NOTE - モータ編 - モータの選択とギアマッチング
last update - 2002/09/12
ロボコンで使うモータは、特性とコストとの兼ね合いで、ブラシDCモータ(以下、DCモータ)と、ステッピングモータにほぼ限られます。ステッピングモータは、私が使ったことがないので、以下、DCモータに限って、最適な選択をするための手法の一例を説明します。
1. DCモータの基本特性
/ 2. 減速装置の意味 / 3. モータの選択方法 / 4. ギヤマッチング
1.
DCモータの基本特性
モータ選択をするとき、DCモータの基本特性をもとに計算する必要があります。
# 詳細は、モータメーカーの資料を読むのがいいです。
最初に、DCモータの特性を表す記号を定義しておきます。
# 資料によって、記号が違うかもしれません。
# 意味を考えれば読み替えができると思います。
n
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rpm
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回転数
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->
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ω
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rad/s
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角速度
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T
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N-m
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トルク
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kgf-cm
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Kn
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rpm/V
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回転数定数
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Kt
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N-m/A
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トルク定数
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v
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V
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電源電圧
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i
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A
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モータ電流
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R
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Ω
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端子間抵抗
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vrev
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V
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逆起電圧
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DCモータのトルクは、そのとき流れている電流 i に比例します。
T = Kt * i
また、モータは自分で回転すると同時に発電機でもあるため、回転数に比例した逆起電圧を発生します。
vrev = Kn * n
V - Vrev が端子間に加わると、電流 I は 端子間抵抗 R を使って、
i = (V-Vrev) / R
ここから、次の等式が成り立ちます。
T = Kt * (v-vrev)/R = Kt * (v - Kn*n)/R
種々の特性を求めたいときは、この式を変形していきます。
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2. 減速装置の意味
通常、必要とする特性-特にトルク-をモータ単体で出すことは不可能で、その場合は減速装置と組み合わせることになります。
理屈をこねるまでもなく、減速比(μ)の比率で、回転数が下がり(上がり)、反比例してトルクが上がり(下がり)ます。
これを、1.で出てきた数式の意味上で考えると、減速前の特性を Kn,Kt / 減速後の特性を Kn',Kt'とすると、
Kn' = Kn / μ
Kt' = Kt * μ
とすとことと同意義となります。
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3. モータの選択方法
モータの選択には、いくつもの要素が絡み合ってきます。
一般的には、
- 回転数が必要なだけ出せるか、
- トルクが必要十分か、
- 運転領域での発熱が許容内におさまるか、
- 寸法が組込先に収まるか、
- 用意できる電源電圧で動作するか、
- 入手は容易か、
- 価格が予算内におさまるか、
といった項目について検討することになります。
重要なのは、これらの項目について、どれを優先してどれを妥協するのか、目的から優先順位を決めて検討することです。
ここでは、モータの特性から選択する(選択が正しいか確認する)手法の一つを紹介します。
a) エネルギーから計算する。
機構側から、回転数とトルクの要求値を出しておきます。
b)
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4. ギヤマッチング
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