「女王様の披露宴」の研究
24日、女王様の結婚披露宴という事で、東京に行って来ました。
久々、女王様への
謁見となった訳だが、車を買い換えて金が無いのに、飛行機に乗らねばならない。
今まで、マイレージの関係で頑なにJALを使ってきたが、今回ばかりは安さにつられて
エアドゥを、初めて利用した。
(何しろ片道7000円くらい違う)
朝一番の便という事で、5時過ぎに起きて6時過ぎに家を出発、千歳空港8時発のB-767へと乗り込んだ。
何しろ初めてのエアドゥ、いったいどんなボロ飛行機かと身構えた。
しかし、立派なモンじゃないですか、エアドゥ!
座席こそやや狭いが、フランス遠征の時に乗ったエールフランスよりよほど綺麗だ。
CAだって可愛いし、ちゃんコーヒーのサービスだってある。
皆さんも利用しましょう、エアドゥ!

そんなこんなで、羽田空港に到着し、久々に東京の土を踏んだ。
そして、例によってモノレールで浜松町に向かったが、ここで衝撃の事実を知る。
『現在の富士山の天気』の電光掲示板が無くなっているじゃないか!」
生れて初めてこのモノレールに乗った時から、大学時代も、そして就職してからの各地大会への遠征時代も、常に、僕の帰省と旅立ちを見続けていた浜松町駅近くの『「現在の富士山の天気」の電光掲示板』が無くなっているのだ。
「そんな事も知らなかったのか…、僕はもう
東京の人ではないのだな…」
しみじみとそんな事を考えた。
人間とは意外な時に、意外な事で、意外な真実を悟るものなのだ。
たとえ傍目からは
「それがどーした」と思われても。

そんなアンニュイな気持ちになっていた僕に、さらに追い打ちをかける様な出来事が起こった。
「ち、地下鉄の乗り方が判からん…」
僕の留守中に営団地下鉄の総裁と東京知事は、どんどこどんどこ、東京の地下に穴ぼこ掘って、もはや僕の知っている地下鉄網とは別物になってしまっていた。
披露宴会場に向かうに当たって、地下鉄が便利だったのだが、訊いた事のない駅だったので、さてどうしようと思った。
調べてみると、丸ノ内線の「国会議事堂前駅」でも大丈夫そうなので、東京駅から、慣れた丸ノ内線に乗り込んだ。

さて、丸ノ内線の国会議事堂前で降りた僕は、指定された5番出口に向かった。
案内板に従って、5番出口に向かうのだが、不思議な事に、案内に従って歩を進めると、どんどん
地下に潜っていくのである。
ここは、地下である。なのに出口に向かおうとすると、さらに地下へ潜っていくとは、いったいどういう事なのか。
僕は合計、エスカレーターを3本、階段を4つ乗り継いで地下へ潜った。
「いったい女王様は、
何処で披露宴をやろうとしているのか?」
そんな疑問が頭に芽生えた頃、日本で一番深い地下鉄の駅、千代田線の国会議事堂前駅のホームに出た。指定された5番出口は、このホームの反対側にあるらしい。
僕はもう、うんざりした。
これじゃ、建て増しの上に建て増しを続けた計画性のない温泉宿と一緒だ。
(ちなみに千代田線の駅がこんなに深いのは、有事の時に国会議員をかくまう為の核シェルターだから、との説がある。ヤダヤダ…)

うんざりしながらも、もう一息だからと思い、ホームを端から端まで横切って、地上に向かうエスカレーターを乗り継いだ。
ようやく改札口が近づいてきた所で、
最大の試練が待っていた。
5番出口のすぐ近くに、実は
首相官邸があるのだ。
そして時あたかも、対テロ警備強化中。
全ての出入り口、階段、エスカレーター、エレベーターに警察官がうようよいる。
そして僕は、警官を見ると条件反射で目をそらし、180度方向転換をしてしまう。それはもう、反射的に…。
『もういい年なんだし、ちゃんと
税金も年金も払っているんだから…』とか思っても、やっぱりダメ。
5番出口を前に、いたずらにぐるぐるぐるぐる逃げ回り、余計に行動が怪しくなる。そうなると、さらに自分の行動に対して意識過剰になり、顔が紅潮し、汗が出てくる。
そうこうするうちに、披露宴の時間は刻一刻と迫っている。
もはや、力ずくでもこの警察の包囲網を突破しなければならない。
いや、力ずくで突破を試みたら、そのまま逮捕、事情聴取という事になり、もはや披露宴の出席さえ叶わないに違いない。
『うわー、どうしたらいいんだぁー!』
パニックに陥った僕は、心の中で叫び続けた…

結論 肝心な披露宴の事を書く前に、くたびれてしまいました。



←結局、遅刻した。
 ごめんね、女王様。