夏の上士幌の研究 第1回


              


長らく更新しなくてすいませんでした。
この間、何回か更新しかけたんですが、途中で原稿に行き詰まり、
放置してました。
そうこうしている内に、本職の方で
トラブル発生!
法定伝染病と思われる症例が、僕の担当患畜から出まして、大あわて。
因に法定伝染病とは、伝染性の強さ、病原性の強さ、感染動物の種類を基準に、国が
この病気はヤバイから、発生したらウチらが対策取っちゃるけん、よけいな事すなやー。」と法律で決めてる病気の事。
まぁ、結局僕の発見した病気は法定伝染病ではなかったようで、家畜保健所の方からは、何の音沙汰もない。
(違ったなら違ったで、返事くれよ、おい)
それにしても、どうして公務員って、こちらからの返事が少しでも遅れると
ものすごく怒るくせに、こちらの頼んだ仕事はほったらかすんでしょうか?

それは良いとして(笑)、近年、BSEや鳥インフルエンザ、新型肺炎など、動物の絡んだ伝染病が、社会的に大きな話題になるケースが目立つ。
僕ら獣医師に科せられる社会的使命もいよいよ大きい、などという真面目な話題はここではしない。
なぜなら、ここは
「気球研究所」だから、やっぱり気球の話題をする。

では、法定伝染病と気球の関係とは?
それは、2000年に92年ぶりに日本で発生した
「口蹄疫」である。
口蹄疫、それは偶蹄類に特異的に感染するウイルス病で、致死率は低いが非常に強力な伝搬力を持ち、感染した動物はもはや家畜としては無価値になってしまう。
さらに、一度発生すると、国際的に畜産物の輸出は停止され、清浄化されるまでは、一切、他国との畜産物の取引が出来なくなる。
また、野生の鹿やイノシシなどに感染すると、もはや清浄化は困難を極め、畜産業は成り立たなくなるおそれがある。
つまりは、
一国の畜産がダメになるかも知れない、そんな、コワイビョウキである。

で、そんなコワイ物が、夏の大会の直前、上士幌町のすぐ側で発生した。
口蹄疫が発生中に、どこからとも無くやってきた気球が、自分の土地に入ってきたら、
ましてや、そこが酪農家であったなら・・・
その後のトラブルは、想像するのも恐ろしい。
しかし、上士幌の夏の大会といえば、毎年恒例で、なおかつ町を挙げての一大イベントだ。
歴史も古い上に、全国から大勢のバルーニストが集まる、日本の気球会でもメジャー中のメジャーである。
これを止めろと言うのは、相当勇気の要る言動だ。
そんな中、(多分)日本でも数少ない、気球のパイロットで臨床獣医師でもある僕は、その両方の立場を秤にかけ、「やっぱ、こりゃ
中止でしょう」と思うに至った。
だって、所詮、酪農は生活、
気球は遊びだもの。
そこで、僕はメーリングリストで大会中止を意見してみた。
が、案の定、「な〜んで、そう言う事言うのかな〜」との反対意見が即座に返ってきた・・・

続く



←対外的に出しても良いのか判らないけど、
 こんなマニュアルを持ってます。
 これを見ると、感じると思うけど、
 所詮、気球は、「遊びの世界」、の話なんだよねー。