佐賀、卑弥呼杯の研究 その2


                


今回のパイロット、井上有美は、歴代の酪農学園大学の女性パイロットには珍しく、比較的キャラクターは弱い。
と、思っていたが、
違っていたようだった。
というのも、私立大学の獣医学科ともなれば、親の払っている年間の授業料も高いだろうに、この娘はそんな事も顧みず、あっさり
留年を決めた。
熱気球愛好会の獣医学科在籍者では、歴代初である。
とんでもない
金食い虫が、この娘の正体である。
とゆーわけで、前回の女王様キャラに続き、今回は
「親不孝キャラ」でチーム酪農学園は挑む事になった。



敦賀から佐賀までの陸路、途中の広島県で湯藤君を拾い、僕たちは中国道を南下した。
無事に佐賀入りし、近くの郷土料理屋で、シオマネキの塩漬けやムツゴロウの刺身など佐賀の味覚を堪能(?)した。その中でも、仮称「親不孝な卑弥呼様」は佐賀名物
イソギンチャク(!)を食し「グチョグチョした味」との名セリフを吐いた。何だよ、その「グチョグチョした味」って。
そんなこんなで、安着祝い兼討ち入りを無事に済まし、僕ら4人は翌日からの競技に備えて床に着いた。
ところが…



…結果を先に言えば、例年より早い梅雨入りにより、天候不順という事で僕らはノーフライトに終わった。
1/3ほどの気球がフライトを行い、タスクが達成された為、卑弥呼の名称もよそのチームに持って行かれた。
残念だったが仕方がない。
もちろん僕らは、ばりばりの競技指向ではないので、勝っても負けても、飛べても飛べなくても楽しければそれで良いとは思っている。(もちろん飛べるにこした事は無いけれど)
ただ、やっぱり北海道くんだりから来て、ノーフライトはやっぱり寂しい。
それより何より、みんな自分のお金と自分の時間を使って来て貰ったのに、こういう結末になってしまう事が、「言い出しっぺ」とすれば、辛いのである。
去年の琵琶湖横断も、沢山の人間を巻き込んだあげく、横断できなかった。
「旧交を温め合う」という意味では、企画した意義はあったが、やっぱり横断できなかったとなると、「言い出しっぺ」としては、気持ちの上で針のムシロである。
でも、だからといって、誰も何も言い出さなければ、現役学生とOBとの交流や、卒業後の気球の関わりが無くなってしまう。
精神的に辛くても、このマネージャー作業は続けなければならない。

結論 迷惑でしょうが、ムナカタは一生「ムナカタ」を止めません。

←多分、留年の理由は、
  アルコールではないと思うが…
  (じゃあ気球なのかよ?)
←空を見てため息をつく、
  酪農学園現役の井上、糸田両名。
  気持ちは判るが、どうにも出来ない。
  まぁ、ここは、
  マネージャーの日頃の行いが悪いと思って…