マレーシア旅行レポート その1
前回のレポートでお話しした通り、参加を予定していたマレーシア・エアゲームが、開催1ヶ月を前にして突如中止になってしまった。
僕の方はといえば、全てに早め早めの準備をしてして、飛行機チケットの購入もエントリーフィーの振り込みも、全てをさっさと済ませていて、
「うーん、僕ってなんて有能マネージャー」なんて自画自賛している段階で、大会中止の発表の通知を受け取った。
有頂天から奈落の底とは、このことである。
「そりゃ〜無いじゃん!」
と、余りのショックにふてくされて寝込んでしまった。

しかし、そんな状態になったからと言って、何時までもふてくされてもいられない。一度マネージャーを請け負った以上、後始末まできちんとLook afterしなければ、メンバーとの信頼関係にもひびが入る。
飛行機をキャンセルして、エントリーフィーを返して貰うと云うテもあったが、キャンセル料金も高いし、海外送金でお金を戻して貰うのも面倒くさい。
それに、このまま聞き分けよく
「ああ、そうですか」では、マレーシア人に舐められっぱなしと言うことになり、これは甚だ面白くない。
そこで僕の取った対抗手段は、
『とにかくマレーシアに行く。そして「金は返さなくても良いから、
おまえのところの気球を貸して、飛ばさせろ!」と、だだをこねる』と言う物だった。
考えてみれば、はた迷惑な話である。
むこうにして見りゃ、
「何で、中止と言っているのに来るんだよ!」と思ったかも知れない。
確かに今考えると、「常識ある大人」の態度として、この脅迫に近い要求はいかがな物かと思うが、せっかくの初マレーシアと云うことで盛り上がっていた
風船塾の塾長以下我々は、このくらい八つ当たりしなきゃ収まりがつかなかったのである。
(一番収まらなかったのは僕だが…)
そんな訳で、勢いだけで相手を
拝み倒して、当初の大会日程のままマレーシアを訪れることとなった。



ところがこの段階で、もう一人のエントリーパイロット、
女王様がよんどころない事情(笑)で、夫婦2名ともキャンセル。残り3名のみのマレーシア旅行が決定した。
エントリーを表明した9月の段階では予想だにしなかった展開で、
「風船塾塾長的馬来西亜旅行」が決行されることになったのである。
出発前の段階では、とにかく適地に乗り込んで
「文句の一つも云ってやろう」などと鼻息を荒げていたが、いざ旅行の予定日が近づいて来ると、「本当に先方は、空港まで迎えに来てくれるのか」とか「値段が安そうだけど、凄いしょぼいホテル何じゃないか?」とか、非常に迷惑だ、などと叱られたらどうしよう」など、悪い想像ばかりが頭に浮かぶ。
最悪、マレーシアに行ってもホストに邪険にされ、フライトも出来ずにすごすご帰国し、日本に帰ってからは、飛べなかったことをなじられる…と泣きたくなるような展開もあり得る。
考えただけで、
胃に穴が開く…
「あー。マネージャーなんか、やるんじゃなかった。」
毎回毎回、旅の予定日が近づくと、決まって口を突いて出るこのセリフ。進歩がないなぁ。

しかし、今回は強い
見方がいる。
BCレイラの秘密兵器、酪農学園OGの
清水”一人多国籍女”亜紀女史、その人である。
彼女は
”一人多国籍女”の異名の通り、日本国内では日本人のふりをしているが、顔立ちがアジア圏内の何人と言っても通じるくらい、超アジア顔である。何しろ、フィリピンの大会にエントリーした時に、現地の人に「おまえはフィリピン人か?」と訊かれたほどである。
さらに外見だけではなく、どういう訳かインドネシア語に堪能で、同じくフィリピンの大会の時、道ばたで、マレーシアから参加していたチームのメンバーと、
いきなりインドネシア語で会話を始める、と言う恐るべき特技を我々の目の前で演じてくれた。
実は今回マレーシアから誘いがあったのも、この出来事がきっかけだったと思われる。
(付け加えて云えば、性格の方も、日本人とは思えないくらい
大ざっぱである。)

今回はマレーシアだけど、おまえのインドネシア語でも大丈夫だよな、清水?
大丈夫、任せて下さい。インドネシア語とマレー語は、80%くらい同じですから。」
……
80%か。
う〜ん、
微妙な数字だ……。




                                     続く…
←出発前の
 八戸 ”風船塾 塾長” 朗夫氏。
 妙にご機嫌なのは、何故?
←右が多国籍女。
 この言葉も、彼女にとっては褒め言葉
 (かも知れない……)
きよみず