マレーシア旅行レポート その2
11/30、出発当日は、札幌は今シーズン初の寒波襲来で、大雪に見舞われた。

「うーん、八戸さんは、車で来ると行っていたけど、大丈夫かな?」などと心配したが、八戸さんは千歳空港に先に来ていた。
いよいよ、千歳空港を出発し、関西空港経由でクアラルンプールへ向かうことになるのだが、実は乗る前から一つ疑問があった。
フライト時間がやけに長いのである。
関西〜クアラルンプール間が、8時間30分もかかる。
フィリピンに行った時が4時間半、ハワイだって6時間である。なのにそれより時間が掛る、とはどういうこっちゃ?
しかも、成田発着組のほうは、フライト時間6時間となっている。
おかしいなぁ〜、と思ったら、関空出発便はシンガポール経由だというのを、当日になって知った。
しかも使用機材を見たら、ジャンボジェットでもDC-10でもなく、国内線で良く見るこぢんまりした767だった。
「え〜!?これに8時間も乗るのかよ!」
僕らは、搭乗前から恐れおののいた。
確かに767はハイテク機だが、いかんせん絶対的な大きさがない。しかも、ほぼ満席だ。
こんな狭い所に8時間も閉じこめられたら、エコノミー症候群は必至だ。こんなに満席なのにあえて小さい飛行機を使うとは、どう考えても、少しでもファーストクラスやビジネスクラスの客を増やそうとするJALの陰謀に違いない。
しかし、もうこうなってしまったら仕方がない。
エコノミー症候群にならないように、対策を立てねばならない。
一般的には、対策方法として、
1.時々軽く運動する
2.水分補給を怠らない
などが云われているが、僕のとった対策は、
3.酒を飲んでさっさと寝る
と言う物だった。
まだ昼だというのに、隣の八戸さんを尻目に、離陸直後から飲み始めた。
作戦成功で、いい加減酔っぱらって眠りに付いたが、結局2時間ほどで目が覚めた。やっぱり狭くてゆっくり眠れないのだ。
「八戸さんはどうしてるのかな…」
寝ぼけ眼で隣の座席を見た僕は、ギョッとなった。
八戸さんは、前の座席の毛布の片端を被せ、もう方端から八戸さん自身もその毛布を頭からすっぽりかぶり、自分の座席にテントの様な物を拵えて、中に引き籠もっているのである。
まるで、これから羽化をする、巨大昆虫のさなぎのようだった。
後で理由を聞いたら、自分の座席の前についているモニターの光量が少なくて、前の座席ごと毛布をすっぽりかぶって影を作らないと映画が見られなかった、とのことだった。
しかし、そう言う理由があるにせよ、前の座席と一体化して、毛布の中に引きこもっている八戸さんを、スチュワーデスはどう思ったのだろうか?
場合によったら、機長と、この変な引き籠もり客へのセキュリティ対策でも話し合っていたやも知れない。
そんなこんなで、二人ともそれぞれの方法で時間を潰し、シンガポールを経由してクアラルンプールへ向かった…

続く…
(第2回なのに、まだ本編が始まらないなぁ…)
←シンガポール空港にて。
元気そうに見えるが、
実はもうボロボロ…