冬休み特別研究レポート
「オーストラリアをちょこっと研究」4
オーストラリアの全体的な印象は、『ベトナム戦争より前の「挫折を知らなかった頃」のアメリカ』。
きっとその頃のアメリカは、多分こんな国ではなかったのかなぁと思う。
もちろんそのころのアメリカを僕は知っている訳ではないが、内陸の、時間の止まった様な小さな町を訪れてみると、映画『スタンド・バイ・ミー』に出てきた様な風景がそこここで見られる。
フレンドリーだが退屈、日本人に優しいが訛りがきつくて判らない、アジア人のいるところの食事は美味しいが後は全くだめ、など。
また、別の部分では、ロス・マクドナルドやチャンドラーの小説に出てくる様な、ちょっとハードボイルドっぽい風景も見かけた。
日本人のリタイア組の移民にも積極的なので、『体を動かすのが好きで、世間の動きに関心が無く、わりとすぐ誰とでも仲良くなれ、何より家族を大事にする』人は、移住を考えてみたらどうでしょうか?
ハワイなんかよりのんびりしていて、良いかも知れません。
但し、その前の段階で、
『十分な貯金と年金』という、ハードルがありますが…
オーストラリアは固有動物の宝庫である、とは、よく言われる事です。
カンガルー、コアラ、カモノハシ、フクロネズミ…
まあもちろんそうなんですが、それより僕が書きたい事は、『オーストラリアは鳥天国である』と言う事だ。
とにかく鳥の種類、数、共に多く、また、あまり人を警戒しないのが何よりびっくりした。
これは、文明の入ってくるのが遅く、また、その直後に自然保護の潮流が起きて、あまり鳥たちが狩猟の対象になる機会が少なかったからだと思う。
鳥好きの方、行ってみたらどうでしょうか?
きれいなレインボーロリキートとか、やたらでっかいエミューなど、
バリエーションも豊富です。

動物の方も、あんまり人間に襲われた記憶もないのか、至ってのんびりしている奴らばかり。

見ているだけで、働く意欲をなくします。
肩を掴んで『しっかりしろ!』などと言いたくなるのは、日本人の悪い癖でしょうね。
なんか動物たちが『いーじゃん、別に…』など言っている様に聞こえました。
最後の写真は、今回の旅行で一番印象に残った風景です。
これは、ビールを買おうと思って寄った、なんと言う事のない酒屋の裏で見かけた風景です。
そこは、ゴールドコーストの観光地から少し離れた、入り江の別荘地なのか住宅地なのか判りませんが、静かな運河状の汽水川に沿って住宅の並ぶ所でした。
夕暮れ時、別荘の住人が運河にカヤックを出艇し、水鳥達が遊ぶ運河をゆっくりとクルージングしてました。
彼はきっと、昼の仕事を終えて、その後の夕食の前に、少し運動するつもりで運河に出てきたのでしょう。
水鳥達は、彼が近づくと少し避けるだけで、あとは悠々と餌取りに専念してました。
僕はその風景を見ながら、ビールを飲み、こう思いました。
『死ぬのなら、こんな所だよな』
←こんな事をやっていては、
 明るい老後は望めません。
 (Tooglewash D/Zにて)
←子供と動物達は、いつも仲良し