1.ドレイン耐圧 / 2.ゲート駆動電圧
/ 3.負荷の種類 / 4.連続電流
/ 5.ピーク電流 / 6.熱計算
1.ドレイン耐圧
ドレイン-ソース間の電圧がデータシートに記述されているを越えると FET は破壊します。to top
多くの場合、MOSFET は大電流を扱う回路に使う上、MOSFET の破壊モードは基本的に、通電モードなので、耐圧破壊を起こした場合、悲惨な目に遭います。
この項目は無理をしないようにしましょう。負荷の種類によって、電源電圧に対する余裕が変わってきます。
だいたいの目安として、
通常負荷 電源電圧 * 1 以上 誘導性負荷 電源電圧 * 2 以上 モータ負荷(パルス制御無し) 電源電圧 * 2 以上 モータ負荷(パルス制御有り) 電源電圧 * 2.5〜3 以上 ノイズが押さえ込めない環境ならば、さらに安全率を高める必要が有るでしょう。
但し、不必要に耐圧の高い素子を使うと、ON 抵抗が大きくなり、価格も上がるので適当なところに押さえた方がいいです。
FET は、駆動特性によって エンハンスメント型とディプレッション型に分類されますが、Power MOSFET は、(知っている限り)すべてエンハンスメント型です。to top通常、FET を直線領域で使うことはないので、完全に ON する電圧をかけてやります。
最近は、5Vロジックで直接駆動できるよう、4V でON する素子が多くなっていますが、そのような素子でも 10Aを越える電流を流すときは 10V 以上をかけた方がいいようです。
しかし、あまり高すぎる電圧をかけても意味がないし、電圧を上げすぎるとノイズでゲート耐圧(Vdss 30〜250V , Id 5〜70A程度のものだと 20V程度) を突破して素子が破壊する可能性があります。私の経験だと、モータ負荷の場合、12〜15V 程度が良いようです。
また、ゲート駆動電圧が極度に不安定だと、発熱する傾向があるので、適当に安定させておきましょう。
負荷が、通常負荷なのか、容量性負荷なのか、誘導性負荷なのか、モータ負荷なのか、それぞれの場合で必要なパラメータの係数が変わってきます。to top
連続電流(平均電流)は、発熱に関わってきます。to top
これによって、必要な素子の規模、ヒートシンクの大きさが変わってきます。ちなみに、メーカの連続電流定格は、完全放熱時の値なので、実際にはかなりのディレーティングをする必要があります。
ヒートシンクを全くつけていない状態では、定格の 1/5〜1/10 くらいが実用限度でしょう。
ピーク電流は、何があっても FET の絶対定格(瞬間定格)を越えないようにします。to top
一瞬でも定格を越えると素子が破壊する可能性があります。特に、パワーFET は、大電流を使うので、素子が破壊すると大変危険です。
# 経験者は語る(^^;
上記項目とFETの特性から計算します。to top
計算結果がぎりぎり許容温度を超えないようでも、実際に動かすと周辺への影響が大きくて使えないものになる場合があるので、熱計算に関する余裕は大きめにとっておいた方がいいでしょう。