供が両足ジャンプで飛び越え、4つとも飛ぶとそのワッカを回転させて前方にだし、ふたたび子供がジャンプを始めるというもの。向こう側で待っている次の親子にそのままバトンタッチ。だが、パパは大失敗をした。晃志がジャンプするのを一瞬だが、ボケーと見てしまった。それでワッカを前に出すのが遅れてしまって大慌て。さらに、4つあるワッカの端っこではなく、端から2番目のワッカをもって前に出したものだから、ワッカがねじれて、のばしても4つ分の長さにならなくなってしまった。結局、パパのこの失敗のおかげで、後続の親子はみんな1回分くらい余計にワッカを回転させなければならなくなったので、晃志のいたチームは負けてしまった。くやしい。

亮佑は、卒園生出場の玉入れに参加した。

to TOP to TOP

2001.09.23 亮佑のピアノをみるパパ

あすは亮佑のピアノの発表会? 今日はママに代わってパパが亮佑のピアノをみた。パパは自分で演奏はできないけど、中高・大学を吹奏楽部で過ごしたから、こうしたら上手に聞こえるよ、ということくらい指導できる。

でも、パパが指導すると、亮佑が混乱してママの言ってることとパパの言っていることが違うというので、パパはずっと口出ししなかった。でも今日はママのほうから、パパみてあげて、ということだったので、ほぼ仕上がり状態の演奏を聴かせてもらった。

しかし、亮佑の演奏は、だるかった。シンコペーションのリズムの裏拍が十分に出ていないし、フォルテとピアノの差もない。譜面立てには楽譜があったので、パパは楽譜を指さしながら、ここでこうしてああしてと指示をだした。

おそらく、ママのやり方と違うので、また戸惑っているかもしれないと思いつつも、傍らで声をだして指示を出すとちゃんとそのとおりに演奏できるように成長していた。さらに、亮佑の横でオーバーアクションの指揮者のように指示だししてやった。ところがそれをやめると、指示どおりには演奏できないのだ。

楽譜を指し示しながら、ここでこうして、と言い直して、何度目かのとき、ふと気づいた。亮佑は楽譜を広げているものの、楽譜はみていないのだ! 暗譜しているので、楽曲は指使いとともに頭の中にインプットされている。だから一曲を続けて演奏しないと、ここでフォルテとかピアノとかを楽譜でしめしても理解しがたいのだと発見した。

こういうのって、どうやって教えるんだろう。楽譜をみて覚えろというのだろうか?

to TOP to TOP

2001.09.24 月刊ピアノフェスティバル

月刊ピアノ・フェスティバル。これはMIDIデータを伴奏につかったピアノ演奏会。曲目は「ミシシッピーの蒸気船」。2ヶ月前に弾いた曲。でもその後練習していないので、2〜3週間くらい前から特訓。どうにかさまになる演奏になった。

亮佑は、プログラム1番。よほど緊張していたのだろう、MIDIデータの伴奏にあわせて弾くはずなのに、ひとりで勝手に演奏し始めた。パパはビデオを構えながら、まだまだと手で合図を送ったが、見ているわけがない。ホンの1〜2小節だったがこちらがどきどきした。

ようやく伴奏をきいて、はじめからやり直したが、間違って始めた余韻で、途中で止まるのではないかとハラハラした。でも親の心配を余所に、結構上手に弾いていた。シンコペーションのリズムは、裏拍を強くだざないとダレダレになるが、なんとかシンコペーションに聞こえた。

演奏を終えると、伴奏データの入ったフロッピーを受け取って席に戻ることになっていたが、亮佑は反対側に退場しようとした。パパは、指差して方向が違っていることを教えようとした。ビデオを取っているので声は出さない。だから分かるわけがないのに。

しばし他の人の演奏も聴いたが、しばらくしておじいちゃん、おばあちゃんと会場をあとにして、アイス食べたり、電気屋のゲームマシンで遊んだりして時間をつぶした。そして、おじいちゃんたには先に帰ってもらった。なにせ亮佑の演奏は1時だったのに、審査発表は5時半なのだ。

亮佑はベスト・メロディー賞をもらった。最優秀賞、優秀賞の次の賞だ。優秀賞の人たちの演奏を全て聴いていたわけではないが、優秀賞に入ったある人の演奏はとても上手で、鑑賞に十分たえるものだった。そういう演奏のワンランク下の賞だったわけで、亮佑にすれば、上出来だった。亮佑はそれを実感していない。なにせ、賞品にもらったものが、ドキュメント・ファイルだったから。帰宅して両祖父母に報告の電話をしたら、亮佑は、「ファイルもらった」としか言わない。「賞」をもらったと言わないのだ。

to TOP to TOP